レビューメディア「ジグソー」

謳い文句に偽りなし、秒速でつく「のり」に感激!



今回は『スコッチ』のブランドでお馴染みの3Mジャパンから2015年7月に発売された『スコッチ 秒速封かんのり』をレビューしたいと思います。わずか1秒で強力にくっつくという、にわかに信じがたい封かん力を、従来品との比較を交えながら検証してみたいと思います。

また、ギリギリ限界チャレンジでは、「のり」の用途としてはギリギリな感じの使い方で本製品を用い、その効果を確かめてみたいと思います。(前置き・余談が多いのでガンガン読み飛ばして頂いて構いません^_^;)

スコッチというブランド



仕事柄3M社の製品(スコッチカルなどのマーキングフィルムや業務用の両面テープなど)を使うことが多いのですが、3Mのスコッチと聞くと私は「メンディングテープ」を連想してしまいます。あのツヤ消しで上から鉛筆やボールペンなどで字が書けるテープは本当に画期的で、普通のセロハンテープ以上に子供の頃から長くお世話になっている商品です。

昔から大変お世話になっております。



そもそもセロハンテープも3M社(アメリカ)が開発したもので、スコッチテープと呼ばれているそうですね。日本ではセロテープ(ニチバンの登録商標)の方が有名ですが、世界的にはスコッチテープ、セロテープといえば3Mのセロハンテープのことを指しているようです。

初めて使った時に、これが標準になると感じたけど、結局ならなかった^_^;



アメリカで生まれたブランドなのに、なぜ「スコッチ」なのでしょうか?

これには諸説あるようですが、なんでもアメリカでは倹約家(悪く言うとケチ)のことを「スコッチ(スコットランド人)」と称するスラングがあるそうで、開発した粘着テープの「のり」がそれまでたっぷり使っていた「のり」の使い方とは対象的にとても少なかった(のりをケチったように見えた)からそう呼ばれたのを、良い意味として採用したという感じでしょうか。※真実は不明ですが…

そして、スコッチブランドというとタータン・チェック(スコッチツイード)柄が印象的ですよね?3M社の「スコッチ」の名のついた商品のパッケージにはこの柄が描かれていることが多いので特に強く印象に残っています。

スコッチブランドに使われているチェック柄
色々なカラバリがあるようですが、本製品は赤のチェック柄です。



封かんのりとは、



本製品の商品名にもなっている「封かん」とは、手紙や文書の封をとじることを意味します。口のり付きの封筒などを除いて、従来は一般的な「液状のり」や「スティックのり」を使って封かんしていました。

また、最近では乾かして使う「のり」に代わるものとして、粘着テープに属する「テープのり」なども用いられるようになりました。当初のテープのりは、転写しにくかったり、曲がれなかったり、高価だったりと、少々扱い辛い部分がありましたが、現在はかなり使い勝手も向上して価格も実用レベルになっています。

私のイメージする封かん(古い ^_^;)
※Wax Seal Stamp PSD MockUpを使用



封かんの際に問題になるのが「乾燥時間」と「封かん強度」です。特に重要な書類や厚みのあるものを封かんした時に「のり」の強度が心配になる事はよくありますよね。貼ってすぐだと剥がれてしまいそうなので、さらに上からテープで補強するということを何度もしたことがあります^_^;

だめ押しでテープで補強、クラフトテープを使うことも^_^;



その問題点を独自の新技術で解決して「貼ってすぐに投函できる!」を実現したのが本製品であり、一般家庭向け製品としては珍しく汎用性を前面に出さずに限定的な「封かんのり」としたのが、今回注目すべきポイントでしょう。

なお、本製品のライバルは最近めきめきと頭角を現してきた「テープのり」のようで、従来の液状のりはもはやライバルではなさそうです。それらも踏まえてレビューしたいと思います。

更新: 2015/07/11
スコッチ® 秒速封かんのり の通常レビュー PREMIUM REVIEW

せっかちな人に最適な”1秒のり”登場!



パッケージ



吊下げ用の個装パッケージで、赤ベースの目立ちやすいデザインです。何となくコピーのゴロが微妙な気もしますが、内容はしっかり伝わるので良いと思います。(イラストの持ち方も怪しいですね^_^;)

開発者の情熱を感じる(?)赤いパッケージが目印。

 

こういう持ち方は個人的に気になります...




