今回、「プレミアムレビューなあ……とりあえず送っておこ!」とZigsowにプレミアムレビューしたいって送ったら通ってしまい、若干マジかよと思っております。
そんなプレミアムレビューをするのはWestern Digitalの「WD Black PCIe SSD(WDS512G1X0C)」となります(Blackだから背景ブラックにしてみた)。
WDってHDDのイメージなんですが、SanDiskくんを買収したためSSDでも存在感を放ち始めましたね。
手持ちのウェスタンデジタルファミリー。イエローを加えれば信号機の完成です。
当方はじめてのPCIe接続タイプのSSDのため、少しびびりながらレビューしていきたいと思います。
使用したPCのスペック
まず、今回使用したPCのスペックをば。
Core i7 7700
MSI H270I GAMING PRO AC
ASUS GTX1060 STRIX-6GB
DDR4 16GB
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP(525GB,SATA3 6GB/s,M.2)
サンディスク SDSSDHⅡ-480G 480GB
Silverstone SST-SX600-G(SFX電源、600W)
Silverstone SST-ML08B-H(PCケース。取っ手付)
リテールクーラー
サンディスク君はとりあえず載っけているだけなので、今回のレビューでの比較対象はゲームを搭載しているCrucial MX300 CT525MX300SSD4/JP(525GB,SATA3 6GB/s,M.2)となります。
WD Black PCIe WDS512G1X0C 外観と技術仕様
レビューするWD Black PCIe WDS512G1X0Cの外観をみていきましょう。
まずは外箱から。iPhone 6S Plusくんを並べてみました。iPhone 6s Plusほどの高さに、横は1.5倍ほどです。
そして中身をドン!
小さっ!!
iPhone 6s Plusの4分の1もありません。いやあ、2.5インチSSDと見比べると本当に小さいです。本当に512GBもあるの? と疑ってしまうほど(お前CrucialのM.2SSDは持ってんだからサイズ感知ってるだろというツッコミは勘弁してください)。
PCにセットしてみました。
よく見ると、チップがSanDiskです。SanDiskくん、居場所があってよかったね……。
技術仕様を見ていきましょう。
容量
512GB
インターフェース
PCIe Gen3 8 Gb/s
フォームファクター
M.2 2280
シーケンシャル読み取り/書き込み
512GB
最大2,050 MB/sの読み取り
最大800 MB/sの書き込み
さすがPCIe、速度が「うわぁ」とちょっと引いてしまうくらい速いです。はてさて、本当にその速度がでるのか? 試していきます。
WD Black PCIe WDS512G1X0Cのベンチマーク
ではベンチマークの比較といきましょう。ソフトはCrystal Disk Mark 5.2.1 Shizuku Edition x64を使いました。
まずは、比較対象のCrucial MX300 CT525MX300SSD4/JPから。
PCIe系SSD童貞の僕からしたら、MX300くんも十分速いじゃんとなってしまう数字です。では、主役であるWD Black PCIe WDS512G1X0Cのベンチマークを、ドン!
シーケンシャル読み取りで比較用SSDの3.6倍という速度がでてしまいました。これでまだ公称値より200Mb/sほど少ないって恐ろしいですね。
CrystalDiskMark© 1998-2017 hiyohiyo
WD SSDならAcronis True Image WD Edition(クローン作成用ソフト)が無料!
