レビューメディア「ジグソー」

究極のワットパフォーマンス!ゲーミングPCの実力は如何に!?


パソコンで3Dゲームをプレイすると言えば、ハイエンドなグラフィックカードを搭載したデスクトップPCを思い浮かべる方が多いと思う。

正直、これまでゲームマシンとしてノートパソコンに魅力を感じたことは無い。バッテリー駆動を想定しているノートパソコンではどうしても省電力重視設計になってしまう。また、放熱を考えてもむやみにハイエンドなGPUを積む事ができずにどうしても性能が低くなってしまう。

確かに直販メーカーなどにはゲーミング用途のハイエンドモデルも存在するが、正直手が出るような値段ではなかったりする(^^;

そんな悩ましい心の隙間を狙ったかのように登場したのが、今回レビューするノートパソコンである。パソコン工房などの店舗を展開していることで有名なユニットコム製の「Lesance NB 8-G7543/GTX660M 」である。

このマシンはゲーミングノートを謳いながら、実売価格が約9万円(レビューマシンの構成時)と直販メーカーにも負けないコストパフォーマンスを誇る。このマシンを実際に用いて評価をしていきたいと思う。


いきなり、ぶっちゃけてしまうと本機の筐体は台湾Clevo製のものを使用している。
パソコン工房では昔から同社のベアボーンを使っていたのでご存知の方も多いと思います。

まずは写真と合わせて各部分の特徴を紹介したい。

■天板
全く柄の無い天板
全く柄の無い天板

メーカーやブランド名など一切無くチタンライクなシルバーの塗装のみ。飽きの来ないSimple is Bestな外観だと言える。(好みは分かれると思うけど)


■右側面
USB3.0が3系統あるのが嬉しい(;=゚ω゚)=333
USB3.0が3系統あるのが嬉しい(;=゚ω゚)=333

左から
・カードリーダー(SD/MMC/MS)
・USB2.0/3.0ポート×2
・USB3.0/eSATA兼用ポート
・HDMI端子
・LAN端子(Gigabit)


■左側面
音声端子は手前に欲しかったかな
音声端子は手前に欲しかったかな

左から
・盗難防止用ロック穴(個人で使う機会は無いでしょうけど(^^;)
・USB2.0ポート
・音声入出力×3
・DVDスーパーマルチドライブ


■背面
普段は背面を触らなくて大丈夫そうだ
普段は背面を触らなくて大丈夫そうだ

・VGA(D-SUB)出力
・ACアダプタ用のDC-INジャック


■底面
メモリとHDDへのアクセスは容易そう
メモリとHDDへのアクセスは容易そう

中央やや左の通気口からはメモリが見えている。本機はメモリソケットが3本あると言うことなので
8GBのモジュールを購入すれば夢の24GBを実現することも可能です(;=゚ω゚)=333
左下部分がバッテリー、中央下部分にハードディスクが格納されている。さすがホワイトボックス系のベアボーンを使用しているだけあってメンテナンス性は抜群そうです。


■液晶ディスプレイ
やっぱりノートでもFullHDが良いですね(;=゚ω゚)=333
やっぱりノートでもFullHDが良いですね(;=゚ω゚)=333

フルサイズのノートPCによく採用されている15.6インチの液晶だが、本機ではFullHD(1920×1080ドット)となっており、高解像度を活かした美しいゲームを楽しむことができる。パネルはグレア(光沢)タイプでかなり明るく動画を見るのも申し分ない。私の場合、輝度が30%もあれば十分でした(^^;


■キーボード、スライドパッド
ポインティングデバイスとスピーカー
ポインティングデバイスとスピーカー

キーとキーの間が分かれているアイソレーションタイプのキーボード。
10キーも付いているので、一部のゲームにとっては有利かも。
ただ、Enter、BackSpace、Delキーが右端では無くなる為、違和感があるという人も多いかも知れない。

