★どんな商品?
PIX-DT355-PL1は、iPhone/iPadのLightningコネクタに挿して使うTVチューナーです。
地デジやワンセグだけでなく、スマホ向け放送局NOTTVも視聴することができるモバイルガジェットです。
メーカーページ
http://www.pixela.co.jp/products/mobile/pix_dt355_pl1/
NOTTVのPIX-DT355-PL1解説ページ
http://www.nottv.jp/special/statv/
★クイックレビュー
箱から出してすぐ使えるわかりやすい操作性と、iPhoneで高品質なフルセグ放送を視聴できる商品です。
反面、機能は少なめ目で、番組の録画やNOTTVのプレミアム番組の視聴などはできません。
出先でちょっとした時間にTVを楽しみたいユーザー向きの商品だと感じました。
○グッドなところ
・箱から出してすぐに使えます。操作方法もシンプルでわかりやすいです。
・NOTTVの視聴権が180日分(約2400円分)ついてていてお得感があります。
・フルセグ視聴の画質がとてもいいです。ワンセグとフルセグの切り替えもスムーズでした。
・視聴しながらネットもできる「ながら見」機能が便利です。
・メーカー保証外ですが、iPod touch(第5世代モデル)でも使えました。
△イマイチなところ
・バッテリは本体とは別に充電する必要があります。しかも使用中は本体を充電することができません。
・番組の録画等の付加機能はほぼ皆無。本当に観るだけの端末です。
・NOTTVはリアルタイム視聴しか対応しておらず、プレミアム番組の視聴もできません。
・iPad(第3世代モデル)では変換アダプタを使っても視聴はできませんでした。
※詳細なレビューは下記を参照ください。
iPod touch(5th)はOK。iPad(3th)はNG
★対応機器について
公式Webサイトの対応端末一覧は以下の通りです。
iPad Air iPad(4th generation)
iPad mini Retinaディスプレイモデル
iPhone6Plus
iPhone6
iPhone5s
iPhone5c
iPhone5
※いずれもiOS 6.1 以降
今回のレビューは主にiPhone5sを使ってレポートさせて頂きましたが、手持ちのiPod touch(第5世代)と、iPad(第3世代)に関しても使用できるか試してみました。
★iPod touch(第5世代) iOS8.1.1
問題なく使えました。
内臓バッテリーの容量がiPhoneよりも少ないので若干視聴時間は少なめになりますが、iPhoneと同様番組を視聴することができます。
※連続視聴時間については後述「消費電力」の欄も参照ください。
メーカーの動作保証外となりますが、iPod touchにフルセグ機能を手軽に追加する目的で購入するのもありかと思います。
★iPad(第3世代) iOS8.1.1
変換アダプタを使用して接続してみましたが、端末が認識せず使用できませんでした。
※今回使用した変換アダプタはAmazonで購入した下記商品です。
ルートアール Lightning/Micro USB/30Pin Dock対応 3オス-3メス 変換ケーブル 15cm RA-LC30W
他の変換ケーブルは試していませんが、そもそもLightning(メス)→Dock(オス)という変換アダプタ自体をAppleが正式にリリースしていないので動作は難しいと思われます。
iPhone5の1/3程度の大きさ
本体面積はiPhone5Sの1/3程。厚みは約2倍程度の体積ですが、とても軽量なので持ち歩きは苦になりません。小さ目なモバイルバッテリよりもさらに小さい感覚です。
充電ケーブルやアンテナコネクタは基本持ち歩かないので、余計なケーブル類に悩まされる事もなく案外快適です。この手のガジェットとしては携帯性は良い方だと感じました。
迷うことのないわかりやすい操作性
説明書に従って初期設定をしてみます。
まず最初に付属のNOTTV用SIMカードを本体に差し込みます。これを刺さないとnottvの視聴ができません。SIMはフルサイズのSIMで、今のところこの端末専用の「ICカードプラン」のものになります。
※ちなみに刺さない場合でも地上デジタル放送の視聴は可能でした。
本体をiPhoneに差し込むと、専用アプリ(モバイルTV)の有無のチェックが走り、アプリのインストールされていない場合はApp Storeから入手するよう案内が表示されます。
リンク先をタップしてApp Storeに接続して該当するアプリをすぐに落とせる仕組みなので、誰でも迷わずアプリをインストール出来そうです。
