zigsowプレミアムレビュー ”Seagate FireCuda 2TB”のレビューです。
"PlayStation4のHDDをSeagate FireCudaに換装してゲームをプレイし、製品の性能や機能、パフォーマンスの変化を検証せよせよ!”ということで、新型PlayStation4の上位モデル”PlayStation4 Pro”に取り付けて検証してみました。
Seagateの新HDD”FireCuda”シリーズの2.5インチモデルST2000LX001です。
2016年10月下旬に発売となった”ゲーム、クリエイティブ・プロフェッショナル・アプリケーション向け”の製品で、8GBのNAND型フラッシュメモリを搭載したHDD”SSHD (ソリッドステートハイブリッドドライブ) ”の2TBモデル。
2.5インチモデルは2TBの他に、1TB、500GBの3種類がラインナップされています。
2.5インチHDDとしては最大容量の2TBモデルでも高密度プラッタを採用していため本体の厚みは7mmと薄くなっていて汎用性もあります。
<主なスペック>
・インターフェース:SATA3.0
・回転数:5,400rpm
・プラッタ数:2枚
・NAND flash:8GB MLC NANDフラッシュ
・キャッシュ容量:128MB
・転送速度:140MB/sec
・製品保証:5年間。
・厚さ:7mm
届いた製品はブリスターパッケージに納められていました。
付属品はありません。
ディスクベンチマークアプリの定番”CrystalDiskMark”を使用して性能を検証してみました。
データサイズはFireCudaのキャッシュ容量を考慮して100MBと1GBの2パターンで計測しています。
比較用として古めの製品ですが手持ちのSeagate製2.5インチHDD”Seagate ST1000LM024 1TB”とPlayStation4 Proに搭載されていた”東芝 MQ01ABD100 2.5”のスコアを用意しました。
●Seagate FireCuda 2TB
まずはSeagate FireCuda 2TBのスコアです。
一般的な2.5インチHDDと比べてランダムアクセス性能とくにリード性能の向上が確認できます。
シーケンシャルアクセス性能も110MB/sを越えるスコアと過去の2.5インチHDDと比べると高速になっています。
●Seagate ST1000LM024 1TB
こちらは比較用の”Seagate ST1000LM024 1TB”のスコアです。
シーケンシャルアクセスは90MB/s台と2.5インチHDDとしては比較的高速なスコアとなっています。
(使用中のドライブにつき2000GBほど使用している状態のためスコアは参考程度に。)
●東芝 MQ01ABD100
こちらはPlayStation4 Proに搭載されていた比較用の”東芝 MQ01ABD100”のスコアです。
PlayStation4 ProはSeagate FireCuda 2TBに換装したので、Windows PCで初期化してベンチマークテストを実行してみました。
2011年から販売されている製品で、ランダムアクセスはHDD相応のスコアとなっていますが、シーケンシャルアクセスは約110MBと2.5インチHDDとしては高速なスコアです。
PlayStation4 ProのHDD交換手順を紹介します。
作業を開始する前に水道の蛇口や金属製の棚などに触れて体に溜まっている静電気を抜いてから作業を行ってください。
システムのアップデートファイルとセーブデータのバックアップは手持ちの”Transcend 16GB USB3.0 メモリ TS16GJF700PE (FFP)”を使用しました。
コントローラーの再登録の必要もあるのでUSBケーブルの用意を忘れずに。
動画やスクリーンショットの撮影には高性能なUSB 3.0対応キャプチャーユニットの
AVerMedia Live Gamer EXTREME GC550を使用しました。
レビューで使用しているPlayStation4 Proは後日登録する予定です。
(1)システムアップデート用ファイルの準備
