レビューメディア「ジグソー」

Steam用ゲームパソコン爆誕

NUCでありながらゲーミング用途を謳っている『NUC5i7RYH』。

 

とても小さい筐体に秘められた実力は如何なるものなのか。

それを測るために2つのテーマを考え、実行することにした。

 

テーマ1.Steamゲーム専用機として使い物になるか

 こいつにSteamゲームを詰めるだけ詰め込んで、

 どれだけ快適にプレイできるかを検証した。

 

テーマ2.重量級のゲームタイトルは動くのか

 最近のビックタイトルは文字通りハイスペックを要求するものばかり。

 それらがこのNUCでどれくらい動くのか検証した。

 

<NUC外観・基本性能について

 

■NUC5i7RYHの基本性能

・CPU:Core i7-5557U(3.1GHz 最大3.4GHz,2C4T,TDP28W)

・メモリ(DDR3L SODIMM 1.35V 1333/1600 最大16GB)

・グラフィック(Intel Iris 6100、HDMI1.4a・Mini DP1.2出力対応)

・ストレージ(SATA6G*1、M.2スロット*1)

・オーディオ(オンボード7.1chサラウンドオーディオ)

・USB(USB3.0ポート 前面x2、背面x2)

・LAN(有線ギガビット、無線802.11ac)

・Bluetooth 4.0

 

と、一通り機能は揃っており、困る事がない。

 

■NUC5i7RYHの外観 

 

搭載されているUSB全てが3.0なのは有難い。

前面の右側のUSBは充電可能ポートとなっていてスマホなど繋げておくのに良い。

(外付け光学ドライブなら電源切っていてもメディアの入替も出来て便利)

 

 

ただし、HDMIは注意が必要。

 
ミニHDMI端子19ピン(タイプC)を採用しているので、

余ってるケーブルを使おう、とか考えていると接続できずハマる。

 

 

<NUCの組込みとシステムの導入>

 

NUCには予めCPU等が組込まれているため、残り必要なものは

・ストレージ(M.2 SSD 240GB)
・メモリ(DDR3L 8GB)
・OS(Windows8.1)

上の3つとなる。

 

 

今回これら全てを提供頂いているので、さっそく組込み作業に入る。

裏側のフタを外し、内部にアクセスできる。

 

 

CPU部分は更に基板の裏側にあり、見る事は出来なかったが
M.2 SSD用とDDR3Lメモリ用のスロットがある。
フタの内側には2.5インチSSD用のスペースもあるが今回は使用せず。

 

組込みとOSインストールにはいくつかの注意点がある。

 

1.メモリ1枚構成の場合は上側「下側」のスロットに入れる
下側に入れて電源ボタンを押しても起動しなかった。
(差込みが甘かっただけかもしれない・・・)

 

<8/18訂正>

ユーザーガイドには、メモリ1枚構成の場合はスロットは下側に挿せとのこと。

私のNUCでは現在上のスロットに1枚挿した状態で起動して、特に大きな問題が

ないため、たまたま下側で起動しなかったのは差込みの甘さだと思う。

 

 

2.OSのインストールはUEFIを選ぶ
起動したら「F10キー」を押して起動デバイス選択画面を出す。
OSを入れた光学ドライブが2種類出ている場合UEFIの方を選択すること。

 

 

 

3.NUC用のドライバをあらかじめ用意する
OSインストール後は最低限のドライバしか入っていない。
LANも最初は使えないため、あらかじめインテルのホームページから
NUCのドライバ一式をダウンロードしておき、USBメモリに入れておこう。

 

 

その他、Windows Updateと、セキュリティソフトの導入を済ませたら準備は完了だ。

 

<ベンチマーク:現実を知る>
ゲームを入れるにあたり、まずはこのNUCのゲーミングマシンとしての能力。
それをきちんと知る必要がある。

 

■ベンチマーク1…FF14ベンチ編

ゲーマーには定番のFF14ベンチで試してみた。
もちろん、フルHDの最高品質だ!!

 

その結果は・・・。

 

 

なんだ?!

始まって1秒で1カウントくらいの進み具合・・・。

 

 

無残にも、一番下の評価を頂いてしまった。DirectX9だというのに。

これでは話にならない。ということで、少し設定を変えてみた。

その時のベンチマークの様子は、下の動画にて観ていただこう。

 

 

動画は、実際に自分の目で見るとこうなる。

という雰囲気を出したいので、HDMIキャプチャではなくて、

実際にモニターに映し出した映像をビデオカメラでキャプチャした。

 

720pで設定を落とした状態で「やや快適」となった。

これで幾分マシになった感じではある。

 

■ベンチマーク2…3DMark編

続いては、Steamタイトルの一つである、3DMarkを使った。

ベンチマークは「Fire Strike」で試してみたのだが。

結果はこれまた散々な成績。

 

しかも、このように比較が出ているのだが「Notebook」にすら負けている。

NUCは「Office PC」に毛が生えた程度のスペックしかないという結果となった。

(ここでの評価は、おそらくCPU内蔵GPU<<外付けGPUになるのだろう)