一度入れたアプリをアンインストールしていた場合も同様にこの表示がでました。このあたりも親切ですね。
App Storeから専用アプリを落とします。
このあたりは普段のアプリインストールと手順は全く一緒なので迷うことはなさそうです。
アプリ初回起動時はチャンネルスキャン画面が表示されます。住んでいる地域を選択してスキャンボタンを押せば数分程度で番組の視聴が可能です。
※チャンネルスキャンの代わりに地域ごとにプリセットされたデータを選択しても視聴可能でした。この場合はチャンネルスキャンの時間がかからず視聴が可能でした。
視聴時の操作はタップで情報表示と音量調節。チャンネル操作はフリックで行います。
逆に言えば視聴中の操作はこれしかできません。録画機能等は搭載されていないのでシンプルな操作系です。初回のチャンネル設定時のみ「受信制御データの設定」のため十数秒待たされますが、それが終わればレスポンスよくチャンネルを切り替えて番組を視聴することができました。
※nottvと地上デジタル放送の切り替えもフリックで可能です。このあたりも「触ればわかる」レベルなので、説明書を読まなくてもすぐに使いこなせるでしょう。
★6歳の娘に操作をさせてみました。
フリックとタップの説明をする前に、自分でチャンネルを変えることができているようです。できる事が少ないのでそのあたりはわかりやすみたいですね。
ただしばらしくして「なんで小さい絵が出ないの?」と言われました。どうも視聴中に他のチャンネルのサムネイルが表示されないのでわかりづらいと言っているようです。
娘はよくYouTubeやGyaoで動画の視聴をしているので、次にみたい番組をサムネイルでみたいという要望のようでした。
現時点ではチャンネル選択時はチャンネル名しか表示されないので、次期モデルにはせめて番組名だけでも表示できるとより親切かと思います。
シンプルで必要最低限の機能
★機能について
この端末で利用できる機能は以下の通りです。
○地上デジタル放送の視聴(フルセグ&ワンセグ)
○NOTTV放送の視聴(リアルタイム放送のみ)
○放送視聴時のブラウザ使用(ながら見)
逆に通常使用可能でもこの端末にできない機能がこちらです。
△番組の録画
△番組表の確認(※ながら見でネットから確認することは可能)
△NOTTVのシフトタイム視聴(撮りためておいての視聴)
△NOTTVのプレミアム番組の視聴
△外部ディスプレイへの出力
上記のことから、特にNOTTVの視聴を目当てにこの端末の利用を考えている場合は注意が必要です。 もしシフトタイム視聴やプレミアム番組の視聴をiOS端末でしたい場合はこちらの製品ではなく、録画対応チューナー「TV BOX」を買ってくださいとのことのようです。
録画対応チューナー TV BOX
http://www.nottv.jp/special/tvbox/
同じ月額料金(180日分無料とはいえ)が必要なのに、視聴制限がこれだけ違うは少し残念です。
★外部ディスプレイへの出力について
この端末はLightningコネクタを占拠して設計上、通常他のアクセサリは接続ができません。しかし無線接続(AirPlay)でAppleTVへの出力が可能か試してみました。
結果はNG。どうも著作権保護の関係なのか、外部の映像出力はソフト側で制限をしているようです。
ちなみに視聴時に画面のキャプチャを撮ろうとしても下記画面が表示され、アプリの再起動を促されます。
徹底してソフト側で映像を外に出させてない対策がとられているようです。
このあたりは著作権の関係上仕方ないのかもしれませんが、外部への出力を期待していた人は知っておいたほうがいいと思います。
実用視聴時間は2.5時間ほど
★バッテリの持ちを検証してみます。
この製品はLightningコネクタに挿入して使うので、稼働中はiPhone本体を充電することができません。
また、本体に別途バッテリを積んでいるのですが、こちらは全く別の扱いで充電が必要な上、接続中に双方の電力を融通するような機能もないようです(つまりモバイルバッテリの代わりにはなりません)
番組視聴中は完全にローカルの電力だけで稼働する必要があるので、今回実際にどの程度連続視聴ができるか試してみました。
★検証環境
iPhone5S(docomo)+PIX-DT355-PL1
iPod touch(第5世代)+PIX-DT355-PL1
※いずれもフル充電状態
検証方法/フルセグ視聴状態(音量小)で放置、視聴不可能になるまでの時間を計測。
■ケース1 iPhone5S 無線通信あり(LTE,Wifi,BTがいずれもON)
結果→連続視聴時間 161分
