新世代のクラウドOS「Chrome OS」を搭載した小型PC『ASUS Chromebox』のレビューです。Chromeboxを導入することでライフスタイルがどのように変化するのか、製品のデザインや機能、操作性などを検証しながら、その魅力に迫ってみたいと思います。
※本レビューでは「レビューの視点」をベースに、上から自然に読み進められるよう構成しているつもりですが、写真などを含めてかなり長文となっておりますので、必要に応じて上記「レビューの視点」のリンクをご活用いただけると幸いです。
・2015.01.24 「実用性」にリモート・デスクトップを追加しました。
はじめに…
我が家はかなりアナログ寄り(デジタルモノに消極的)な一家なのですが、長年の地道な布教活動で何とかノートPCやタブレット端末などを導入して無線LAN環境で使うくらいのことは出来るようになりました^_^;
主にインターネットでの情報収集や通販がメインなのですが、妻は未だに無線LAN環境を全く信頼しておらず、決済は必ず有線環境で行っています。それはそれで良いのですが、ノートPCなのに有線接続なので、ほとんどデスクトップ(据置き)と変わらない使い方というのが微妙な感じですw
以前はノートPCの起動が遅くても誰も何も文句は言わなかったのですが、タブレット端末を購入してからは、PCの起動時間が激遅いとよく嘆くようになりました。。。
今回「手のひらサイズで起動が速く、安全で使いやすい」という触れ込みのChromeboxは、そんな我が家にピッタリのPCではないかと思ったので応募した次第です。
さらに、もう一つ本製品のスペックを見て是非試したいと思ったのが、余剰ディスプレイの有効活用で、買い増しなどで身近に余っているディスプレイを利用して省スペースタイプの一体型PCを作り、子供の学習(情報収集)や従来のノートPCに代わるものとして利用したいとも考えました。
製品概要…
手のひらに乗るほど小さなボディに省電力版CPUである「Celeron 2955U(1.4GHz)」を搭載し、OSにはLinuxベースの最新Chrome OSを採用したオンライン前提のPCです。(オフラインでもある程度は使えます)
Chrome OSを搭載したPCは、ノート型のものを「Chromebook」、その他デスクトップ機を「Chromebox」と呼んでいるようです。今回レビューさせて頂くのは後者の「Chromebox」で、コンパクトなので持ち運ぶことは可能ですが、基本的には据置きで使用するタイプの俗に言う「ネットトップPC」となります。
市場ではどこでも使えるノート型のChromebookの方が種類が多いようで、本製品はどちらかと言えばマイナーな部類に入るかも知れませんが、ノート型のように完結した形ではないので、逆により広く様々な用途に使えるのではないかと考えています。
レビュー環境と準備品…
本製品にはディスプレイと接続ケーブルが付属していませんので、それぞれ別に準備しなくてはなりません。TVやディスプレイ本体は身近なものを使用するとして、接続ケーブル類は余りのモノがなかったので新規に購入しました。
□リビングのTV
リビングのTVはシャープ製40インチのLED液晶TV(品番)です。最新型ではありませんが、インターネット接続が可能で、様々なオンラインサービスを利用できるものです。VESAマウントは300x300なので、本製品を取り付ける事はできません。
家電エコポイント事業の時期に購入
接続用にHDMI - HDMIケーブルを購入。
□他の場所のTV
東芝製の32インチLED液晶TV(32AE1)です。こちらも最新ではありませんが、HDMI入力端子が付いているので接続可能です。VESAマウントは200x200なので、やはりこちらもそのままでは本製品を取り付ける事はできません。
家電エコポイント事業終了後に購入
□PC用24インチディスプレイ
以前レビューさせて頂いたBenQの24インチLED液晶ディスプレイです。主にセットアップ時とその際のスクリーンショットや使用例写真を撮る為に使用しました。VESAマウントは100x100ですが、元々専用スタンドに使われているので本製品の取り付けは不可です。
接続用にDisplayPort - DisplayPortのケーブルを購入。
□PC用17インチディスプレイ
往年の名機(?)EIZOの液晶ディスプレイ(FlexScan L557)で、以前仕事で使用していたものです。かなり古くなってしまいましたが、何となく捨てられないまま置いてあったものです。VESAマウントは100x100なので、本製品を背面に取り付ける事ができます。
接続用にHDMI - DVIケーブルを購入。
(変換コネクタなら余ってたかも^_^;)
□ネット環境
基本的にはCATVの無線LAN環境を利用しますが、セットアップ時にはあえて格安のデータ通信回線を利用したネット環境で、どの程度使用できるかを検証しようと思って用意しました。
本来ならUSBモデムを本製品に接続して、直接ネット環境を構築したかったのですが、USBモデムの接続アプリなどChrome OSに対応したものがなく、自力でやる(デベロッパーモードでいじる)にしても現在の私のスキルでは難しいようなので、Mac miniを利用したWi-Fi環境下で試してみることにしました^_^;
Mac mini(Mid 2011)+ 格安SIM(IIJmio)+ USBモデム(L-03D)
□その他
折角ならサウンドもワイヤレス接続(Bluetooth)で楽しんでみようということで、やはり以前レビューさせて頂いたSound Blaster Roar(SR20A)にもちょっとだけ登場してもらいました^_^;
友情出演です^_^;
ハイスペックではないけれど...:パッケージ内容と製品仕様
パッケージについて…
マットブラックにグレーの文字がシックな長方形の箱は、昔持っていたモデルガンのパッケージを思い出させるものがありますが、私が想像していたものよりもパッケージが大きく感じられたのは、キーボードの存在を忘れていたからに違いありません。
なかなか渋いパッケージです。
外側の箱の中には更に箱が2つ入っていて、外箱と同じデザインの箱には本体と電源類、そして、もう一方の箱にはキーボードとマウス類が入っていました。
もしかしたら黒い箱の方はChromebookやVivoMiniと型が共用なのかな?
□パッケージ内容:
本体、キーボード、マウス、電源コード、USBワイヤレスレシーバー
単4乾電池(4ヶ)、VESA規格対応マウント(取付ねじ付き)
製品保証書、ユーザーマニュアル
意外と色々入っていました。電池付きなのは嬉しいですね!
あぁ、これでディスプレイケーブルが一種類くらい付属していれば完璧でしたね^_^;
電源アダプターが思いのほか大きく見えます、いや実際大きいです...
