0. はじめに ~ NUCの前に ~
NUCの話をはじめる前に多少昔話なぞさせてください。
PCのフォームファクタATXは前世紀の終わりに、それまでのベビーATに取って代わるものとして、登場してきました。
当時は、
- Socket5から7のCPU (P54C,P55C,AMD K6)
- EDO SIMM またはSDRAMのDIMM
- 拡張手段はPCIとISAバス
- 周辺機器との接続はシリアルポートとパラレルポート
- ストレージインターフェイスはIDE(ATA)とFDD、もしくはSCSI
この15年でCPUは定格で4GHz前後、メモリも高速化、バスはAGP/PCI、そしてPCIeに移り替わり、周辺機器との接続はUSBへ、IDEやFDDインターフェイスのように大きいコネクタは姿を消して、SATAに取って代わられました。
また、同じ期間にインターフェイスは徹底してオンボード化がすすみ、拡張バスコネクタを使用する割合は低くなったこと、HDDも大容量化やSSD化でダウンサイジングされ、ATXやその小型版 MicroATXはサイズが大きすぎると感じるようになりました。
ベビーATから引き継いだ拡張スロット配置の互換性が邪魔になってきたなか、
インテルが ATX/MicroATXフォームファクタのマザーボード製造に見切りをつけて、コンパクトなコンピューティング環境として、NUC(Next Unit of Computing) を発表したのは時代の要請にあったものだったと思います。
しかしながら、初代NUCは第2世代 Coreアーキテクチャ, SandyBridge の低電圧版 i3や Celeron 847など、放熱に悩まされにくい低スペックCPUを採用し、またGPUも非力であったため、若干肩すかしを喰らった感がありました。
1. 第2世代 NUCはココがすごい!
- ターボブーストあり、2コア4スレッドはパワフル
- 前モデルよりGPUがパワフル
Ivy Bridge の低電圧版i5を搭載した DC53427HYEは、それまでのNUCの弱点をいくつかクリアしたことで、パワーも重視する方向性が示されたと思います。
これは期待できそうですよね。
2. 何をギリギリチャレンジする?
今回 私のテーマは「PC in a PC」です。
名前のとおり PCにPCを内蔵させるってことですが、昔のPCのケースにNUCを!
ってことではありません。
このサイズならば、ATXミドルタワーケースに入れた Haswell PCに追加で NUCを装備するということができると踏んだのです。
母屋となるPCに、NUCが間借りするってことですね。
これのどこがギリギリなのかってことですが、
- 5インチベイにうまく載せられるか
- 外部からの配線を減らせるか
- フル稼働しているとき、または母機が通電していないときに熱は大丈夫か
ということがあります。
台湾のメーカーで5インチベイに収まるPCを出しているところがあるのですが、
それなりにお高い割りに、パワーがあるわけではなく、入手性が悪かったです。
NUCなら入手しやすいですよね。
ケーブリングについては、
- キーボード・マウスは Bluetoothタイプなら接続も少なくて済む
- ACとLANケーブルぐらいは十分許容できる
あとはHDMIをどうするか?ということがチャレンジ要素です。
NUCなら、下手な仮想マシンよりパワフルですし、i7-4770Kを動かすまでもないときはNUCに切り替えでエコになれるかもしれません。
あとはPC in a PCですから、どこまで外見で分からないようにできるかがチャレンジになります。
2. チャレンジの主役紹介
主役はもちろん NUCです。
サイズは、116.6mm x 112.0mm x 39.0mm と、小さめのランチボックスのような感じで、とてもコンパクトです。
コンパクトを実現するためにCeleron 847 + NM70のマザーボード同様に、CPUはハンダ付け、メモリはSO-DIMM、ストレージは mSATA、無線LANは mini PCIeで拡張となってます。
しかし、
- mini DisplayPort x 2
- HDMI 1.4a x 1
- USB 3.0 x 1
- USB 2.0 x 2
- Intel Gigabit Ethernet x 1
メモリとSSDを組み込んだらこんな感じです。
はやく Bluetooth/WiFiを組み込みたいです。
ストレージには PX-128M5M を使用することにしました。
以前 赤いSSDを見てから一度は使いたかったのですが、ようやくここで購入できました。
本当は mSATA → SATA変換して通常のSSDを使おうと思ったのですが、せっかくなら蓋は閉めたいということで、mSATA でバランスのよい M5M にしたというわけです。
メモリは私の中の定番 CFD/Elixir の PC3-12800 4GB*2 です。
必要になれば 8GB*2 に切り替えるのですが、今はとりあえず 合計8GBで満足してます。
さて、ミッキーケーブルなんですが、新規が買わなかった唯一のものです。
Compaq ARMADA E500 のACアダプタがこれなんですよ!