■ケース2 iPhone5S 無線通信なし(機内モードにて視聴)
結果→連続視聴時間 166分
■ケース3 iPod touch 無線通信あり(Wifi,BTがいずれもON)
結果→連続視聴時間 135分
■ケース4 iPod touch 無線通信なし(機内モードにて視聴)
結果→連続視聴時間 141分
iPhoneはほぼ2時間40分程度、iPodはouchは2時間10分前後で本体側のバッテリがなくなり電源が落ちました。カタログ数値が約3時間となっているので、本体側のバッテリの劣化を考えると実際の数値はiPhoneが約2時間半、iPod touch約2時間とみて良さそうです。
バッテリ容量は「iPhone5S=1570mAh」「iPod touch=930mAh」とほぼ2/3の容量なので、連続視聴時間もそれに準じた数値となりました。iPod touchで視聴する際はいつもよりもバッテリ消費に気を使ったほうがよさそうです。
※本体側の通信機能を使わなければ稼働時間は若干伸びるようですが、期待したほど伸びませんでした。
街中ならロッドアンテナを立てずともフルセグが受信可能
★電波の受信状況を調べてみました。
地デジ、NOTTVとも自分の生活圏内(仙台市市街地)では問題なく受信ができました。
ただ大きな建物の屋内などは電波が入ってこないのか、たまに受信できなくなる時もあります。
地デジに関してはフルセグの受信感度が悪い場合は自動的にワンセグに切り替わる設定なのですが、切り替え時のタイムラグが一瞬(ほとんんど気にならないレベルですが)発生します。感度が微妙な場所での視聴は頻繁に切り替えが発生することになりますが、気になる方は切り替えを手動に設定できるので利用するといいでしょう。
NOTTVに関しては全くストレスなく視聴が可能でした。調べてみるとどうもたまたまアンテナのすぐ側に自宅があったようです。
ジャパン・モバイルキャスティング送信所一覧 出展/wikipedia
NOTTVのサイトでは、受信条件が悪いユーザーのために無償でアンテナケーブルを差し上げるキャンペーンも行っているようなので、該当するユーザーは利用してみてもいいかもしれませんね。
[NOTTV]アンテナケーブル差し上げます
http://www.nottv.jp/campaign/free30days/
外付けアンテナ以外はほぼ皆無
★本体に接続できる機器について
端末自体には充電用のUSBポートと、外付けアンテナ端子があるだけです。
外付けアンテナ端子に関しては一般的なF型コネクタの変換アダプタが付属しているので、すでに家庭で使っているアンテナに接続するのは難しくはないでしょう。
モバイル用の地デジアンテナも数多く商品化されているようなので、外出時に受信感度をよくしたい方はそちらを利用するのもいいかもしれません。
注意点としては、外部アンテナ端子になにか接続されていると、ロッドアンテナからの受信は無視される点です。つまり本体付属のロッドアンテナより感度の悪いアンテナをつないでも意味がありません。外部アンテナの使用を検討している方はご留意ください。
★ちょこっと裏技
端末を逆さまにセットすれば、簡易スタンドとしても使えました。
ただしこの場合、アンテナが十分に伸ばせないので電波強度は落ちそうです。
iPhoneで気軽にフルセグ視聴がしたい人にはオススメ
★綺麗な放送を手軽に!
iPhoneやiPadで手軽にフルセグとNOTTVが利用できるのは、現状この端末しかありません。 録画ができなかったり、バッテリを別途充電しなければいけないデメリットはありますが、それでもなお「挿してすぐ使える」という手軽さに意味のある端末だと思います。
画質も綺麗ですし、電波の受信強度も悪くない(地域によるとは思いますが)ので、外出先の空き時間に少しTVが見たいなという用途にはうってつけだと思います。ながら見(ネットやSNSをしながら)機能が利用できるのも外出先で利用するユーザーには相性がいいでしょう。
ただし放送電波を受信する性質の端末なので、購入される際は使用場所の電波強度(地デジやNOTTVの放送エリア)を確認されたほうがいいと思います。
atsuo@tokyoさん
2014/12/11
5世代の次が出てこない事から、iPod Touchを無くそうとしているのか...
hakonekoさん
2014/12/11
そうですよね。少なくても僕の環境では全く問題なく使えてたので、なにかしら政治的な意図があるのかもしれません。
一度アプリをインストールしてしまえばネット環境を必要としない製品なので、iPod touch(5th)とは相性はいいはずなんですがねえ。