「どれくらいコーヒーが好きなのか」
レギュラーコーヒーに出会ったのは小学1年のとき、父が連れて行ってくれたお店でした。
それから、三十余年。
一人暮らしを始めたころから、レギュラーコーヒーをドリップで飲むようになり、
大学時代は研究室にサイフォンを持ち込んで、就職してからもドリップ、自宅でもサイフォンで飲み続けています。
「いままでの豆とは全然違う」
豆の味はほんのちょっとわかる、また淹れ方次第で風味に違いが出るぐらいは分かるものの、ちゃんと淹れてなかった私にも、再入門するきっかけになる豆ががやってきました。
その名も、「COFFEE HUNTERS」。
ミカフェート 川島良彰氏による農場、加工、運送、保管にいたるまで、味を届けるためには妥協を許さない豆たちです。
PETボトルに入った豆をみたとき、開栓したときの炭酸ガスが放出されるときの独特のサウンド、アロマを感じたとき、緊張が走ります。
さらに、最初のコーヒーを挽き、サイフォンで淹れて、口にしたとき
「いままで飲んできたのは、コーヒーもどきか?」
緊張とともに、興奮がやってきた瞬間でした。
この感想はオーバーに聞こえるかもしれませんが、同時に飲んだ奥さんも持ったことなんで、そのまま記載することにしました。
実際直前に淹れたブレンドが飲めなかったのです。
レビューでは、3種類のブレンドを作ることが求められています。
ブレンドの話をする前に、選手紹介しておきましょう。
特徴については、ミカフェートの紹介ページへリンクしていますので、そちらをご覧ください。
「選手紹介」
1.アルト・ルナ
パナマで育てられたアラビカ種カトゥーラ亜種です。
カトゥーラ亜種は、ブルボン亜種の変異体で病気・低温に強く、収量も多目のようです。
http://www.mi-cafeto.com/coffeehunters/alto_luna.html
2.ハワイモカ
ハワイで育てられたアラビカ種モカ亜種です。
http://www.mi-cafeto.com/coffeehunters/maui_mokka.html
3.ンゴロンゴロ・コンベント・コーヒーエステート
タンザニア ンゴロンゴロ修道院コーヒー園で栽培されているアラビカ種ブルボン亜種になります。
http://www.mi-cafeto.com/coffeehunters/ngorongoro.html
4.サン・ミゲル
グアテマラのサン・ミゲル農園で育てられたアラビカ種ブルボン亜種です。
http://www.mi-cafeto.com/coffeehunters/san_miguel.html
「オリジナルブレンド」
今回のレビューでは4種の豆を組み合わせて3つのブレンドを仕立てます。
まずシンプルにそれぞれを挽き、特徴をつかんでいきます。
それぞれ抽出します。配置は上と同じです。
最初は個別の抽出液を味わってみます。
アルト・ルナ
酸味が少しあり、コクは少なめ、苦味少、後味すっきり、香りは控えめ
マウイ・モカ
酸味が強め、コクあり、苦味中、後味は悪くない、独特の芳香あり
ンゴロンゴロ
酸味少な目、コクあり、甘味あり
サン・ミゲル
すっきりした甘みのなかに、コクを感じます
コーヒーの香味評価に使う単語を調べると、カラメルとかシダーの香りとか…とても難しいですね。いまでもむずかしいです。
次に、抽出液で混ぜてブレンドを6種ほど作ってみました。
淹れたての香り、味から、カップが冷めたあとの味、余韻まで様々な違いが出てきて、なかなか決まらないのですが、少しずつ追い込んでいきました。
ある程度追い込んでから、豆を重量比で混ぜて挽いて確認してます。
挽き方については、ミカフェートでのおすすめは、ザラメのような感じで、おそらく8番から9番の間かと思います。
ブレンドを決める作業では、ハンドミルを用いてそれに近いように頑張ってみましたが、場合によって7番に近くなったり10番に近くなったりと不安定でした。
試飲会では、ナイスカットミルの中挽き(カリタ) 3.5で行っています。
使用している器具について
我が家の好みは酸味が控えめ、苦みが中ぐらいのものですが、
豆以前に、抽出方法によってこの2つの評価は変わってしまいます。
ちょっとだけ今回使用する器具の話をしましょう。
ここのところ挽いた状態で購入することが多いのですが、
今回豆を挽くのは、ハンドミルで行います。
