今回のレビューは「Seagate FireCuda 2TB ~ゲームやアプリケーションの長い読込時間を解決~」のレビューアー選出によるものです。
この度はレビュアーに選んでいただきありがとうございます。
この場をお借りして御礼を申し上げます。
今回レビューするSeagate FireCuda。
Seagate BarraCudaの流れをくみつつ、HDDでありながら強力な高速性を備えたもののようです。
先ずはFireCuda本体の表面。
BarraCuda系列である事がシンボルマークからも判ります。
色合い的にも基本的にはBarraCudaと同じですが、赤のラインがFireCudaのシンボルカラーになっているようです。
表面にはシリアルやPSID(物理的なセキュアID)番号が記載されています。
(上の写真では該当箇所をマスクしてあります。)
一応裏面も。外観からは一般的はHDDとの違いは特に感じられませんね。
一見相反する大容量と高速度を最新技術で両立
「Seagate FireCuda をノートPCに換装」と言うことなので、作業手順を追いながら換装していきたいと思います。
今回使用するのはノートPC、東芝dynabook Satellite B241/W2CC PB2412CCSGBWです。
このPCの中には現在TranscendのSSDが入っています。
今回は このTranscendのSSDからSeagate FireCudaへの換装を行います。
前準備
先ずは現在の環境をTranscendのSSDからSeagate FireCudaへ移行する必要があります。
ノートPCですので内部増設は不可能、と言うわけで外付けドライブとしてSeagate FireCudaを接続しますが、今回はサンワサプライのクレイドル式ハードディスクリーダ/ライタ TK-CR2U3を用いて認識させます。
そしてPCに繋いだ所。これ以降、クローニングが完了するまで暫くこの状態です。
TK-CR2U3にSeagate FireCudを挿してからPCに繋ぎ、TK-CR2U3の電源を入れるとSeagate FireCudがPCに認識されます。
認識されるとディスクの初期化を聞いてくるので、素直に初期化を行います。
細かいことは気にせずに標準設定のまま進んでいけばOKです。
ボリュームサイズも初期状態のドライブ全体を割り当てます。
ドライブ文字も何でもOKです。
フォーマットも行っておきます。
ディスク0がTranscendのSSD、ディスク1がSeagate FireCudaです。
クローニング
それではクローニングを行いたいと思います。
使用するのは定番のEaseUS Todo Backup。
フル機能を使うには有料ライセンスが必要になりますが、クローニングだけなら無料で利用できます。
ソース(クローン元)の選択。当然TranscendのSSDであるディスク0を選択します。
そしてターゲット(クローン先)の選択。
勿論Seagate FireCudaであるディスク1を選択します。
先程Seagate FireCudaを初期化してドライブレターを割り当てたのは、ここで表示するため、かつ解りやすくするためです。
少なくとも初期化しないと、ここに表示されないのでクローン作業が出来ません。
ソースとターゲットの選択が完了すると、クローンのイメージが表示されます。
TranscendのSSDは256GBのものですので、SSDとしてはそれなりの容量ですが、2TBのSeagate FireCudaと比べると、その差は歴然。あまりの差に驚きますね。
実行をクリックすると最終確認です。ソースとターゲットを間違えていたりすると大変な事になりますので、しっかりと確認してから先へ進みましょう。
クローニングが開始されると、後はじっと我慢の子、待つしかありません。
ちなみに当初予定で表示された残り時間が、進むに連れ増えていき、今回の場合だと3時間強かかりました。
一度クローニングを始めてしまうと電源切れなくなるので、数時間放置しておいて構わない場所で作業を行うようにしましょう。
完了後にシャットダウンにしておけば、クローニング終了後にPCの電源落としてくれるので、開始後放置が楽ですね。
ディスクの換装
クローニングが完了したら、今度はドライブの換装です。
今回は換装手順を動画にしてみました。
他機種でも基本的に作業手順自体は同じです。
ドライブ換装と言うと敷居が高そうに感じますが、実際にやってみると、とても簡単な事が判ります。
新世代のドライブ
換装した結果どうなったのかを見てみたいと思います。
どれだけ変わった?
動作速度の比較としてBootRacerを用いて起動速度の比較を行います。
先ずはTranscendのSSDで完全電源OFFの状態からの起動速度。
そしてTranscendのSSDで再起動時の起動速度。
今度はSeagate FireCudaで完全電源OFFの状態からの起動速度。
Seagate FireCudaで再起動時の起動速度。
クローニングしているので、どちらも中身は同じです。
ここで注目したいのが、「Windowsブート」と「デスクトップ」に要する時間。
当然数値が小さい方が速い訳ですが……
先ずTranscendのSSDでもSeagate FireCudaでも、完全電源OFF状態から起動するよりも、再起動の方が速いのは当然ですね。
「Windowsブート」ではTranscendのSSDが15→11、Seagate FireCudaが40→34。
この数値だけ見ると「あぁ、やっぱりSSDって速いんだな、速いと言ってもHDDはHDDか……」と思ってしまいます。
ところが、これが「デスクトップ」となると、TranscendのSSDが58→61、Seagate FireCudaが85→40と不思議な現象が起きています。
TranscendのSSDの方の時間が増えているのは解せませんが、スタートアップに登録されているアプリの処理で差異が生じた(状態確認系のアプリで情報取得の時間差が生じた)等の誤差レベルの物だと思われます。
一方のSeagate FireCudaは85から40と半分以下に、つまり倍以上の速度が出ていることになります。
そして再起動時の40と言う速度はSSDの最速時の58よりも速くなっています。
Seagate FireCudaの謳い文句である「FireCuda ドライブは、最新のNANDフラッシュ技術と従来のハードディスク・ドライブを融合させることで、大容量と通常のハードディスク・ドライブの最高5倍の高速性をコンパクトに実現します。」が真価を発揮した結果がこれなのですね。
つまりHDDの大容量を活かしつつ、多用するアプリは最新のNANDフラッシュ技術でキャッシュしておき高速で読み込める状態にする事で、大容量かつ高速と言う一見相反する状態を実現可能にしている訳です。
HDDにメモリキャッシュを併せて読み出し高速化するという事自体は以前から行われているものです。
過去にはUSBメモリを用いて高速化を行うReadyBoostなんてものもありました。
HDD自体の速度も然りですが、最新のNANDフラッシュ技術によりメモリキャッシュの速度もかなり高速になっていて、全体としてとてつもない速度のドライブになっています。
書き込み速度については最新のHDD並とは言え、PCを使う上で書き込み速度が求められる状況は多くありません。
寧ろ求められるのは読み込み速度です。
Seagate FireCudaが最大限に力を発揮するのは、やはりオンラインゲームだと思われます。
オンラインゲームの場合、読み出し速度が重視されるのは勿論ですが、動作環境(クライアントのダウンロードとインストール含む)として数十GBのHDDの空き容量を求められる事が多いです。
例えばスクエニのFF14では30GB以上、SEGAのPSO2では40GB以上、GameOnの黒い砂漠に至っては90GB以上も求められています。
1つのゲームだけなら良いですが、256GB程度のSSDだと複数のゲームを並行してプレイするのは、かなり厳しいと言えます。
今回は使用しているノートPCが、そもそも独立グラフィックチップを搭載していない事務用PCのため、オンラインゲームをプレイするなど論外ですが、これがゲーミングノートPCであれば、高速な読み出し速度と大容量を兼ね備えたSeagate FireCudaは心強い味方になってくれるのではないでしょうか?
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