 

こいつも、動画を撮影した。Phisics ScoreだけはCPUがi7と付いているだけあって

まあまあの出来だと思うが、ひいき目に見てもかなりキツイ結果であることに変わりはない。

 

 

この結果が、実際のゲームプレイにどこまで影響を及ぼすものなのか、

手持ちのSteamゲームを片っ端からインストールしてプレイして検証しよう。

 

<Steamゲームのインストール>

システムと共用の240G SSDに、なんとか40タイトル超を入れることが出来た。

Steamゲームだけで合計166GB使い、SSDの空き容量は32GBほどになった。

 

もう少し余裕があれば、もっと沢山ゲームを入れたいところだったが

検証も、ソフトも足りなくなりそうだったのでちょうど良かった。

 

が、手持ちのゲームで唯一、「Call of Duty: Advanced Warfare」だけは
インストールしなかった。これひとつでかなり容量を使ってしまうからだ。

 

 

さて、これで評価の準備が完了。

いよいよゲームを片っ端から動かしていくことになる。

 

<Steamゲームのプレイ評価>

■評価の対象と基準について

対象となるゲームの動作環境と評価基準は以下の通りとする。

 

<動作環境>

  画面解像度が1920x1080、フルスクリーンでの動作を基本とする

  ※上記条件を満たせない場合はそのゲームで出来うる最高設定で行う

 

<評価基準> 

 ・評価1・・・動作:ゲームの動作について
    ◎・・・フルHDで快適に遊べる
    ○・・・フルHDで遊べる
    △・・・設定次第で遊べる ←ここまでが遊べる範囲
    ●・・・ゲームにならない
    ×・・・ゲーム動作せず

 

 ・評価2・・・ノイズ:ゲーム中のファンの動作について
    ◎・・・ほとんど回らず無音に近い状態
    ○・・・多少回る程度で音が気にならないレベル
    △・・・ゲーム音が無いと回転音を意識する程度 ←ここまでが我慢できる範囲
    ●・・・ほぼ全回転の勢いでファンが回り、うるさい
    ×・・・ゲームが動作せず測定不能

 

評価1・2で判定が両方とも◎であれば、このNUCで快適に遊べるタイトルだと言える。

果たして、「NUC5i7RYH」はSteamゲーム機になれるのか?!

 

<評価集計結果>

 

集計した結果は上のとおり。

私の趣味丸出しのゲームタイトル群で申し訳ないが、参考にしていただければ幸い。

 

両方とも「◎」となっているタイトルは、”43個中22個”と全体の5割、

ゲームとして成立つレベルの「△」まで含めると、ほとんどが遊べる範疇にある。

動作しなかったタイトルは、たった2つしかなかった。

 

実際にプレイしている様子を動画に収めたので、まずは観ていただこう。

 

■プレイ動画(合計4本)

 1.Phantom Breaker

 

 2.Ikaruga

 

 3.Ultra StreetFighter IV

 

 4.METAL GEAR SOLID V

 

タイトルによっては、フルスクリーン・Windowモード使い分けていかないと

うまくいかないものもあった。その中でプレイ動画を撮れたものがこれらだ。

撮った後で気づいたが、この4つはいずれもSteamオリジナルタイトルではない。

すべてコンシューマ機でも発売されているものだ。

 

それで、私はいずれも持っていない為に比較は出来ないが、

ぜひタイトルを持ってる方は比較していただきたい。

 

では、テーマ1の総評に入ろう。

 

 <総評:Steamゲームマシンはできたのか>

 

NUCで、さまざまなゲームタイトルをプレイしてみて、そこで感じた事は・・・

 

”『NUC5i7RYH』は充分Steamゲームマシンしている”

 

最初にやったベンチマークの結果にガッカリしていたが、思いのほか健闘している。

ベンチマークソフトの結果が全てのゲームに影響を及ぼしているわけではない。

動作しないのとベンチマークソフトを除けば40タイトルが動いているわけだ。

これは『Steamゲーム 40in1』パソコンと呼んでも差障りはないだろう。

 

しかし、それと同時に私はこうも感じた。

 

"『NUC5i7RYH』はゲーミング用途にはあまり適さない"

 

という事に。

 

何故、先ほどの考えとは逆の考えも持つこととなったのだろう。

その理由として、大きく2つの点を挙げる。

 

理由1.ライトなゲームしか快適に動かない。
ノートパソコンで動かしたとしても大丈夫だろうと思える

部類のゲームでしか、評価1・2ともに◎になるものがなかった。

当然、グラフィック性能に重きを置いたゲームだと、最高設定ではまともに

動く事が出来ず、快適に遊ぶには解像度を下げ設定を変えるしかなかった。
今やゲーム機でも普及しているフルHD解像度が標準とも言える時代に、

省スペースと言えども、もう少しがんばってくれる事を期待していただけに、

この結果では私は満足していると言い切る事は出来ない。

 

