ノートPC用クーラーにスピーカーを内蔵した新製品を15.6 インチ液晶パネルを搭載したノートPC”ドスパラ Prime Note Galleria MR6”と組み合わせで検証してみました。
ENERMAX Twister Odio16(CP008)はスピーカーを内蔵したノートPCクーラーです。
仕様を簡単に説明すると、対応するノートPCは16インチクラス。スピーカーはアンプを内臓した本格的なものを搭載。角度調整機能は無し。ファンとスピーカーは個別にオン・オフ可能となっています。
●素材と質感について
銀色の部分はアルミ製で黒色の部分はプラスチック製で本体は784gと軽量。ノートPCとセットで移動も楽に行えます。代理店サイトではフロントのストッパーはラバーとありますが触った感じはプラスチックでした。
アルミの部分はパンチングメタル風になっていますが内蔵ファンの部分以外はプラスチック筐体になっていて風は通らない作りになっています。
質感についてはアルミを私用しているため高級感もありますし、アルミの放熱効果にも期待が持てます。
●ノートPCとの接続方法
ノートPCとの接続には付属の2本のケーブル(給電用のUSBケーブルと音性入力用のステレオミニプラグ)を使います。コネクタは一般的な規格の形状をしているので汎用品も使用可能です。
●クーラーの角度とノートPCの操作性について
クーラーの角度は調整不可能ですが角度は適切で20mmほど高くなりますがキーボードのタイピングやタッチパッドの操作は支障はありません。長時間の操作ではタッチパッドのみ手が浮くかたちになるので疲れる可能性がありますが自分はマウスを併用しているので特に問題ありませんでした。
更新: 2014/01/22
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Twister Odio16(CP008) 活用法
HWMonitor 1.24を使用してシステム温度をモニタリングして確認してみました。起動後10分ほど放置した状態をアイドル時とし、負荷テストにはFFXIV-ARR-Bench-World (フルスクリーン対応版)を1回動作させたデータです。
アイドル時の温度はCPUで1~2度ほど低くなりましたが負荷時での差はほとんど出ませんでした。GPUに関してはアイドル時~負荷時にかけて2度ほど低くなっています。
ノートPCの吸気口の位置などにより効果に差がでるのと、Twister Odio16(CP008)は120mmと比較的小型のファンを採用し本体がメュシュ構造になっていない事も原因と考えられます。加えて計測時が冬場で涼しい季節のため差はでにくいとは思いますが一定の効果が出ているのと、夏に向けて気温が上昇するにつれて効果が出ると思います。
小さな筐体にクアッドコアを内蔵するPrime Note Galleria MR6は負荷時に筐体が熱くなりCPUファンが高回転になるなど冷却性能面に不安がありました。以前からノートPCクーラーを使用していましたがTwister Odio16(CP008)はファンコントロールとオン・オフスイッチのおかげで季節に合わせて調整できるのでファンノイズを最小に抑えられるのは魅力です。冬場は気温が低いのでシビアではありませんが夏本番を迎えたときに本領発揮するはずです。
Prime Note Galleria MR6の内蔵スピーカーは高温も低音も弱く”よくあるノートPC内蔵スピーカー”の音質で音楽や動画の視聴には向きません。そこでSANWA SUPPLYの小型USBスピーカー MM-SPU4WHを購入したのですが、このノートPCは移動して使用しているため数回使ったあとは移動の再に荷物になり、その後は活用せずにノートPC内蔵スピーカーで我慢していました。
Twister Odio16(CP008)はスピーカーを内蔵しているので移動の際も楽です。
おかげで外付けUSBスピーカーが不要になり音楽や動画の視聴も快適になりました。
スマートフォンやタブレットなどガジェットの冷却台兼スピーカーとして利用してみました。
電源についてはUSB端子出力可能なスマートフォン用ACアダプタが利用できます。
今回は手持ちの”Docomo ACアダプタ03(出力:5V 1.0A)”を使用しています。
クーラーの構造とファンが12cmと小型のためスマートフォンの冷却向きではありませんがスピーカーも併用することができますので動画や音楽鑑賞それにゲームをプレイするときに活躍します。
高発熱のSony PlayStation 3(CECH-2500)の冷却用に使用してみました。
PlayStation 3(CECH-2500)用のクーラーとして使えるか試してみたところ、奥行きが足りず後ろ側のゴム足はみ出てしまい、後ろ側はクーラーとPlayStation 3本体の隙間がほとんど出来ない状態になってしまいました。
PlayStation 3(CECH-2500)のゴム足は元からロープロ設計のため筐体とテーブルに隙間が出来難いのとTwister Odio16(CP008)はPlayStation 3対応クーラーではないので一工夫必要です。今回はダイソーなどで販売されているカットできる滑り止め(4mm厚)を購入し、Twister Odio16(CP008)のアルミ素材部の後ろ側の左右2箇所に貼り付けてゴム足の変りを作成。
Twister Odio16(CP008)とPlayStation 3本体との間に隙間が出来て空気の流れも改善し、稼動させるとすぐに熱くなるPlayStation 3本体の発熱が押さえられました。
Twister Odio16(CP008)の給電はPlayStation 3のUSB 2.0ポートを利用しています。
