レビューメディア「ジグソー」

驚きの寿命=905TB、そして行儀の良い壊れ方。

【追記】
2013年10月27日:総書込量168TB
2013年10月31日:総書込量255TB
 ・三端子レギュレータを積んだ「1.8インチ→ 2.5インチ変換アダプタ」についての考察
2013年11月2日:amazonで購入した変換ケーブル
 ・CDI、SSD Toolbox、CDMで測定を行いました。
2013年11月5日:総書込量304TB
2013年11月8日:総書込量358TB
2013年11月11日:総書込量409TB
2013年11月14日:総書込量465TB
2013年11月19日:総書込量550TB
2013年11月25日:総書込量650TB
2013年12月01日:総書込量752TB
 CDMで性能を測定しました。
2013年12月11日:総書込量905TB、壊れました。
インテル SSD Toolboxの推定余寿命の変化
インテル SSD Toolboxの推定余寿命の変化

TB-推定余寿命グラフ
TB-推定余寿命グラフ


2013年12月26日:内部写真をアップしました。
総書込量832TBまでは、正常動作していました。
インテル SSD Toolboxのドライブの正常性の変化
インテル SSD Toolboxのドライブの正常性の変化




インテルのHPによると
「データセンター向けの性能と保護機能、効率性を特長とするインテルSolid-State Drive DC S3500シリーズ。高速で安定した読み出し性能、強力なデータ保護、動作時消費電力の低さを特長としており、ビデオ会議やビッグデータ分析、仮想クライアント・アプリケーションで高品質のサービスを提供します。」
だそうです。

これを踏まえ、私の「ギリギリ限界の検証方法の提案」は「仮想マシンをSSDに載せて大丈夫か?」を
検証していきます。

具体的には
Windows Server 2012 R2 Datacenterを使用して、DC S3500上に複数の仮想マシンを構築。

(1)仮想マシンの性能とレスポンスの速さをレポート(HDDとDC S3500の比較)

(2)仮想マシンが動作中にDC S3500の電源断やSATAケーブルを抜いてみてどうなるか?

(3)仮想マシンをフルアクセスさせ、1日当たり1~3TBを書き込むようにさせた状態を続けて100TBまで書き込み、性能を10TB毎にレポートする。

レビュー最終期限申告:届いてから、50日後


■ 仕様 ■
SSDのコントローラーが第 3 世代インテル コントローラーだそうです。
ちなみに335や520はSandForce製「SF-2281VB1-SDC」です。

http://ark.intel.com/ja/products/75681/Intel-SSD-DC-S3500-Series-240GB-1_8in-SATA-6Gbs-20nm-MLCから抜粋

・シーケンシャル・リード:500 MB/s
・シーケンシャル・ライト:260 MB/s
・ランダム・リード (100% スパン):75000 IOPS
・ランダム・ライト (100% スパン):7500 IOPS
・レイテンシー - リード:50 µs
・レイテンシー - ライト:65 µs
・消費電力
 アクティブ時:3.5W
 アイドル時:0.6W
・動作温度:0 – 70度
・重量:37 grams ± 2 grams
・耐久性評価 (書き込み上限数):140 TBW
・平均故障間隔 (MTBF):2,000,000 hours
・訂正不能ビット・エラー・レート (UBER):1 sector per 1017 bits read
・保証 期間:5年間
・容量:240 GB
・フォームファクター:1.8インチ
・インターフェイス:SATA 6Gb
・リソグラフィー 20 nm
・Advanced Technologies
 強化された停電時データ保護機能
 ハードウェア暗号化:256 AES
 温度監視とログ:Yes
 エンドツーエンド・データ保護:Yes
SSD Toolboxを使うと、温度について、現在、最大、最小、Over回数がわかります。




■ 開封 ■
届いて開封してはじめて気が付きましたが、1.8 インチ SATAフォームファクタのSSDでした。


マウンタに取り付けるためのネジ穴は見つかりません。


2.5インチSSDのマウンタは使えず、SATAの電源も差さりません。
急いでamazonで「.8インチ microSATA SSD → 2.5インチSATA SSD 変換アダプタ」を購入しました。




以下のCore i7-3770KのマシンでHyper-Vを動かし、2つの仮想マシンを稼働させました。
ソフトウェアはMSDNのものです。

・CPU:


・MB:


・メモリ:DDR3 1333 4GB×4=16GB
・NIC:


・HDD(OS用):


・SSD(仮想マシンOS):Intel DC S3500 240GB
・SSD(データ・コピー元):


・電源:


・ケース:Antec Nine Hundred
・OS
 ホスト:Windows Server 2012 R2 Datacenter
 ゲスト:Windows 7 Ultimate 64bit
     Windows 8.1 PRO 64bit


SandForce製コントローラーでないので、ランダム/0 Fill/1 Fillと変化は無いようです。
(第 3 世代インテル コントローラー)

