ファーストインプレッション
まず、私が普段使っているペンと比べてみよう。
上から、クルトガ・ハイグレードモデル、フリクションBall3COLORS、三菱StyleFit、プラチナ・スタンダード、エコー・スマートペンである。
エコー・スマートペン、想像以上に太いが、形状から意外と持ちやすい。
しかし、重い。36gは結構ずっしりとくる。アルミグリップで重そうなクルトガが15gであることを考えると結構重い。
ちなみに私の使っているレコーダーは電池を入れると50gなのでレコーダー入りだと考えると軽いのかもしれない。
まずは初期設定なのだが、本体に電源以外のボタンがないので、ノートに印刷された操作パネルをペンでタッチしてこれを行う。
紙に印刷されたインターフェースは初めての体験である。こういうのは直感的でわかりやすい。SETTINGの各ボタンをペンで触ることで設定をすることができる。
さらに、NAVI PLUSと書かれた十字は、見たままの十字キーでこれで本体側の設定を見たり機能を切り替えたりできる。
絵もついていてわかるのでいいのだが、日本語訳版はないんですか学研さん?
それでは、ここで書いたものを出してみよう。
これは付属のノートをキングジムのSHOT DOCSを使って撮影したもの。
そして、これがエコー・スマートペンで取り込んだもの。
このノートは民詩訴訟法の課題で提出された「相殺と二重起訴禁止」についてまとめている最中である。想像以上に正確に取り込まれている。
書き味は、油性ボールペンの中では滑らかな方で、パイロットのSUPER GRIPに近い。ジェットストリームのような低粘度油性ボールペンとまではいかないが、日常的に油性ボールペンを使っている人には違和感なく使えるだろう。
また、芯がカメラの関係で片側によっているが、ペン先は見えているので特に違和感はない。初期設定で利き手を設定できるので左利きでもペンがひっくり返るということはない。
さらに太さについても、太めの多色ボールペン程度の太さなので、気になるほどではないだろう。
しかし、この2つを見比べると、一番上の「甲ーーーー>乙」の矢印の下に書いていない線が出ている。
これと同じものが試しに刑事訴訟法の講義で録音機能とともに使ってみたところもっと出ていた。
これがSHOT DOCSで撮影したもの。
「その場で共犯を説明しないといけないのでは?」という周辺がつながってしまって読めない(文字が緑色なのは録音データが存在するということで、文字をクリックすると文字を書いた時の音声が再生される)。
そして、別のペンで書いた赤い線は当然認識されていない。
おそらく私の書き方のくせが原因ではないかと思うのだが、説明書に載っていないようなので、試行錯誤する必要があるかも知れない。
民訴のノートでは少しペンを立てていたような気もする。
ボールペン部分の初期不良だと判明しました。
録音とノート
録音データと書いた文字がリンクする機能は非常に便利だと感じた。
通常のレコーダとノートだと、文字を書いた箇所の音声を聞こうと思った時にデータのどのあたりかわからず、結局全部聞くことになることも少なくない。
こんな順番で書いているので、これが音声だとすると、⑤の発見はだいぶ骨が折れる。③と⑥の関係も難しい。
しかし、スマートペンでは、書いた文字と録音されたデータがリンクされているので、文字をクリックすれば書いた時点の音声が再生される。
必要な情報にすぐにアクセスできるこの機能は想像以上に便利である。