ハンドミルは、固定された内刃のついた大き目の円錐と、ハンドルと連結する外刃のついた小さ目の円錐を重ね、ギャップによって、豆の挽き方を変えることができます。
ハンドミルで一様に挽くのが難しいと思います。
Manyaさんのご厚意により、試飲会ではナイスカットミルを使用させていただきました。
昔使用していた電動ミルは、コーヒーメーカーについていた刃が回転するタイプでしたが、
これはハンドミルと同じ2つの刃のギャップで挽き方を変えられるうえ、仕上がりがとても安定する優れものです。今後購入したいとおもいました。
次にコーヒーを抽出する器具ですが、大きくつぎの4つに分けられます。
- ドリップ
- サイフォン
- エスプレッソメーカー
- パーコレーター
ドリップ式
ドリッパーとよばれる漏斗に濾紙・濾布を嵌め、コーヒー粉を入れてお湯で抽出する一番メジャーな方式です。
以前はメリタのドリッパーを使用していましたが、一つ穴で抽出時間がかかることもあって、サイフォン導入後に廃棄しました。
今回レビューにあたって、カリタのセラミックのドリッパー、サーバのセットを用意しました。
使用する豆は、カリタのもので8~9番の中挽きが基本になるようです。
また、ドリップする際にお湯を注ぐためのに、やかんだと口が大きすぎて調整がつらいので、専用のポットも用意しました。
「ブレンダ―見習い はにゃ?」
カフェはじめましたどころか、実際には見習いにすら到達できていないのですが、
5名に方々に3種類のブレンドを試飲、評価をお願いいたしました。
いっぱんのかたなので、くまーにかわっていただきました。
評価的には AとBは好みによりますがおおむね良好、Cは意表を突きすぎて企画倒れのブレンドになってしまいました。
今回の豆はそれぞれの個性が強く、単品の味自体がよいため、なかなか上回るブレンドがつくれないものの、興味ぶかい結果が得られたと思います。
ブレンドA 「はにゃカフェのブレンドコーヒー」
コクと酸味の両立狙いのブレンドです。
豆の割合:
- サン・ミゲル: 25%
- ンゴロンゴロ・コンベント・コーヒーエステート: 50%
- マウイモカ: 25%
- 香り (0~5):3
- 酸味 (0~5):3
- 苦味 (0~5):2
- 甘味 (0~5):3
試飲の感想
- 年代・性別 30代男性
- 評価 ★★★★☆
- コメント 酸味を最初に感じます。味わいはすっきりしていて、多くのめるブレンドです
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★★★★
- コメント 濃い中でも酸味がほどよくきいていておいしいです
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★★☆☆
- コメント ブラックでおいしいコーヒー。砂糖ミルクを入れると残念
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★★★☆
- コメント とてもいい!少しシュガーいれると好き
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★★★☆
- コメント 程よい苦みで後味はすっきりしている。ブラックコーヒーとして飲みやすくバランスがいい
ブレンドB 「気分転換に香りのコーヒーを」
豆の割合:
- ンゴロンゴロ・コンベント・コーヒーエステート: 30%
- マウイモカ: 70%
味
- 香り (0~5):4
- 酸味 (0~5):3
- 苦味 (0~5):1
- 甘味 (0~5):3
- 年代・性別 30代男性
- 評価 ★★★★★
- コメント さわやかな酸味。すっきりした口当たりでのみやすい。かすかな苦みがかくし味。
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★★★☆
- コメント さっぱりで香りもよくて飲みやすいです。香りはこれが一番好きです。
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★★★☆
- コメント 飲んだ後の残りが少ない。砂糖・ミルクを入れると残念な味におちる。モカに近い。
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★★★☆