ランダム
ランダム

0 Fill
0 Fill

1 Fill
1 Fill



Windows Server 2012 R2の新機能(第2世代=セキュアブート/SCSIブート)を使用しました。
Windows 7 Ultimateは第1世代、・Windows 8.1は第2世代で仮想マシンを作成しました。
DC S3500 240GB上に作成する仮想ハードディスクは、VHDXフォーマット、容量固定、80GB
でWin7用、Win8.1用と2つ作成しました。

★Crystal Disk Mark Nano Pico Edtionで測定してみました。

●Windows 7仮想マシン
仮想Win7 on WD Red 2TB
仮想Win7 on WD Red 2TB

仮想Win7 on DC S3500
仮想Win7 on DC S3500


●Windows 8.1仮想マシン
仮想Win8.1 on WD Red 2TB
仮想Win8.1 on WD Red 2TB

仮想Win8 on DC S3500
仮想Win8 on DC S3500


●Crystal Disk Mark測定まとめ
仮想マシン on SSDですが,
ランダム4Kライトと4K QD32のリード/ライトは3割以上遅くなっていますが、
それ以外は、リアルSSDの性能がほぼ出ています。



DC S3500の電源供給に、水冷用の電源外出しパーツを使い、
仮想マシンで書込み中にDC S3500の電源を抜いて、戻してみました。

仮想マシン:Windows 8.1 PRO
Crystal Disk Mark Nano Pico EdtionのSeq Writeの2回目で電源を抜いて、戻してみました。



結論から言うと、仮想マシンは頑張って耐えて動き続けていました。

一旦リモートデスクトップが切断され、
ディスクが再マウントされ、おかしい箇所を修正して、
再起動なしで動いています。

●仮想マシン
イベントビューア(1)
イベントビューア(1)

イベントビューア(2)
イベントビューア(2)

イベントビューア(3)
イベントビューア(3)

Cドライブ エラーチェック
Cドライブ エラーチェック

仮想ドライブでエラーはありませんでした。

●ホスト
Hyper-V イベントビューア(1)
Hyper-V イベントビューア(1)

システム イベントビューア(1)
システム イベントビューア(1)

システム イベントビューア(2)
システム イベントビューア(2)

システム イベントビューア(3)
システム イベントビューア(3)

システム イベントビューア(4)
システム イベントビューア(4)

システム イベントビューア(5)
システム イベントビューア(5)

再接続後
システム イベントビューア(6)
システム イベントビューア(6)

システム イベントビューア(7)
システム イベントビューア(7)

システム イベントビューア(8)
システム イベントビューア(8)

Eドライブ エラーチェック
Eドライブ エラーチェック

SSD Toolbox 診断用クイックスキャン
SSD Toolbox 診断用クイックスキャン

リアルドライブでもエラーはありませんでした。


「検証方法の提案(3)仮想マシンをフルアクセスさせ、1日当たり1~3TBを書き込むようにさせた状態を続けて100TBまで書き込み、性能を10TB毎にレポートする。」
でしたが、あまりにSSDの書込み速度が速いため、100TBはあっという間に達成してしまいました。
そこで、100TB毎に性能測定することに変更します。

巨大なファイル(ISOファイルをいくつか集めWinRARで圧縮した52.4GB)をSamsung SSD830に置き、
それを「Cドライブにコピーしては削除して」を繰り返すバッチを作成し
仮想Win7マシンと仮想Win8.1マシンの両方で動作させました。

リソース モニターで見ると、書込み200MB/秒~250MB/秒で推移しています。


●総書込量=101TB

推定余寿命のグラフをPhotoshopで計測してみました。
全体:225.67、使用済:16.67
これを信じると寿命が尽きるのは1354TB=1.3PBになります。

SSD Toolbox
SSD Toolbox

100TB
100TB

全く劣化していません。


総書込量=200TB, 300TB, 400TB, 500TBと検証を進めて行きたいと思います。

【追記 2013年10月27日】
総書込量168TBを超えました。

Crystal Disk Info)

「使用時間」の項目が明らかにおかしいです。(少なすぎます。)
「電源投入回数」が26847回と多すぎます。

Photoshopの「ものさしツール」で計測すると、減った寿命は10.4%です。

【追記 2013年10月31日】
・総書込量215TB超えました。


10月29日に

の3端子レギュレータが故障したのが発覚しました。

「AREA 変換基盤 砧 MicroSATA SATA変換基盤 AR-SLSA」に変えて
USB3.0ケース

に入れてテストを再開しました。

AR-SLSAの3端子レギュレータの所を触ってみたところ、やけどしそうでした。
放射温度計で測定すると70度でしたので、8cmファンで冷却することにしました。


USB接続のため、SSD Toolboxが使えません。

SATAで接続し内蔵させるため、3端子レギュレータを使わないケーブルをamazonで注文しました。
pixyfileさんが使っている

です。
http://www.saj-inc.jp/cable/products/sl-msata/ca-msata-sp...

