今回は、2016年に日本に上陸しコスパの高い製品群で世界的に高い評価を得ているTP-Link社製のデュアルバンドギガビット無線LANルーター『Archer C9 (V5)』を使用して、デザインや使い勝手、我が家のWi-Fi環境がどのように変化するか、簡易NASとしての活用などを素人目線でレビューしたいと思います。
■はじめに、
我が家は2階立ての4LDKで、同居している義理の親が自営業を営んでいるため同じ建物内に事務所があり、離れには大きな倉庫、それから普通車が6台駐車できるスペースがあります。主にWi-Fiを利用するのは家の中ですが、駐車場内でもたまに使うことがありますし、倉庫内には第三の癒しの空間(トイレ)もあることから、敷地内全域で使えるのがベストです。
紆余曲折あって、色々と変化している我が家のWi-Fi環境ですが、現在はケーブルTVの遅いインターネット回線(下り最大160Mbps、上り最大10Mbps)にデュアルバンド対応の無線LAN対応ケーブルモデム(最大300Mbps)を繋いだものがメインで、2階の最も信号が弱くなる場所まで有線LANを引いて、そこにやはりデュアルバンド対応の無線LANルーターを設置して別のSSIDで運用しています。
現在は2台の無線LANルーターを別のSSIDで運用しています。
メインの無線LANルーター(ケーブルモデム)は1階の端に位置するリビングに設置してあり、2階の無線LANルーターはそこから最も遠い位置に設置しているので、リビングにいると2階から発信している電波は最も弱くなり、2階の無線LANルーターに近い「私の憩いのスペース(2階の踊場的な部分w)」では1階の電波は少ししか届きません。
我が家の間取り(扉や窓は省略w)
1Fの無線LAN対応ケーブルモデム「BN-MUX BCW710J2」
2Fの無線LANルーター「 I-O DATA WN-AC733GR」
また、ちょうどどちらからも中間に位置する1階の「癒しの空間(トイレ)」では、どっちもどっちで重い画像や動画などは快適に見ることができません。(これがイチバン悲しい^_^;)
それらを解消すべく、過去には中継機を設置したりもしましたが、電波は強いのにやたらと速度が遅かったり、ちっとも読み込まないことがありました。結局はこの2台使いの組み合わせが最も安定していて不具合が発生しにくいことから、最近ではすっかりこの環境で落ち着いて(諦めて^_^;)いました。
今回、幸運にもこの『Archer C9 (V5)』をレビューする機会をいただきましたので、我が家のWi-Fi環境の改善につながることを大いに期待するとともに新しい使い方も模索してみたいと思います。
■使用する機器など
ケーブルモデムは外せない
ネット環境としては、ケーブルTVの回線とその貸与品である無線LAN対応ケーブルモデム「BN-MUX BCW710J2(以下、ケーブルモデム)」は外せないので、そのままの状態とします。ワイヤレス機能を無効にすることも出来ますが、使用頻度が高く無効にすると家族全員が困るので、今回は敢えて有効のままにしておこうと思います。
2Fで使用している無線LANルーター「 I-O DATA WN-AC733GR(以下、従来品)」は11acがドラフト版だった頃のデュアルバンド対応の最大300Mbpsクラスの製品で、1Fのものと体感的にもほぼ同等の性能と言えますが、電波が割と安定しているので意外と頼りになります。こちらは従来のWi-Fi環境として参考データ収集のために使用します。
接続機器
□USB 3.0対応 外付けHDD
Archer C9 (V5)に接続してメディアサーバーとして利用したり、外出先からリモートアクセスしたりする機能を利用するために用意しました。お試し用として500GB(SATA 3.0Gb/s、5,400rpm)のHDDが余っていたので、そちらを使用します。
白いHDDケースはArcher C9 (V5)と相性が良さそう。
□iPhone 6s
我が家は6人中5人がiPhoneを所有(6s×3、6plus×1、5s×1)という状況ですので、利用機器は最も多いiPhone 6sにしました。特に説明は不要だと思いますが、Wi-FiはiEEE801.11ac規格に対応しており、2.4GHz帯および5GHz帯の両方が使え、さらに通信品質や速度の低下を防ぐビームフォーミングにも対応しています。
□G-Tune i420BA1-SP
13.3型サイズのゲーミングモバイルPCです。基本構成ではiEEE802.11b/g/nの2.4GHz帯のみに対応していましたが、インテルの無線LANカード(AC-7260)に換装してデュアルバンド対応になっています。