デザイン・機能など



円筒形の白い容器に赤いキャップ(長円形状)が付いた、スティックのりと液状のりを合わせたようなフォルムに、スコッチロゴといつものチェック柄が入って「スコッチ感」のあるデザインになっています。

 

赤いキャップのシンプルな容器です。
 

チェック柄とロゴのイメージは絶大ですね〜

 

キャップ、楕円だと無意識に規定の位置まで締め込めるのが良いですね。




製品シールについては、本体容器がシール類が貼りにくいPP樹脂製な上に円筒形なので、製品シールの端っこが浮いてしまっているのが「のり」の容器としてはちょっと残念な感じです。しかも、シールを押さえるために上から指でゴシゴシしたら印刷のスミが滲んで黒くなってしまいました。。。

シール剥がれ、単に製造時の貼りが甘いだけなのかも知れません...

 

シール汚れ(色落ち)
このシールはちょっと問題ありのクオリティかも..



コスト的な問題かも知れませんが、やはり容器に直に印刷するか、ラミネート加工したシールの方が製品の完成度としては高かったと思います。

それはさておき、キャップを外すと太めのマーカーの先端のような形をしたシリコーンヘッドが現れます。シリコーンヘッドの中央部分には小さなあなが開いていて、そこから「のり」が出てくるシンプルな仕組みです。

マーカーの先端に似ていて、シリコン製でソフトな感じです。



このシリコーンヘッドの先端をよく見るとイボイボした部分があり、これによってヘッドと紙の間にわずかな隙間ができて、その隙間によって「のり」が薄くキレイに塗れるようです。

先端アップ、よく見ると周囲にイボイボがあります。



テクスチャー・ニオイ



乳液状の液体で、基本はサラッとしていますが指でこすったりするとベトベトした感じに変わります。

パッと見はサラサラな乳液状で、少し青白く見えます。



ニオイはほとんど気になりませんが、ノズル付近のニオイを嗅ぐと水性アクリル塗料のようなニオイがします。溶剤系の臭いえ瞬間接着剤のようなケミカル系の刺激臭がしないので良いですが、あまり心地よいニオイとも言えません。


使用感



まずはごく普通に封塗って貼るという行為を実施してみました。

□封筒の封をとじる
ペンのように持って幅広のマーカーのようにスーッと線を引く要領で軽く塗るのですが、ちょっとコツというか慣れが必要で、のりの塗布面を何度もゴシゴシやってしまうと部分的にのりが固まってキレイに濡れないことがあります。また、出す量も慣れが必要で出しすぎるのも良くないようです。

適量(薄く)を出すには少し慣れが必要です。
※撮影に手間取ったためにシワが...^_^;



塗った後すぐに封をとじて、指でググッと押さえて封かんすれば完了です。

しっかりと押さえてあげればOK



確かにこれは簡単ですね!
たったこれだけのことでキチンと接着されているのには驚きです。

しっかりついてます!!



ただ、あまりに簡単すぎて逆に不安になります^_^;
ちゃんと封かんできているか確認してみたくなりますよね?

実際に確認してみた様子は下の「封かん比較」の部分でご紹介しますが、結論としては接着後すぐにある程度の強度は出ますが、完全に紙が乾くまで待ったほうが無難です。つまり、不安に思っても決して強く引っ張ってはならないということです。

「1秒でしっかり封かん」は本当でした!



なお、しばらく放置したり使わないでいるとシリコーンヘッドの穴が詰まって「のり」が出にくくなります。そんな時は先の尖ったもので穴を通してから使うようにとパッケージの説明書きに書かれていますが、ちょっと面倒な気がしますので、できれば木工用ボンドのフタように乾燥止めの棒が長くできていて、穴の奥まで入るようになっているとさらに良かったと思います。

穴あけには画鋲や虫ピンなどを使うと便利です。




□色々貼ってみる
本製品は「水の染み込まない素材や乾かない素材には使えない」とパッケージにも記載されていますが、確認も兼ねて封筒以外の紙やビニールやプラスチック、木、布などを貼って試してみました。

・ダンボール
問題なくバッチリ付きます。梱包の封にも使えるかも知れませんが、振動などに耐えられないかもしれないので、梱包はテープなどに任せたほうが無難です。

 

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段ボールにちょっと張り紙をしたり、段ボールで工作する時などに大変重宝しそうです。

 

 
・コート紙(パッケージの紙)
水を弾くような紙だと1秒では付きません。完全に水分が飛べばある程度はくっつきますが、接着強度は普通の紙ほど強くありません。ただ、結果的に染み込んでしまう紙であればしっかり付くようです。

