レビューメディア「ジグソー」

電波性能と外部アクセスの安全性向上で通信環境が劇的に改善されました

[2018/06/12追記]またまたファームウェアが更新されていました(文末に記載)

[2018/05/25追記]最新ファームウェアが公開されました。(文末に記載)

[2017/10/17追記]2017/08/31版ファームウェアアップデート後の追加機能(APモード切り替え機能)

[2017/10/02更新] ファームウェアの更新内容がTP-Linkさんのサポートページに記載されていました。

[2017/09/23更新]QoSについて追記しました。VPNのADSLモデムのポートフォワード設定を追加しました。

 

ZIGSOWさんのTP-link社のArcher C9(V5)プレミアムレビュアーに選出され、我が家に新しい無線LANルーターがやってきました。

 

現在使用している無線LANルーターは、7年ほど前の11b/g/n対応機で、最大300Mbpsです。

特に故障もなく使えているのですが、最新機種と比較した場合の不満もあるので、そのあたりがどのように改善されたのか(あるいは改善できなかったのか)をレビューしたいと思います。

 

まず内容物です。Archer C9(V5)本体と、外部アンテナ、ACアダプタのほかに、LANケーブル、壁掛け用のプラスチック部品(2個)、日本後の簡単設定ガイド、保証書などが入っています。

 

 

本体正面。アンテナを付けると意外と大きいなという印象ですが、シンプルなデザインで好感度は高いです。本体はホワイト&シルバーでまとめられ、清潔感のあるデザインになっています。

 

背面。昨年購入された方の写真を見ると、壁掛け用の穴がないのですが、今回のレビュー機には壁掛け用の部品を引っ掛ける穴が4か所追加されていますこれがV5での変更点の一つのようです。

 

 

Archer C9(V5)の主な特徴は次のようになっています(TP-Link社の製品情報ページより)

  • 新世代Wi-Fi規格の802.11acに対応
  • 2.4GHz 600Mbps 及び5GHz 1300Mbps同時接続で 1.9Gbps のトータル帯域幅を実現
  • 3本のデュアルバンドアンテナで接続の安定性と転送範囲を大きく向上
  • ビームフォーミング技術により効率的な無線接続を構築
  • 1GHzのデュアルコアプロセッサにより複数の無線接続と有線接続を同時処理してもデータ転送に中断の心配なし
  • USB 3.0+ USB 2.0のデュアルUSBポートを通じてプリンターやローカルファイルのネットワーク共有を簡単に実現
  • FTPサーバーを簡単に構築して世界中どこからでもファイルへアクセス

 そして、この中に記載されていませんが、VPNサーバー機能(上位機には機能が記載されている)も使用できます(VPNサーバー機能は後半で紹介します)。 

更新: 2017/09/18

自宅の通信環境

自宅は築約30年のマンション 3LDK(LDK12.5, 洋室6.0, 4.5 和室4.5 専有面積約62m2)です。

間取り図は柱や壁の凹凸は省略しており、結構簡略化しています。

ルーターはキッチン近くの棚の上に置いています。

通信環境はso-net ADSL(e-Access) 3Mbps程度の速度です。

レビュアーに選出されたのも不思議なほどのんびりした通信速度ですが、e-Accessの場合、モデムにルータ機能があり、ルータ機能を切るとIP電話が使えなくなってしまいます。IP電話はほぼ実家との通話にしか使わないのですが、耳が遠くなってきた両親は固定電話での通話を好んでおり、また愚痴を聞かされたりして長電話が多いのでIP電話機能はどうしても必要という状況です。

 

現在は、2010年に発売された b/g/n(最大300Mbps)対応の無線LANルータを使用しています。

USB2.0ポートが1つあり、USBメモリをつないで簡易NASとして使用しています。

こちらの無線LANルータはアクセスポイントモード(APモード)もあるのですが、APモードの場合、簡易NAS機能やVPNサーバー機能が使えなくなってしまうため、やむなく2重ルーターというあまり効率的ではない方法でネットに接続しています。ADSLのリンク速度が3Mbpsなので2重ルーターの影響もあまりなさそうですが..。