□Nintendo New 3DS LL
今さら説明は不要かも知れませんが、DSシリーズを後継する携帯型ゲーム機で、付属のカメラによるAR表現や3D表示ができる2画面分割タイプの折りたたみ式ゲーム機です。対応しているWi-Fi規格はiEEE802.11b/gとなっています。(子供のです^_^;)
□Nintendo WiiU
Wii後継の家庭用ゲーム機で、Switchの登場ですでに国内での生産は終了しているモノですが、我が家ではまだまだ現役として使用しています。本体は据え置きタイプで液晶タッチパネルモニタ付きコントローラ(ゲームパッド)が付属しています。対応しているWi-Fi規格はiEEE802.11b/g/nとなっています。(これも子供のです^_^;)
メンテしていないWiiU、落下防止柵は自作です^_^;
ソフトウェア
□TP-Link Tether v2.11.1
TP-Link純正の管理用アプリで、スマホからTP-Link製の無線LANルーターのセットアップや管理を行ったり、接続されたデバイスを監視することができるアプリ(iOS用)です。
iOS版とAndroid版があります。
□Wi-Fiミレル v1.1.1
競合他社製のWi-Fi電波状況確認用のアプリです。接続されているWi-Fiの電波強度を計測したりヒートマップなどを作成して電波を「見える化」できるアプリ(iOS用)です。以前使っていたWindows用のヒートマップ作成用ソフトがWindows 10で動作しなくなってしまったので、今回はちこらを使うことにしました。
iOS版とAndroid版があり、若干機能が異なります。
ただし、iOS版のv1.1.1はスコア表示に不具合があるようで、実際に測れているのは「強」「中」「弱」の3段階のみのようです。(スコアは「強」なら80〜89の間でランダム表示)今回はこの3段階の判定を信じてヒートマップを作成したいと思います。
□その他
他にも通信速度を測る「SPEED TEST」や電波強度を測る「RF Monitor」、メディア再生用の「VLC」、PC用の「Wi-Fi Analyzer」などを用いて電波状況を見てみました。
iOS用アプリには電波干渉などを調べられるものが無いですね...
デザインと仕様
■Archer C9 (V5)の特徴
最新規格に対応した縦置きタイプ
今回レビューする「Archer C9 (V5)」はTP-Linkの無線LANルーター「Archer」シリーズの中では
ミドルクラス(中の上)に位置するモデルの最新バージョンで、「Archer」シリーズでは珍しい縦置きタイプとなっています。
Archerシリーズのラインナップ(2017年9月現在、製品HPより)
ちょっとカネゴンっぽいのが多いですね。
Archer C9 (V5)の特徴をTP-Linkの製品サイトで見てみると、大きく分けて3つの特徴があります。一つは、802.11acに対応し、2.4GHz(600Mbps)と5GHz(1300Mbps)の同時接続で1.9Gbpsのトータル帯域幅を実現するとともに、3本のデュアルバンドアンテナで接続の安定性と転送範囲を大きく向上、さらにビームフォーミング技術によって、効率的な無線接続を構築できるということ。
次に1GHzのデュアルコアCPUを採用することで、複数の無線接続と有線接続を同時に処理してもデータ転送が中断しなくなったということ。
そして、USB(3.0 + 2.0)ポートを介してプリンターやローカルファイルのネットワーク共有をしたり、FTPサーバを構築して世界中のどこからでもファイルへアクセスしたりすることが簡単に実現できるということです。
簡易NASを気軽に構築できるのも魅力のひとつです。
上記の内容以外に私が気になっていることは、TP-Linkのネットワーキング製品は世界中に提供されていることから、高出力が可能な設計になっているのではないかということです。国内販売品ということで、電波法/技適の認可が取れていることを考えると過大な期待はできませんが、「3本アンテナと高出力アンプリファイアで通信範囲を拡大」と謳われているので、期待せずにはいられません。
■デザインについて
<パッケージ>
メタリックな化粧箱が印象的
無線LANルーターにしてはやや大きめに感じる箱に入っています。深みのある落ち着いたメタリックブルーを基調としたデザインが高級感を漂わせており、国内製品とは違った印象を受けます。このメタリックな箱はいわゆる化粧カバーで、中にしっかりとした内箱が入っています。
パッケージ内容は以下の通りで、既存のモデムに繋げばすぐに使えるよう必要最小限のものが揃っています。ただ、ひとつ惜しいのは電源アダプターだけがなぜか黒いことでしょうか...