しかし、全くICレコーダより優れているかというと、マイクはさすがにICレコーダより劣るようで、音質「中」にすると「あれ?こんな声だっけ?」という感じはする。しかし聞き取れないということはなくちゃんと聞き取れる十分な音質で録音されているので安心してほしい。
事務用品としての機能には全く問題はない。
今回は録音とノートという基本部分しか挑戦しておらず、付属機能はまだ試してはいないのだが、ショートカット機能やピアノの鍵盤を書くとピアノがひける機能や計算式を認識して結果を表示する機能があるそうだ。
ショートカットは便利そうなので是非とも覚えたいところ。
ほかにも、自習室でピアノを弾いたら怒られるので、自宅でちょっと試してみようと思っている。こういう遊び心のある機能はいいなぁと思ってしまう。
最後に、もうちょっとソフトウェアを含めて説明や案内を充実させてほしいと思った。基本的な操作以外の部分がちょっとわかりづらかった。
図を取り込みたいときに
これを御覧の諸兄は意外かと思われるかもしれないが、法律を学ぶ際には「図」が大切になる。
前述の民訴のノートの「甲ー>乙」というのが最もオーソドックスな形なのだが、これ以外にも時間軸を示すのに使ったり、複雑な法律関係を整理するのに使ったりする。
実は意外とWordで作ろうとすると時間がかかったりうまくいかないことが多い。手書きなら一瞬で終わるのにと思うところである。
そこで、助かるのはスマートペンである。PDFで一瞬でPCに取り込めるのはありがたい。
そして、存外に見落としがちなのは、任意のページをまとめることができる機能で、これを使えばノート一冊で複数科目のノートテイクをしたのちに編集して教科別に並べることができる。
ルーズリーフを使うより快適であった。
そういうわけでアナログノートとデジタルデータのいいとこどりに成功している。時間のない法科大学院生には実にありがたい。
その反面、文字ばかりになるような科目では、ワープロの方がタイピング速度、読みやすさでは劣ってしまうので、図を多く使う科目で重点使用することが望ましいだろう。ノートの価格的な問題もある。
実はスマートペンは新モデルが発表されたのだが、私としては、こちらの方が良いと感じている。
というのも、マイクをスマートフォンとのリンクで代用するのは確かに音質向上にはつながるが現状のマイクでノートテイクには十分であるし、スマートフォンの電池管理や荷物が増えるのは私としてはうれしくない。
紙とペンで完結していた本製品のメリットが減少しているように感じられた。
話を戻そう。
本製品の特徴は「紙とペン」で利用時に完結していること、「アナログノートをデジタルに直接持って行けること」の2点であると感じている。
アナログ部分は従来の筆記用具と同様の使い勝手であるのが利点だが、デジタルデータとしてはまだ友人の今年の司法試験受験が終わっていないので実践していないのだが、他大学ローの友人とSkypeなどのネットワークを通じたゼミを行うことを計画している。
その際に、こちらのメモやノートを直接に時間をおかずに共有できるというのは非常に良いのではないかと考えている。
普通の複合機のスキャナではスキャンに時間と手間がかかるし、SHOT DOCSは写りが微妙だったのはファーストインプレッションでも伝わる通りであるところ、鮮明なノートを瞬時に共有できるのはありがたい。
現在学内の友人とのゼミでは、実際便利だと評判である。
残る問題はこれを今後どう解決するかである。
いまだに解決策見つからず。もしかして初期不良ですか?