スピーカーの利用に関してはPlayStation 3にはヘッドフォン端子が無いのでAVマルチアウトケーブルコネクタからミニステレオに変換して音声出力を取り出すか液晶モニターのヘッドフォン端子から出力しTwister Odio16(CP008)へ入力させる必要があります。
今回はHORIのPS3専用モニター HP3-93のヘッドフォン出力を利用しました。音質に関してはHORIのモニター内臓スピーカーより低音が出ていて音に厚みがあり高音質です。
更新: 2014/01/22
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Twister Odio16の各種ギミックの紹介
本体中央に搭載する冷却ファン120mm(厚み18mm)で回転数は800~1,400rpm。
ノイズレベルは25~32dBAで最小回転時は静かですが最大回転時はそれなりのファンノイズを感じます。
ゲーム中のBGMや動画や音楽の音声をある程度の音量で再生している状態ではファンノイズは気にならないレベルに収まっています。
涼しい冬場などファンによる冷却が不要な場合にはオフにすることも可能です。
25mm厚ではありませんが風圧は充分で最小回転数800rpm時もノートPCと本体の左右の隙間か風を感じることができました。
Twister Odio16(CP008)の内臓スピーカーはクーラー後方の左右側面に内臓されています。角度をつけるための厚みを持たせた部分に搭載し邪魔にならない設計になっているのが特徴です。銀色のメッシュ部分は金属性です。
スピーカーの出力にはDreamBassサウンドチップとHiFiオーディオアンプを採用。
40mmフルレンジサテライトスピーカーの出力は2W(1W+1W)。
スピーカー機能はLED横のオン・オフスイッチでオフにすることも可能です。音量に関してはTwister Odio16(CP008)側に音量調整機能はないためノートPC側でボリューム調整する必要があります。
音質は予想以上にクリアで低音も充分出ていて迫力のある音質でした。動画・音楽・ゲーム時に効果絶大です!
付属のUSBケーブル(給電用)とミニステレオケーブル(音声入力用)は独立していて長さはコネクタを含めて約70mm。
Prime Note Galleria MR6のUSB 2.0ポートとヘッドフォン出力端子は右側でTwisterOdio16(CP008)と同じ側のため接続ケーブルは余り気味ですが付属の結束バンドで束ねて使っています。左側に端子類があるノートPCでもケーブルの長さは足りると思いますが、長さが足りない場合は製品のコネクタは一般的な規格を採用しているので市販の汎用品を利用することも可能です。
●クーラー本体の横幅について
TwisterOdio16(CP008)の横幅は340mmに対して15.6インチのノートPCのPrime Note Galleria MR6の横幅は378mmのため、左右に19mmつづノートPCがはみ出てしまいます。冷却面では問題ありませんがファンコントロールのボリュームやスピーカーのオン・オフスイッチの操作性が悪くなってしまうのが気になりました。
スピーカーもノートPC本体の下側に入り込んでしまうかたちになります。音質に関しては気になるほどではありませんがボリュームを絞ると若干篭る感じになってしまうようです。
●滑り止めの位置について
Prime Note Galleria MR6は15.6インチと対応サイズですがゴム足の位置が外側にあるため、クーラーの手前の滑り止めに足があたらずしっかりと固定できませんでした。
クーラー手前の滑り止めの長さは280mmです。購入前に組みあわせて使用するノートPCの手前側のゴム足の位置(距離)を確認することをお勧めします。
更新: 2014/01/22
ENERMAX ノートPCクーラーを一言で表すキャッチコピー
PREMIUM REVIEW
ミドルクラス以上のノートPC愛好家待望の画期的な新製品
クアッドコアCPUを搭載したノートPC、特にディスクリートGPUを搭載するハイエンド(ゲーミング)ノートPCクラスには必須アイテムとなっているノートPC用クーラーですが、ミドルレンジ以下でも夏場の筐体の廃熱強化はハンダクラックなどの熱が原因の一部となる故障率を下げる意味でも重要でノートPC用クーラーは必需品とも言えるわけですが、そのノートPCクーラーの筐体に高音質なアンプ内蔵スピーカーを内臓するというアイディアは実用的で素晴らしいです。
レビューを担当したTwister Odio16(CP008)に関しては”USB給電とステレオミニプラグ入力”という汎用性の高い作りのため、ノートPCでの利用だけでなくスマートフォンなどのガジェットの冷却や外部スピーカーとしても流用可能となっているのもポイントです。
Twister Odio16(CP008)は小型のファンを採用する製品のためスマートフォンなどのガジェット用クーラーとしては複数台をまとめて冷やす用途には向きませんが4台くらいは冷やせますのでガジェット好きな方にもよい製品と言えるのではないでしょうか。
実売価格も4,000円前後とコストパフォーマンスは高いので夏へ向けてノートPCの冷却とスピーカーの音質強化を検討している方にお勧めです!
<2014/01/22>
・誤字を修正しました。
harmankardonさん
2014/01/21
CP007とCP008を合体させると,すごいノートPCクーラーが完成しそうですね.
CP007の改善指摘ポイントが,CP008では搭載されているのにはビックリしました.
Sheltieさん
2014/01/21
コンセプトを分けて作成した関係で今回の3製品のリリースという流れになったのかもしれませんね。各製品の良い点をあわせた新製品の登場に期待しましょう!