スライドパッド自体は感度も申し分なくマルチタッチにも対応しており、スワイプによる画像拡大などの操作が可能である。

難儀なのが左右のボタン。一体型のシーソータイプは良いとしても、私のマシンの個体差なのかも知れないが左クリックは「普通」に利き何の問題も無いが、右クリックはカチッとクリック感があっても無視されることが多い。強く押せば利くのだが、左右ボタンのクリック感度が違いすぎるのは戴けない。ここは要改善点だと感じる。これがマウスだったら即刻交換しているだろう。

キーボードの奥側にあるスピーカーユニットはHi-Fiオーディオで有名なONKYO製。アクションゲームに相応しいような重低音を求めるのは無理があるが、音楽を流してみるとクリアが音位がハッキリしている。ボイスの多いようなゲームには良いかも知れない。
さりげなくアピールされている
さりげなくアピールされている

また、スピーカーの両側に電源ボタン、GPUパフォーマンス切り替えボタンなどが付けられている。


■付属品


・ACアダプター(19V 6.3A。容量も大きいがサイズも大きい!)
・ACコード
・バッテリー

・ドライバディスク(2枚)
・マニュアルディスク
・CyberLink MediaSuiteディスク
・ユーザーマニュアル類(3冊)
・すべり止めゴム
・ネジ



やはり、ゲーミングノートと言われると気になるのが性能です。デスクトップPCとの性能差も気になるところです。そこで当時ゲーミングPCと言われていたファイナルファンタジー14推奨PC(Corei7-2600搭載)と各種グラフィックカードを用いた構成を用意して、本機と比較してみました。

本機はnVIDIA OPTIMUSという、パフォーマンスが必要な時はディスクリートGPU、そうでないときはCPU内蔵GPUを使用しバッテリーの消耗を抑える技術が搭載されています(;=゚ω゚)=333

デフォルトでは自動切替になっていますが、以下のベンチではnVIDIAコントロールパネルで明示的に切り替えて行います。


■ベンチの比較対象とスペック
比較対象
比較対象

※各グラフ、表ではGPU名を短縮して記載しています。


【CPU関係の性能比較】
本機はCPUにCorei7-3630QMを搭載しています。ノートながら4コア8スレッドの高性能CPUです(;=゚ω゚)=333 デスクトップPC用のCPUに負けないような性能を発揮するのでしょうか?

■ベンチマークソフト
【CPU】
・CrystalMark2004(ALU / FPU)
・午後のこーだ(ノーマルベンチ シングル / マルチスレッド)
・3DMark06(CPU)
・3DMarkVantage(CPU)
・3DMark11(CPU)
・CINEBench R11.5(CPU)

■結果
CPU性能比較(GTX660Mの構成を100%とした相対性能)
CPU性能比較(GTX660Mの構成を100%とした相対性能)

CPU性能比較(ベンチのスコア)
CPU性能比較(ベンチのスコア)

CrystalMarkではALU、FPUともにほぼ同じ値が出ています(;=゚ω゚)=333
午後のこーだーではノートPCの内蔵GPUを使用した時に大きくスコアを落とす謎の現象が発生しました。ベンチの時間が短いので、低クロック状態の復帰が間に合っていない(或いは負荷が軽いと判断)されているのかも知れません。
3DMarkではそこそこ差を付けられていますが、動作クロックの割にはかなり善戦していると思います。


【GPU(ゲーム)関係の性能比較】
一方、GPUのGeForceGTX660Mはどうでしょうか?せっかく省電力モード(CPU内蔵のグラフィックを使用)も搭載されているので、Intel HD Graphics4000の性能も見てみることにしましょう。

■ベンチマークソフト
・3DMark06(総合)
・3DMarkVantage(総合)
・3DMark11(総合)
・FF11 Bench3(High)
・FF14 Bench(Low / High)
・MHF3(モンスターハンター フロンティア オンライン)
・PSO2(ファンタシースターオンライン2)
・ITちゃんダンシング(きゃらコレ! ITちゃんダンシングベンチマーク)
・CINEBench R11.5(OpenGL)

■結果
GPU性能比較(GTX660Mの構成を100%とした相対性能)
GPU性能比較(GTX660Mの構成を100%とした相対性能)