その後もこのぐちゃっとなるケースが再発したり、しなかったりで原因がわからないので、サポートセンターに電話したところ、「圧力センサーの典型的な初期不良の可能性が高い」とのこと。
サポートセンターでは対応できないそうなので、明日(5/9)電話を折り返しもらえるそうです。
電話が来たところ、上記症状が出る場合は、
・センサーの不具合
・内部にバリが残っており、それにより接触不良を起こしている
・ボールペンがゆがんでいる
の3点の可能性があるそうです。
そこで、ペンを一度抜いて、平らな机の上で転がしてみて、滑らかに回転するか(ボールペンがゆがんでいないか)、ペンを複数回抜いてみて(バリの除去)ためし書きをしてみて、症状が再発するかチェックしてほしいとのことでした。
これで症状が再発した場合はセンサーの故障で良品交換になるそうです。
なるほど、何かの影響で圧力センサーがずっとONになっていたわけですね。
ー追加2-2014.05.18
学研さんが私のレビューを見て原因を想定したところ、つながる場合と、つながらない場合が入り乱れている場合は、ペン先の不具合の可能性が高いということで、学研さんのほうで「絶対大丈夫」と検証したペン先を送ってくれました。
そこで、現在、交換したペン先で不具合が再発しないかを確認しています。
それまでのペン先で書いたページが46ページ中21ページで文字がつながる症状が出ています。そのうち16ページほどは連続で正常にかけていました。
というわけで、約20ページほど正常に書ければペン先が原因であったのだ言えると考えています。現在は交換から12ページほど連続で正常に書けています。
ー追記3-2014.05.25
20ページを超えて最後まで文字がつながらずに書くことができました。
というわけで学研さんの担当者さんが予想した通りにペン先の不具合だったようです。
一見ちゃんとできているように見えるボールペンでも不具合が起こるあたり、繊細なガジェットなんだと再認識しました。ボールペンですが万年筆ような緻密な文房具です。
不具合が解決したので思いっきり使ったところ、残りの30ページ近くを一気に使ってしまいました。ペンもなれるとほとんど負担にならないなと。
1冊使い切ったところ。科目はバラバラに書かれていますが、書いたノートをPCで順番を変更できるので、別段に気にすることがないのが楽でいいですね。ページの一番上に日付と科目名を書いておくと発見が容易になります。
さらに科目ごとにノートを分けなくてよくなり、ノートの忘れ物が減って非常に助かっています。
刑法と刑訴を間違えたり、民法と民訴を間違えたりがなくなったのはありがたいです。
A5では狭かったので今度はA4のノートを買いました。
追記4-2014.06.15
少し時間が経ちましたが、A4の罫線ノートを使った感想を追加します。
80枚x4冊なので結構重いです。判例六法くらいの重さかなぁと。
しかも、ノートには一冊一冊封印がしてあります。使う前には封印シールの丸の部分をペンでタッチします。
するとこうなります。
これでノートが使えるようになりました。
しかも、A4ノートはただ切り離せるだけでなくバインダー用の穴が事前に空いています。切り離した大きさがA4なので、ノートは一回り大きかったりもします。
姉妹品のSky Smartpen用なのか、スターターキットのノートとは微妙に意匠が違います。一ページ目にはSky用の無線LAN設定用の印刷がありました(Echoでは使わないので割愛)。
そして、実際に書き込んだノートがこちら。
大きいのでいっぱいかけます。端っこに表題用の線があるのが地味に便利です。
そして、本来存在しない穴の部分も下に適当な紙をして、カメラをドットに向ければかけます。紙とデジタルで内容が変わるので、意味はありませんが。
そしてノートを整理するのも簡単にできます。
こんな感じに。
これで試験前の復習は容易になるでしょう。
デジタルでの整理が思った以上にはかどったので、メモ帳も買って、情報カードにでもしてみようか検討中です。
しゃべりながらメモを取る。書き忘れも怖くない。
今回は、音声付PDF作成にあたって学友の協力の元、弁護士実務のシミュレーションの振り返りを行った際に録音、メモしたものである。
事例は有責配偶者との離婚、要は旦那さんが不倫したので離婚したいという相談を受けた場合のロールプレイを行った。その後、別班のロールプレイを見た感想を合わせて検討したものである。
PDFファイル
http://www.livescribe.com/cgi-bin/WebObjects/LDApp.woa/wa/MLSOverviewPage?sid=JK6pkXkpb2GQ
今回の作成に当たっては、あらかじめプライバシーなどに配慮するように事前に取り決めたのだが、ノートとペンを取り出すだけでさっとはじめられたのは、お互いに気を張らず、率直な意見交換ができた。
録音しているし、メモを取り損ねてもいいやという気持ちから話に集中できたのはありがたい。
現在PDFファイルのアップデートに手間取っているため、PDFデータへのリンクは追って記載します。
やっとやり方がわかりました。
ノートを表示して右クリックで転送で「My Livescribe」を選ぶとそのあとは自動でアップロードされた。なぜか一回目にやった時は失敗してしまい、手間取ったのだが。
アップロードされてからはMy Livescribeにタブを移しメニューからリンクを取得したいのか、メールなどでリンクを教えたいのかを選べばよいだけで、お手軽である。
メールで送ると、公開データのURLに送ったメールのアドレスが追加される。なぜそんな仕様なのだろうか?