製品仕様:
本製品の仕様(概略)は以下の通りです。
OS:Chrome OS
CPU:インテル Celeron 2955Uプロセッサー(1.4GHz)
グラフィックス機能:インテルHDグラフィックス(CPU内蔵)
メモリ:DDR3L-1600 4GB
ストレージ機能:SSD 16GB
サウンド機能:インテルHDオーディオ準拠
LAN:1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ45)
無線機能:IEEE802.11a/b/g/n, Bluetooth V4.0
外部ディスプレイ出力:HDMI × 1、DisplayPort × 1
USBポート:USB 3.0 × 4
カードリーダー:SDメモリーカード(4メディア対応)
オーディオ:マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック × 1
消費電力:最大約46W
サイズ:W124 × D124 × H42mm
重量:約0.6kg
CPUはHaswellベースのインテルCeleron 2955U(2コア2スレッド, 1.4GHz, 2MB キャッシュ)、U版ということで超低電圧版CPUとなっています。調べてみると、どうやらCore i5-4350Uから特定機能を省いたの廉価版という扱いになっているようです。
メモリは4GBで、16GBのSSDを搭載しています。今時16GBでは足りないのではないかと心配になりますが、データなどはネット上のサーバーに保存するサービスである「Google Drive」に保管されるので、普通に使う分には特に足りなくなることは無いようです。
本体裏側のスリットから覗くと2GBメモリーが2枚見えます。
◇決してハイスペックなPCではありませんが、それはWindows前提でのお話で、比較的ロースペックな環境でも快適に動くと言われているChrome OSから見れば、本製品は意外とハイスペックな方に入るかも知れません。
安かろうなデザインではない!:外観デザイン
楽しめるカタチ
事前にネットの写真などで形状だけを見ていた時は、割と厚みがあってズングリしている印象がありましたが、実際に製品を見るとそれが決して厚い訳ではなく、小ささゆえに厚く見えてしまうだけだということが分かりました。
手のひらサイズ! 小さく見えるように頑張って指を目一杯広げてみましたw
手の大きさは人によって違うので、これでもまだ分かりませんね...
大きさ的には、CDのプラケース(レギュラー)を4つ並べたものよりも少し小さく、Mac mini(mid 2011)より少しだけ厚みがありますが、まさに手のひらサイズと呼べる大きさです。
CDケース4つと高さはほぼ同じで幅と奥行きは一回り小さい感じ。
Mac mini(下)もかなり小さいと思っていましたが...
それを踏まえて本製品を見ていくと、このごく小さい製品の中に使う人を楽しませるための様々なデザイン要素が詰まっているように感じました。
□ちゃんとデザインされている
本製品は基本的にシンプルな箱型でありながら一角だけ面取りしたような特徴的なデザインを採用しています。あまり特異な形だと敬遠されがちですし、逆にシンプル過ぎると単調になってしまい影が薄くなりがちですが、このデザインのおかげで全体が単調な感じにならず、かといって主張しすぎないカタチにまとまっていて、とても魅力的です。
デザインの好みはあると思いますが、私は結構好きなカタチです。
ASUSの製品は全体的によく考えられた形状、オリジナリティのあるデザインのものが多いと思います。本製品も小型で低価格ながら妥協せずにデザイン・設計されていて非常に好感が持てます。
製品の価格を下げるために外観は適当で良しという考えもあるかと思いますが、売り場で見た時に「これなら洒落てるのでリビングでも使ってみたい!」とか、「これなら簡単に使えそう」と思える方が、結局は売れるのではないかと思います。(OSや機能の違いはまた別次元の問題ですが^_^;)
□縦でも横でも楽しめるデザイン
本製品は、基本的に横置き(平置き)がメインだと思いますが、VESA規格マウントを利用してディスプレイの背面などに直接取り付けて使用する場合は、縦向きに取り付けることになります。本製品は、縦向きに設置した時のデザイン的配慮もキチンとなされていると感じました。
縦置きの時のロゴの向きなどは諦めましょう^_^;
残念なのはこちらの面、目立たないように置けるかな?w
先に述べたように、一角だけ面取りしたようなデザインの部分が電源スイッチになっており、横でも縦でもスイッチが押しやすい位置になるようにデザインされています。
実際に縦置きで使用する場合は、底部になる面に滑り止めも何も付いていないので、滑ったり、転倒しないような場所で使った方が良さそうですね。また、本棚の中など転倒の心配はなくても、あまりにも閉鎖的になってしまう場所はよろしくないような気がします。
□微妙な色合いを楽しめる仕上がり
本製品は、一瞬オールブラックのように見えますが、実は天板と底面は黒に近いダークブルーとなっています。写真に撮ると真っ黒く写ってしまったり、見る角度でブルーの色合いが変化するという何とも繊細なカラーリングです。
また、表面のサラサラ感とエッジの磨き具合が全体にメリハリを与えると共に、小さいながらも高級感があります。ただ、ちょっと惜しいのが「インテル入ってる」のステッカーの貼り位置がイマイチで「HDMI」表記と合わせて何となく野暮ったく感じました…
まぁ、剥がしてしまえば良いのですけど...
標準のワイヤレスマウスも本体と同じツートンカラーを採用しており、製品としての統一感が取れていて、とても良い感じです。一方キーボードは黒一色で、印象的には悪くありませんが、どうしてこれだけツートンにしなかったのだろうかと考えてしまいました^_^;
それから、カラーバリエーションが無いのもちょっと残念ですね。Chromebookと同じカラーとまでは言いませんが、せめてあと1〜2種類くらいの選択肢があれば、もっと楽しめるのではないかと思います。
本体各部の名称など
本体は超小型ですが、USB 3.0のポートが合計4つも付いているので、USB機器の接続などで不自由することは少なそうですね。
背面側には所狭しとポート類が並んでいます。
ディスプレイ接続用のポートとしてHDMIとDisplayPortの両方が付いているので、PCディスプレイから液晶TVまで幅広く接続できますし、同時に繋げばマルチディスプレイにも出来るので、用途の幅も広がりますね~ ※レビューの視点「機能性」の項目で実際に試しています。
さらに無線LANだけでなく有線LANポートも備えているというのが特徴です。Chrome OSにとってオンライン環境が構築できるかできないかは死活問題にもなりますからねぇ^_^;
この面だけはツルツルで何もなし。
SDカードスロットについては、カードが全て入るタイプではなく、半分くらいカードが飛び出すタイプなので、何となく見た目にスッキリしない感じです。(HPの製品紹介ページのCG動画では全部収まっていたのに...)