 

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強いコートが掛かっている紙だと、極端に付きが悪く、下手すると全く付きません。

 

 
・ビニール(PP)
「のり」によって互いの素材表面の凹凸がなくなってペタッと吸い付いている感じにはなりますが、なかなか乾燥しないのでいつでもベロンと剥がれます。水分が減れば多少の粘着力は出ると思いますが、手で簡単に剥がせる程度なので仮止めには良いでしょう。

 

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・プラスチック(PVC)
ビニールと同じです。染み込まないので乾きが遅く、乾いても簡単に剥がせます。ある程度広い面でとめれば仮止め用として使えます。

 

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・発泡素材(スチレンボード半割り)
気泡はあるもののそれぞれが独立した気泡なのでほとんど染み込みません。一見付いていそうでも実際にはプラスチックやビニールと同様に接着というより密着しているだけでした。

 

 

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・木(割り箸)
割り箸で試しましたが、さすが紙の原料なだけあって植物繊維間にのりが染み込んで、よく付きます。剥がすと周りの繊維ごと剥げるので、かなり接着強度も出ていると思います。

 

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・布地(ハンカチ)
それなりにくっつきます。紙や木ほど強く接着されている感じはありませんが、紙と同様の感覚で使えます。ただし、紙よりも染みやすいのでうっかりすると指や下の材料も一緒に付いてしまいます^_^;

 

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封かん比較



本製品以外に比較用として、実際に封かんに使っている(使ったことがある)アイテムをいくつか用意していくつかの比較実験をしてみました。

それぞれごく普通と思われる市販品をチョイスしました。

 

・本製品(秒速封かんのり)
・液状のり(アラビックヤマト)
・スティックのり(PIT)
・テープのり(ドットライナー)
・両面テープ(ナイスタック)

 

 
□1秒比較
封かんしてすぐに剥がそうとする実験。
※両面テープはまず剥がれないことが分かっているので省略

貼ってすぐに剥がそうとするとどうなるか...



本製品は「一秒封かん」と歌っているだけあって、貼ってすぐにそれなりの接着強度が出ます。そのまま投函しても開いてしまうことはないと思われますが、すぐに無理やり剥がそうとすると紙がのりの水分でふやけているため、そこから剥がれてしまうことがありますので、しばらく乾燥させるのが吉と言えます。

 


本製品の場合(見苦しい指で恐縮です...)


ライバルであるテープのりも当然すぐに接着強度がでますが、今回用意したドットタイプのテープのりは接着面が少ないので、貼ってすぐでも時間を置いても剥がそうと思えば剥がせるといった感じの接着強度でした。

 


「テープのり」での封かんシーン(倍速)


液状のりとスティックのりでは液状のりの方が付きが良い感じですが、どちらにしても接着後すぐだと簡単に剥がせます。貼ってすぐに投函するのは危険です。

 


「液状のり」での封かんシーン(倍速)

 


「スティックのり」での封かんシーン(倍速)




□接着部比較
接着した部分の美観(シワなど)はどうかを観察する。

ちょっと分かりやすいよう画像を強調しています。



写真では分かりにくいのですが、まずは液状のりが一番シワシワになり、続いて本製品もシワが出ます。次のスティックのりも薄っすらとシワがよりますが、気にならないレベルです。

 

スティックのりは「のり」が乾燥すればシワはなくなり、本製品と液状のりは当初のシワシワこそ目立たなくなりますが、完全に平坦にはならないようです。

なお、テープのりと両面テープはシワもなく綺麗に貼れます。
 

 
□乾燥後比較1
しっかりと「のり」を乾燥させてから剥がしてみる実験。
※テープ系は乾燥しないので除外^_^;

 

液状のり系は乾くと最強です。

 

スティックのりは(剥がそうと思えば)剥がせました。


本製品と液状のりは、乾燥後は紙の表面が薄く剥がれるだけで全く剥がせませんでしたが、スティックのりは剥がすとのり付け部分から剥がれました。前者は紙の繊維にまでのりが入り込んで固まっている感じで、後者は紙の表面だけで付いていたという印象です。


□乾燥後比較2
封かんする前に「のり」を完全に乾燥させて貼ってみる実験。
※テープ系は乾燥しないので除外^_^;

塗った直後、このまま乾燥させてみます。

 