パッケージ内容
・製品本体
・電源アダプター
・アンテナ(3本)
・壁付け用ブラケット
・LANケーブル
・取扱説明書ほか
壁面取付用の穴位置決めシール(右下)がイイ!
<組み立て>
組み立てといっても本体にアンテナを取り付けるだけなので瞬殺です^_^;
ツヤツヤの本体、タブレットの裏側みたい?
裏側はこんな感じです。
ちなみにシルバーのスタンドは樹脂製です。
付属のデュアルバンド対応アンテナx3本
金メッキの端子に本気度を感じますね。
折れ曲がりは1方向のみで根元はフリーに回転します。
<製品デザイン>
裏方から表舞台へ
Archer C9 (V5)は透明感のある白がとても新鮮で、シンプルな形状の本体とその形状をトレースしながらスタンドに変化していく様が印象的です。無線LANルーターというと未だに黒系の無骨なデザインのものが多く、どちらかというと裏方的な印象がありますが、Archer C9 (V5)には裏方にするには勿体ないほどのエレガントさを感じさせる存在感があり、ぜひインテリアのひとつとして表舞台に立って欲しいと思わせる魅力があります。
おっ、アンテナを付けてもカネゴンっぽくないですね。
洒落たラジオのような家電感すらありますね^_^;
バランスの良いエレガントなデザインが魅力です。
この本体デザインなら壁付けしても違和感が無く収まりそうに思えましたが、スタンド部分が邪魔になってそのままだと壁にピッタリと取り付けられません。また、仮にスタンド部分が外せたとしても背面側にポート類が集中しているので、ベタ付けは不可能です。
そこで付属の壁掛け用ブラケットを使用して設置するのですが、スタンドと同じ出幅までフカさないとならないため、必要以上に壁から飛び出てしまうのがデザイン的に勿体ない気がします^_^;
背面のダルマ穴(4ヶ)はブラケット取付用です。
本体のダルマ穴にブラケットをセットする仕組み
壁付けイメージ、ちょっと出っ張りすぎかも...
とはいうものの、前バージョン(V3以前)では縦置き設置しかできなかったらしいので、デザインはともかく選択肢が増えたということはそれだけの要望があっということなので、喜ぶべきことなのだと思います。
■製品仕様
ハードウェアの仕様としては特別なものはないと思いますが、個人的にはパワー オン/オフスイッチ(電源スイッチ)がキチンと付いているのは嬉しいです。現在使用しているメインのケーブルモデムには電源ボタンが無いため、調子が悪くなった時はケーブルの抜き差しをしなければならずとても不便ですが、電源スイッチがあれば誰にでもより簡単に操作できます。
USBとWi-Fiのオン/オフボタンだけが側面に付いているのは、たまたまなのか或いはUSB 2.0やWPSボタンと明確に区別するためなのか分かりませんが、デザイン的にはちょっと解せない感じです。
USB 3.0ポートとWi-Fi ON/OFFボタンだけ側面にあります。
そういえば、Archer C9 (V5)にはルーターモードやブリッジモードなど動作モードを切り替える物理スイッチが無いので、PCを接続して管理画面から設定を変更するしかありません。ちょっと面倒くさいですね。。。
ワイヤレス機能については、スペックを見るかぎりでは送信出力はそれなりにありそうです。ただ、ファームウェアで日本の電波法/技適の範囲内に抑えられているということを考えると、仕様だけ見ても実力がどの程度なのかは分かりませんね。
設置と接続方法
■さっそく設置してみましょう
できればそのままインテリアにしたい感じです。
PCの横に置いても重苦しくならないところがイイ!
