【2012.01.21】 F12-PWMにファン交換した結果を追記(最下部)しました.
TDP200W+対応、熱抵抗0.12℃/Wで高い冷却性能を実現!
これが,本レビュー対象のENERMAX製CPUクーラーETD-T60-VDのキャッチコピーです.
その性能を,i7-2600Kを使って検証してみたいと思います.
比較検証するのは,以下の3台です.
①レビュー対象であるENERMAX製ETD-T60-VD
②トップフローの定番であるSCYTHE製KABUTO(SCKBT-1000)
③簡易水冷のトップモデルCORSAIR製CWCH100
CPU付属の純正クーラーも検証に加えようかと思いましたが,OCでの検証が難しいと判断し,止めました.
本レビューPCの構成は,以下の表のようになっています.
本来であれば,静音ケースであるCoolerMasterのRC-550の方が,有意差が出るのかも知れないのですが,
簡易水冷のCWCH100が取り付けられないので,PCケースは変更しています.
PCケースを新調しましたので,それに合わせて,パーツ類も新しくしているものがあります.
組み直しましたので,マザーボードも,P8Z68-VからP8Z68-V PRO/Gen3にしています.
ぱっと見,わからないと思いますが,SATAポートが増えています.
レビュー対象であるETD-T60-VDの紹介をしておきます.
HPより抜粋しています.
詳細はこちらから,ご確認下さい.
ETD-V60-VD
・ETD-T60-VDは、CPU及びCPU周りを強力に冷却するトップフロータイプを採用したCPUクーラーです。
・世界トップクラスの熱抵抗性能 0.12℃/Wを実現しました。
・Intel,AMDの最新のプラットフォームに対応しています。
・対応CPUソケットは、Intel LGA1366,LGA1156,LGA1155,LGA775,
・AMD Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1です。
・特許取得済みのAAP(自動可変圧力)ブラケットを採用。
・静音、耐久性に優れているツイスターベアリング搭載のT.B.VEGAS DUO-PWMタイプ120mmファンを採用しています。
それでは,外観から見ていきます.
最大の特徴は,トップフローのため,背が低いことでしょうか.
大きさは,151×131×115(H)mmです.
KABUTOが,124×133×132(H)mmですから,更に背が低くなっています.
横幅の狭いケースや裏配線ができるケースの場合(RC-550など),高さ制限がありますが,
この115mmという高さであれば,ほとんど問題無いのではないでしょうか.
サイドフロータイプのCPUクーラーが取り付けられないけれど,冷却重視としては候補の一番に上がると思います.
また,ヒートパイプの位置が,ヒートシンクに対して中心部ではなく,片側にずれています.
もう一つ注目すべき点があります.
ヒートパイプは,もちろん銅製なのですが,腐蝕対策として,ニッケルメッキ処理されています.
見た目がきれいなだけでなく,長く使える配慮が見られます.
ファンは,T.B.VEGAS DUO-PWMタイプ(120mm)が搭載されています.
ひかり物好きな方にも,Circular Type Combo LED(11モード)が,PCを美しく輝かせてくれるそうです.
では,取り付けに入ります.
注目すべきは,とても親切でわかりやすい写真付きpdfマニアルがHPからダウンロードできます.
Intel用取り付け説明書
付属の白黒イラスト紙マニアルは,少し分かり難いですが,写真付きpdfマニアルは,特筆すべき点です.
マニアルには事前にファンを外して作業を行った方が良いとありましたが,M/Bを組み込む前であれば,ファンを外さなくても作業できました.
①Intel用ブラケット2個に,AAP支柱を4つ取り付けます.
②このブラケット2つで挟み込むように,CPUクーラーに差し込みます.
③ブラケット取り付けネジ2本で,ブラケットをCPUクーラーに固定します.
④サーマルグリスをCPU表面に塗布します.
古いグリスがある場合には,きれいに拭き取ってください.
このサーマルグリスは,とても柔らかいので,中心付近に少し盛るだけにしました.
⑤クリップでファンを取り付けます(ファンを外さなかった場合には不要).
⑥ワッシャーを介して,マザーボードにセットします.
ワッシャには,表裏があります.絶縁シートが貼ってある方が]マザーボード側です.
ワッシャーをマザーボードの穴に合わせて載せ,CPUクーラーを挿す形になります.
メモリスロットを回避するように設置してください.
ヒートパイプが4本出ている方が,メモリ側になります.
(注)CorsairのVENGEANCEシリーズのような大型ヒートシンクがあると,A1スロットは干渉します.
⑦ユニバーサルバックプレートをマザーボード裏面からねじ穴を合わせてセットします.