作業を開始する前に下記のSONYのサイトからPlayStation4 Proの再セットアップに必要となるシステムの”アップデートファイル(システムソフトウェアの再インストール用) 約850MB”をダウンロードしてUSBメモリにコピーします。レビュー作成時のシステムのバージョンは”4.06”です。
□PlayStation®4システムソフトウェア アップデート
http://www.jp.playstation.com/ps4/update/
ダウンロードしたファイル”PS4UPDATE.PUP”はUSBメモリの”/PS4/UPDATE”フォルダに配置します。
(2)ゲームのセーブデータのバックアップ
HDDを交換する前にゲームをプレイしている場合は”設定>アプリケーションセーブデータ管理”からゲームのセーブデータをUSBメモリへバックアップ(コピー)します。
有料サービスのPlayStation Plusへ加入している場合はオンライン・ストレージもバックアップ先として利用可能です。
(3)HDDからSSDへ換装手順
PlayStation4 Proは必ずスタンバイモードではなく電源オプションからPS4の電源を切ります。
HDDベイのフタは新品時ブルーのテープが貼られています。
封印シールではないので剥がしても問題ありません。
HDDベイのフタはLAN端子側に少し押す感じて赤い矢印側に力を加えると簡単に外れます。
返しがあるので無理に取り外そうとすると折れる可能性があるので注意しましょう。
HDDベイのフタを外すとPlayStation4 Pro本体フレーム内部にHDDが収まっているので赤丸の部分のネジ1本を外します。
HDDステーをHDDベイから引き抜きます。
HDDを固定している赤丸の部分のネジ4本を外してHDDマウンタから元の1TB HDDを取り外します。
ちなみに元のドライブは9.5mm厚の東芝 MQ01ABD100でした。
FireCuda 2TBをマウンタに取り付けて4本のネジで固定しなおしてからPlayStation4 Pro本体のHDDベイに戻し、HDDステー固定用ネジで固定してHDDベイのフタをします。
以上でドライブの交換作業は完了です。
(4)システムの再インストール
HDDを交換した後はシステムを再インストールします。
初めに用意した再インストール用のアップデートファイルを配置したUSBメモリをUSBポートにセットしてPlayStation4の電源ボタンを7秒ほど押し続けて”ピッ”と音が鳴ったら電源ボタンから手を放します。
PlayStation4がセーフモードで起動します。
画面の指示に従いDUALSHOCK4をUSBケーブルで接続してPSボタンを押します。
セーフモードのメニューが表示されたら(7)のPS4を初期化する(システムソフトウェアを再イントールする)を選択。
(セーフモードの画面はHDCPがオンになっているのかLive Gamer EXTREME GC550で撮影できません。その為デジカメでディスプレイを撮影した関係で画像が荒くなっています。)
後は画面に従ってシステム・インストールを進めます。
今回は新品のHDD(SSHD)と交換のためデータは元から入っていませんが、交換するドライブにデータが入っている場合はバックアップを忘れずに行いましょう。
準備ができると自動的に再起動してシステムソフトウェアのアップデート(再インストール)が開始されます。インストールが終わると再起動してPlayStation4 Proが起動します。
(5)セーブデータのリストア
手順(2)でゲームのセーブデータのバックアップした場合はPlayStation4本体にコピーして作業は全て完了です。
HDDの交換作業自体は簡単です。注意点はゲームのセーブデータの管理でしょうか。
作業前にセーブデータやスクリーンショット(撮影している場合)などのバックアップを忘れずに行いましょう。
●ストレージの空き容量について
Seagate FireCuda 2TBのユーザー領域は1.77TBです。
標準搭載の1TB HDDと比べて約二倍になりました
これだけ空き容量があると複数のタイトルをインストールしても余裕があります。
空き容量を気にせずゲームプレイに集中できます!