 

使用している機器は、使用頻度に差はありますが、デスクトップPC 2台、ノートPC 3台、タブレット2台、スマホ2台、Fire TV Stick 1台、スティックPC 1台です。

更新: 2017/09/18

現在の問題点(不満な点)

  1. 電波強度の問題
    無線LANルーターの性能の問題なのかわかりませんが、洋室4.5(僕の趣味の部屋兼物置部屋です。バイクのパーツがメタルラックに置いてあったりして電波環境的には良くないと思います)での電波の入りが良くないです。

  2. 電子レンジ使用時の速度低下問題
    電子レンジを使用すると、途端に通信が止まります。Windows10の大型アップデートでisoファイルをダウンロードするような状況の場合はどうしようもなく、一時的に有線LAN接続をして凌いでいます。

  3. VPNサーバの問題
    現在使っているルーターもVPNサーバー機能があるのですが、7年ほど前の機種のため、PPTPにしか対応していません。PPTPには脆弱性が見つかっており、今では使用は推奨されない状態になっています。また設定が悪いのか接続までに数分かかることもありストレスフルな状態です。

  4. 簡易NAS機能のパフォーマンス問題
    USB2.0ポートもあるのですが、無線LAN接続の場合、数MB/s程度です。しかも実際にファイルのコピー(ルーター側USBに書き込み)をしようとすると、数十kB/s程度に落ち込んでしまい、コピーに失敗することすらあります。

 今回、Archer C9(V5)を使用して、これらの問題点が解消できるか確認してみたいと思います。

更新: 2017/09/18

初期設定

Archer C9(V5)は、PC(ブラウザ)またはスマホ(Android)アプリのどちらでも初期設定が可能です。今回はスマホアプリからの設定を試してみました。


箱に印刷されているQRコードを読み取り、専用アプリをインストールをしたのち、Archer C9(V5)に接続さえすれば、数タッチで設定が完了しました。

 

ADSLモデムのローカル側のネットワークアドレスを192.168.1.0(確かモデムの初期設定では192.168.0.0)に設定していたからかもしれませんが、2重ルータ問題も自動設定で難なくクリアし、あっという間に接続できました。

 

 

アプリのTP-Link Teatherのホーム画面です。ブラウザ設定画面の簡易設定相当の設定ができるようです。ゲストネットワークのON/OFFもスマホアプリで設定できます。

あまりに簡単に設定できてしまったので、初期設定ではこれ以上書くことがなくなってしまいました。

 

 

更新: 2017/09/18

電波環境の改善度

最初に述べましたが、我が家の通信速度は下りで3Mbps程度なので、一般的なupload/download速度を測定するようなスピードテストでは、Archer C9(V5)の処理速度には少なくとも2桁位足りません。そこで電波環境の測定はヒートマップ(wif電波強度)を確認することにしました。

 

まずは旧ルーターでのヒートマップです。Androidアプリのwifiミレル(IOデータ製)を使用して作成しました。数字は100に近いほうが電波が強く、色は緑(強)⇒ 黄色 ⇒ 赤(弱)となっています。
旧ルーターでは、体感でも感じてましたが洋室4.5がやはり電波の入りが悪いようです。

Archer C9(V5)につなぎ変えて、アンテナの向きなどを調整した後がこの結果です。旧ルーターで電波の弱かった洋室4.5(僕の趣味部屋)の電波環境も改善しています。

さらに旧ルーターでは対応していなかった5GHz帯も調べてみました。壁や金属の遮蔽物に弱いと聞いていたのですが、思いのほか電波環境が良かったのが驚きでした。趣味の部屋にはデスクトップPCの背面にUSBのwifi子機を直接差していたのですが、USB延長ケーブルを使ってwifi子機だけを電波の強いスポットに移動すると300Mbps程度のリンク速度で使えました。ただし長時間使用していると一瞬切断されて再接続することがあり、5GHzで常用するかは思案中です。

 

 