WD Blueの1TBSSDを使ったときから知っていたのですが、WDのSSDはSSDのクローン作成用ソフトであるAcronis True Image WD Editionが無料で使えます。なので今回使ってみました。
本ソフトは、WDのSSDのみ使えます。クローン元がWDのものである必要はありませんのでそこは安心してくださいね(それとうっかりスクショを撮り忘れていたので画像無しで進みます)。
このソフトはWDのホームページの「サポート」、その中の「ダウンロード」>「WD ソフトウェア」から手に入れることができます。
今回、本ソフトを使用して、Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JPからWD Black PCIe WDS512G1X0Cへクローンを作成しました。
なかなかスムーズに認識してもらい、難しい設定なく進めることができました。
そのため、WD Black PCIe WDS512G1X0Cに限らず、WDのSSDを購入してクローンする場合は、本ソフトの使用を勧めます。
今後重いデータを取り扱うことになるVRゲーム全般から見たらやはりロードは差がでるほど速い
では、今回のプレミアムレビューテーマ、「VRゲームのロード時間どうなの?」を進めていきます。
VRゲームは、動画撮影の関係上、Steamにて起動ボタンを押してから、VRヘッドセットに映るまでのロード時間を計測していきます。
また、ゲームの占有しているデータ量も書いておきます。VRゲームは通常の大型のPCゲームと比べると案外容量が小さいので、ロード時間の差がでないかもという保険です。
・Airtone(850MB)
VRゲームはやっぱりまだ知っている人が少ないので、簡単なゲーム説明もつけておきます。
本ゲームは、VR音ゲーです。コントローラーを振ったりボタンを押しながら振ったりすることで、スコアを得ていきます。ネオンちゃん可愛い。
では、起動時間を比べていきましょう。
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP→35秒
WD Black PCIe WDS512G1X0C→30秒
5秒差がでましたね!
© AMG GAMES All rights Reserved.
・SUPERHOT VR(3,745MB)
2D版のゲームからVR版が作られ、ヒットしたゲーム。「自分が動いている間だけ時間が動く」という世界の中で敵と戦闘します。アクションゲームが苦手でも、自分が動かなければ状況が変わることはなく、急かされないので非常に遊びやすいです。マトリックスごっこできます。
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP→18秒
WD Black PCIe WDS512G1X0C→22秒
まさかのWD Black PCIe WDS512G1X0Cが4秒遅いという結果に。ちょっと困惑しております。
……次行ってみましょう。
・RAW DATA(8,057MB)
両手に剣や銃をもって迫り来る敵を倒していくVRアクションゲーム。なんと、マルチで協力プレイも可能です。発売月に100万ドルの売り上げを達成するなど、VRゲームの中でも飛び抜けて人気です。
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP→1分4秒
WD Black PCIe WDS512G1X0C→55秒
やっとまともな速度の差がでてきました! 9秒差です!
©2017 All rights reserved. Raw Data is a trademark of Survios, Inc.
・Job Simulator(1,145MB)
2050年の近未来、人類はロボットに仕事を全てぶん投げていました。そのため、暇になった人類は、お仕事を体験するという遊びを覚えたのです。といった感じのSF設定があるゲーム。お仕事シミュレーターと言っておりますが、遊びなので真面目なシミュレーターではありません。コンビニ業務中にジュースを飲んだり、炭酸ジュースを振って店内でぴょんぴょんさせたりと、カオスなことができます。ストレス発散にうってつけ!
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP→21秒
WD Black PCIe WDS512G1X0C→21秒
まさかの起動時間一緒。これ商品もらっておいたレビューなのに大丈夫なのかな(本音)。
© 2017 Open Source Licenses Owlchemy Labs
さて、WD Black PCIe WDS512G1X0Cの勝利数などをみていくと、VRゲーム4本勝負では、2勝利1敗北1引き分けとなりました。
最近のゲームの容量に迫りそうなRAW DATAは、きちんと速度の差による起動時間の差がでています。容量の小さいその他3つのゲームは、速度差がそれほどアドバンテージを持てなかったのか、少し微妙な差で終わりました。
しかし、今後、VRゲームはRAW DATAのような、ゲームの容量が大きいものが増えていくことでしょう。今までのゲームがそうであったように。
このことを考えると、今現在ではあまり差はでていないですが、将来的に容量の大きいVRゲームをやっていく上では、WD Black PCIe WDS512G1X0Cの速度は大きなアドバンテージになると思います。
さて、最後にVRゲーム関係なしにいれたレビュー課題、BattleField1の速度差を見て締めましょう。というのも、今まで上で出したVRゲームは、ロード時間が速くても、ゲームの有利不利には関係ないものが多いためです。もちろん、ロードが速いほうがVRゲームの切り替えがシームレスになるので、ストレスは軽減されるんですけどね。
しかし、Battle Field1はオンラインゲームということもあり、1分1秒が争われるゲームです。さあ、今度こそその速度差を見せつけるのだ! WD Black PCIe WDS512G1X0C!