まぁ、本体を持ち歩く訳ではないので、これはこれで許せますが...
また、VESAマウント利用時や縦置きにした時に、このSDカードスロットの面が上向きになるため、ホコリ等がたまってしまうことが懸念されますので、そのような使い方をする時はフタ(キャップ)のようなものをした方が良いと思われます。
◇PC本体としては比較的低価格帯の商品になりますが「安かろう悪かろう」的な方向性ではなく、「安くても良いものを」という姿勢が製品のデザインにも反映されていて素晴らしいと思いました。
Chromeブラウザのみという簡潔さ!:セットアップと使用感
煩わしさが微塵も無い!
本製品の設置で最も手間が掛かるのは、おそらくVESA規格対応マウントを使って液晶TV(ディスプレイ)に取り付けることくらいなので、ただ置いて使う場合は、電源コードをセットしてコンセントに差し込み、本製品と液晶TV(ディスプレイ)をケーブル接続するだけです。
キーボードとマウスはワイヤレス式で、付属のUSBワイヤレスレシーバーを本体のUSBポートに挿せば準備OKです。(キーボードとマウスは電池式なので、付属の単4電池をそれぞれにセットします)
付属のシンプルなワイヤレス・キーボード
裏側から電池を入れます。すぐ横に電源スイッチとコネクトボタンがあります。
丸っこいシルエットのシンプルなワイヤレス・マウスてす。
こちらも裏側から電池を入れます。もちろん電源スイッチもあります。
ただ、標準品なのにUSBレシーバーを挿さないといけないというところが、何となくスマートじゃないですね。。。本製品はBluetoothを搭載しているので、せめて標準のキーボードやマウスを使用する時はレシーバー無しでスッキリさせたほうが良かった気がします。
どんなに小さくてもUSBポートを一つ占有してしまいます...
設定もあっという間!
そして、いよいよ本体の電源スイッチをONにする訳ですが、初めて起動する時は、いくつか設定をしなくてはなりません。ネット環境としては、Mac miniに格安SIMを使ったUSBモデムをセットし、Mac mini自体を無線LANのアクセスポイントにしたWi_Fi環境を利用しました。
電源スイッチをONにすると、ほとんど待たずに言語とネットワークの設定画面が表示されます。用意したWi_Fi環境に接続できるようSSIDやパスワードを設定し、正しく接続されると次に進みます。
はじめて電源投入後の起動したての画面
Googleアカウントに接続するための設定画面が表示されるので、今回は従来のアカウントを利用してログインしました。なお、新規アカウントの場合は、その場で新規に登録すれば使えるようになると思います。
Googleアカウントへのログイン画面
Chrome OS初心者なので、一応「使い方ガイド」も見ておきました^_^;
すんなり進めばたぶん5分も掛からない作業だと思いますが、今回はネットワークのパスワード入力に手間取り(忘れてw)、ここだけで20分くらい費やしてしまいました^_^;
そう、もし煩わしいことがあるとしたら、この部分かも知れません。分かっている人ならば何も問題ないと思いますが、何も知らない子供や老人だとここで挫折する可能性がありますね。。。
ちなみに有線LAN接続にした場合は、Wi_Fi登録は不要なので、それこそ誰にでも簡単にセットアップできると思います。それでも、多少は用語などを理解してないとダメかも知れませんが^_^;
はじめてのChrome OS
そもそもChrome OSというのは、私自身見るのもいじるのも今回が初めてであり、事前知識もほとんどありませんでした。従来のWindowsやMac OS Xとは全く違うOSであるということだけは何となく聞いていましたが、WEBアプリに特化したOSという意味は全くと言って良いほど理解していませんでした。
「Chrome」といえば、Google ChromeというWEBブラウザでお馴染みですよね。Chrome OSは知らなくてもブラウザの方は見たことがありますし、気が付くといつの間にかインストールされていて、何度もアンインストールした記憶があります^_^;
Mac版ChromeブラウザはOSの都合で左上にクローズボタン等が並びます。
Chrome OS版は、クローズボタン類が右上なのでスッキリした印象です。
Chromeブラウザについては、単なる軽くて高速なブラウザという認識しかなかったので、ついつい使い慣れたものを使い続けてきましたが、今回のChrome OSはまさにこの「Google Chromeブラウザ」がメインのOS、というかChromeブラウザを動かすためのOSということなのですね。
私の場合、Chromeブラウザときちんと向かい合うのは今回が初めてなのですが、普段から使い慣れている方にとっては全く違和感なく使えるのではないかと思います。
Chromeブラウザのみ!