全部英語だけど簡単なのでかろうじて読めて助かった。
追記
アドレス間違っていたので直しました。
ふたたび不具合の谷
というわけで、ノートも購入し、はや三冊目のノートに到達しました。
ノート一冊で、内容をデータ管理できるので、非常に楽なのですが、問題がいくつか発生しました。
1、LivescribeDesktopとEchoDesktop
EchoDesktopはLivescribeDesktopの改良版なのですが、確かに細かいところ、たとえばノートの情報をPDFにエクスポートする際に、全然エクスポートされなかったり、突然選択メニューが出たりといった挙動はなくなり、操作性はだいぶ良くなりました。
しかし、なぜかPDFに1つの音声ファイルしか埋め込めなくなった上に、PDFの種類の変わったのか、書き込んだ線が大分太くなってしまいました。あと、音声データがある部分だけ緑で印刷されるなど。
このへんは、前の方がよかったのですが、サイトにはダウングレードできないとあるので、放置中です。
あとなぜか、表紙がつくようになりましたが、邪魔です。
2、Starting...
こっちの方が深刻なのですが、内部ストレージが少ないとのエラーが表示されている状態で使い続けたら、Starting...の表示から先に進まなくなりました。
学研のサポートから、たぶん使用中に内部ストレージがいっぱいになったので、ハードウェアリセットを実施し、データを削除するようにとの指示が来ましたので実施しました。
しかし、結局Starting...から先に進まない。なので、EchoDesktopがスマートペンをそもそも認識しないので、どうしようもありません。
というわけで現在(2015.1.27)、再びサポートに問い合わせ中です。
期末試験前になかなかな障害にぶつかってしまいました。
3、交換対応に
復旧は無理ということが判明しましたので、交換ということになりました。
それと、EchoDesktopは日本だとまだ正式にサポートしていないので、戻した方が安心ですとのこと。 Livescribeの公式サイトにはあるのに、学研のサイトにはないのはそのせいみたいです。
日本語でちゃんとつかえるんですけどね。
LivescribeDesktop/EchoDesktopをアンインストールすると、PCに保存していたノートデータも消えるそうなので、バックアップをとるようにとのことでした。
保存場所は後程メールで送るとのことなので待機中。
チョットダケベイカーさん
2015/10/11
コンピュータ乗り換え時やアンインストール時にはどなたにとっても必要な情報なのに、どこにも書かれてませんし、隠しファイル・フォルダまで検索したのに分からなくて困っています。
新司受験性カッコカリさん
2015/10/11
チョットダケベイカーさん
2015/10/12
ディレクトリにつきご教示いただき恐縮です。
実は未だにWinXPなのですが、
ユーザー名\Application Data\Livescribe\
に相当しますか? 中には PenComm というフォルダがあります。
新司受験性カッコカリさん
2015/10/12
多分そこだと思います。
Desktopの中身は[data][Downloads][Library][Log][Plugins][Pentable]です。
Dataの中にノートのデータが、Libraryの[Recordings]に音声データが入っているようです。
Windows7での場合は、PenCommというファイルはLogフォルダーの中に見つけました。
新司受験性カッコカリさん
2015/11/03
前回バックアップしたデータをLivescribeDesktopに戻したところ、正常に起動しない場合がありました。LivescribeDesktopを最新版にアップデートしたら起動したので、データを戻すのは、LivescribeDesktopのバージョンをバックアップ時のものより新しくする必要があるようです。