GPU性能比較(ベンチのスコア)
GPU性能比較(ベンチのスコア)

ベンチによってかなり得手不得手が出ています。概ねRADEON HD6670と同7770の間くらいの性能となっています。この程度のスコアだと、最新のゲームをフルHD解像度でプレイするにはやや力不足でしょう。1280×768程度に抑えると良いかも知れません。ただ、PSO2のスコアだけやけに低いのが気になります。

とは言え、ノートPCでFF14やモンハンのベンチがまともに動くと感動しますね(^^;

一方、省電力モード時のIntel HD Graphics4000もなかなかのもので、Corei7-2600内蔵の同HD2000を超えています。FF11のように古めのゲームをプレイするならこれでも十分でしょう(´ω`)



ベンチマークでは(構成が違うので直接比較するのは無理がありますが)、デスクトップPCの方が有利な結果が出ました。ただ、ノートPCはバッテリーでも駆動するくらい省電力のはず・・・ということで実際に測定してみました(;=゚ω゚)=333

使用機器:エコキーパー

■測定条件
・ノートPC(本機)のハイパフォーマンスモード(GeForceGTX660M)
・ノートPC(本機)の省電力モード(Intel HD Graphics4000)
・デスクトップPC構成1(GeForceGTX570)
・デスクトップPC構成2(RADEON HD7770)
・デスクトップPC構成3(RADEON HD6670)
・デスクトップPC構成4(Intel HD Grraphics2000)
※各グラフ、表ではGPU名を短縮して記載しています。

※デスクトップPCの構成は前項のベンチマークのものと同じです。デスクトップPCの消費電力にはゲーミングディスプレイ(BenQ製XL2420T)の消費電力(実測18W)を加算しています。


【負荷の種類】
・アイドル時:起動しデスクトップを表示してから5分放置後の消費電力
・OCCT(CPU)時:OCCTでCPU負荷を加え始めてから5分後の消費電力
・OCCT(GPU)時:OCCTでGPU負荷を加え始めてから5分後の消費電力
・FF14(HIGH)負荷時:FF14ベンチを起動し、最初から2分時点までで最も高い消費電力
・FF14+OCCT(CPU)時:FF14ベンチとOCCT(CPU負荷)を起動し、最初から2分時点まで
               で最も高い消費電力
8スレッドともフル負荷(`・ω・´) !
8スレッドともフル負荷(`・ω・´) !

■結果
消費電力グラフ
消費電力グラフ

消費電力表
消費電力表

Σ(゚д゚lll)さすがはノートパソコン・・・っと思うような結果になりました。
まず、アイドル時の消費電力が20W程度と物凄く低いです。デスクトップPCならディスプレイだけでもこれを超えてしまうのでまず実現できないでしょう。

OCCT(CPU)時ではデスクトップPCではアイドル時から約90Wお消費電力が上がっています。それに対しノートPCでは50W程度しか上がっていません。さすがはモバイル用CPUです(;=゚ω゚)=333

また、FF14ベンチを走らすと、デスクトップ組(特にGeForceGTX570)はかなり電気を喰います。362Wだと、ノートPCの4倍ですね(^^;

やはり、ノートPCのワットパフォーマンスは素晴らしい゜・。+(´∀`)+。・゜の一言です。


■Crysisについて
PCゲームと言えば、FPS!っということで、Crysis(銃で人を打ちまくるタイプのガンシューティング)で遊んでみました(;=゚ω゚)=333
http://www.japan.ea.com/crysis/
(ちなみに2013年春には第三弾のCrysis3が出ます!)

初代Crysisは2007年に発売で、推奨動作環境がCore2Duo2.2GHz&GeForce8800GTSなので、現行のデスクトップのゲーミングPCならまず問題ありませんが、まだグラフィック性能の低いノートPCでは辛いはずです。果たして、本機ではまともにプレイできるのでしょうか?

