Chromeboxが気になるお父さんへ。お財布を握る奥様に購入を持ちかける際に
「Chromeboxは、Googleが提供するLinuxベースのChromeOSを搭載したPCでね・・・」
という切り口は悪手かもしれません。
奥様からは、「なにそれ?WindowsやMacとは違うの?普通のにして!」
という反応が返ってくると思います。
ただでさえパソコンのことについて聞くと、単純にこれが自分の分かる範囲で使えるのか使えないのか知りたいだけなのに、知りたいこと以上に薀蓄を語られる羽目になりがちな奥様としては、旦那に聞かずに普通に使えるのが良いのです。
でも、「Google」はパソコンの知識に疎い人でも知っている人は多いのではないでしょうか?
市井のパソコン教室でも、インターネット講座のカリキュラムのはじめは検索サイトでの検索を教えるのが多いですよね。まずはインターネットブラウザが使えれば良いのです。
Googleが説明するChromeOSって何?(What is Google Chrome OS?)でも
端的に"Just Browser"と表現しています。そう、単純にブラウザが動くOSなんです。
パソコンの薀蓄が嫌いな奥様も、普通にブラウザを使って検索してますよね。
普通の人が普通に使いたいことに特化したOSがChromeOS。
そんな普通なことに特化したOSを載せたPCがChromebox。
今回紹介するASUS Chromeboxです。
※1/30に「家族で使うならペアレンタルコントロールも必要」を追加しました。
シンプルなパッケージで簡単設置
まずはパッケージの開封から。
上の箱がマウス、キーボード。
下の箱は本体とACアダプタ、保証書など。
コネクタもポートも少ないので、不慣れな人でも差し込む先は間違えないでしょう。
Quick start guideもそっけないくらいに簡単。
わかります。わかりますけど・・・。まぁ余計な言葉はなくてもわかるくらいに簡単です。
注意したいのは、ディスプレイ接続用のケーブルが付属していないこと。
自宅のディスプレイに合わせて事前にHDMIケーブルやDisplayPortケーブルを用意しておく必要があります。
VESAマウント用のアダプタも同梱されているので、省スペースデスクトップとしての使い方も可能。
モニタ背面に設置するとこんなイメージ。
上側にSDカードスロットと電源ボタンがきます。
据置きした時に前・背面になる側は左右からアクセスする形になります。
アクセスする機会の多いSDカードスロットと電源ボタンが上側にあるのはわかりやすくて良いですね。
SDカードは奥まで差し込まず、半分くらいでとまります。イジェクトの際には引き抜く形になります。押し込んで飛び出すギミックが付いていると、変に飛び出した時にテレビの裏側に落ちちゃいますからね。
背面にマウントしてみると、電源ボタンが角にある理由がよくわかります。
モニタの背面を覗きこまなくても、右手でスーッと撫でていって、手にあたったところが電源ボタンです。よく出来ているなぁとちょっと感心するポイントです。
ワイヤレスマウスとキーボードは簡単接続
本体裏のUSBポートにUSBドングルを接続するだけで、あとはキーボードとマウスの電源を入れるだけで接続が完了です。Bluetooth接続のようにペアリング操作などは不要なので、起動即使えます。
ワイヤレスで心配な入力のタイムラグもほとんど無し。接続距離に関しては、見通しの良いリビングであればかなり離れても大丈夫です。
■マウス
左右クリックボタンにセンターホイールのついた、やや小ぶりのマウス。オーソドックスなオーバルデザインなので、持ちやすいです。ブルーのLEDが格好良い!
■キーボード
付属のキーボードは最近ではもう普通になったアイソレーションキーボード。
置いた時の安定感もあり、キータッチも適度な押し返し感があり打ちやすい。
惜しむらくはバックスペースキーの小ささ。これさえなければ満点だったのに!
でも全体的にコンパクトにまとまっていて、良いキーボードだと思います。
左側の虫眼鏡アイコンの検索キーが印象的ですが、実際意識して使いはじめると、この位置の検索キーは意外と使いやすいです。調べ物をするときに、キーボードから手を離さずに検索キーを押して検索語句を入力できるのはストレスが無くて良い。
CapsLockキーはなくとも「Alt+検索キー」でCapsLock機能は一時的に有効にできます。
■キーボードショートカットについて
特殊キーが見たことないものばかりなのでちょっと不安になりますが、初回ログイン時にも表示されるヘルプに、キーボードショートカットについて詳しく説明してあるので、都度ここに戻って確認すれば良いでしょう。ウェブブラウジングのショートカットは実際使ってみると便利だなと実感しますね。
むしろ新しいOSを触る際の楽しみとも言えるのではないでしょうか。
Googleアカウントさえ持っていれば、即ログイン即いつもの環境!
