レビューメディア「ジグソー」

この電源の限界を知ることはできませんでした



この度は、ジグソープレミアムレビュー「あなたのオーバークロックを強力サポート!-ENERMAX-」に選出戴き有難うございました。
関係者の皆様方に厚くお礼申し上げます。

"本製品の使用によるオーバークロック性能のビフォー・アフターを写真や動画を用いて詳細にレビューしてください。"というレビュー課題をいただいております。

電源による、オーバークロック性能のビフォー・アフターといえば、オーバークロックがどこまでできるか、に尽きると思います。
ビフォーシステムも、同じ1KW電源なので、どこまで差が出るのかわかりませんが、今回同時にレビューさせていただくCPUクーラーに換装した状態で、どこまでオーバークロックが可能なのかをレビューしたいと思います。

また、今回レビューさせて戴く電源が、80+ プラチナということもあり、ビフォーシステムの80+電源との消費電力の差も併せて見て行きたいと思います。

今回のビフォーシステムは、オーバークロックということで、

CPU Intel Core i7 2600K
MotherBoard GIGABYTE GA-Z68XP-UD3R(Rev.1.0)
Memory Corsair CMX12GX3M3A2000C9
Graphics Internal(HD3000)
Palit NE5X580010FB-1100F(GeForce GTX580)
Drive A-DATA AS510S3-120GM-C
PowerPupply AQTIS AP-1000GLX80+
CPU Cooler ENERMAX ETD-T60-VD

という、普段使っているシステムから、HDDや光学ドライブの接続を外した状態を基本システムとさせて戴きます。
グラフィックスに関しては、オーバークロックとは直接関係ありませんが、電源に負荷を掛ける意味でGeForce GTX580も用意しました。











ざっくり云ってしまえば、同じ1KW電源で、80+か80+プラチナかの違い。
TDP95WのCore i7 2600Kをオーバークロックするのにどこまで差が出るのか?
私自身も興味があり、敢えて同じiKW電源で比較しました。(差が出るのか否か)

同じ1KW電源といっても、ビフォー電源はコストパフォーマンス優先で選んだ3年前の電源。
3年前に1KW電源を購入したのは静音化の為です。

必要な電源は500W程度でも、500W電源を使うと電源もフル回転して結構煩くなってしまいます。
1KW電源であれば、500W程度使うのに、電源効率も良く静音化にも寄与できると思い購入しました。

一方、ENERMAX EPM1000EWTは、オーバークロック用の最新の電源。
ENERMAXのカタログでも、このEPM1000EWTのみが、Super Overclock Editionという位置づけになっています。
先ずは電源の違いについて比較したいと思います。

電源のスペック比較
電源のスペック比較


ビフォーシステムのAQTISの電源は、12Vの容量が20Aのものが4系統あります。

AQTIS電源出力
AQTIS電源出力


この4系統は、マザーボード用24Pコネクタに20A,同じくマザーボード用12V8Pコネクターに20A,PCI-Expressコネクタ2個で20A,S-ATA及びペリフェラル用4Pコネクタ8個で20Aという構成です。

上記構成なので、PCI-Express用に12V*20Aの240WしかないためグラフィックボードはGTX580*1枚が限度です。

一方、今回レビューさせて戴く電源、EPM1000EWTの12Vは、83Aの1系統のみという潔さ!

あれこれ考えずに繋げば良いというのと、83Aをシェアできるので、オーバークロックする人には、マザーボードにたっぷり給電。ゲームをする人には、グラボにたっぷり給電とオールマイティな使い方ができます。

ケーブルレイアウトは、最低限のケーブルは直付けになっており、グラボの追加やペリフェラル,SATA用ケーブルなど、豊富なケーブルが付属しています。

ケーブルレイアウト
ケーブルレイアウト


しかし、オーバークロックを意識した電源であれば、S-ATA電源は、端子が1つだけ付いたシンプルなケーブルが数本付属されていると更に使い勝手が良いと思います。

それにしても、S-ATAやペリフェラル電源ケーブルはもっと柔らかいものが欲しいです。

私のように、RAID構成で多数のHDDを搭載していると、HDD間のクリアランスが少ないので、電源ケーブルの取り回しがとっても不便です。



先ずはビフォーシステムでオーバークロックを行い、電源の限界を確認します。
オーバークロックのボトルネックのひとつとしてCPUの熱処理がありますが、CPUクーラーを今回同時レビューのTDP200W+対応ENERMAX ETD-T60-VDに換装して行います。

HardwareMonitorでCPUの排熱処理がオーバークロックのボトルネックになっていないかを確認しながら進めてゆきます。

最初に、マザーボードに付属のオーバークロックツール、EasyTune6というツールを使ってオーバークロックの設定を行います。
このツールでは3段階のオーバークロック設定ができますので、低い設定から順番に試して付きます。

Easy Tune 6
Easy Tune 6


各社のマザーボードには、このようなオーバークロックツールが付属している場合が多いので、手軽にパフォーマンスアップを狙う場合は便利だと思います。
このツールを使ってのオーバークロックでは、ベースクロック103%,CPU倍率43倍が限界でした。
残念ながら、ベースクロック104%,CPU倍率44倍では、OSの起動すら出来ませんでした。