さて、Archer C9(V5)の製品ページには、『取り外し可能 デュアルバンドアンテナ 3本』と記載されています。もちろんアンテナをつけたほうが電波がよく飛ぶと思いますが、アンテナなしの場合の電波強度を確認してみたいと思います。

 

まず2.4GHzです。ルーター近辺でさえレベルは35程度で、ほぼ壊滅状態です。

5GHzはまだましで、リビングは使えるレベル。和室がギリギリな感じですが。さすがに距離と遮蔽物がある洋室6.0&洋室4.5は使えませんでした。5Ghzだけならば単身者用のマンション程度なら使える可能性もあるのではないかと思います。

 ←コメント間違ってますね。外部アンテナなしです。

 

電子レンジ使用時の改善度

当たり前のことですが、11acなど5GHz帯で接続した場合、電子レンジの影響は全く受けなくなりました。windowsのisoファイルのような巨大なファイルは11ac接続したPCでダウンロードすればよくなったので、とても気が楽になりました。

更新: 2017/09/18

ファイルサーバ機能

Archer C9(V5)はUSB3.0、USB2.0がそれぞれ1ポートあり、USBメモリやUSB HDDなどを接続して簡易NASとして使用できます。対応状況は次の通りで、対応フォーマットはFAT32、exFAT、NTFS、HFSに対応しています。ただしUSBハブなどを使用した場合でも4台以下との注意書きも書かれています。exFATやNTFSに対応しているのは、メディアサーバーとして使用するには都合がよいと思います。

 

 

ファイル転送速度の確認

 まず旧ルーターです。よく使われているCrystalDiskMarkを使ってみました。

USB2.0対応とはいえ、古いので転送速度は遅いです。

 

 

次にArcher C9(V5)です。11ac(子機側は2x2MINO、max866Mbpsです)で接続して測定しました。

Archer C9(V5)はUSB3.0ポートにSSD(exFAT)を接続していますが、USB3.0の性能(max5Gbps)からみると性能を出し切るまでには至っていない感じです。それでも旧ルータよりかなり性能は向上しています。

 

 

 最後に、Archer C9(V5)の有線LAN接続時です。こちらはさらに改善されています。簡易NASに大量のファイルをコピーする場合、できれば有線LANで接続したほうが良いようです。

 

 

旧ルーターでも簡易NASは一応使っていましたが、大きなファイルをコピーすると、途中で転送速度が落ちて最悪コピーに失敗してしまうことがありました。そこで普通に500MB程度のファイルをコピーした際の速度や安定感を確認してみました。

 

まずは旧ルーターです。転送速度は平均して1.2MB/s程度ですが、速度の上下動が激しく時には数十kB/sまで速度が低下してしまいます。ルーターのCPUの処理速度の問題か、RAMが少なくてバッファリングがうまく行ってないのかもしれません。

 

続いてArcher C9(V5)です。転送速度は平均で14MB/sです。旧ルーター比で速度は約10倍になりました。転送速度の変化もほぼなく安定しています。

 

最後にArcher C9(V5)の有線LAN接続時の速度です。転送速度は約30MB/sです。

Archer C9(V5)に変えて転送速度が安定して向上したので、家族の動画などをSSDに入れて、Fire TV Stickで見ることもできるようになりました。それとファイルコピーも失敗しなくなったので、まさに簡易NASとしての使い勝手も向上しました。

更新: 2017/09/23

VPNサーバー機能&DynamicDNS(DDNS)機能

旧ルーターにはVPNサーバー機能があり、中国出張時に使ってみたりしています。ただし接続性があまり良くなく、結構な頻度で接続に失敗しています。また今やセキュリティ的に問題があるといわれているPPTPしかサポートされていませんでした。

 

Archer C9(V5)は、TP-linkさんの製品ページではVPNサーバー機能があるとは書かれていなかったのですが、レビュー機が届いて初期設定を終え、一通りメニューを確認しようと思ったら、VPNサーバー機能がありました...。しかもOpenVPN対応です。本当はraspberry Pi2をvpnサーバーにしようと思っていたのですが、raspberry Pi2要らなくなってしまいました。