液状のりとスティックのりは乾燥後は粘性がなくなり封かんは不可でした。一方、本製品は粘性が残っており、封かんして自力で開かない程度の粘着力はありましたが、手で開ければ簡単に開封できてしまうので、乾燥後の封かんはオススメできません。

本製品は乾燥後もかろうじて封かんできました(実用的ではありません)



ちなみに、液状のりとスティックのりについては、乾燥後に水分を与えれば貼り付け可能で、強度もしっかりと出ることが分かりました。
 

 
□耐熱比較
ドライヤーで温めながら剥がしてみる実験。

年代物のドライヤーで温めてみました。

 

温めながら剥がそうとすると指が火傷しそうになります^_^;



両面テープとテープのりはドライヤーで熱すると粘着素材が軟化して剥がれやすくなりました。一方その他のものについては、熱を加えても剥がれやすくなることはありませんでした。

 

テープのりは温めると「粘着のり」が柔らかくなって剥がれやすくなるようです。

 


□耐水比較
乾かしたのりに水を加えたらどうなるかの実験。

透明アクリル板の上に「のり」を出してそのまま放置。

 

完全に乾燥したら上から水を垂らしてみました。

 

液状のりとスティックのりは水に溶けて、また粘性のある液体に戻りましたが、本製品は全く溶けませんでした。ベンジンを使ってもドロドロっと溶けることはありませんでしたが、剥がすことはできました。

写真では分かりにくいですが、本製品以外は水に溶けました。




これらのことから、液状のりやスティックのりなど水に溶ける「のり」で封かんされたものは、濡れたり湿気の多いところなどに長く置いていると剥がれてしまう可能性があるのと、本製品は濡れても決して剥がれないということが分かりました。


どういう仕組みなんだろう?(推測)



成分は「水、アクリル樹脂」とザックリと書かれており詳細は不明ですが、耐水性の比較で見る限りは成分が水に溶けているという感じではなく、微粒子化したアクリル樹脂のポリマーが水の中に均一に分散した状態で存在するエマルション系接着剤の一種ではないかと思われます。

エマルション系接着剤といえば「木工用ボンド」が有名で、接着剤に含まれる水分が乾燥すると固まり、固まった後は水に溶けない(接着力は落ちる)性質があって、本製品と特徴が似ています。

イメージとしてはこんな感じなのでしょうか?



ただ、木工ボンドの場合は乾燥するのに時間がかかります。紙に塗ってギュッと押さえ ても瞬間的に固まることはありません。速乾性」のものがありますが、通常のものより水分が少ないため、その分乾くのが速いということにはなりますが、やはり1秒で付くというほどではありません。

推測で恐縮ですが、本製品の場合は水分の乾燥を待つ代わりに、接着面に圧力をかけることでポリマーの粒子同士が「融着」して水分と分離し、その水分は紙などの繊維の間に素早く浸透するという感じでしょうか。

本製品仕組みイメージ、あくまでも私の想像ですが^_^;
※水分は普通の水よりも浸透性の高いものという想定で...



そのようなことから水のしみ込まない素材や乾燥しない素材には使えないということになるのだと思います。(間違っていたらごめんなさい…)


封かん以外の使い方



本製品は「封かんのり」という商品名ですが、何も封かんだけにしか使えない訳ではありません。「のり」なので他の用途にも使えるはずです。HPの新製品情報でも、領収書の整理や写真貼り付けや切り抜き資料の作成など、様々な用途に使えると謳われています。

HPから引用



そこで、速乾性と強力接着を生かしたペーパークラフトを製作して、封かん用途以外にも使えるかを試してみたいと思います。

□ペーパークラフトに挑戦
「色々貼ってみる」で試した通り、本製品はツヤツヤのコート紙のように水が染み込みにくい表面では本領を発揮できないので、水が染み込むであろうコピー紙にプリントしたクルマ(日産のサイトで無料に配布されているもの)のペーパークラフトを製作してみることにしました。※できるだけ簡単なものをチョイス^_^;

ネットでダウンロードしたものをレーザープリンターで出力



カッターで綺麗にカットして、あらかじめ折り目を付けておきます。

簡単なのを選びましたが、結構大変でした。。。

 

定規を使うとキレイに折り目をつけられます。

 

細かいところには塗りにくいだろうと思っていましたが、
これは意外と使いやすいですよ!