こんな場所にもマッチしてしまいます。
しかし、我が家では、、、
今回のレビューでは、メインのケーブルモデムがある1Fのリビングでは近くに並べて置き、2Fは従来の無線LANルーターと入れ替えるカタチで設置してみました。家の中では正直なところインテリアとして見せられる場所が皆無(w)なので、写真はあくまでもイメージとして実際は従来機と同じようにテレビなどの裏側に置いています^_^;
1Fは、人様にお見せするにはちょっと...な場所です^_^;
2Fは、「TVが見れない!」と怒られるヤツですw
ちなみに左隣りにある小さいのが従来品です...
外に突き出したアンテナ付きの無線LANルーターは今回が初めてなので、本体の向きもそうですが特にアンテナの向きが悩みどころですね。Archer C9 (V5)は縦置き時に本体が斜めになる設計なので、2Fに設置した時はアンテナの向きを垂直または少し下向きに調整しないと、1Fに対しては電波が思うように飛ばないかも知れませんね。
設置場所が決まったら、電源アダプターとLANケーブルをWANポートに接続すれば準備完了です。アンテナの向きはセンターは垂直、左右を45度傾けてちょうど組体操の「扇」のカタチにして、その扇の面(仮想)を飛ばしたい方に向けてみました。
あまり深く考えずにとにかくケーブル類を接続!
■接続してみましょう
Wi-Fi接続は簡単です
背面の電源スイッチをONにすると、前面のアイコンが一斉に点灯して一旦消灯します。しばらくして電源アイコンとWi-Fiアイコン(2.4GHzと5GHz)、インターネットアイコンが点灯すればWi-Fiを利用することが可能な状態です。
電源スイッチ ON!
電源投入直後は全てのアイコンが点灯します。
さらにインターネットアイコンが光れば利用可能です。
接続は簡単で、接続したい機器のWi-Fi設定からArcher C9 (V5)のSSIDを選択し、あとは付属のパスワードを入力すれば接続完了です。2.4GHzと5GHzのSSIDは別々に存在するので両方とも設定しておくと良いですね。
iPoneのWi-Fi設定画面
どちらかを選択してパスワードを入力すればOK
意外と便利なクラウドアプリ
せっかくなので、クラウドルーターを設定してiPhoneからクラウドサービスを利用できるようにしてみました。まずはApp StoreからiOS版のTP-Link純正の無料アプリ「Tether」をインストールします。(製品がなくてもインストールは可能ですが、対応機器が見つからないと先に進めません^_^;)
CIカラーを使用したフラットなアプリアイコン
利用するためにはTP-Link IDを登録する必要がありますが、このサービスを利用すると出先(4G接続)からでもホームネットワークの管理(ルーターの接続状況を確認したり、設定変更、システム再起動)ができるので、登録しておいて損はないです。
初めてなので、まずはIDを登録します。
TP-Link クラウドにログインし、製品と紐付けします。
TP-Link クラウドのホーム画面(余白を縮めました^_^;)
デバイスの管理やツールによる各種操作ができます。
クラウドサービスでは、あまり専門的な部分まではいじれないようですが、ゲスト接続を許可したり、アクセス制限をしたり、本体のLEDランプの夜間消灯するように設定したりなど、ちょっとしたことならiPhoneから行えるので布団の中かでも操作できますし、出先からでも操作できるので、家族からの「ネットが繋がらない」といったSOS(実はよくある^_^;)にも役立ちそうな気がしています。
会社からでも操作できました!(別のWi-Fi接続時はダメらしい)
本機にWi-Fi接続した時のツール(左)と4G接続時のツール(右)
4G接続には「クイックセットアップ」がありません。
出先から再起動したところ、2分程度で復帰しました。
ついでにファームウェアも最新にアップデート!