特に普段からChromeを持っている人であれば、新しい環境でChromeを使う時にGoogleアカウントにログインするだけでブックマークや拡張機能が一気に同期されたあの快適さは体験している人も多いかと思いますが、もちろんChromeboxでもその快適さは損なわれていません。
初回起動の時点でこのスピードでログイン画面が表示されたうえに、自分のGoogleアカウントでログインすると、いきなり見慣れたブックマークが同期されたブラウザがたちあがるわけで、OSレベルで「あなたの普段使っている環境はこれですよね?」って揃えてもらっている感じです。
マルチユーザの登録をしておくと、アカウント選択画面で選んだアカウントが設定している壁紙に切り替わります。すごくわかりやすいですが、壁紙をセクシーな画像や萌え画像にしたい方には要注意ですね。
家族で使うならペアレンタルコントロールも必要
ログイン画面からマルチユーザ登録をする際に、「監視対象ユーザー」として登録することも可能です。
この監視対象ユーザーとして登録することで、そのアカウントの閲覧履歴の確認や、ウェブサイトのアクセス制限をかけることが可能になります。
ドメイン単位で許可することや、サブドメイン単位での制御、逆にアクセス禁止するサイトを登録することも可能です。年齢に応じて許可する範囲を定めるか、アクセス禁止するサイトを登録するか分けると良いと思います。
監視対象ユーザーが許可されたサイト以外にアクセスしたい場合は、管理者ユーザーに対してリクエストを送ることができるので、管理者ユーザーはリクエストをもとに判断して許可を出すことができます。
こういう機能はリビングPCには必須ですね。
Chromeウェブストアのアプリで大抵のことはできてしまう
ハングアウトの活用でWebチャット環境を再構築
Chrome OSベースのテレビ会議システムとして販売されている「Chromebox for meetings」でも使われているハングアウトですが、もちろんChromeboxでも使えます。
ハングアウトはGoogle版のLINEやSKYPE(と言ってしまうと身も蓋もない)ですが、テキストチャット・ビデオチャット・画面共有などのコミュニケーションを、Android、iPhoneやiPadなどのiOS、パソコンと環境を問わずに行うことができます。
会話の途中でデバイスを変えても会話が継続できるので、自宅でChromeboxでのテキストチャットの続きを外出中のスマートフォンから行うことができます。
友人や職場とのやりとりでLINEやSKYPEをメインに使っている方も多いかと思いますが、家族間のコミュニケーションをハングアウトに切り替えてみてはいかがでしょうか。スマートフォンからのテキストチャットはもちろん、ビデオチャットや音声通話までできるので、MVNOで子供にデータ通信プランのスマートフォンを持たせている方にはもってこいです。
実際、私もLINEとハングアウトは頻繁に使っていますが、妻とのテキストチャットはハングアウトにしています。
LINEのアプリケーションって結構動作が重たかったり、特定のスマートフォンでしか認証できないとか面倒ですよね。Android2.3のスマートフォンをメインに使っていた頃は、LINEが重たくて起動するまでに数分かかったあげくに強制終了していました。そんなスマートフォンからでもハングアウトはストレスなく使えています。
ハングアウトはグーグルアカウントで紐付けてさえあれば、どのスマートフォンかを問わずにインストールできます。私の場合、コールがあるとスマートフォン3台とPCとタブレットが同時に反応するので、それはそれでどれを取ろうかと一瞬悩むのですが・・・。
Office Onlineでリビング仕事環境を再構築
リビングPCでもたまに仕事をしなきゃならないときはありますよね。
Windowsを選ぶ理由としてMicrosoft Officeが使いたいというニーズがあるとおもいますが、Word、Excel、PowerPointに絞って言うなら、今やOSは問わずに使える環境があります。
当然Chromeboxならサクサクと仕事の続きができてしまいます。
でもやっぱりWindowsアプリが使いたい!Windows上じゃないと動かない機能がある!
・・・もちろんそんなニーズもありますよね。そんな時にはChromeリモートデスクトップでWindowsで起動しているPCに接続できます。
頭を抱えているピクトが深刻さを醸しだす「リモートサポート」をスルーして、事前にChromeリモートデスクトップをインストールした自分のWindowsPCに接続してみましょう。
WindowsPCにChromeリモートデスクトップをインストールする際に、PINコードを設定しておき、Chromeboxから接続する際に設定したPINコードを入力します。
あっさりと接続。
動作速度も同一LAN内であれば、ほとんどストレスを感じずに使えます。
同一LAN内ではなくても接続できるので、この際Windoes環境はVPSを借りておいて、使いたいアプリがあるときだけリモート接続するという手も。
画像編集や動画編集、音楽も!