「のりしろ」部分に手早く「秒速封かんのり」を塗布(軽く2~3回擦って均一に伸ばす)してギュッと接着!を繰り返していくと、あっという間に完成!

完成(ミラー省略^_^;)これは意外と良いかも!

 


実際にのり付けしてみると、思いのほか使いやすく、普通ののりだとテンションがかかって剥がれやすい部分も1秒で接着できるので、これはまさに「鬼に金棒」といえる最強の「のり」かも知れません。

今まで、のり付けでは辛い部分は両面テープなどを併用していましたが、これ一本で作成したほうが断然早いです。ただ、のりを塗りすぎると押さえた時にハミ出てしまい、周辺を汚してしまうので、のりの使う量を最小限に抑えるのが綺麗に作るポイントになると思います。


コストパフォーマンス



本製品は長形4号封筒で約800枚を封かんできると謳われており、封筒1枚あたり70ミリ使ったとして約56m使えることになります。希望小売価格が400円なので、長形4号封筒1枚あたり0.5円という計算になります。

本製品の希望小売価格はちょっと高く感じますね。



一方、両面テープやテープのりは製品にもよりますが、長さと価格から割り出すと封筒1枚あたりおよそ1~2円くらい(テープのりの方が高め)だと思われますので、コスト的にはテープ系のものより本製品の方がお得と言えます。

手が汚れないのが魅力のテープ系は、やはり割高ですね〜



しかしながら、従来の液状のりやスティックのりは、封筒1枚あたり0.2円以下と推測されますので、その辺りと比較すると多少割高感はあります。

従来のりは低コストが魅力で効果も安定していますね。



従いまして、コスト的には飛び抜けて優れているとは言えませんが、価格と効果を比較したコストパフォーマンス的に見れば、かなり優れている部類に入るのではないかと思います。


通常レビューまとめ



正直なところ、「文房具としての”のり”なんて、すでにアイデアも出尽くしていてコレ以上進化しないだろう」と勝手に決め付けていましたが、今回本製品を試してみて考えを改めさせられました。

「のり」も日々進化し続けているんですね!



押さえて封かん」というのは動作的にも当たり前のように感じられますが、のり自体がそれに反応するというところが新しいというか、発想が素晴らしいです。

通常の封かん作業においては、液状のりの中ではダントツの使いやすさですし、テープのりと比べても決して引けは取っておらず、コストはもちろんのこと、使用頻度の高いオフィスなどでは変な音がしない部分で勝っていると言えます。

コスパは悪くないと思います。



また、水がしみ込まない素材についても多少なりとも接着力を得られることが分かったので、ちょっとした仮止め用などに使えそうな感じがします。

ただ一つ惜しいのは、やはり製品シールでしょうか。たった数回使っただけで印刷が薄くなり、その分周りが黒ずんでしまいましたので、これは改善すべきだと思います。これによって指が汚れることは無さそうですが、せっかくの「のり」の性能・使い心地が台無しになっているような気がします。

シールの汚れ、色落ちは是非改善を…(右下は新品)



なお、本製品の性質をうまく利用するにためは使って慣れるしかありませんが、一秒で確実に封かんできることは分かっても、中身が特に重要な書類だったりすると、やはり封かん具合が心配になるのは変わらないようですね^_^;

ということで、一秒でも早く貼り付けたいという「せっかち」な人に最適な”のり”だと思います。

更新: 2015/07/11
ギリギリ限界チャレンジ PREMIUM REVIEW

衣類のトラブル発生時に緊急対処用としても使える!



緊急時の衣服補修対決!



私が本製品の特徴を見て、まず最初に思い浮かべた用途が「緊急的な衣服の補修」です。何故かというと、普段から衣服の補修(応急処置)などに両面テープなどを使っており、両面テープよりも使い勝手が良さそうだと考えたからです。

緊急時に意外と役立つ両面テープ、何度コレに助けられたことか…



具体的には「ネクタイの小剣通し」が外れた時や、「ズボンの裾上げ」がほどけた時に、急場をしのぐために両面テープで止めたり、「靴下」に穴があいてしまった時にも粘着テープなどを内側から貼って誤魔化すことがあります。あとでキチンと補修し直すので、家に帰るまで持ってくれれば良いという感じですが、意外と重宝する使い方です。(靴下は大抵処分します^_^;)

衣類のトラブル、突然だと焦りますよね〜



そんな訳で、もはや文房具としての用途から完全に外れており、何かギリギリなのかよく分かりませんが、とにかく両面テープなどとの補修対決を敢行してみたくなりましたので、これを「ギリギリ限界チャレンジ」としてみたいと思います。