ログイン直後のデスクトップは他のOSと同様に壁紙が設定されていて、画面左下にアプリのアイコンが並んでいます。また、右下には時計などタスクトレイ的なものが並んでおり、配置的にはMacというよりWindows寄りのデスクトップと言えそうですね。。。
スッキリしたデスクトップ、背景画像がとても奇麗です。
まずはChromeブラウザのアイコンをクリックしてみると、私個人としてはあまり馴染みのないウインドウが起動して、見覚えのあるGoogle検索の画面が表示されます。操作的には特に違和感もなく普通に使えるようですね(ホッとしました)
もちろんTABだけでなく、マルチウインドウにも対応しています。
次にデスクトップ画面左下のアプリ一覧から「Google マップ」を開いてみました。
アプリというか何というか、別のOSでもお世話になっているものが多いですね^_^;
デスクトップ全体の画像だと分かり辛いのですが、Googleマップだけを開いた状態です。画面左下のChromeブラウザアイコンの下に印が付いていて(下の原寸画像参照)、現在起動中なのが分かります。つまり、ChromeブラウザでGoogleマップのページにアクセスしただけという感じですw
他のアプリも大抵はChromeブラウザの新規TABとして開きます。これがWEBアプリという事なのだと思いますが、こうなってくるとWebページなのかWebアプリなのか、何が何だか分からない感じですね。。。
Windows版Chromeのアプリメニューだとやはりショートカットになっていますね。
アプリの中には、単独のウインドウで開くもの(例えば電卓やファイルブラウザなど)もあり、この方がアプリっぽい感じがしますが、実際のところはChromeブラウザベースで動いているのではないかと思われます。
□アプリをインストール
せっかくなので、Chromeウェブストアから無料の「アプリ」をいくつかインストール(登録)してみました。
何となくパッとし ないChromeウェブストアですが、アプリなどは意外と豊富です。
どれも一瞬にしてインストールされました。
アプリの追加ボタンを押した途端にアプリ一覧に登録されました。「速い!」
どうやらインストールと言っても、製品本体にダウンロードしている訳じゃなく、ショートカット的なものをアプリ一覧の中に設定しているだけのように見えます。
□拡張機能をインストール
Chromeウェブストアには「アプリ」だけでなく「拡張機能」と呼ばれるユーティリティ的なものも登録されていて、それらもインストールできます。
試しにMicrosoft Officeオンラインが利用できるようになるという「Office Apps」というのをインストールしてみたところ、アプリケーションと違ってブラウザ自体にボタンが追加されました。どうやらChromeブラウザ自体に追加される機能のようですね。
ブラウザのアドレスバーの横にボタン(画像は押した状態です)が追加されました。
ここからアプリ(例えばExcel)を開くと、Officeオンライン上のExcelを操作できるようになります。あとで気付きましたが、他のOS版Chromeブラウザでも、同じアカウントでログインしていると、同じように拡張機能(アプリも)が追加されているのですね。
Office系のアプリを使えるようにすれば仕事にもガンガン使えそうですね〜
つまり、MacでもWindowsでもChromeブラウザさえ動けば、同じアプリを利用できて、さらに同じ機能も使えるということで、これがWebアプリの魅力というか、真のクロスプラットフォームなのではないかと思いました。
おまけとして、今回のレビュー用に良いかと思ってデスクトップ画面を動画でキャプチャできる拡張機能も追加してみました。保存される動画は「webm」という形式なので、これからのYouTubeにはもってこいの形式となっています!
アプリの起動シーンなどを(適当に)キャプチャーしてみました。ちょっと動きがぎこちないですorz
□テーマをインストール
今時ブラウザの「テーマ」が変更できるというのは珍しい事ではなく、これまでにも別のブラウザのテーマを変更したりしてきましたが、ブラウザだけデザインを替えても他のアプリやOSのウィンドウがそのままだと興醒めなんですよね。
しかしながら、Chrome OSは開くウィンドウはほぼChromeブラウザベースですから、大抵はテーマが適用されるに違いないと期待してインストールしてみました。
なかなか面白いですが、単独で開くアプリなどには適用されていないようです。やはり全てに適用される訳ではなそさそうですね。。。
なかなか自分好みのテーマは見つかりませんが、見つからないなら自分で作ってしまえ!ということも簡単に出来そうなので、暇な時にでもチャレンジしてみたいと思います。
サクサクなのが嬉しい!
まだ、使い始めたばかりですが、Chrome OSがあれば、我が家でやりたいこと(普段Windows PCでやっていること)は大抵できそうに思えます。
そして、何と言っても動作が軽快でサクサク使える点が最大の魅力ですね。
定番ゲームも割と軽快にプレイできますよ〜
今までのPCだとアプリや便利なユーティリティなどを追加していくと、起動が遅くなったり、処理が重くなってきてイライラの原因になったりしますが、Chrome OSの場合はあれこれとインストールしても起動が遅くなったり、重く感じるようなことはほとんど無いようです。
この辺りがWEBアプリの良いところかも知れませんね。ただ、さすがに回線速度が遅いと何かともたつく事があるので、できるだけ高速・大容量な通信回線や通信環境下で使いたいものです。
ベンチマーク
今回はPC本体のレビューということですから、一応ベンチマークを取ってみたいと思います。実施したベンチマークはJavaScriptのパフォーマンスを測定する「Octane 2.0」と、HTML5ベースで各種利用シーンを想定してパフォーマンスを測定する「WebXPRT 2013」を実施してみました。
いずれもWEBブラウザ上で動作することから普段使っているMac mini(Core i5 / 2.5GHz)とWindows PC(Core i5 vPro / 3.3GHz & Core i7 / 2.5GHz)でも同様に計測して比較してみました。※スコアが高いほど優れているという判断になります。
□Chromebox のテスト結果:
・Octane 2.0・・・11974
・WebXPRT 2013・・・1012 +/- 11
※Chrome OS v38 + Chromeにて計測
Octane 2.0(左)とWebXPRT 2013(右)の実施結果
□Mac mini(mid 2011)のテスト結果:
・Octane 2.0・・・18147
・WebXPRT 2013・・・1482 +/- 45
※Mac OS X 10.9.4 + Firefoxにて計測
□Windows PC(Core i5 vPro)のテスト結果:
・Octane 2.0・・・20454
・WebXPRT 2013・・・1702 +/- 36
※Windows 7 + Firefoxにて計測
□Windows PC(Core i7-4700MQ)のテスト結果:
・Octane 2.0・・・27042
・WebXPRT 2013・・・1852 +/- 34
※Windows 8.1 + Chromeにて計測
これらのスコアは同じOSでもWEBブラウザによって異なってくるらしいので、あくまでも目安となりますが、大体自分が把握している性能を反映している数値だと思います。
スコア的には4年前のi5にも及ばない感じですが、システムの起動速度はピカイチですね。愛用しているWindows 8.1のゲーミングノートと比較すると、ログイン画面までの所要時間はさほど変わらない気もしますが、ログイン後に準備が完了するまでの時間は明らかに本製品の方が上ですね。
また、WEBアプリの動きもそれなりに軽快なので、ハード的に多少劣っていてもそれを全く感じさせないところがChrome OSの良いところですね~
◇とにかくセットアップが簡単で、起動も速いので、本来の目的である「使う」というアクションへすぐに移ることができるところが嬉しい。
シンプルで扱いやすい!:ハードの操作性
ハードの操作性など...
