追記:2016/12/05(ベンチマーク等)
今回レビューの機会をいただいたのはSSHD、Seagate FireCuda 2TBの2.5インチ
モデルST2000LX001です。SeagateのSSHDと言うと、
Momentus XT ST9500620ASを出たての頃に買って、まだSSDがかなり高価だった
ときに通常のHDDよりも高速だったので重宝していたのを記憶しています。
ST9500620ASに比べると、HDD部分の容量は500GBから2TBへと4倍に増えて
いますし、SSD部分も4GBから8GBへと2倍に増えておりメイン使いにも不自由
しない容量です。FireCudaシリーズにはほかに3.5インチドライブも用意されて
おり、液晶一体型PCやスリムタワーPCなどでも使いやすいラインアップとなって
います。
早速外観から見ていきます。
まずは上面ですが、グリーンにオレンジとブラックの差し色が印象的なラベルが
貼り付けてあります。2.5インチHDDとしてはラベルの面積が広い気がしますね。
FireCudaロゴもここにあります。
Seagateロゴも新しくなってからしばらく経ち、慣れつつあります。容量が
2TBだと確認できます。
SSHDでも厚みが7mmとスリムなため、Ultrabookなどの7mmタイプのドライブ
しか入らないベイにもすっきり大容量2TBを納めることができます。小型大容量化が
進んでいます。
裏面です。これも通常の2.5インチHDDに比べると制御基板のサイズが小さい気が
します。凹凸が少ないフラットな仕上げになっています。
外観からは通常の2.5インチHDDと多少は異なるもののそれほど大きな差違は感じ
られませんが、いよいよこのSeagate FireCuda 2TBを使っていきます。
更新: 2016/12/05
Seagate FireCuda をPlayStation®4に換装
PREMIUM REVIEW
ゲーム機もHDD換装で高速化できるんだ、としみじみ感じる
4に換装」でしたので、PlayStation 4へと換装します。このレビューの募集がかかる
少し前に、
PlayStation 4 Proの予約していたものが届きましたので、そちらへSeagate FireCuda
2TBを搭載してみます。ちなみに標準搭載のHDDは
東芝MQ01ABD100 1TBで、2.5インチHDDの1TBモデルの中では割と古参な部類に
入ります。インターフェースもSerialATA2止まりで、PlayStation 4 Proで対応した
SerialATA3には力不足な感じが否めません。もちろん今回のSeagate FireCuda
2TBはSerialATA3に対応しており、本体のパフォーマンスをフルに発揮できます。
換装作業の前に、現在のHDDでのパフォーマンス計測やセーブデータのバックアップ
を行っておきます。セーブデータやスクリーンショットのデータは外付けHDDや、
USBメモリにバックアップします。うっかりNTFSフォーマットのUSBメモリを
挿したところ「使用できません」表示が出たので、FAT32フォーマットにして
おく必要があります。使い始めて間もないので、数分でセーブデータはバック
アップできました。次に下ごしらえ、先代のPlayStation 3と同様にHDDを換装
する際にはシステムソフトウェアのアップデートデータを用意しておく必要があり
ます。PS4アップデートサイトから、「アップデートファイル(再インストール用)」
をダウンロードして、
USBメモリや外付けHDDの直下に「PS4」フォルダを作成し、その下に「UPDATE」
フォルダを作ってダウンロードした「PS4UPDATE.PUP」ファイルをコピーします。
800MB程度のサイズなので、1GB以上のUSBメモリであれば使用できます。準備が
できたらPlayStation 4の電源をスタンバイではなく切ってから作業スタートです。
本体からケーブルをすべて外し、背面側の
HDMIやUSB・LANポートの横にあるふたがHDDベイです。PlayStation 4 Proを
箱から出すとここにテープが貼ってあり、はがし忘れると写真の通りになります。
後々べたべたになるかと思いますので、設置するときには忘れずにはがしておき
ましょう。
HDDベイのふたは写真の通り、ツメではまっています。ポート側のほうから
ふたに引っかけて手前に引っ張ると外れます。外れにくいときはアイスの木べら
などでこじると簡単に外れるかと思います。ふたを外してもHDDはまだ外れず、
HDDマウンターがネジ1本で固定されていますので、精密ドライバーのプラスで
外します。このネジ、よく見ると
PlayStationのコントローラのボタンの記号が刻印されており、遊び心が垣間
見えます。何のネジかもわかりやすいですね。ネジを外すといよいよHDDマウンター
が外れますので、引っ張ってHDDを抜き取ります。
あとはマウンターにネジ4本で固定されているHDDを取り外して、Seagate
FireCuda 2TBに交換して逆の手順で組み立てていけばOKです。下手なノートPC