※さすがにこれは本製品の前でやりましたが...^_^;
APモードに変更
初めは取扱説明書通りにデフォルトのルーターモードで接続しましたが、Wi-Fi機能以外は特に必要もなく、多少なりとも本体の負担になる部分を減らしておこうということで、アクセスポイント(AP)モードに変更するとともに、NAT・ファイアーウォール・DHCPサーバ機能を無効にしました。
※アクセスポイントモード=ブリッジモード
PCと本機をWi-Fi接続して「tplinkwifi.net」にアクセス。
設定画面でDHCPサーバーを無効にする。
ケーブルをWANポートからLANポートに繋ぎ直して、
IPアドレスを変更して保存する。
ルーターが再起動して完了。
再ログインしてNAT、ファイアーウォールも無効化。
Archer C9 (V5)をアクセスポイントモードで使用する場合、インターネットの回線はWANポートではなくLANポートに接続して使用します。ちなみにWANポートに接続すると「インターネット接続なし」という状態で接続できませんが、何かの拍子に偶然(?)に繋がったりするのが不思議です。
インターネットの回線はLANポートに接続
設定後はこのようにランプが点灯します。
■他のデバイスを接続
PCをつなぐ
順番が前後しますが、アクセスポイントモードに切り替える前にゲーミングモバイルPCであるG-Tune i420BA1-SPをWi-Fi接続しました。元々Wi-Fi接続で使用していたので、タスクバーの通知領域に表示されているWi-Fiアイコンをクリックすると、すぐに接続可能なSSIDが表示されます。そのSSIDの一覧からArcher C9 (V5)のSSIDを選択してパスワードを入力するだけ接続完了です。
タスクバーのWi-FiアイコンからSSIDを選択
Archer C9 (V5)の本体設定はPCから行うのがベストです。
NEW 3DS LLをつなぐ
最近の携帯ゲーム機はWi-Fi経由でインターネット接続できるのが当たり前のようですね。用途としては3DS本体やゲームソフトの更新から、ネット対戦や協力プレイ、eショップの利用やYoutubeの閲覧などが挙げられます。
自宅でネット接続できない場合、わざわざニンテンドー3DSステーションに行かなくてはならなくなるのでネット接続は必須と言えます。今回は従来の接続先も残したかったので接続先を追加するというカタチで接続設定してみました。
分かりやすい設定画面の3DS
様々な設定方法を準備していますね〜
3DSのWi-Fi接続を手動で行うとPCよりも設定項目が多くて面倒なので、WPSボタンを利用して接続してみました。ところが、WPSボタンを「ランプが点滅するまで」と思って押し続けていたところ、Archer C9 (V5)の本体がリセットされてしまいました…orz
どうやらWPSランプは点滅しないようなので、ボタン押し下げはもっと短い時間で良いようです。二度目はうまく行き無事接続できましたが、Archer C9 (V5)の本体設定をやり直したので、結局はマニュアル接続の方が早かったかも知れませんね^_^;
基本的にWPSボタンによる接続が一番簡単です。
リセットさえしなければ、、、w
WiiUをつなぐ
WiiUも基本的には3DSと似たような感じですが、今回はPINコードを使って設定してみました。やり方はWPSボタンを押す代わりに、Archer C9 (V5)の設定画面(WPSの設定)にWiiUのPINコードを入力して進めます。
設定は全て液晶画面付きコントロールパッドで。
無事に接続できました。
はじめてPINコードを使って接続してみましたが、あまりラクな方法ではないですね。ルーター側の接続画面を出す時点で面倒です。これならSSIDを検索してパスワードを入れた方がはるかに早いです^_^;
通信速度・電波強度など
■Wi-Fi環境は変わった?
とにかく色々測ってみました
気になる電波強度や通信速度については、iPhoneアプリの「RF Monitor」を使って発信場所の電波強度(dBm)を測り、「Wi-Fiミレル(スコア、0〜100)」を使用して部屋の間取りに合わせて電波強度を測定してヒートマップを作成しています。また、「Wi-Fi Analyzer」を使って電波強度の安定性なども見てみました。
通信速度については定番のスピードテストアプリを使用して回線スピードを測っています。また、同じ場所で一定時間電波強度(dBm)を計測し、平均値と安定度を見ています。
まずはArcher C9 (V5)および各機器の至近距離で電波強度を測ってみました。結果はご覧の通りで、Archer C9 (V5)の電波強度の強さがよく分かります。
Archer C9 (V5)/2.4GHzの電波強度(右)
計測時は-20dBm前後で推移していました。
Archer C9 (V5)/5GHzの電波強度
2.4GHzとは約-10dBm程度の差がありました。
どちらも同じくらいの電波強度でした。
Archer C9 (V5)よりも約-10dBmほど弱めでした。
さらに同じ場所でWi-Fiの通信速度を計測してみました。結論からいうと回線自体が速くないせいか、結果に大差ありませんでした。
Archer C9 (V5)/2.4GHzの通信速度
我が家では平均的な速度です。
Archer C9 (V5)/5GHzの通信速度
こちらも従来通りの速度です。
たまにドーンと速くなることがあります^_^;
Archer C9 (V5)とほぼ同じ速度です。
元が「下り最大160Mbps、上り最大10Mbps」という遅い回線なので、おそらくこれ以上の通信速度は望めないのではないかと思われます。普段使っていて実行速度についての不満はほとんどないので、特に問題はありませんが、できればもっと速い回線で試してみたかったです^_^;
<2F>
届く範囲が少し広がった!