ちなみにこのソフト、正式対応OSがWindowsXP/Vistaですが、本機のWindows8-64bitでも問題なく動作しました。(Patch1.2適用済。このパッチはWin8に対応させるものではありません)

※動画をキャプチャーする予定だったのですが、Fraps3.5.9だとWin8(64bit)+Crysisの環境ではFPS表示やキャプチャーが行えませんでした。(モンハンやPSO2では問題ないのですが・・・) この為、見苦しいですがデジカメで撮っています。


■プレイしてみた
まずはオプション変更で解像度と画質の調整を行った。
Crysisはデフォルト解像度が1024×768ですが、16:9で最も高い1600×900に設定。(1920×1080の選択肢はありません)

また、画質のおいてはハードウェアをスキャンし自動で設定する機能があります。本機だと「高」に設定され、派手な演出を楽しむことができます。
当時のデスクトップでも「高」はしんどかったのに・・・
当時のデスクトップでも「高」はしんどかったのに・・・


このゲームは、オープニングからアクション映画のワンシーンのような美麗なCG動画から始まります。1600×900の解像度でもコマ落ち感は全くありません(;=゚ω゚)=333
ちなみにこのゲームは某北の国の兵士と戦います(^^;
ちなみにこのゲームは某北の国の兵士と戦います(^^;

4時間ほどプレイし、車で兵士をなぎ倒した後、砂浜に出る所までプレイしました。
負荷がかかりそうな敵の兵士が5、6体どアップで現れて銃撃をしてくるシーンでもスムーズに描画されていました。
デジカメでスクリーンショットを撮ってたら撃たれた(´・ω・`)
デジカメでスクリーンショットを撮ってたら撃たれた(´・ω・`)

(16:9比で)最高解像度でもヌルヌル動くのでCrysisクラスのゲームなら十分に遊べると考えても良いでしょう。



予想はしていたが、ゲームのパフォーマンスとしてはデスクトップPCには一歩及ばない。
しかし、消費電力を考慮するとよく検討しているなと言うのが素直な感想である。

最新のゲームをFullHD解像度で楽しむのは無理があるが、Crysis程度なら問題ない。
(そもそも、本機に搭載されているGeForce660GTXは、GTXシリーズの最下位なので無理も無いと思う)
FF14も解像度を1280×768まで落とせば十分に楽しめる。

特にゲームは熱中するとプレイ時間が長くなりがり。ハイエンドなGPUを搭載したデスクトップPCだと電気代がバカにならない。しかし、少し性能を妥協すれば、このようなノートパソコンで大幅に消費電力を抑えることができる。ゲーマーならその分をお金をゲームに回すこともできるはず(^^;

ただ、PCゲームは進化が速く陳腐化したときに買い換えるしか無いのが残念なところだ。是非、Intelさんには自作PCのようにGPUやその他のパーツ組み替えるできるゲーミングノートの規格を作っていただきたいくらいです。需要はそこそこあると思うのですがどうでしょうか(笑)



ちなみにノートパソコンで3Dゲームができる最大のメリットとは・・・


あくまで、個人的ですが・・・


ていっ! ミ ━⊂(;`・ω・) 彡  --==≡≡◎
やっぱり、これだよな♪
やっぱり、これだよな♪

※ちなみにノートPCを布団の上に置くことは放熱上、問題があるので止めましょう(^^;


2016.7.18
Windows10Home(64bit)にしました。
この世代のPCだと特に問題なく軽快に動作しています(;=゚ω゚)=333

コメント (10)

  • リンさん

    2013/01/14

    最後の写真を見ると凄く小さく見えますね!

    パワーが、あるマシンですから楽しみですね。

    お布団でどんなゲームをするのでしょうかo(^o^)o
  • リーダーさん

    2013/01/14

    ぬあー、お布団でぬくぬくしながらまったりオンラインゲームしたいです(笑)
    ワットパフォーマンス素敵ですね!
  • harmankardonさん

    2013/01/14

    ノートPCらしい,すばらしいパフォーマンスです.

    布団の中で,部屋暖房も要らす,とてもエコな環境になりましたね.
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