ただ、「ギリギリ限界チャレンジ」と呼ぶには、ちょっと弱いかと思いましたので、最終対決は「社会の窓の補修対決」ということにして別な意味でギリギリな感じを演出してみました!w

 

 
□ネクタイ対決
ネクタイの小剣通しについては、そこに通さなくても支障はないという話もあるので緊急性は低いと思われますが、普段からそこに通していると、通っていないだけでとても気になるので、気分的にスッキリするためには補修が必要になります。

すでに小剣通しが外れた現物がありましたので、それを使っての対決となります。

致命的ではないものの、外れると意外と気になります。



両面テープは安定した使い心地で、それなりの接着強度もあり、しばらくさのまま使えます。また、一回剥がれても粘着力が残っているので再度貼ることができます。あとで簡単に剥がせるところが魅力です。

 

あとで剥がせる両面テープなので気楽に使えます。


テープのりは若干強度が弱い感じで、剥がれ始めると以外と脆い感じです。ただ、その場しのぎとして使う分には問題ないでしょう。粘着テープと消しゴムを使って落とすことができました。粘着部分が全く目立たないのが魅力です。

 

今回初めて挑戦、とりあえず付きますが、かなり応急的な感じです。


本製品は、1秒でテープのり以上の強度が出ますが、貼ってすぐだと剥がれやすいようです。水分が乾燥すると予想以上の強度を発揮します。ただし、一旦剥がすとそのままでは再度貼ることはできませんし、ある程度繊維に浸透しているようなので、のりを取り除くのは無理そうな感じです。無理に剥がさないようにして、のりと共に縫い付けてしまった方が良いと思われます。

 

やり直しが利かないといった緊張感はありますが、付き具合は良好!

 


本製品のみの動画です(倍速)


この勝負は、それぞれに一長一短があるので「引き分け」とします。


□ズボンの裾上げ対決
ズボンの裾上げがほどけ始めると、スボンを履くたびに足が引っかかって転びそうになりますが、まだ緊急度はさほど高くありません。しかし、そのまま穿き続けていると最終的には折り返し部分が外にハミ出てしまい、外見上の支障が発生します。こうなるとみっともないので緊急度は一気に高くなります。

すでに裾上げがほどけかけた現物がありましたので、そちらを使っての対決となります。

裾上げ部分(裏返した状態)の縫い目がほどけると困りますよね?



使い慣れていることもありますが、両面テープはやはりここでも安定しています。

 

両面テープはテープの厚みがありますが、外側からは全く分かりません。

 

テープのりも使い勝手は悪くなく、両面テープよりも粘着力は劣るものの使用上は特に問題なさそうです。

 

テープのりも、外側からの見た目には何ら影響はありません。

 

本製品の接着力はなかなかですが、薄手の生地のスラックスなどは「のり」が裏に透けてしまうので、表側にシミのような痕が出てしまいました。本製品は薄塗りが基本ですが、生地の厚さを考慮して薄塗りするのは難しいかも知れません。。。

 

押さえたところに「のり」の痕が、表側にもしっかり出ていましたorz

 

剥がすとこんな感じです。洗っておちそうな感じではありません...

 

この勝負、外観に影響が出ない「テープ系の勝ち」としました。

 

 
□靴下対決
靴下の穴は靴を脱いだ時にしか気づかれないので、靴さえ履いていれば何とかなりますが、靴を脱いだ瞬間に一発でバレてしまうという何とも恥ずかしいものです。気を付けていても、なる時はなってしまうので、普段から誤魔化す方法を考えておくべきでしょう。

今回は手元に穴の開きそうな靴下がなかったので、もったいないですが普通に使用できる靴下に穴をあけてみました。そちらでの対決となります。

朝は平気だったのに〜!
ありがちなドラブルですよね〜 ^_^;



靴下の場合は、穴なのでテープを貼るというのが最もポピュラーかと思います。基本的には靴下を裏返しにして、穴にテープを貼り、元に戻して穴から見えているテープ部分をマジックやペイントマーカー的なもので塗ります。

左の四角い白い部分が両面テープ、内側から貼って外から塗るという感じ

 

私が好きなのは両面テープ+マジックですが、どうしても色が合わない場合はオーバーラップさせて貼るのがベターです。テープのり、あるいは液状のりを使うことを考えると、このオーバーラップさせる方法が良さそうな感じです。

 
テープのりは、穴の周囲に外側からテープのりを付けてオーバーラップさせて塞ぎます。短時間なら使えますが、しばらくすると開いてしまいます。。。

 

テープのりは、いつのまにか剥がれていました。


本製品はしっかり乾燥させれば予想以上に接着強度が出て実用的であることが分かりました。伸び縮みする部位でも良い感じに使えています。

 

強度面は文句無し、美観は微妙ですが実用的ではあります...