今回のレビューを書くにあたっては、使っている画像のリサイズや加工、動画編集もすべてChromeboxで行いました。Chromeboxでというより、 Chromeウェブストアのアプリを色々と試しながら試行錯誤してみました。
画像編集アプリも沢山リリースされていますが、単純に「この選択範囲にガウスぼかしを入れたいだけなんだけど・・・」とぼやいちゃうくらい、特徴のある面白いアプリは多いのですが、自分のニーズに合うアプリケーションに出会うまでが一苦労かもしれません。(それはそれで楽しいのですが)
画像のリサイズや回転は「PicMonkey」を使い、細かい加工は「GIMP」を使いました。動画編集は「WeVideo」で編集を試して、最終的には「Youtube」に落ち着きました。
これらのアプリケーションに共通しているのが、ファイルを開く際に参照する先は基本的にGoogleドライブだということ。今までWindowsやMacなどを使っている経験から、ついつい参照先や保存先をローカル(ChromeOSだと「ダウンロードフォルダ」)を指定しまいがちで保存の時間がかかったり、うまくいかなくてストレスがあったのですが、デフォルトがGoogleドライブでいいんだと気づいてからは、Googleドライブがクラウド環境であることなど殆ど意識せずに使えていました。
Chromebox購入者の1アカウントに限り、1テラバイトのGoogleドライブが2年間使えるので、この1TBの大容量という安心感もありますね。
作業中は「SoundCloud」で音楽をストリーミングし続けていました。裏でストリーミングして音楽再生していても、画像編集の時にはそれほど影響はなかったですね。動画編集でも多少ギクシャクしていましたが、使えないことはありませんでした。
あとはおまけで「艦これ」ですが・・・全くストレスなく演習できますね。素晴らしいです。
「普通に使える」ということ
Chromeboxを設置して翌日の朝、子どもたち(9歳と5歳)がログインしてYoutubeのマインクラフト実況動画を見ていました。念の為に・・・とログイン画面の左下にある[ユーザーを追加] で息子たち用のGoogleアカウントを追加しておいたのですが、特に使い方を教えていないのに勝手にログインして、見慣れたブラウザのいつものブックマークをクリックして、お気に入りの動画にアクセスしていたようです。
使い方わかった?と聞いてみたところ、「白いパソコン(Macmini)と同じだったよ!」とのこと。「テレビの画面が大きいから見やすいよね」とも。
今までリビングPCとしてMacminiを使っていましたが、馴染のないアプリケーションも多くインストールされており、Youtubeを見たいだけの子どもたちにとっては、余計なプロセスをいくつも踏まねば目的の動画にたどり着くことはできませんでした。
Chromeboxではいきなりブラウザが立ち上がるうえに、画面左下には見慣れたYoutubeアイコンが見えるので、すぐに目的のやりたいことにたどり着けます。
今まではスチールラックに載せた小さいディスプレイを兄弟で覗きこむように見ていたので、40インチのリビングのテレビで表示させるとディスプレイから距離も取れるので親としても安心。
それにしても、本当に何も詳しく教えていないのに勝手に使い始めていたあたりに、Chromeboxの可能性を感じさせてくれます。
妻曰く「もうパソコンいらないじゃん」
いや、まぁこれもパソコンなんですけどね。
でもそう言わせるくらい、パソコンというより「Chrome」です。
リビングで使えるChrome、インターネットの入り口。
実際、妻に「Chromeboxがうちに来るよ!」と伝えたところ、冒頭のやりとり程ではないにせよ想像通りの「これなにパソコン?」と反応が帰ってきました。
ハングアウトのメッセージに製品情報のURL付きで送ったにも関わらずです。
ChromeOS自体はオープンソースで開発されているので、Linux界隈や新しもの好きの方々にはChromiumOSとして知られているものの、Linux自体の知名度がそれほどでもなく、ましてや意識的に触ったことのある人の方が圧倒的に少ない現状、Windowsでも、ましてやiPhoneやiPadにてようやく知名度のあがったMacですらないOSを搭載したPCですから、この反応は無理もないでしょう。
でも、その辺の知名度とか全く関係なく、ASUS Chromeboxは
「普通にインターネットできるよ」
とおすすめできます。
KAOさん
2015/01/30
気軽に使えるOSでいいですよね~~
karariさん
2015/01/31
ありがとうございます!
ダンボー並べるだけで和みますよねw
確かにChromeOSは気軽に使えますねぇ。
退会したユーザーさん
2015/02/04
あぁぁぁ~~~・・れびゅ~見てると欲しくなるんでつよねぃ(--;
でもあれもこれもと
欲しいものが多くて・・でも買えなくて
困ってしまう(www
karariさん
2015/02/04
ありがとうございまつ
こ、これくらいの価格ならなんとか手が出せるかも?
欲しいものは多いですよね!ああ私も物欲がw