到着次第、性能測定とSSD Toolboxの余寿命を掲載します。

【追記 2013年11月2日】
●amazonで購入した変換ケーブルが届きました。



壊れた「1.8インチ→ 2.5インチ変換アダプタ」から基板を取り除き、マウンタだけを使います。
少しは役に立って良かったです。

SSDを見ると3.3V 1Aとあります。 800mAでは定格オーバーでした。


●CDI、SSD Toolbox、CDMで測定を行いました。
CDI)


SSD Toolbox)



Photoshopの「ものさしツール」で計測すると、減った寿命は20%です。
寿命全体は1.2PBで、あと1PBほど書き込む必要がるようです。
あと100日くらいかかる計算です。

CDM)
変換基板から、変換ケーブルに交換したので、
単純に比較できませんが、全然、劣化していません。
値が悪くなった項目より値が良くなった項目がいくつか見られます。



・参考



【追記 2013年11月5日】
総書込量304TB超えました。
余寿命は72%(Photoshopの「ものさしツール」で計測)。


【追記 2013年11月14日】
総書込量465TB超えました。
推定余寿命は50%です。


【追記 2013年11月19日】
総書込量550TB超えました。
推定余寿命は39%です。


【追記 2013年11月25日】
総書込量650TB超えました。
推定余寿命は25%です。


2013年12月01日:総書込量752TB
総書込量752TB超えました。
推定余寿命は11%です。


最後になるかもしれないので、CDMで性能を測定しました。


10%を超える劣化は、4K QD32 Write以外は見られません。

念のためCDM3.0.3でも計測してみました。

Nano Pico Editionとの差は誤差の範囲内と思います。

★★★2013年12月11日:総書込量905TB、壊れました★★★
とっても良い壊れ方です。

書込み速度が1MB/Sに低下しましたが、マウント状態を保持して普通に動いています。
イベントビューアーにもエラーも警告も発生していません。

再起動しても正常にマウントできました。





【追記 2013年12月26日】
内部写真をアップしました。
内部
内部

内部
内部

32 GiB 20nm MLC NAND
32 GiB 20nm MLC NAND

SATA 6.0Gb/s controller
SATA 6.0Gb/s controller



900TBを超えるメディア寿命
「仮想クライアント・アプリケーションで高品質のサービスを提供します。」
は十分に実現可能と思います。

メディア寿命が尽きた状態でも、書込み速度が大幅に低下するだけで
オペレーションが継続する壊れ方は、とても扱い易いと思います。

今回、インテル SSD Toolboxの「推定余寿命」と「ドライブの正常性」を
見ることで、SSDのメディア寿命を十分に予測できました。

これからは、大切なマシンには、
コンシューマ用の300や500シリーズとは一線を画す高信頼の
できる限りDC S3500を使っていこうと思います。

最後になりましたが、このレビューを最後まで読んでいただいた皆様にお礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。

そして貴重な体験をさせていただいたZIGSOW事務局、インテル株式会社に感謝いたします。

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おまけ)
●三端子レギュレータを積んだ「1.8インチ→ 2.5インチ変換アダプタ」についての考察
CDIの電源断がなんでこんなに多いのか理由がわかった気がします。

連続書込みテストという負荷が高かったため、
「1.8インチ microSATA SSD → 2.5インチSATA SSD 変換アダプタ」の
3端子レギュレータが過熱しすぎて
落ちては、復活してを繰り返したのではないかと推察できます。
DC S3500の大容量コンデンサのおかげでSSDは落ちなかったのでしょう。

それにしても、3端子レギュレータの発熱を考慮にいれて設計しているのでしょうか?
壊れたアダプタが使っていたのは、TIの「LM1117-3.3V」でした。
http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lm1117-n.pdf

インテルのHPの仕様によると、DC S3500のアクティブ時の消費電力は3.5Wなので、
電流=3.5(W)/3.3(V)=1.06Aです。
「LM1117-3.3V」の定格は800mAなので定格オーバーです。
きっと基板のパターンによる放熱を超えているのでしょう。

「AREA 変換基盤 砧 MicroSATA SATA変換基盤 AR-SLSA」は、
DF1084-3.3を使っていました。
http://www.dzsc.com/uploadfile/company/123460/20101019104...
によるとCurrent Limitは6.0Aなので余裕があるようです。
しかし書込みテスト中に70度に達するようなので要注意です。
きっと基板のパターンによる放熱がちゃんと機能していないのでしょう。

信頼性を確保するためにも、【追記 2013年11月2日】にも書いた
変換ケーブルの使用が必須と思います。

コメント (6)

  • CLWさん

    2013/10/22

    お疲れ様でした。m(__)m
    流石に、素晴らしいですね。
    書き込み、読み出しがピカイチって感じではありませんが、性能は素晴らしいと思います。
  • jakeさん

    2013/10/22

    このペースだと、1PBとか書き込めそうですね。
    テストお疲れ様でした
  • mkamaさん

    2013/10/22

    CLWさん、jakeさん
    コメントありがとうございます。

    >書き込み、読み出しがピカイチって感じではありませんが、
    >性能は素晴らしいと思います。
    同感です。
    インテル・コントローラーなので
    335シリーズや520シリーズと一線を画す高信頼性のSSDだと思います。
    ネットによると書き込み上限数520が36TBWに対しS3500は140TBWだそうです。

    >このペースだと、1PBとか書き込めそうですね。
    頑張って書込み続けます。
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