諸々の都合で先に2Fの方へ設置して計測してみました。
まずは電波状況を見てみます。本体より少し離れた場所にPCを設置しているので電波強度はやや弱まっていますが、2.4GHz帯・5GHz帯ともにArcher C9 (V5)は電波の強弱の波が緩やかで、強度もさることながら非常に安定した電波が発信されているのが分かります。
2.4GHz帯/従来品と比べるとかなり安定しています。
5GHz帯/こちらも非常に安定しています。
次にヒートマップですが、iOS版のWi-Fiミレルの強度測定のスコアが当てにならないので、イマイチ信ぴょう性に欠けますが、測れているであろう3段階の判定を信じることにして、ザックリとしたものを作成しています。
2Fはどの部屋も良好で、1Fも途切れずつながります。
2.4GHzでは、2Fの全部屋で快適に繋がります。1Fは遠くなるにつれて電波が弱くなり速度も落ちていますが、電波が途切れることはありませんでした。
1Fの奥はギリギリ繋がっている感じです。
5GHzは2Fの奥の方に行くとやや弱くなってきます。1Fの赤い部分はギリギリ繋がっている感じで、この赤い場所で接続を切ってしまうとSSIDの検索にヒットしなくなります。
2F設置の従来品は特に5GHz帯が弱いです。
従来品と比べると全体的に電波環境が良くなり、届く距離が増えているように見えます。2Fについては体感的な違いは特に感じられませんでしたが、5GHz帯は明らかに範囲が拡大しており、1Fトイレでもしっかり繋がるようになりました。
<1F>
1Fの無線LAN対応ケーブルモデムはリビングに設置されていますので、置き換え(実際にはできません)を想定して、Archer C9 (V5)も近い場所に設置してみました。※電波強度の計測はややArcher C9 (V5)寄りで計測しているのでケーブルモデムが少し低めに出ています。
2.4GHzでは、やはりArcher C9 (V5)は安定しています。
5GHzの方も、ほぼフラットで安定しています。
1F・2Fともに、電波状態が良くなりました!
2.4GHzでは、自宅建物内全域でかなり快適に繋がるようになりました。1Fは遠くなるにつれて電波が弱くなり速度も落ちていますが、電波が途切れることはありませんでした。
特に2Fがつながりやすくなりました!
5GHzは、やはり2Fの奥でアンテナ1レベルになりますが、従来よりかなり途切れにくいので階段を上っているうちに接続が切れた、というパターンがが減ったと思います。ビームフォーミング技術の恩恵なのでしょうか??