のHDD換装よりも簡単で拍子抜けです。PlayStation 4は元々3と同様に、搭載
されているHDDをユーザーが換装することを想定しているため換装しても保証
切れにはならないとのことです。ヘビーゲーマーで容量が全然足りない人には
うれしい仕様かと。
HDDの換装が済んだら設置し直して、今度はソフトウェアのインストールです。
先ほどのアップデートファイルが入ったストレージをPlayStation 4に接続し、
コントローラもUSB接続して電源ボタンを7秒以上押してセーフモードで起動
します。
PSボタンを押すように表示されるので、コントローラのPSボタンを押すと
メニューに移行します。
「7.PS4を初期化する(システムソフトウェアを再インストールする)」を
選択します。
アップデートファイルが必要という表示が出ますが、すでに接続していますので
そのままOKを選択します。
しばらく待つと初期化の確認画面が出ます。はいを選択してシステムソフト
ウェアのインストールを開始します。
まず初期化が入り、次にシステムソフトウェアのインストールが行われます。
数回再起動し、
初回起動時のコントローラ接続画面が出ればシステムソフトウェアのインストール
は完了です。あとは購入直後のセットアップと同様に、ネットワークへの接続
設定や本体の設定を済ませ、PlayStation Networkへのログインや保存したセーブ
データ・インストールしていたソフトの再インストールを行えば一通りの作業は
終了です。お疲れ様でした。
PlayStation 4 Pro上でのベンチマークの前に、USB3.0ケースに入れてPC上で
CrystalDiskMarkを使用したベンチマークを実施してみました。換装前の
東芝MQ01ABD100では、
一番速い項目でも110MB/s程度とSerialATA2どころかSerialATAでも足りる
程度の転送速度にとどまっていたところ、Seagate FireCuda 2TBでは
・・・ちょっとだけ速い感じです。最近のSSDの500MB/s超のスコアを見て
いると物足りない印象ですが、ベンチマークではキャッシュ部分が活用されない
ようでこんなものかなと思います。それにUSB3.0接続なので何かしらの理由で
I/Fがボトルネックになっている可能性もありますし、参考程度ですね。
実際にPlayStation 4 Proに搭載した状態での比較ですが、まずは本体の起動
です。コントローラのPSボタンを押して、ユーザー選択画面が表示されるまで
の時間を測定しました。結果、
標準のHDD時は22秒だったのがSeagate FireCuda 2TBでは20秒に短縮され
ました。キャッシュもそれほど効いていない状態かと思いますが、優秀です。
次に本体の終了、こちらはメニューで電源を切るを選択して本体の白色イルミ
が消灯するまでの時間です。
標準のHDD時は28秒だったのが、Seagate FireCuda 2TBでは27秒となりました。
終了時は読み込みというよりは状態保存の書き込みのほうが処理としては多いかと
思いますので、それほどの差は見られない感じです。
最後が実際のゲーム、先月末に製品版が発売された「FINAL FANTASY XV」の
体験版「JUDGEMENT DISC」でタイトル画面からセーブデータをロードし、
LOADING表示が消えるまでの時間を計測してみました。ここではキャッシュ
効果を確認するため、Seagate FireCuda 2TBでは5回同じ動作を繰り返しています。
HDD時は特に差がなかったので平均値で出しています。全部同じセーブポイントを
ロードしています。結果、
HDD時は50秒かかっていたセーブデータのロードが、Seagate FireCuda 2TBへ
換装したあとはロード1回目でもすでに36秒と14秒の短縮となっていました。
そしてキャッシュ効果が回を重ねるごとに発揮され、2回目では35秒・3回目では
34秒とそれぞれ1秒ずつの短縮にとどまりましたが、4回目では一気に31秒と
3秒高速になり、5回目は変化しませんでした。HDD時と最速時を比べると
20秒近い短縮となっており、頻繁に読み込みを行うゲームでは非常に効果がある
ことが分かりました。
Seagate FireCuda 2TBに換装することで、4Kコンテンツを扱えるPlayStation 4
Proとしては余裕が心許ない通常の1TB HDDのさらに倍の容量となり、かつ本体の
起動からゲームプレイ時のロード時間に至るまで、いろいろな場面でのレスポンスが
よくなって結果的に使い勝手がよくなりました。ゲーム機に大容量SSDを搭載する
のはどうしても価格的にハードルが高いですが、SSHDなら大容量かつHDDより
高速ということで向いているなと感じました。そんな中でも最新のSeagate FireCuda
2TB、コストパフォーマンスが高くおすすめです。
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