- コメント いい!香りが好き
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★★☆☆
- コメント さっぱりしていて後味の甘みがいい感じ。薄味気味だが香りがよく風味が良い。食事にあいそう。
ブレンドC 「コクより酸味のブレンド」
コーヒーって感じがしない不思議なブレンドになってしまいました。
豆の割合:
- サン・ミゲル: 50%
- マウイモカ: 25%
- アルト・ルナ:25 %
味
- 香り (0~5):1
- 酸味 (0~5):4
- 苦味 (0~5):2
- 甘味 (0~5):2
試飲の感想
- 年代・性別 30代男性
- 評価 ★★★☆☆
- コメント 酸味が強いものの、アフターテイストが軽いので飲みやすいです
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★★☆☆
- コメント 3つの中では1番酸味が強いかなと思いました。
- 年代・性別 30代女性
- 評価 ★★☆☆☆
- コメント 特徴のない味。飲みやすいがそれまで。砂糖・ミルクを入れても変化が感じられない
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★★☆☆
- コメント しぶい
- 年代・性別 20代男性
- 評価 ★★☆☆☆
- コメント 香りは控えめだが炒った香ばしさを感じる味。個人的には後味が気になる。
なお、評価をおこなってくださったメンバーは、100ccぐらいずつ Manyaさんと私の分で6ブレンドを飲んでいただいたため、グロッキーモードに。
だらっくまになった試飲メンバーご苦労様でした。
まめ知識と私の感想
普段使っているコーヒー豆屋さんによると次のような感じになるようです。
90-95゜cくらいの熱いお湯で早めに抽出すると、
「苦味のあるさっぱりとした味わい」
85゜cぐらいのお湯でゆっくりと抽出すると、
「甘味とコクが強いまったりとした味わい」
またミカフェートさんのページでも出ていますが、挽き方が細かいと雑味が増えるので、ドリップでは、粗く挽き、微粉は篩っておくほうがよいようです。
自分でやっても、挽き方と湯の温度、注ぐ速度によって一口目の印象が変わってしまい安定するには至っておりません。
また機会があったら、同じ配合を別の人に淹れていただくのも面白いと思いました。
ブレンドを決める作業は何かに似てるなぁとやりながら思っていたのですが、思い出しました。
先日 Final Audio Design の製作教室で行った イヤホン組み立てとチューニングです。
イヤホンの内部のドライバユニットのまわりにつけるゴムリングに切れ目をいれたり、詰め物を変えたり、外の開ける穴の大きさ位置、数によっても低音が増えたりします。
どのジャンルの音楽をどのように聴きたいかという目標をもってチューニングできるようになるには相当訓練が必要だと認識しましたが、
コーヒーのブレンドも、シチュエーション、気分、そして豆のコンディンションによって到達点があります。
ブレンドという奥が深い世界を少しだけ垣間見た、そんなレビューでした。
最後に
今回レビューということで、良い豆およびブレンドする機会を提供していただいたミカフェート様、zigsow運営事務局ありがとうございました。
さらに作成したブレンドをお忙しいなかでも、試飲会の事前準備をしてくださった manya嫁さん、写真を提供していただいた リーダーさん、下小川さん、一緒に開催することを快諾していただいた Manyaさん、忙しいのに呼び出してしまった アルティメットジグソニアン、そして深夜までブレンドと評価に付き合ってくれた奥さんに感謝して、レビューを締めくくらせていただきます。
ありがとうございました。
追記 「この豆でコーヒーをいれると、ほかの豆が美味しくなくなるんです。」
ふだん入れている豆でもそれなりのお値段しますが、私、奥さん、ほか数名が上のような感想を持っています。
いいものを味わうと、舌は慣れてしまうんですよね。そういう分野をここでは沼と呼んでますが、
このPETボトルの豆たちは沼の入り口です。
高いお酒にくらべれば、一杯 100円の豆は十分お手頃価格だという話もありますから、お手軽な沼ですけども。
で、沼の上位にある、グラン クリュ カフェはどんな味がするのか?