この時,CPUクーラーとマザーボードを一緒に,ひっくり返しました.
バランス的には,CPUクーラーの上にでマザーボードは一応安定します.
一人作業は,この方法しかありませんが,あまりお勧めできません.
⑧バックプレート用固定ナットで,仮固定(手締め)します.
⑨ナット締め付けようツールと+ドライバーで本固定します.対角に締めて下さい.
⑩マザーボードのCPUファンコネクタにファンを接続します.
LED表示切換SWは,適当な場所に,引き出します.
バックプレート側からCPUクーラーを固定する方法ですので,マザーボードをPCケースに入れた状態で取り付けするには二人作業が必要になります.
バックプレートをマザーボードに固定してから,CPUクーラーを表から固定する方法は,ヒートシンクが大きいので,難しいためだと思います.
ここでは,詳細なOCの検証は行いません.
ただ,冷却性能は確認しておく必要がありますので,4.4GHzと4.8GHz時のCore温度の変動を見てみます.
高負荷は,OCCT(4.0)を使用して,15分後の温度とします.
温度は,OCCT(4.0)にビルトインされているHWMの使用します.
15分としたのは,時間を長くしても,CPU温度の上昇は見られなかったためです.
ETD-T60-VDは,十分な冷却能力があることがわかります.
4.8GHzでも,60℃以下です.
TDP200W+対応は,伊達ではありません.
参考に,4.8GHz時のCPU別温度推移グラフを添付しておきます.
非常に安定していることがわかると思います.
次に,CPUクーラー別に,アイドル時と高負荷時のCPU温度を比較します.
高負荷は,OC設定を4.4GHzとして,OCCT(4.0)を使用して,15分後の温度とします.
測定順は,ETD-T60-VD⇒KABUTO⇒CWCH100の予定でしたが,ETD-T60-VDの調子がよいので,外すのが惜しくなりました.
よって,KABUTOのデータは,旧システム(i7-2600Kレビュー)で取得したものを流用します.
CoolerMasterのRC-550は,静音ケースのため,エアーフローがあまり良くありませんが,サイドパネルを外した状態でデータ取りしましたので,大きな差はないと思います.
また,簡易水冷のCorsair CWCH100の検証は,後日公開とさせていただきます.
サーマルグリスは,各クーラーに付属のものをそのまま使用しています.
空冷のETD-T60-VDは,素晴らしい性能です.
同じ空冷トップフローの定番KABUTOより,5℃以上低く,冷却能力はとても高いです.
この性能なら,オーバークロックにも十分耐えられそうです.
また,騒音を数値で表すことが出来ませんが,最大26dBAに相応しい静音性です.
最後に,光るファンの様子です.
点滅,回転パターンは,写真では撮れないので,動画としました.
手ぶれはお許し下さい.
とてもきれいです.
1分間隔で自動的にパターンが切り替わってもおもしろいと思いました.
現状は,切り換えSWの手動操作のみです.
マザーボードのCPU周辺も一緒に冷却でき,PCケースにあまり左右されないトップフロータイプのCPUクーラーとして,とてもお勧めできます.
冷却性能も高く,オーバークロックにも十分耐えられます.
また,冷却性能に対して,非常に静かです.100%回転でも,うるさく感じません.
ひかりものが好きな方のみ,そうではない方にも,Circular Type Combo LEDは楽しみと演出を与えてくれます.
改善希望点としては,取り付け方法をもう少し簡単に,出来ればPCケース組み込み後でも,一人で交換が出来るようになると,さらによいと思いました.
ただ,この点は,大型のトップフロータイプとしては,永遠の課題かも知れません.
もう一つは,メモリーとの干渉です.
かなり工夫されており,通常のメモリであれば,全スロット干渉しません.
ただ,CorsairのVENGEANCEシリーズのような大型ヒートシンクでも,干渉しないように,ヒートパイプの形状か位置の改善を希望します.
静かで,冷却性能が高く,扱いやすく,汎用性の高いCPUクーラーとして,一押しです.
4.8GHzが常用できるなんて,夢のような世界を与えてくれるCPUクーラーです.
CPU周辺まで一緒に冷却してくれるので,PCケースのエアーフローさえ気をつけてあげれば,誰にでもオーバークロックが楽しめます.
また,きれいに光るLEDファンの様子は,見ていても楽しいです.
簡易水冷CWCH100との比較に関しては,もうしばらくお待ち下さい.
このETD-T60-VDは,CWCH100への交換を思いとどまるくらい,性能が高いCPUクーラーであると,ご理解願います.