EasyTune6 x43 103MHz
EasyTune6 x43 103MHz


次に、BIOSの設定でのオーバークロックを行います。
一旦ベースクロックを100MHzに戻し、CPUの倍率を44倍からワンステップづつ上げて行きます。
OSが起動したら、Prime95というアプリで、システムに負荷をかけ安定性を確認します。
今回は、Prime95を10分走らせ、問題がなければ、3DMARKを走らせます。
どちらもクリアした状態を、暫定OKとして、次のステップに進みます。
このような手法で少しずつ倍率を上げると、46倍が限界でした。

47倍でもOSは起動するのですが、Prime95を走らせると、数分で1~2スレッドが動作しなくなります。
タスクマネージャーのパフォーマンスタブでCPU使用率が100%を割り込んでしまいます。
この時の、CPUの温度は70℃前後なので、熱によるものではないと推測します。

スレッド落ち
スレッド落ち


次に、ベースクロックを100MHzがら1%ステップで上げて行きます。
使っているマザーボードは0.1%ステップでベースクロックを変更できるのですが、この状態では、1%ステップで行いました。
残念ながら、46倍では、101%でも起動できませんでした。

ビフォーシステムでのオーバークロックは、この辺りが限度のようです。

次に、電源を、ENERMAX EXG1050EWTに換装し、同様の手法でオーバークロックしてゆくと、なんとCPU倍率48倍まで可能でした。
49倍は、残念ながらマザーボードの電源回路の限界なのかOSは起動はするものの不安定なシステムとなってしまいます。
BIOSの設定で、Internal PLL VoltageをEnableにして、電力や電流の制限を大きな値にしても変わりませんでした。
この時、CPUには1.48Vかかっていますので、これ以上は上げる度胸がありませんでした。

x48 100MHz
x48 100MHz


そこで、48倍のままベースクロックを上げようとしましたが、OSの起動すらしなかったので、一旦47倍に戻し、ベースクロックを上げる試みを行いました。
ベースクロックを上げると、システムすべてのパフォーマンスを上げることができますが、逆に様々なところに負荷がかかります。
BIOSで、CPU以外にも少しづつ昇圧しながら試みます。
特にメモリなどは注意が必要ですが、今回はDDR3-2000のメモリを、1866で使っているため、理論上は107%まで対応できるはずです。

この時、Z68チップセットが触れない位発熱していたので、92mmファンで風を当て冷却しながらオーバークロックを進めました。

この手法で。ベースクロック103%,CPU倍率47倍で安定動作が可能でした。
この時のCPUクロックは、4,840MHzと、若干ながらベースクロック100MHzの48倍より高クロックを達成できました。

x47 103MHz
x47 103MHz


クロックスピード 3.4GHzのCore i7 2600Kが、4.8GHzまでクロックアップできるとは…
Core i7 2600Kの懐の深さと、ENERMAXの給電能力/CPU冷却能力に脱帽です。



ビフォーシステムでは4.8GHzまでオーバークロックできないので、高クロック時の消費電力は比較できませんが、通常で5% Prime95を走らせる等後負荷時に10%程度の消費電力の低減が確認できました。

GeFoece GTX580を挿すと、消費電力は一気に上がりますが、それでもENERMAX EPM1000EWTは、システムのスタビリティと低消費電力を両立させ、尚且つ とても静かな優秀な電源です。

消費電力
消費電力


80+電源でx46にオーバークロックした時と、EPM1000EWTでx48にオーバークロックした時の消費電力が変わらないのは驚きです。
また、GeForce GTX580のグラボを1枚追加しても80+電源 x43 103MHz時の消費電力よりx48 100MHzの消費電力の方が少ない結果となり、非常に優秀な結果となりました。

私が所有しているGTX580は、搭載メモリが3GB版と1.5GB版と異なるためか、2枚同時に積んでブリッジ接続してもコントロールパネルにSLIの設定が出現しませんでしたが、GTX580を2枚挿しても何もなかったかのように、静かに動作しました。



今回レビューさせて戴いた電源のパフォーマンスはもっと高いところにあるようですが、残念ながらマザーボードの電源回路や私の度胸の問題もあり、x48迄しか試せませんでした。

OC向けのマザーボードではもっと高次元のオーバークロックが実現できるのではないでしょうか?

残念ながら、私の所有しているパーツでは、ENERMAX EPM1000EWTの限界を知ることはできませんでしが、GeForce GTX580を2基接続してベンチマークを走らせても、煩くなるのはグラフィックボードの冷却ファンで、電源は極めて静かにドライブしていました。

この電源は、50℃環境での連続動作環境を保証しているので、十分な耐久性もあると思われます。
長く付き合える頼もしい電源です。

コメント (2)

  • kenさん

    2012/01/25

    レビュー、お疲れ様でした。

    詳細にレビューされているので、分かりやすいですね。
    電源の限界が見れなかったのは残念ですが、
    48GHzまで上げても静かなのは良いですね。

    やはり電源に余裕があると、安心して使用出来ますね。
  • Picardさん

    2012/01/25

    kenさん コメントありがとうございます。

    旧電源は12V20Ax4なので、OCにもおのずと限界が出るのですが、レビュー電源は12V83Ax1なので、83A消費することは結構難しいと思います。

    2600Kだと、GTX580の3WAY SLIでも組まないと83A使いきれないですね!

    残念ながら私が所有しているパーツで1000Wは難しいですね。

    GTX580 2枚を挿してみましたが、3GBと1.5GB仕様でSLI構成できませんでした。

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