ケーブルモデムのヒートマップは、2.4GHzと5GHzとで似たような感じになりましたが、体感的には間違いなく5GHzが弱く、途切れやすいので風呂場やトイレではまず使えません。
ちなみに、駐車場を含めた範囲で電波状況を見てみると、駐車場内でも快適にWi-Fiを利用できることが分かります。この範囲をもう少し建物側に移してやる(無線LANルーターを移動する)ことでもっと快適になりそうですね。
1Fだけ見るとかなり良い感じになっています。
ケーブルモデムは特に5GHzの電波が弱い感じです。
<まとめ>
Archer C9 (V5)を使用することで、1Fでも2Fでも届く範囲が広がって繋がりやすくなりました。また、電波が安定しているので途切れにくく快適になったと実感しています。ただ、1Fと2Fでどちらに置くのが良いかということについては、間違いなく1Fだと思います。あとは設置場所を見直してやればかなり良いWi-Fi環境が構築できると感じました。
簡易NASなどに利用
■USBポートを活用する
どうせなら便利に使いたい
以前はホームサーバーなどには全く興味がなかったのですが、ここ2年くらいの間に我が家にもスマホの波が押し寄せ、家族全員がスマホを持つことでデータのやり取りが増えてきました。特にiPhoneはSDメモリカードなどで自由に容量を増やせないし、iCloudもすぐに一杯になってしまうので、最近では共有ファイルサーバーのようなものが欲しいと思っていました。
Archer C9 (V5)にはUSB接続したHDDを共有ファイルサーバーやメディアサーバー、FTPサーバープリンタサーバーとして利用できる機能があるので、今回いくつかの機能を試してみました。
HDDを接続、USBからの電源供給も問題なさそうです。
HDDはWindowsおよびMacでも読み書きできるexFAT形式でフォーマットし、いくつかの動画や音楽、画像、PDFなどの書類を入れてみました。
設定はとてもカンタン
設定方法は、まずUSBポート(今回はUSB 3.0)にHDDを接続して使用可能な状態になるまでしばらく待ちます。次にPCをWi-Fi接続して設定画面にログインし、USB設定の項目で必要に応じて各種設定をします。難しい設定はよく分からないので、ほとんどデフォルトのままです^_^;
接続したHDDを共有
Archer C9 (V5)のWi-Fi環境下でHDDを共有したい場合は、接続機器のブラウザからArcher C9 (V5)に割り当てられたIPアドレスとポート番号を指定することで、HDDの中を共有することができます。設定項目で「FTP(インターネット経由)」にチェックを入れておくと、自宅の同じ回線につないだWi-Fiなら、そちらで設定したIPアドレスとポート指定で共有できます。※画像のIPアドレスは仮です。
日本語は文字化けしています。
iPhoneで扱える形式のファイルならそのまま実行できます。
メディアサーバー編
HDDをメディアサーバーとして利用したい場合は、VLCやWindows Media Playerなどのアプリからサーバーにアクセスすることで利用が可能になります。我が家ではPCから利用よりもスマホなどで利用することのほうが便利で重宝しそうです。また、FTPサーバーの設定をしてあれば外のネットワークからでも利用できる(今回未確認)ので、用途が広がりそうです。
特に設定することもなく追加されていました。
実際のフォルダ分けとは別に分類されています。
文字化けもなくキチンとファイル名が表示されました。
Windows Media Playerでも自動的に読み込まれています。
いくつかの映像や音楽を視聴してみましたが、滑らかに表示される映像や音楽は、まさか無線LANで共有しているとは思えないほど自然で、デバイスの中に入っているものを見るのと何ら変わりがない感じでした。
なお、3DSとWiiUについては何かしらの制限が掛かっているようでFTP接続自体ができませんでしたので、ファイルの共有はできませんでした。でもまぁ、おそらく我が家でそのような需要はないと思われますので、特に問題はありません^_^;
簡単なことばかりじゃない
FTPサーバー経由でArcher C9 (V5)に接続したHDDを共有する場合、多少FTPなどの知識があった方がスンナリいきそうです。私のようなPCとか電波とかに疎いオッサンが利用する場合、取扱説明書などの設定方法をよく見ながら設定しなくてはなりませんが、取扱説明書からリンクしている設定方法は全く参考にならないので、FAQなどを見ながら手探りで設定しました。
一通り設定してみましたが、大元のケーブルモデムのの設定画面にログインできず、ポートの解放ができなかったため、今回は「インターネット経由でどこからでもアクセスできる」という体験はできませんでした。。。
ケーブルモデムの設定画面にログインできない...orz
この項目については、ぜひ実現したいと思っていますので、時間があるときにゆっくり設定してみようと思います。※ちなみにケーブルモデムは工場出荷状態にしてもログインできませんでしたので、今度CATVのサポートに連絡してみようと思います。
見た目も良くコスパにも優れた無線LANルーター
デザインで選んでもきっと後悔しない!