・Battle Field1(60.1GB(60,100MB))
上記VRゲームと比べると恐ろしく重たいファイル容量ですね……。こちらは、サーバーに接続してからゲームが始まるまでのロード時間を計測しています。サーバーはどちらもping値3くらいの日本サーバー、マップも同じものを使用しています。
Crucial MX300 CT525MX300SSD4/JP→42秒
WD Black PCIe WDS512G1X0C→34秒
8秒差がつきました。BF1は本当にスタートダッシュが肝心であるため、この時間差でもとっても有利になることは変わりません。
© 2017 Electronic Arts, Inc.
やはり速度差は体感できる
SATAのSSD(しかも割と最近のもの)→PCIeのSSDという、一般的には「体感差はないよ」と言われるものでの起動時間の計測となりました。確かに、一部ゲームは起動速度に差はありませんでした。
しかし、大型ゲームとなると話は別。8秒、9秒の差は十分に「お、速い」と思えるものです。
正直、「体感差ないでしょ」派だったので、HDD→SATAのSSDほどではないにしろ、起動時間に差が出たのは驚きです。
WD Black PCIe WDS512G1X0C 気になる温度
さて、レビューの自由課題にうつります。というのも、M.2のPCIe接続SSDって、温度がすごく高いとか聞いているんですよね。実は、今までPCIe接続SSD童貞を守ってきてたのって、温度の面がありました。
では、WD Black PCIe WDS512G1X0Cの温度はどうなのでしょうか? 計測にはCrystalDiskInfo 7.0.5 Shizuku Editionを使用しました。
・アイドル時の温度
・ベンチマーク直後の温度
警告真っ赤なところが気になりますね。しかし、70度(一般的なSSDの制限がかかる温度)には達していないため、十分かと思います。不安には違いないですけどね。
今回はヒートシンクなどを載せていない状態で計測したため、不安な人はヒートシンクなどを載せてもいいでしょう。僕はまあいいかなとこれで放置します。
CrystalDiskInfo © 1998-2017 hiyohiyo
速度と将来性を考えるとこれでいいが、SATAで十分と考える人をひっくり返せるほどではない……
価格comでの2017年7月29日現在のWD Black PCIe WDS512G1X0Cの価格は24,866円です。500GB付近ですと、WD Blue(SATA,2.5インチサイズ)の18,127円が非常にまぶしく感じます。
また、WD Blue(SATA,M.2)のものが18,028円。そのため、WD Black PCIe WDS512G1X0Cの競争相手はSATA接続のものを求める人ではないようです。
しかし、上を見ると、29980円台には、サムスンの960 EVO M.2 MZ-V6E500B/ITという化け物がいます。読み取り速度が3200MB/sなので、少し本機には分が悪い相手です。
僕がWD Black PCIe WDS512G1X0Cを買うだろう人は、おそらく、僕と同じ、PCIeに手を出してみたい人かと思います。その点では、本機は上であげたSSDの中間に位置する価格であり、なおかつ、ヒートシンクをつけなくてもどうにかなる程度の温度のため、手軽です。
ただし、SATA接続のSSDの値段をみると、どうしても+6000円する勇気が必要になりますね……。
安心できるM.2のPCIe接続SSD
WD Black PCIe WDS512G1X0Cは、ヒートシンクなどを考えなくてもどうにかなる温度、実感できる速度から、「初めてのPCIe接続のM.2SSD」に最適です。
特に、BattleField1など、オンラインゲームをしている人は、+6000円する勇気をもってでも買うべきではないでしょうか。
ただし、SSDから速度を求めて本機に乗り換えるのは少しコスパが悪いと思うので、それはおすすめしません……。
SSD(256GBクラス)だと少し容量が足りないという人には十分オススメできるものだと思います。まあ、もう少し値段が安くなって、SATA接続と+3000円程度だともっと乗り換えやすいかなあとは感じましたけどね。
PCIe接続の温度怖い、けど使ってみたいという人にはうってつけのSSDです!
今後の予定
もうサブデスクトップのOS移したのでこのまま運用します。CrucialくんとSandiskくんもあわせて1.5TBのSSDを積んだモバイルデスクトップが完成! 頭おかしい!
今回このような機会を与えてくれたWeternDigital社とZigsowに感謝!
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