Ⅵ.謝辞
今回,レビューの機会を与えて下さいましたENERMAX様,リンクスインターナショナル様,マックスポイントコンピューター日本様,ASUS様,Intel様,zigsow事務局様,おものだちの皆さん,zigsowユーザーの皆さんに感謝いたします.
また,最後までレビューを読んでいただき,ありがとうございました.
【2012.1.21 ファン交換追記】
CPUクーラーの性能を100%引き出すために,12cmPWMファン最強と言われているF12-PWMに交換しましたので,データを追記します.
交換後の写真ですが,すばらしい外観が,急にごつい感じになっていました.
結果です.交換前後で比較しました.
室温,湿度が同一条件ではありませんが,3~4℃程度低くなりました.
ちなみに,同じOCCT負荷15分後のHWMの読み値だとこんな感じです.
これで,OCコンテストをもう少し頑張ってみます.
【2012.02.03 CWCH100の結果を追記】
やっと,水冷のCWCH100に交換しました.
その結果です.
OC4.4GHzで,OCCT15分後のCPU温度比較です.
室温が違うので,完全な比較検証にはなりませんが,やっぱり水冷の優位性は検証されました.
ねおさん
2012/01/13
このLEDの状態を動画で見てみたかったんです。
良くわかりました。綺麗ですね。
ENERMAXのサイドフローを狙ってたんだけど、メモリーとの干渉はやっぱり厳しいようで、購入を躊躇っています。
せっかくのCorsair VENGEANCEだから4枚挿したいもんね^^;
下小川さん
2012/01/13
最近大型トップフローの新製品は少ないのでやはりなかなか気になりますね。
大型トップフローだけに取り付け方もサイドフロー版とは異なっているんですねー。でもほんと、VDファンはピッカピカでステキ。
harmankardonさん
2012/01/13
難しい選択ですね.
4枚は挿したいけれど,このクーラーも捨てがたいです.
サイドフローならどうなんでしょうか?
ヒートパイプの分,有利かもしれません.
harmankardonさん
2012/01/13
取り付け方が全然違いました.
最初は,てっきりバックプレートを取り付けた後,表から固定するものだと思っていました.
でも,これだけ大きなトップフローだと,表からは手が入らないので,この方法になったんだと思います.
やっぱり,トップフローは捨てがたいです.
ねおさん
2012/01/13
ファンの取り付け位置をズラすか、排気側につけて吸出しにするという強行策が必要かも・・・
harmankardonさん
2012/01/14
わざわざ,ご確認,ありがとうございます.
サイドフローでもダメなんですね.
愛生さん
2012/01/14
ETD-T60-VDの冷却性能のグラフで、アイドル時 OCしてる方が温度が低いというのも、面白い結果ですね。
ENERMAXのファンは、綺麗で好きです。
bibirikotetuさん
2012/01/14
トップフローでこれだけ冷やしてくれれば十分ですね~
見た目も格好いいし^-^
harmankardonさん
2012/01/14
CWCH100のデータは,後日追加します.
予定では,すぐにCWCH100に切り替えるはずだったのですが,ETD-V60-VDの調子がよいので,このまましばらく使う事に決めました.
OCコンテストまでには,CWCH100の結果を追加します.
たぶん,この部分が一番期待されている気がしています.
アイドル時は,室温にも左右されていると思います.
どうしても,測定日時が違っているので,アイドル時の±2℃位は誤差だと思います.
harmankardonさん
2012/01/14
そんな感じです.
CPU周辺も冷やしてくれるので,OCチャレンジをこのまま続けようと決めました.
harmankardonさん
2012/01/14
リンさん
2012/01/14
高性能クーラーだけあって取り付けも大変そうですね。。。
その分性能は高いし、LEDかっこいいですね><
自分はケース締め切っちゃうので見えませんが(笑)
データシート判りやすかったです☆
harmankardonさん
2012/01/14
大型高性能クーラーと取り付け易さは相反する,永遠の課題かもしれません.
今回,サイドフローファンのあるケースに変更したので,雰囲気は楽しめました.
harmankardonさん
2012/01/21
kenさん
2012/01/31
そして、レビューお疲れ様でした。
取り付けが大変そうですが、静かで良く冷えるのは良いですね。
色々な比較データが、参考になります。
harmankardonさん
2012/02/03
トップフロータイプとしては,最強ではないでしょうか.
とても冷えますし,静かで,しかも綺麗です.
取り付けも慣れれば,後設置が出来ることがわかりました.
ワッシャーの脱落防止に工夫がいりますが,M/Bを組み込んで,ケースを立てたまま,交換可能です.
harmankardonさん
2012/02/04