□とても静かで熱くならない本体
動作音は非常に静かで、内部に冷却ファンが付いているらしいのですが、動いているのかいないのか分からないくらい静かです。というか、家や職場では周辺の家電などがうるさくてよく分かりませんでしたw
また発熱も少ないようで、しばらく電源を入れたままにしていても本体外側がほんのりと温かくなっているくらいにしかなりませんでした。(ハードな処理をしたらどうなるかは分かりません)
背面のスリット部分が排熱口となっていますが、出てる気がしません。
□押した感がない電源スイッチ
製品本体で操作できる部分は電源ボタンしかないというシンプルなものですが、ボタンがカタいというか重いというかクリック感が全くないので、押せているのかどうかが判断しにくいという点と、強く押そうとすると本体が動いてしまうというのが少々不満な点です。
どこまでが電源ボタンなのかハッキリしませんが、押せた感じも曖昧です^_^;
電源ボタンの重さと本体の軽さを一本指で費用源してみました。
また、本製品はとても小さいので、色々な場所に設置できるというメリットがありますが、ディスプレイの背面に設置した場合では、当然電源ボタンも背面側になってしまうので、ボタン操作がし辛くなるのも残念なところです。(これは仕方がないのですが^_^;)
□シンプルで使いやすいキーボード
製品に付属していたのは、シンプルなスタイルのワイヤレス式日本語キーボードで、基本的な文字配列は一般的なキーボードと変わらないものの、ファンクションキーの部分が一般的なキーボードと違ってアイコン表示のみとなっていました。
な愛用のWindows用有線キーボード(ロジクールK200)との比較
文字入力に関しては特に問題ありませんが、アイコン表示部分の使い勝手はある程度慣れが必要かも知れません。まずはよく使うもののショートカットを覚える必要がありそうですね^_^;
一般的にファンクションキーがある部分はアイコン表示のみになっています。
キーボード自体については、好みが分かれるところかと思いますが、本製品に付属しているワイヤレスキーボードは、私の好きなキーストロークが浅くペタペタした打鍵感のアイソレーションタイプを採用しており、キーピッチも十分に広いのでとてもタイプしやすいと思いました。
キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmと浅めです。
打鍵音はとても静かで、会議中に使用したり、夜間でも後ろめたさを感じずに使えるのが好印象です。また、ワイヤレスの範囲については5m程度離れても全く問題ありませんでした。(ただし、5m離れるとカーソルも入力した文字も見えなかったですw)
□違和感無く使えるワイヤレスマウス
キーボードと同様に好みが分かれるところのワイヤレス・マウスですが、私好みの左右対称の形状なので、全く違和感無く使えました。
マウス比較:左からMac用マイティマウス、本製品付属のマウス、仕事用のPSマウス
大きさ的には若干小振りですが、手の中にスッと収まる大きさです。読み取り方式はブルーLEDで感度は良好ですが、操作性としては可も無く不可もなくといった感じで、ごく普通のワイヤレスマウスなのだと思います^_^;
まぁ、マウスは後からいくらでも交換できるので、別のものを新規に買うも良し、お気に入りのものを使うも良しといった感じですね。
マウスについてもキーボードと同様に5m程度離れても全く問題ありませんでした。
□今更ながらワイヤレスって便利!
無線LAN環境のことではなく、上記のワイヤレス式マウスやキーボードの話です。
私個人としては、今までにキーボードもマウスもワイヤレス式のものは持っていましたが、仕事用のデスクトップPCや自宅のノートPCを使っている限りでは、正直なところ有線で何の不満も問題もなく使えていましたので、ワイヤレス機器(入力機器)への拘りはほとんどありませんでした。
今回、家庭用の液晶TVに本製品を接続してみたのですが、有線だとケーブルの都合で画面から十分に離れることができないので、大きな画面だと近過ぎて首がかなりツラいということを思い知りました(^_^;)
ということで、今更ながら「ワイヤレスって便利だなぁ」と思った次第ですw
◇PC本体にしても周辺機器にしても、とてもシンプルにできています。いわゆるミニマル・デザインと呼ばれる無駄を排除した潔さが、使いやすさにつながっているのだと思います。
意識しなくても良いセキュアな環境:OSの機能性
ウイルスソフトが不要!
機能性というのはちょっと違うかも知れませんが、新しいPCを導入すると必ずやらなくてはならないのがセキュリティー対策ですよね。昔からそれが不満でOSに初めから付いていれば良いのにとよく思ったものですが、ChromeOSは、まさにそれを実現しているらしいのです!
例えばウイルスに感染したサイトなどを見た時にどうなるのかも気になるところですが、保護された領域内でプログラムが動作しているので、他への影響は無いようになっているそうです。
怪しいサイトにアクセスするとブロックされます。(Chromeブラウザの機能です)
アップデート等は自動的に行われるようなので、使う側は全く意識せずに安全に使える訳ですね。ウイルス駆除ソフト製作者やベンダーには申し訳ありませんが、他のOSもそうなって欲しいなぁw
ウイルスについては今のところ問題ないとしても、通信を盗聴されたり、フィッシング詐欺やアプリによる個人情報流出などといったリスクは回避できないかも知れないので、絶対安心とも言い切れませんが、得体の知れないアプリを利用したり、怪しいサイトを訪れたりしないことが重要ですね。
データをローカルに持ち歩かなくて良い!
何となく習慣で、データはUSBメモリなどに入れて持ち歩いたりメールで送信したりしてしまいますが、Chrome OSだとクラウドやWEBサービスなどを利用して共有できるので、わざわざ持ち運ぶ必要もないですし、持ち運ぶよりはるかに安全ですね。
また、最近のWindows 8.1などでもそうですが、クラウドなどを利用すれば新しいPCに買い替えても、環境をすぐさま引き継ぐことが出来るので、煩わしい作業がなくなって大変便利ですね。
ちょっと甘く見ていたクラウドですが、いよいよ侮れなくなってきましたね^_^;
復元すればすぐに元通り?