標準搭載の1TB HDDとFireCuda 2TBでPS4 Proやゲームタイトルの起動など速度に変化があるのかを検証してみました。検証に使用したタイトルは”The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION”です。
<PS4 Pro 起動時間>
・1TB HDD:22.20秒
・FireCuda 2TB:20.05秒
電源オンからユーザー選択画面が表示されるまでの時間を計測しました。
FireCuda 2TBの方が2秒ほど高速な結果に。
<PS4 Pro スリープからの復帰時間>
・1TB HDD:9.82秒
・FireCuda 2TB:10.89秒
スリープからの復帰はわずかですが1秒ほどFireCuda 2TBが遅い結果に。
<スカイリム インストール 起動時間>
・1TB HDD:13分48.29秒
・FireCuda 2TB:13分44.74秒
スカイリムの初回起動時にデータのインストールにかかる時間を計測してみました。
約13GBのデータを内蔵ストレージにインストールします。
ゲームソフトのインストール時間については差がでると予想していたのですが、その差はわずか4秒でした。
<スカイリム タイトル画面までの起動時間>
・1TB HDD:24.01秒
・FireCuda 2TB:23.79秒
<スカイリム タイトル画面からセーブデータのロード時間>
・1TB HDD:24.77秒
・FireCuda 2TB:22.72秒
スカイリムはゲームの起動からセーブデータのロードまで含めると2~3秒程度FireCuda 2TBが高速な結果になりました。
ロード時間の差を分かりやすく比較できるように、スカイリムの起動からセーブデータのロードの進行状況を撮影して読み込み速度を比較できるように合成してエンコードしてみました。
左側に標準搭載の1TB HDD、右側にSeagate FireCuda 2TBの動画を配置しています。
連続して読み込みが発生すると、ロード時間に差が開いていくことが分かります。
こちらはFireCuda 2TBに換装したPlayStation4 Proでプレイ動画です。
”リバーウッドからホワイトランへの道のり”です。
Seagate FireCuda 2TBを新型のPlayStation4 ProのHDDと換装して検証してみた感想です。
まずはPCに接続したFireCudaのベンチマークテストの結果は大容量を維持しつつランダムアクセス性能を向上させるSSHD相応のスコアで2.5インチHDDとしてはかなり優秀。8GB NAND型フラッシュメモリの効果が出ていることが分かります。2.5インチシャドウベイの数に限りのあるノートPCのメインドライブとしても活躍できるはずです。
PlayStation4 Proとの組み合わせについては、初期型のPlayStation4と一部のSSHDで見られたスリープからの復帰に失敗するなどの相性問題もなく、空き容量が約2倍の1.77TBになりストレージの空き容量を気にせずゲームのインストールやプレイ動画の録画&スクリーンショットの撮影を楽しめるようになりとても快適です。
交換作業も簡単で標準搭載のHDDからFireCuda 2TBと交換することで誰でもSSHDのパフォーマンスを試すことができます。PlayStation4のHDDの交換作業自体はとても簡単ですが、ゲームのセーブデータのバックアップやゲームのデータの再インストールなど作業が増えるのでHDDの交換を検討している場合には、本体購入後の早めの交換をお勧めします。
PlayStation4 / PlayStation4 ProのHDDを容量アップ&高速化したい場合は、今回のレビューで使用した最大容量のFireCuda 2TBをお勧めします!
検証に使用したゲーム”The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION”での比較では、ゲームのメインマップではエリアチェンジが少ないように作られている関係であまり差は感じられません。
ゲームを進めるとクエストの進行やアイテムの売買で頻繁に訪れることになる町や城(建物)に入るたびにデータのロードが発生するエリア、たとえば初期に訪れる事となる大都市のホワイトランで家を購入し拠点となるくらいにプレイ時間が増えてくると、連続したエリアチェンジのロードで体感できるレベルで効果を感じることができます。
最近のHDDは保証期間が短めに設定されている製品が増えていますが、FireCudaシリーズは5年間の長期保証が付いているのもポイントです。
容量についても2.5インチHDD最大容量の2TBをラインナップしているので、モデルチェンジした新型のPlayStation4 / PlayStation4 Proのストレージのアップグレードに最適な製品です!
<2016/12/06>
・コメントともちものリンクを追記しました。
・誤字修正、行間の調整を行いました。
・プレイ動画を追加しました。
<2016/12/08>
・東芝 MQ01ABD100のスコアを追記しました。
・コメントともちものリンクを追記しました。
<2016/12/11>
・コメントと画像を追記しました。
□The Elder Scrolls V: Skyrim SPECIAL EDITION
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