ただ、残念なのは裏透けした「のり」が白っぽいシミ(真ん中の画像)のような感じに見えるのと、オーバーラップさせた時の美観と引きつった感じが微妙なところでしょうか。。。まぁ、応急処置だから多少は我慢するしかありませんが^_^;

この勝負は両面テープ(またはセロハンテープなど)と本製品が実用的で、テープのりはイマイチでしたので「テープのりの負け」。※もしこの後も直して使うなら両面テープに軍配が上がりますが、大抵は捨てますよね?
 

 
□番外編:折りたたみ傘の袋対決
折りたたみ傘の袋の縫い目がほどけて貫通してしまったので、ついでに補修対決してみました。

たまたま折りたたみ傘のケースが壊れたので、飛び入りですw



結論から申しますと、傘の袋は撥水性のある生地を使用しているため、のりの水分が思うように生地に染みないようで、貼り付けてしばらく経っても強い粘着力が得られずすぐに剥がれてしまいました。

 

簡単に付けられると思ったら、撥水生地はダメなのですね...


テープのりも接着面が狭いためあまり良い感じで付いてくれませんでした。指でこすると簡単にのりが取れてしまう感じです。

 

一見普通に付いていますが、あまり強く付いていません。


対して両面テープは面で接着するので、それなりの粘着力を発揮してくれました。

 

両面テープは安定しています。接着面が広いのが良かったようです。

 

そんな訳でこれらの中では両面テープが最も良かったのですが、傘でつつくと簡単に剥がれてしまうという事実が発覚しました。そして、実は安全ピンで止めるというのが意外と良いということに後で気づきました^_^;

 

これが現在のお気に入り(ちゃんと直してないw)



□社会のマド対決
社会のマドが閉まらないというトラブルは、非常にレアなケースだと思いますが、ありえない事ではありませんし、実際にそのような状況を目撃した事は何度もあります。(自分は子供の時に体験して以来そのような状況に立たされた事はありません)

 

開いてるだけでもマズいのに、壊れたら最悪ですよね!?


壊れた現物はありませんが、最近穿かなくなった(きつくなった)ジーンズを利用して、社会のマドが壊れた設定で対決してみました。

 

 


使い心地は?
両面テープはやり直しが利くという部分で安心感がありますが、いちいちゴミが出るのが難点です。

 


テープのりは見えにくいので、ちゃんと転写できているのかが不安になりますが、凹凸でも貼れますし軌道修正もできるので、使い勝手はそれほど悪くないです。

 

付いているのか心配になりますが、それなりに付いてます。


本製品は、乳白色なので塗った部分が把握しやすいですが、失敗したらどうしようというプレッシャーを感じます。使用感は悪くないです。
 

ちょっと心配でしたが、結構しっかりと付きました!(右写真は内側から見ています)



強度はどうか?
今回、実際に穿いて試したのは本製品使用時のみですが、その他のものについては穿かない状態で本製品と比較した時の強度感となっています。

両面テープの接着強度はそれほど強くありません。剥がそうと思えばすぐに剥がせます。しかし、粘着テープという特性上から柔軟性があって、そこそこの動きに対して追従性がありそうな感じですし、剥がれかけても貼り直せるというメリットがあります。

テープのりは、予想以上に接着強度があるように感じました。剥がしたあとでもベトベトしていますが、両面テープのように貼りなおせるほどではないようなので、一度剥がれた時は再度「のり」を転写して増し止めしないと貼り直せないでしょう。。。

本製品は、貼ってすぐよりもやはり「のり」の水分を飛ばしてからが本領発揮と言えます。接着強度はこの中では最強と思われますが、柔軟性はほとんどないので、剥がれる時は一気に剥がれると思います。貼り直しは利かないので再度のり付けする必要があります。

 

意外と実用的な強度はありますが、なるべくなら座らないほうが良いでしょう^_^;

 