幸い、今回のレビュー期間内では復元が必要な状況にはならずに済みましたが、何かあった時のことを考えてリカバリー策を検討してみました。
公開されているスペック表を見ると、どうやらClomeboxのSSDにもリカバリー領域はあるようなことが書かれていますが、ここはやはり別途リカバリーメディアを作成して万一の時のために備えておこうと思います。
作成可能なメディアは4GB以上のUSBメモリーかSDカードとなっていて、Chrome OS機はもちろんWindowsやMac上でも作成可能です。リカバリーメディアの作成にあたっては、今のところ特に制限等も無く、ネット上で機種毎に用意されたものを作成するので、事前準備としても持っておくことも出来ますし、何かあってからでも何とかなります。
リカバリーメディアを作成するは、ネット接続が可能な環境と、正常に動いているPCが必要になります。GoogleのChromebookのヘルプページから「Chromebook を復元する」の手順に従ってリカバリーメディアを作成します。
モデル番号を入力するか、メーカー名と機種名を選択すると適切なリカバリーメディアを作成してくれます。
リカバリーメディアの使い方は簡単で、正常に起動しなくなったPCの電源を入れて「Chrome OSが存在しないか破損しています」というメッセージが表示された状態でリカバリーメディアを挿入すると、自動的にリカバリー作業(OSの再インストール)が開始されるとのことです。(今回は未確認)
無事起動して同期が図られれば、アプリや拡張機能という部分まですっかり元の状態に戻ると言う事で、この辺りが他のOSと違って便利なところですね~
今回は、うっかり手元にあったSDカードに作成してしまいましたが、普段からよく使っているものなのでイメージファイルとして別ドライブに保管しておくことにしました。
リカバリーメディアの内容をディスクイメージとして書き出しました。
◇ウイルス対策ソフトのインストールが不要なのは素直に嬉しい。ただ、「これはセキュアな環境だ!」と手放しに喜べるかというと今はまだ微妙な感じだと思います。
色々な使い方ができる:活用術など
OSの実用性として、WEBブラウジングやメール、動画の閲覧など、普段よく使う機能については、従来と同等あるいは今まで以上の軽快さで利用することができ、かなり満足度は高いと思います。
と、ついついOSの方の話に偏ってしまいがちですが、Chromeboxとしての実用性はどうでしょうか? 在り来たりな活用方法ではありますが、いくつか試してみました。
オールインワンPC的な使い方
本製品のためにディスプレイを新規購入するというのが理想的なカタチかも知れませんが、現実としては部屋の片隅や倉庫の中で眠っているディスプレイなど、今あるものを使用するケースが多いと思います。今回は、10年くらい前に仕事で愛用していた液晶ディスプレイを引っ張り出してきて、本製品と組み合わせて一体型PC的な使い方をしてみました。
EIZO FlexScan L557、それほど古さを感じさせないデザインです。
ディスプレイへの取付作業としては、付属のVESA対応マウント(100x100)をディスプレイの背面に取り付け、PC本体の裏にもマウントに引っ掛けるためのネジを取り付けておき、VESA対応マウントのダルマ穴にそのネジ頭を引っ掛けて取り付けます。
付属のVESA規格対応マウントを使用
PC本体裏側に取付用のネジを取り付けます。
ネジは少し飛び出したカタチで固定されます。
あとはケーブル類とUSBレシーバーを取り付ければ完成!取り付けにはプラスドライバーが必要になりますが、初めてでも5分くらいあれば簡単に取り付けられます。
マウントにPC本体を取り付けてケーブル類をつなげば完成!
早速電源を入れてみましょう。
無事に起動しました!
ただ、すっかりワイド画面に慣れてしまったせいか、ちょっと違和感があります^_^;
さすがに年季ものなので液晶が暗く、発色も落ちていて眠い感じですが、まだまだイケそうですし使用感も悪くないです。まぁ、ごく普通のデスクトップPCといった感じですが、一体型PCとしてはPC本体とディスプレイの電源ケーブルが2本になってしまうので、若干スマートさに掛けますね^_^;
電源ボタンがこの位置なのもスマートじゃないですね...
それから、元々の液晶の応答速度が25msなので、普通の操作は良いですが動きの速い動画やゲームは残像が残る感じがするので向いていないようです。
下の子の小汚い学習机の上に置いてみました。ちょっとは片付けて欲しい^_^;
17インチはなかなか見やすいですが、この机には少し大き過ぎたかも。。。
そもそも「我が家のノートPCに代わる、省スペース型PC」ということで普段の情報収集や子供の学習用などに役立つのではないかと考えていましたので、ゲームや動画が快適でなくても許せますが、それよりも計算違いだったことがありました。
実はこのディスプレイ、スタンド部分がもの凄く重いのです。液晶ディスプレイ本体と合わせると5.6kgで、本製品を加えたら6kgオーバーとなります。さすがに6kgもあると気軽に動かす気になれませんね。やはりノートPCに代わるという題目は難しかったです^_^;
リビングのTVで使う!
本製品をリビングの液晶TVにつないで画像や動画、ゲームを家族みんなで楽しむ、という活用方法は最近のPC事情ではよくある使い方の一つだと思います。確かに動画やゲームなどをみんなで見たり遊んだりしたらきっと楽しいですよね~
ということで、早速このChromeboxをリビングの液晶TVに繋いでみました。
リビングは色々と見苦しいモノが写ってしまうので、ギリギリでトリミングしていますw
マウスとキーボードは写真撮影用で、実際はテーブルの上で操作しました。
以前Macで何度か繋いだことかありますが、やはり大画面で見るデスクトップはなかなか壮観なものですね。普段TV番組を見ていてもそんな風に感じないのが不思議です^_^;
色鮮やかで良い感じです。
さて、このリビングの液晶TVですが、実は有線LAN接続でインターネットに繋ぐことができますので、動画を見たり(YouTubeは見れない)専用のコンテンツなどを楽しむ事ができます。もちろんWEBブラウザも表示できるので、色々と使い勝手はあります。
しかし、問題は入力機器がTVのリモコンしかないことです。たった数文字の文字を入力するのにもかなり苦労するので、根気強い人でないと使いこなせません… 実際、我が家の家族は全員挫折しましたw(代わりにダブレットを購入!^_^;)
文字入力には向かない液晶TV付属の純正リモコン
また、液晶TVの専用のコンテンツなどはそこそこ快適に操作できますが、全体的に動作が緩慢で、特にWEBブラウザの性能がかなりショボいので、テキストメインのページは普通に見れるものの、画像を数多く配置しているサイトの多くは「メモリ不足」で見ることが出来ないのが残念なところです。
そのような訳で液晶TVのインターネット機能はオマケ的で実用的ではありませんが、Chromeboxはどうかと言いますと、さすがPCだけあってキーボード&マウスによる入力は比べ物にならないくらい快適で実用的です!
キーボードが邪魔な時は、キーボードアイコンをクリックすると、
これならTV番組を見ながらWEB検索をしたりといったことも余裕でできるので、朝の忙しい時でも、起動やアクセスが速いので、情報検索するのに重宝しそうです!ぬぬ
液晶TVの分割画面モード、横2画面表示はちょっと小さいのがネックです。
リビングで独り占めしたい!