PET以上にガス圧維持しやすいシャンパンボトルに入った豆は深い沼の予感が…
期待が募りますね。
カーリーさん
2013/01/31
れいんさん
2013/01/31
コーヒー飲めるのですね。
クマーなのに。
はにゃさん
2013/01/31
自分だけのコーヒーというのはいいですよ。
好みになるまで調整できる時間、気力が必要ですが。
はにゃさん
2013/01/31
クマ―さんは、コーヒー耐性の限界を超えたようです。
カフェインには気を付けましょう。
下小川さん
2013/01/31
最後の音のチューニングの例えが的確に感じると共に、更に末恐ろしさも感じてしまいました。深いですねー
タコシーさん
2013/01/31
胃は大丈夫ですか? 私はコーヒーを飲み過ぎると口内炎ができちゃいます
飲むのは缶コーヒーブラックばかりです 最近はUCCですが....
ちょっと羨ましいレビューでしたよ
でも知らないコーヒー豆ばかりで驚きました
はにゃさん
2013/01/31
試飲ありがとうございました。
なかなかブレンドはこれ!って感じが出るまでいかないですね。
極めるまでいかなくとも、少しは狙った感じが作れたり、
香味評価ができるともっと違うのかもしれないとか思ってます。
はにゃさん
2013/01/31
ありがとうございます!
ブレンドを試しているときは結構胃にきましたね。
口内炎にはならなかったものの胃薬のお世話になりました。
世界にはまだ知られていない豆がもっとあるんでしょうね。
星の数ほどかどうかはわからないのですが、COFFEE HUNTERSでも試したい豆がありますので、今度購入しようかとおもってます。
atsuo@tokyoさん
2013/01/31
挽き方やお湯の温度でそんなに違うなんて、ほんと奥の深い世界です。
しかし manyaさんと合同で行ったとは、はにゃカフェ参加の方たちは、胃腸の耐久テストも行なったような勢いですね(^^;;;
はにゃさん
2013/01/31
ありがとうございます。
コーヒーをふだんから飲みなれている Manyaさん、manya嫁さんはともかく、
ほかの方々は結構きつかったと思います。
晩御飯食べられないって感じでしたし。
かずや。さん
2013/01/31
いやぁクマーさん大活躍ですね!
はにゃさん
2013/01/31
ありがとうございました。
クマーさん ばったんきゅうですねぇ。
退会したユーザーさん
2013/02/01
読んでいて、こちらにまで良い香りが漂ってきそうな気がしました。
簡単にあれが良いこれが良いと言えないから奥が深いし
楽しいのでしょうね。
これからもゆっくりと、はにゃさんのブレンドコーヒーを
極めて下さい。
リーダーさん
2013/02/01
でも飲むならこのコーヒーがいいかも。
そこらへんの缶コーヒーはもう飲めませんね(苦笑
cybercatさん
2013/02/01
自分は珈琲耐性だけはあるので(1日500mL以上ブラックで飲んでもゼンゼン平気)、是非味わいたかった...........が。
>この豆でコーヒーをいれると、ほかの豆が美味しくなくなるんです。
うちの安豆が使えなくなるのは痛いなぁ(^^ゞ
R-O-G-Eさん
2013/02/02
あと、試飲会いいですねぇw
お互いお疲れ様でした。
はにゃさん
2013/02/03
ありがとうございます。
豆だけじゃなく挽き方とか淹れ方などなどで味が変わるというのは、
おもしろいですよね。
自分に合う味をゆっくりもとめていこうと思います。
はにゃさん
2013/02/03
下手なブラック缶コーヒーは飲めないですよね。
はにゃさん
2013/02/03
ありがとうございます かな?
新沼は怖いですよ なにせ消えものですからね…
私もまぁ1Lぐらいは飲めるのでいいんですが、それを超えると厳しいです。
はにゃさん
2013/02/03
お疲れ様でした。
ンゴロンゴロもそうですが、アルトルナも結構きましたよ。