理由2.ファンの騒音問題
評価2における、△および●であったタイトルについて。
高負荷の掛かるゲームタイトルでは顕著に出やすかったのだが、

まるでドライヤーのような熱風が勢いよく排熱口から吹き出るのだ。
音もそれこそ本物のドライヤーのようで、長時間やっていると

製品の寿命にも影響しかねないと不安を感じた。

 

以上のことから、このNUCはライトゲーム、ブラウザゲーム、
動画視聴といった用途に向いているが、わざわざメインを使うまでもない
タイトルを遊びたいときはNUCを使う、といった使い分けをしたい人には
向いているのだろう。(客人が来たときのカモフラージュ用にも使える) 

 

と結論付ける事とした。

 

それでも、ハイパワーなメインマシンをわざわざ引っ張りだすよりお手軽だ。

遊びたいタイトルを選んでおけば、ワット・コストパフォーマンスに

優れたセカンドマシンとして、充分過ぎるほど適格な1台だと言える。

 

というわけで、テーマ1の内容はここで終了。

続いて、テーマ2。少しNUCには無茶をさせてみようと思う。

 

<テーマ2:BattleField:Hardlineを遊ぶ!>

もはやパソコンのスペックがこれ基準でベンチマークされるほど有名なFPSシリーズである、

「BattleField」の現行で最新作となる「BattleField:Hardline」をインストールし、

実際に遊んでみてどうなるかを検証してみた。

 

 

 

 インストール自体はうまくいったので、様々な解像度に変更しながらのプレイをしてみた。

カメラのセッティング不足でFPS表示が見切れているため、下にだいたいの様子を記載。

 

■FPSの様子(平均)

設定1)解像度1920x1080 最高設定・・・約2~3FPS

設定2)解像度1920x1080 低設定・・・約10~12FPS

設定3)解像度1280x720 低設定・・・約20~25FPS

設定4)解像度1024x768 低設定・・・約25~30FPS

 

設定1ではマウスやキーの追従はできるものの画面が追従できずゲームにならなかった。

設定2に落とすと思ったより改善したが、弾を撃ってもどこに当たってるか判別できない。

設定3、4あたりまで下げればなんとかゲームになるかな、といった感じであった。

(最後、設定4まで落として遊んでいたところ謎のエラーで落ちてしまった)

 

別のGPU外付けパソコンかPS4を買ったほうが快適であるのは言うまでもない。

 

正直なところ、入れるまではどんな設定でも遊べるわけがないと勝手な想像をしていたが、

グラフィックの質に拘らなければ、設定3あたりならなんとか遊べる事がわかった。

こんな小さいNUCで最新タイトルが遊べた事に少々驚いている。

 

以上、簡単ながらテーマ2はこれにて完了とする。

#余裕があればCoD:AWもやってみたいな

更新: 2015/08/18
クオリティ感

見た目は小さく華奢に見えるが、しっかりしている

筐体の大きさを極力コンパクトに抑えつつ、必要なコネクタは装備しているため、

見た目が貧相な感じはしなかった。きちんと金属のケースを使用しているからだろう。

各パーツの寸法や造形もしっかりしている。

 

重量が見た目よりはあるため、コネクタを抜き差しするときも、グラっとすることもない。

リビングなどの見えるところに置いてあっても、チャチな玩具のような感じがしない。

 

更新: 2015/08/18
使用感

用途を限定すれば凄く快適

本編でも書いたが、あくまでNUCは用途を限定して使用すべきだと考える。

軽いゲームやネットブラウジング、動画視聴といったライトな用事で使う分には

Core i7-5557Uの処理能力の高さ、SSDやメモリ8GB搭載している事もあり

不便に感じる事は無かった。

 

ただ、画像・動画処理やグラフィック重視のゲーム等といった高負荷が続く場合は

やはり普通のデスクトップパソコンが良いので、セカンドマシンとして使うべきだ。

 

コメント (4)

  • 退会したユーザーさん

    2015/08/18

    レビューお疲れ様です!
    膨大な数のゲームのデータ凄いです!
    凄く参考になります(*´ω`*)
  • ポン酢レッサさん

    2015/08/18

    おつありです!
    今回のレビューで積みゲーを崩す、良いキッカケになりました。
    いっぱいゲームの実績解除してたので、Steamフレンドは一体何やってるんだと思ったかも。
  • n-eさん

    2015/08/18

    写真だとメモリは下(裏返すので本体の向きから見ると上と言えない事もないけど)に挿してあるけど、上に挿しなおしたのかな?

    うちは下に挿したけど、普通に起動した。

    英語のIntel NUC Kit NUC5i7RYH User Guideには

    https://downloadcenter.intel.com/download/24794/NUC5i7RYH...

    Install SO-DIMMs
    If you plan to install just one SO-DIMM, install it in the lower memory socket.

    と書いてあるので、下の方が良いみたいだけど、何の問題があるのかは謎です。
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