 

それからグローバルIPアドレスが動的IPの場合に必要なDynamicDNS(DDNS)も思いのほか便利でした。TP-link DNSはTP-link IDの登録(メールアドレスとパスワード登録のみ)さえしておけば、簡単に使えます。ドメイン名もArcher C9(V5)の設定画面で入力するだけなので『こんな簡単でいいのか?』と思ってしまいました。

 

Archer C9(V5)のDDNS登録画面は、ドメイン名の設定/変更も簡単で、きちんとグローバルIPを調べて登録してくれるので2重ルーターでも問題ありませんでした。レビュー時には99ballons.tplinkdns.comで登録していますが、この設定画面上でドメイン名の登録及び変更ができてしまいます。

 

VPNの設定画面では証明書の作成や設定のエクスポートもクリックするだけでできます。クライアント側のスマホやPCに専用アプリをインストールする必要がありますが、接続もAndroidで10秒以内なのでかなり改善されました。

外出先でWindowsPCからArcher C9(V5)にVPN接続した際のIPアドレスの変化です。

 

 

Archer C9(V5)はPCいらず、raspberry Pi2すらもいらず、とてもスマートにOpenVPNを使用できました。

Archer C9(V5)にはFTPサーバーの公開機能もありますが、ファイルを不特定多数のユーザーに公開する目的ならともかくプライベートで外部からftpサーバ(あるいはファイル共有)を使いたいときは、このopenVPNで接続して内部ネットワークに接続されたPCとしてNASに接続したほうが安全性がかなり高いと思います。

 

残念ながら今年の中国出張の予定はもうないので、中国からの接続を試すことはできませんが、動作確認をしてみた範囲では問題なさそうです。

[2017/09/23追記]

我が家は2重ルーター構成なので、上位のADSLモデムにポートフォワードの設定をする必要があります。ADSLモデムはWD701CVなのですが、詳細設定のポートフォワードの設定画面で、ポート1194のTCPおよびUDP(本来はArcher C9(V5)で設定したほうだけでよいのですが、レビュー時には面倒なので両方設定していました。)をAecher C9(V5)のMACアドレスに向けて転送するように設定します。

更新: 2017/10/02

(V5)の改善点

レビューに申し込んだときから「Archer C9(V5)の『(V5)』ってなに?改良版?」とかひそかに思っていました。それでいろいろと調べてみました。

ZIGSOWさんのレビュー要綱の応募資格には、次のような記載がありました。

ソースがネット情報で申し訳ないのですが、昨年販売されていたArcher C9(V3?)では、5GHz帯の対応chが、W52(36/40/44/48ch)のみと書かれている方もいました。壁掛け付属部品については、冒頭で紹介していますので、ここでは省略します。

 

[2017/10/02更新]

2017/03/10に更新されたファームウェアで『DFSに対応し、5GHz帯の対応チャンネルを大幅に増加しました』との記載がありました。更新内容を見落としており申し訳ありませんでした。

なお、初期ハードウェアバージョンのV3では(ファームウェア更新情報では)DFS対応の表記はありません。

 

そこで5GHz帯のCH対応状況を調べてみました。設定画面では、W52の最初のCHである36から、W56の最後のCHの140まで選択できます。

そして実際に電波も切り替わるようです。(CH132~140はDFSが動作したのか、CH36になってしまいました。)一応確認できたCH36とCH128(途中のCHも確認しましたが、画像は省略します)の画像を載せておきます。

 

以前のバージョンのArcher C9は5GHzの対応CHが少ないので敬遠される方もおられたようですが、V5では5GHz帯のW52、W53、W56に対応していることを確認できました。

更新: 2017/09/18

Archer C9(V5)導入でなにが変わったのか

Archer C9(V5)によって、我が家の通信環境は劇的に改善されました。少し大きいかなとは思いますが、デザインもよく家族からも好評です。
海外メーカー製ということで、設定画面の日本語が一般的な国内メーカーでの機能名と異なっている部分があったりして戸惑うこともありますが、それでのこの価格でこの性能が手に入るというのはすごいことだなと思いました。