リビングで共有するというのは表向きの使い方で、実は仕事から帰宅した時にこっそり利用したいというのが本当の目的ですw
我が家は私以外夜の9~10時頃には就寝体勢に入ってしまい、私が帰宅した時は既にリビングには誰もいないことが多いので、ここからは私がリビングのTVを独占することができます。ゲームをやっても良し、動画を観ても良しなのですが、前々からやってみたいと思っていたのは、星空や流星群などのライブ映像を大画面で見ることです。
USTREAMやYouTubeなどでライブ映像を楽しめます。
私の住んでいる所はTDLという夢の国が至近距離にあるため、夜中でも空があまり真っ暗にならないという魔法が掛かっていますw 他にも高速道路などのせいもあって一年中そのような状況なので、星空を楽しむにはかなり辛い環境となっており、どうしても見たい時はインターネットで公開されているライブ中継などを見るしかありません。
こんな感じで延々と星空を映したり、ちゃんと番組になっている場合もあります。
今までは、それをiPod touchで見ていましたが、いつか大きな画面で見てみたいと思っていましたので、今回それが叶うということもあってワクワクが止まりませんw
しかし、残念なことにこのレビュー期間中に都合良く流星群の観測チャンスやライブ中継が無いので、以前のデータをプレイバックで見てみました。。。
ダイジェスト版なので星が流れまくりですが、本来はもっと地味な状態が続きますw
まぁ、iPod touchの画面でもなかなか良い感じですが、大画面で見ると臨場感があってなかなか良い感じですね。お部屋でゆっくりと星空を見ると言うのは、ある意味邪道ではありますが、忙しいサラリーマンには持ってこいだと思います。(布団の中で見るならiPod touchが最強ですw)
ということで、リビングの液晶TVに接続して利用するというのは、予想以上に良い感じなので、最終的にここを定位置にしたいと思います。ただ、日中や就寝前はTVの稼働率が非常に高く、いつもフル画面で使えるとは限らないので、画面分割などを活用しながら使うことになると思います。
別の場所の液晶TVにつなぐ
完全にオマケ扱いとなってしまいましたが(^_^;)、リビングのTVと違うメーカーの液晶TVにも繋いでみて、何か違いがあるのかどうかを試してみました。結論から言いますと、特に変わったこともなく、すんなり表示されて同じように操作できました。
PCディスプレイより液晶テレビの方が発色が良いように感じます。
画面のサイズは違いますが、解像度は同じなので全く同じ印象で操作できました。
マルチディスプレイを試す
本製品はディスプレイとの接続用にHDMIとDisplaPortを備えており、同時に使用すればマルチディスプレイ環境を簡単に構築することが出来るという贅沢な機能があります。
HDMI(左)と DisplayPort(右)を使って2つディスプレイを同時に繋ぐことができます。
今回たまたま何種類かのモニターケーブルを用意したので、普段から並べた状態で別々に使っている2台のディスプレイに接続して、マルチディスプレイ環境を試してみました。
それぞれ大きさや解像度が異なるディスプレイですが、特に問題なく設定できました。
ケーブルを接続し、システムが起動したらディスプレイの設定をするだけで簡単にマルチディスプレ環境となります。さて、このマルチディスプレイ環境を何に生かせば良いでしょうか?w
・アプリのツール類を別画面に退避させて、主画面を広く使う。
・それぞれ別々のアプリを起動して同時(又は交互)に使う。
他にも広くなった画面でゲームをする(そのままではゲーム画面を分割できない)など有効活用する方法は色々とあると思いますが、私の頭の中では大きく分けてこの2通りくらいです。
本製品でマルチディスプレイを活用するとしたら、片方で動画(またはWEBサイト、メール、参考資料等々)を見ながら、もう片方で別の作業をするようなパターンが多そうな気がします。
設定画面、ドラッグして左右を入れ替えたり高さ関係を変更できます。
ついでに2台のディスプレイをどちらも縦向きにするという試みをしてみました。縦長に設定するとWEBサイトなど縦に長いコンテンツが見やすくなると共に、横の広がりが抑えられていくらか省スペースになりますが、ちょっと見た目に威圧感がありますねw
これはなかなか圧巻ですが、さぁ、どうしたものかな?w
ただ、個人的には本製品をマルチディスプレイで運用するシーンというのは、十分あり得ると思いつつも、あまり現実的な感じがしませんでした^_^;
リモート デスクトップが便利!
本製品というか、Chromeブラウザ用の拡張機能として「リモートデスクトップ」というものがあります。この機能を利用すると予め設定した別のパソコンなどのデスクトップを本製品や別のデバイスなどで共有できるようになります。
接続方法は端折りますが、デスクトップを共有すると、Chromebox単体では出来ない作業も簡単にできるようになります。(難しい設定は不要で、呆気なく共有できます)
例えば、Chrome OS上では特定のRAW画像(シグマの形式)などを現像することが出来ませんが、リモートデスクトップでMacのデスクトップを共有すれば、Mac用の現像ソフトであっという間に現像することができます。
ChromeboxでMacのデスクトップをリモート操作している様子
共有状況がデスクトップ上に表示されています。どちらからでも停止できます。
データのやり取りにはGoogleドライブや他のクラウドサービス等を使って行えば何とかなりますが、どうせならドラッグ&ドロップで直接やりとり出来たら最高でしたね。
一番驚いたのは、思いのほか共有しているデスクトップのレスポンスが良いことで、ほとんどタイムラグを感じずに操作できるのが素晴らしいです。
ただ、この機能を利用するためには特定のPCを予め起動しておかなければならない事と、光やCATVなどのブロードバンド回線が必要になります。回線についてはLTE接続の格安SIMでもかなり快適に操作できましたが、データ量の消費がハンパないので、これはあまりお勧めできません^_^;
はじめにも書きましたが、この機能を利用すればChromeboxの画面上で、Webアプリ以外の普段から使い慣れたアプリも実行できるようになるので、色々と活用できそうですね。
在宅勤務の人や時短などで早く帰らないといけない人が、やむを得ず家で仕事の続きをするというパターンにも使えますし、会社を病欠した時などに「あのファイルどこにある?」という問い合わせがあっても、画面を直接見ながら答えるということもできますね。また、家でプレイしているゲームを会社や出先で操作するということも可能ですね^_^;
なお、2015年1月現在、Chromeboxのデスクトップを別のPCやデバイスで共有することは出来ませんが、将来的に対応する旨の記載があるのでしばらくの辛抱です。これができるようになれば、リビングの液晶TVに接続した本製品をiPod touchやタブレットPCなどを使って、マウスやキーボードなしで操作ができるようになる(リモコン代わりになる)のではないかと思います。
iPod touchでMacのデスクトップを共有している状態。もちろんタップやフリックでの操作が可能です。
◇上記以外にも本製品のコンパクトさを活かすことで様々な使い方が出来ると思います。残念ながらモバイルには不向きですが、使い方のバリエーションとしてはChromebookよりも豊富かも知れません。
小粒でもぴりりと辛い!