ボタンが無かったら完全にアウトでした。

 

 
トイレに行きたくなった時に困るのはどれ?
これに関しては、どの方法でも困ると思います^_^;

いずれのパターンも開封するのは一瞬ですが、その後が面倒ですね。道具を持っていることを前提に、一からやり直せば済む訳ですが、部位が部位だけにあまり出先などではやりたくない行為です^_^;

特にテープのりは「のり」を転写する時にガリガリと音が出るのが難点と言えます。。。
 

 
本当にうまくいくのか?
デスク上で貼るのは簡単ですが、実際には穿いたままで貼り付けないといけない訳ですから、かなり辛いと思います。とりあえず、本製品の場合「のり」を塗布したら、素早く押さえて固定するということになります。

そして、接着強度を得るために股間を十分押さえないといけないというのは、たとえ誰からも見られていなくてもかなり情けない光景となることは間違いないですね^_^;

そのような訳で、社会のマドを補修した時は応急処置ということで、速やかに家に帰るか、別のスボンに穿き替えたほうが良いです。そして、補修時はできるだけトイレ我慢し、動きの激しい行動は避けるしかありませんね ^_^;


テーマ2まとめ



ほとんどギリギリ感のないレビューで恐縮ですが、今回このような対決をさせていただいて感じたのは、どれも一長一短があってコレがベストとは決め難いということです。

しかしながら、今までテープしか使っていなかった私の緊急補修の方法に「秒速封かんのりによる”のり付け”」という技法が追加され、さらなる緊急補修の幅が広がりましたので、これから適材適所で有効に使っていきたいと思っています。(もちろんメインは封かんということでw)

 

常に持ち歩くようなものではありませんが、
家と職場の両方に置いておくとかなり重宝しそうです。

更新: 2015/07/11
総評

万能では無いけど新しさを感じる「のり」

 

今回のレビューを通して、本製品の魅力を存分に味わうことができました。

 

さすが「封かんのり」というだけあって、封かんやそれに似た用途については抜群の効果を発揮します。ただし、のり付けできる素材が比較的狭く限定されるので、決して万能とは言えませんが、「のり」はもっと進化するだろうという将来性のようなものを強く感じました。


圧力をかけると固まるという新しさ
エマルション界ではよくある性質かも知れませんが、押して固めるという性質の「のり」を文房具に取り入れるというのは斬新なアイデアだと思いました。

焦らなくて良いのに速乾というありがたさ
「封かん」はもちろん「工作」の時に速乾だと作業が捗りますが、塗るとすぐ乾いてしまう揮発性の高い「のり」と違って、焦ってのり付けしなくても良いのが本製品の魅力だと思いました。

 

これからもっと良くなる?
本製品は薄塗りを推奨されていますが、薄塗りできているかどうかを確認できるように、「のり」自体に色が付いているとさらに良かったと思います。(乾くと透明になるタイプ)

 

それから、目詰まりついては、必ずしも手元に先端が尖ったような細いものがあるとは限りませんので、防止策をキャップなど製品内で完結して欲しいところです。

 

また、何度も書いていますが本体の各種表示は直に印刷するか、ラミネート加工したシールを採用するなどして美観を保てるようにして欲しいです。

 

私のお気に入りグッズに追加されました。

 


 

 

以上で「秒速 封かんのり」のレビューを締めたいと思いますが、引き続き使用してみて、変わったことや気付いた点がありましら、都度追記していこうと思っています。

最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございました。

2015年7月

コメント (6)

  • タコシーさん

    2015/07/11

    レビューお疲れ様です
    糊とは言え、乗りだけでは出来ないレビューですね
    濃いですよ....
    社会の窓まで出てきましたか....社会の窓は危険ですね! 軽犯罪で.... 

    スティック糊を使っていますが、乾くのに若干時間が掛かりますね 待てないときはテープ貼ってます 今回のレビュー品は水性アクリル塗料と言うことですがサラサラして直ぐ着く感じですね
  • izappyさん

    2015/07/11

    タコシーさん、
    ありがとうございます。

    意外と「のり」だけでレビューできちゃった感じですw
    多分こういった製品が好きなのだと思います。

    言葉では表現しづらいのですが、
    見た目は明らかにサラサラなのに、触った途端に水分と
    のりが分離してベトベトが残るような不思議な感じです。
  • 猫好人さん

    2015/07/11

    "綺麗"なレビュー"素晴らしい"ですね。
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