  1. 電波強度の問題
    電波の弱かった洋室4.5での電波の入りが良くなりました。アンテナの向きやルーター本体の設置場所などを変えてみると結構改善されることもありました。

  2. 電子レンジ使用時の速度低下問題
    5GHz接続時には電子レンジ問題から解放されました。ただ我が家にはまだ2.4Gのみ対応の製品もあるので、完全切り替えにはまだしばらく時間がかかりそうです。

  3. VPNサーバの問題
    VPNサーバーのセキュリティ問題と接続性が悪い問題は、劇的に改善されました。予想外の効果として、2重ルーターでもDDNS登録ができたこと(しかもとても簡単に)が良かったです。
    VPNサーバー機能はないと思っていたので、当初はraspberry pi2を使用して、Archer C9(V5)の仮想サーバー機能を使用してVPNサーバーを立てようと思っていましたが、Archer C9(V5)だけでVPNサーバー、DDNS共に解決してしまったので仮想サーバー機能を使用する機会もなくなってしまいました。

  4. 簡易NAS機能のパフォーマンス問題
    USB3.0の高速性を期待していたのでファイル転送速度には若干期待外れの部分もありますが、それでもだいぶ改善されました。NASやメディアサーバーとして今後もいろいろと活用できると思っています。

  5. (番外)LED設定
    家族は無用にLEDがピカピカ光っているのを好まないので、旧ルーターやADSLモデムのLED表示部はキッチン用のアルミテープで覆っていました。
    Archer C9(V5)はLEDの消灯設定(時間帯設定も可能)ができるので、普段は全消灯しています。必要な時にスマホの管理画面でLED点灯させればよいので、見た目的には良くないアルミテープを貼る必要もなくなったのが良かったです。
更新: 2017/10/02

いくつかの要望

  1. ユーザーマニュアルの日本語化
    本体に同梱されているのは簡単な接続マニュアル程度なので、詳細設定の各機能を使う場合は英語版しかないユーザーマニュアルと個別機能の設定例のpdf(こちらは日本語のものもあります)しかありません。やはり日本語版のユーザーマニュアルがあったほうが購入しやすくなると思います。

  2. 詳細な製品仕様
    V5はV3と何が違うのか?というのが、製品ページからはわかりにくかったです。大げさにPRする必要はないと思いますが、違いがまとめられていたほうがよかったのではないかと思います。

  3. ファームウェアアップデート内容
    ファームウェアのアップデート内容も、何が変わったのか書いてあったほうがありがたいと思いました。
    (修正)ファームウェア更新情報はTP-Linkさんのサポートページで確認可能です。

  4. WPSとリセットボタン
    WPSとリセットボタンが共用というのはかなりスリル感があります。リセットというか、初期化?なので間違ってリセットしてしまった場合のダメージは計り知れないです。

    さらに言えば、TP-link Tetherでwifi ON/OFFボタンをWPSボタンに変更できるようにしてもらえるととてもありがたいです。レビュー期間中にwifi ON/OFFボタンは一度も触れなかったにもかかわらず装置側面で押しやすいところに配置されています。一方で背面にあるWPS/リセットボタンは押しづらいので、機能を切り替えられたら嬉しいです。
更新: 2017/09/23

レビューに使用した機器

長くなってしまったので、レビューに使用した機器を最後にまとめました。

 

ハードウェア

  1. Jumper EZBook Air
    Archer C9(V5)の設定および5GHz帯のCH測定などに使用しました。外出先でopenVPN接続の確認にも使用しています。

  2. Beelink BT3
    小型でルータの近くに置けるので、Archer C9(V5)のそばに置いて有線LANのパフォーマンス測定に使用しました。Archer C9(V5)のNAS性能がもっと高ければH81Tを使おうかと思っていたのですが、そこまでの性能はなかったようです。



  3. ASUS H81T+Pentium G3258
    いつもは洋室4.5に設置しているPCです。Thin mini-ITXマザーで拡張性はあまりありませんが、中古で安かったのと、自作PCにしては小型なので使用しています。電源もACアダプタータイプなので静音PCが作りやすいです。
    今回のレビューでは、NAS(wifi)の性能測定に使用しました。