影の主役
今回のチャレンジは NUC だけでは成り立たないのです。
ギリギリまでケーブル類を減らすために WIDI だ!
…すいません うそつきました。
WIDI じゃありません。あれはプレゼンにはよくても実用機には向いていないのです。
で、気を取り直して!最初に書いたとおり「PC in a PC」ですから、母体が必要ですよね。
そう母体!
ここで登場するのが 変態紳士 ASrock Z87 Extreme 6 と 優等生 i7 4770K です!
当時のお姿はこれ。
4770K のレビューで使ったのが Z87 Extreme 6 でしたが、このマザーボードにはなんと!
HDMI in があるのです!
PCがシャットダウンしている時は、自動的にHDMIスルーモードになるという優れもの!
通常はNUCだけで必要ならメインPCを起動させればいいのです。
起動したらホットキーで切り替えができるので、ボスが来たモードが素直に実現できますよ!
わくわくしませんか?
そして、これを使えば我が家のディスプレイさんたち
すでに全HDMIを使い切ってても、どうにかできるじゃないですか!
もっとわくわくしてきましたよ !
だがしかし… ここまで書いたところで、いろいろあって土日、連休ともつぶれてしまい、時間が足りない可能性が高くなってきました。
仕方ないので、メインPC候補にCPU、メモリ、電源を供給して、NUCを接続してみました。
マザーボード+CPU+メモリ+電源が繋がっていないと、HDMI スルーは動作しません。
IC駆動できないから当然ですね。
よし!お!きた!!
それにしてもヒートシンクより小さいPCなんですよね!びっくりですよ。
インストールを前に構成変更へ!
PX-128M5MではメインPCなみの活用をするには容量不足であることが判明しましたので、急遽 Crucial M500 240GB を導入しました。
速度は Plextor M5Mより少し低下しますが、容量ではいい感じです。
さて、構築する間に姉妹機が導入されました。
i3-3217Uを搭載した 初代NUCの片割れさんです。
PX-128M5Mはそちらに移行しました。
役割はこの2台で違う予定ですが、まだ定まってはいないです。
設置編
NUCは 5インチベイ1個で収まるコンパクト設計なので、5インチベイに収めてみようとおもいます。
が…今回のケースには容積は大きいものの問題が多すぎました。
当初考えていた設置方向はこれです。
オレンジ色のケーブルは仮設のUSBケーブルで、黒のケーブルは電源です。
インストールは実施し狙った通りの動作はしますが、白黒パンダ状態やケーブリングなど見栄えとともにつぎの問題が出ています。
- 排熱をしやすくするためには、ケースの外へ排気するように向きを変えるべき
- USB2.0ポートを外側に向けないと Logicool Unifying Receiver の感度が落ちる
ギリギリなのはサイズと熱なのです
起動直後は 44度でしたが…1時間もしないうちに52度を突破します。
それも本体がシャットダウンしてますし、室温20℃以下です。
これでは Haswell CPUに熱風を送りつける、別の意味のチャレンジになってしまう。
狙ってはいましたが、これではチャレンジをクリアしたことにならないです。
ということで、ケースをもっと新しい世代に変更しようと画策しています。
これらと、母艦となる Haswell PCとしても 3.5インチベイが1個しかないということで
- USB 3.0/2.5SSDマウンタを搭載すると USB2.0 x4 フロントベイを搭載できない
- BDドライブも黒
- マウンタも黒
- NUCも黒
黒祭りですがケースがアルミのシルバーじゃどうにもなりません。
NINE HUNDRED はケースとして小さすぎるので却下して、もう少し使いやすいケースを探そうと思います。
最終形はどんなに形になるのか! もう少しの間延長戦に入りますが、ゆるーく期待しててもらえるとうれしいです。
See you next time! bye-bye
れいんさん
2013/11/06
notokenさん
2013/11/11