明るく艶やかでスタイリッシュな本体デザインは様々なインテリアにマッチすると思います。大きめの本体を無理して物陰に隠して不利な条件下で使うくらいなら、潔くインテリアの一つとして設置したほうがWi-Fi環境にも良いに違いありません。
レビュー前は裏方的な存在の無線LANルーターにデザイン性はそれほど重要ではないと思っていましたが、実物を見た途端とにかく置いて(飾って)みたいという衝動に駆られました^_^;
大きめなのに威圧感を全く感じないのです。
無線LANの性能については、日本の電波法などの縛りがあるので突出した電波強度などは体感できませんでしたが、従来よりも多少なりとも広範囲に届くようになりましたし、何より電波がとても安定していて途切れにくくなったので、快適さが増したと実感しています。
また、簡易NAS的な使い方については、ネット経由で外からストレージを共有するのはまだ試せていませんが、家のWi-Fi環境下においては思っていたよりも簡単に構築・利用することができ、スマホ時代には欠かせない機能であると感じました。これらの性能と機能でミドルクラスの価格帯ということであれば、十分満足できる機種であると思います。
店頭に並んでいたらついついデザインで選んでしまうかも知れませんが、Archer C9 (V5)なら、衝動的に購入してしまったとしてもきっと後悔しないのではないかと思います。
今のままでも十分満足できますが、もし今後のバージョンアップ等でハード部分まで変更されることがあるのであれば、壁にピッタリ付けて設置できるとか、その際に各種ポート部分の向きが下向きに変えられるなど、今のデザインを生かした拡張性が追加されると嬉しいですね。
また、実用面ではリセットボタンとWPSボタンを兼用にするのは止めた方が良いかも知れません。うっかり長く押しすぎてリセットしてしまうと本当にガッカリします^_^;
他にもアクセスポイントモードとルーターモードの切り替えがワンタッチで行えるスイッチを追加して欲しいといったような要望は色々ありますが、まずはFTPサーバーの設定方法など機種別の取扱説明書(オンラインでも可)をもっと充実してもらえると私のような素人には助かります。
ということで、今回デュアルバンドギガビット無線LANルーター『Archer c9 (V5)』を使ってみて、TP-Linkの無線LANルーター製品が、世界的に売れているという理由がよく分かった気がします。
以上で今回のレビューを締めたいと思います。短期間で色々なことをやったので中途半端だったり整理しきれていない部分も多々あり、纏まりのない文章だったと思いますが、最後までお付合い頂きまして、ありがとうございました。
2017年9月
aPieceOfSomethingさん
2017/09/18
僕も先ほどレビューをアップしました。
izappyさんは昨年も無線LANルーターのレビューをされていましたが、『あのレベルのレビューが出るのか...』と思っていて、izappyさんよりも早く自分のレビューをアップしようと思っていたのですが間に合いませんでした。
文章自体はとても長いのに読みやすくて素晴らしいと思います。今後の参考にさせていただきます。
izappyさん
2017/09/18
コメントありがとうございます。
aPieceOfSomethingさんもレビューお疲れさまでした。
そういえば、確かに去年も無線LANルーターのレビューをやってましたね。あの時は無線LANルーターの性能もさることながら、ヒートマップによる見える化にとても興味があって、自分の中でも大いに盛り上がった記憶がありますが、今回はあの時使用したヒートマップのアプリが使えなくなったので、どうなってしまうのかが心配でした。幸い代用アプリで何とかカタチなりましたし、何より製品自体が気に入ったので、楽しくレビューできました。
aPieceOfSomethingさん
2017/09/19
今回感じたのですが、無線LANルーターのレビューって思ったより大変でした。
基本的な性能をレビューしようと思うと測定条件を整えてひたすら測定..。会社の仕事かと..。
でもizappyさんのコメントされているように、ヒートマップとか今まで使ったこともないアプリを自宅で試してみることで、結構設置場所とかが大切なんだなと思いました。
izappyさん
2017/09/19
見えないものをレビューするのって本当に大変ですよね。
なので、ついつい製品本体のデザインとか見える方に力が入ってしまいます^_^;
今回は最初の土日で一気に測定してしまおうと思っていたのですが、
予定がモリモリに入ってしまって写真撮りしかできなかったので
皆が寝静まった夜中にこっそり測定したりしていました^_^;