本製品はWebアプリに特化している反面「汎用性」に欠けるので、メインマシンとしてではなくセカンドマシンとして使うのが良いかと思いますが、Webで過ごす時間が多い人であればメインマシンとしても十分使えるPCになりうると感じました。
本製品は製品本体のシンプルさ、入力機器 の扱いやすさ、OSの軽快さなど、それぞれの良いところが、うまく連携し合って私の想像以上に使いやすいものになっていると思いました。まるでTVやラジオのように使いたい時すぐに利用できるというのが本製品の最大の強みであり、個人用はもちろん家族で共有するのにも適していると思いました。
良い点、イマイチな点
内容が重複しますが、一通りまとめておきたいと思います。
□良い点:
- コンパクトで設置・接続がしやすい
- 横置きだけでなく縦置きも可能なデザイン
- 起動・終了が速い
- ディスプレイの接続方法が選べる
- マルチディスプレイが可能
- 音が静かで、熱くならない
- Chromeブラウザだけなので操作が分かりやすい(OS)
- ウイルス対策ソフトが不要(OS)
- ログイン無しでもゲストで利用できる(OS)
- アプリのインストールが速い(OS)
- 他OSのChromeブラウザとアプリなどを共有できる(OS)
□イマイチな点:
- 付属のUSBレシーバーを使うとUSBポートが一つ減る
- 電源ボタンの操作性が悪い(カタい、クリック感がない)
- VESA規格対応マウントを使うと電源ボタンが押し辛い
- カラーバリエーションがない
- 光学ドライブやUSBモデムなどの周辺機器が使えない
- キーボードのファンクションキーに慣れが必要
- オフラインで利用できるものが少ない(OS)
- クラウド経由のデータアクセスはちょっとモッサリ気味(OS)
是非乗り換えたい!
Chrome OSについては、使いたい時にすぐに起動できて、簡単にネットにアクセスできるという点が魅力的で、ネットでの情報収集や通販利用がメインな我が家にはピッタリのOSだと感じました。
特にリビングのTVで共有するという使い方が便利で、家族とのコミュニケーションツールにもなって、思い掛けず便利であることが実感できました。(もちろん夜中に独り占めも便利w)
ただ、製品本体は非常にコンパクトで邪魔にならない大きさではありますが、リビングのTV周辺はなるべくスッキリさせたいので、できれば裏側の見えないところに設置したいところです。しかしながら、見えないところに置いてしまうと電源が入れにくいというジレンマもあり微妙な感じです。
見えない場所だと電源ボタンが操作し辛くくなるのが惜しいですね^_^;
また、余ったディスプレイを有効活用するというのも良い使い方だと思いましたが、我が家のように狭い家の中で使うなら、やはりノート型のChromebookの方が向いているかも知れませんね^_^;
購入の際は、自分のやりたいことが何なのかをよく考えた上でデスクトップ型なのかノート型なのかを選択すると良いかと思います。OSについても用途次第ですが、WebメインであればChrome OSという選択肢は大いにアリです。特にChromeブラウザ愛用者の方には最高のOSだと思います。
Chrome OSの向かう道
今回ChromeboxおよびChrome OSを初めて使ってみて、Webアプリの便利さを実感できました。もっと「使えないもの」かと思っていましたが、想像以上に良く出来ており驚いている次第です。
ネットでも色々と情報収集をしましたが、今後Chrome OSはどうなっていくのかというところが気になるところですね。巷では、将来的にAndroidと統合されるという見方が強まっているようです。
統合されるとどのように変わるのかが非常に気になるところですよね。最近ではWebアプリの多様化が進んでいて、Webサーバを必要せず、クライアント側で動作するようなWebアプリ(Packeged Web App)も登場しているようです。
オフラインでもプレイできる「Angry Birds」
ネイティブアプリと同じことが出来て、かつOSに依存しない、さらにオフラインでも使えるハイブリッド的なアプリが増えれば、それこそ怖いもの無しですよ ね。そして、統合されてもPC本体(本製品)がそのまま使い続けられるのが理想ですね〜
『山椒は小粒でもぴりりと辛い』と言いますが、
本製品はまさにその通り、小さいからと言って侮れませんよ!
以上でAsus Chromeboxのレビューを締めたいと思いますが、今後も引き続き使い方を模索してみたいと思います。最後までご覧いただきましてありがとうございました。毎度の長文で本当に申し訳ありませんが、多少なりとも製品の魅力が伝われば幸いに存じます。
2015年1月
KAOさん
2015/01/23
参考にさせていただきます(´ー`)
いろんなシチュエーションが盛りだくさんでかゆいところに手が届くレビュー素敵です。
izappyさん
2015/01/23
コメントありがとうございます。
本当はハード面のベンチマークをしようと思ったのですが、適当なのが見当たらなかったのと、WEBアプリ系のベンチのほうが今回の内容に合っていると思った次第です。
もっと変わった事ができたら良かったのですが、思い浮かびませんでした^_^;
karariさん
2015/01/30
リモートデスクトップはドラッグドロップできたらホントに良かったのにと感じますね。
izappyさん
2015/01/30
ありがとうございます。
今回ははじめての超小型PC+OSという組み合わせから、やってみたいと思っていたことが色々あったのと、その場で思いついたことで、すぐに実行できそうなことがあれば勢いで試してみようと思って進めていたため、結果てんこ盛りになってしまいました^_^;
我が家でも、妻に「普通のにして!」って言われそうでしたが、今までのPCより遥かに「普通に使える」ところをアピールしたので、今のところ言われずに済んでいます^_^;