  4. Docomo g-01G
    TP-link TetherによるArcher C9(V5)の設定と、ヒートマップの作成に使用しました。11 a/b/g/n対応です。

  5. Fire TV Stick(New)
    レビューには直接出ていませんが、メディアサーバーとして使えているか確認しました。
    DMC-GF2で撮影したFullHD動画をNASに保存して再生してみました。

  6. wifi子機(Wavlink社製 AC1200(867Mbps + 300Mbps))
    ASUS H81Tはwifi機能がないので、11ac 867Mbps対応の子機を使用しました。無線コントローラーはRealtek 8812AUなので、ビームフォーミングには対応していないのではないかと思います。

 

ソフトウェア

  1. TP-link Tether
    TP-Link社製の無線LANルーター用の設定アプリです。詳細設定にあるような項目の設定はできませんが、ゲストネットワークのON/OFF、LEDのON/OFF設定などをブラウザから設定しなくてよいので便利です。



  2. CrystalDiskMark
    いまさら説明する必要がないほどディスクの性能測定ではあちこちででているソフトウェアです。

  3. Wifi Analyzer(UWP版)
    5GHz帯のch確認に使用しました。



  4. Wifiミレル(Android版)

    ヒートマップの作成に使用しました。

更新: 2017/09/18
総評

価格以上の機能・性能です

1万円台のルーターとしてはとても満足できる製品です。
使用する方は少ないかもしれませんが、openVPNに対応している家庭用ルーターは国内メーカー製では(openVPN専用機を除けば)ほとんどなく、海外メーカー製ルーターの一部で対応しているのみです。

ルーターのNAS機能でお手軽プライベートクラウド環境を夢見ている方もいるかと思いますが、Archer C9(V5)のopenVPNとNAS機能を併用することにより、よりセキュアなプライベートクラウド環境を手にすることができると思います。


もちろん僕のように中国出張時にレンタルwifiルーターのVPNオプション代がもったいない(数百円/日程度ですが)という方にも特にお薦めです。

 

★マイナス0.3の部分は、要望に挙げた部分ですかね。いずれも技術的に困難というものではないと思いますので、今後改善されることを期待しています。

更新: 2017/09/23

追記1:QoSについて(2017/09/23)

Archer C9(V5)にはQoS (Quolity of Service)機能があります。QoSは完全に理解するのがむつかしかったので表面的な理解ですが、通信プロトコルや機器の優先度を決められる機能になるようです。

 

我が家の環境で言えば、一番優先したい機器は Fire TV Stickです。これの画像や音声が途切れると家族がうるさいので...。しかも回線速度が下り3Mbps程度なのでPCのダウンロードの影響をもろに受ける形になっています。

 

というわけで、Archer C9(V5)のQoS画面です。

現在接続されている機器のデバイス名、IPアドレス、MACアドレスがリストになって表示されるので、この中から最も優先度の高い装置、中間、優先度の低い装置を選びます。画面では3台しかありませんが、おそらく5台でも6台でも3つの優先度別グループに分けることができると思います。

そして各々のグループの優先度(帯域)を%で決めることができます。

 

そしてQoSの効果は...。

元々Fire TV Stickを使うときにはあまりPCなどを使わないようにしていたので劇的な効果があったのか不明ですが、確かにFire TV Stickと同時に通信をしているときはダウンロード速度が制限されているようです。

それにしても不思議なのは、わずか3Mbps程度の通信速度で意外とまともにHD動画が見れてしまうFire TV Stickで、どうなっているのか不思議です。

 

更新: 2017/10/17

追記2:2017/08/31版ファームウェアアップデート後の追加機能(APモード切り替え機能)(2017/10/17)

10/2にTPlinkさんのサポートページを見たときには8/31版ファームウェアはなかったのですが、10/17にAndroidアプリのTetherにファームウェアアップデート通知があり、ファーウェアが更新されていることに気づきました。
公開日というのはファームウェアファイルの日付ということでしょうか。

変更内容にはバグ修正などもありますが、一番大きな変更はプリッジモード(APモード)切り替え機能の追加ではないでしょうか? これはzigsowさんのプレミアムレビューも一役買っているのかもしれません。

ひとまずファームウェアアップデート後のブリッジモード設定画面を載せておきます。

スイッチ一つで切り替えとはいきませんが、これでArcher C9(V5)の弱点だったAPモード切替時の煩雑さがかなり改善されたのではないかと思います。

更新: 2018/05/25

[2018/05/25追記]最新ファームウェアが公開されました。

4/20公開とのことなので、1か月以上遅れてしまっていますが、最新ファームウェアの Archer C9(JP)_V5_180328 が公開されました。

 

サポートページの情報を転記します。

新機能と改良点
1. HTTPSアクセスに対応しました。
2. SMBv2プロトコルに対応しました
3. IPv6のパフォーマンスが向上しました。
4. IPTVが改善されました。
4. システムのパフォーマンスと安定性が向上しました。
バグの修正
1.WPA2セキュリティの問題(KRACKs)を修正しました。
2.UIのエラー問題を修正しました。
3.仮想サーバーの不具合を修正しました。

 

セキュリティ的には昨年秋ごろに話題になったKRACKs対応が主なポイントのような気がします。

機能的にはSMBv2とかIPTV改善、パフォーマンス改善に期待しています。

パフォーマンス改善は我が家の通信環境では相変わらずオーバースペック化もしれませんが。

 

それから、Android用のTP-Link Tetherもバージョンアップしています。結構見た目は変わりました。機能も向上しているのかもしれませんが、ブラウザでの設定画面ほどの機能はないのは相変わらずのようです。

アプリの用途的にはゲストネットワークのON/OFFやArcher C9のステータス確認などがメインなのだとは思いますが..。

 

更新: 2018/06/12

[2018/06/12追記]またまたファームウェア更新

6/1にまたまたファームウェアが更新されたようです。

 

今回はAlexaとかIFTTTに対応らしいです。その他バグ修正も多数。

『IFTTTに対応って、対応して何ができるようになるんだ?』と思ってIFTTTのサイトで調べてみたところ、大半は機器の接続/切断に応じてメールとか通知とかでした。一部IoTっぽく、Philipsのライトとかの点灯/消灯も制御できるそうですが、そんなライトは日本の一般のご家庭にはなさそうです。

32人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • izappyさん

    2017/09/18

    レビューお疲れさまでした。

    きちんとツボを押さえた内容でまとまっていて分かりやすかったです。
    また、私のレビューでは冒頭部分に「使用した機器」などを長々と入れてしまったので、冗長さが増してしまいましたが、aPieceOfSomething さんのレビューでは敢えて後半に持っていくことで本題がはっきりとして伝わりやすくなっていて、とても参考になりました。

    それにしても、アンドロイド版のWi-Fiミレルは電波強度のスコアもきちんとしていそうで良いですね。次はドロスマにしようかと本気で考えています^_^;
  • aPieceOfSomethingさん

    2017/09/19

    izappyさん

    コメントありがとうございます。

    izappyさんがレビューを公開された頃には、丁度妻と二人でカフェにいました。実際は関西弁ですが『今日がレビューの締め切りなんだよね..』『こんなところでのんびりしてて大丈夫なの?』『まぁほとんど書けているし(実際に残りは使用機材の追加と誤記チェックくらいでした)』とかいう話をしながらコーヒーをいただいていたのですが、なにげなくZIGSOWを確認してみるとizappyさんさんの新着レビューがありました。

    『izappyさんっていう人はすごいレビューを書くんだよね』とか言ってスマホを妻に見せたところ、『こんなところでのんびりしてられないんじゃないの?』ということですぐ帰宅となりました。

    PCで改めてizappyさんのレビューを読んでみたのですが、写真もきれいで読みやすいなぁとか思っているうちに、なんとなく『機材関係は最後にしてみよう』と思いついただけなんです。

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