レビューメディア「ジグソー」

ペンティアムで遊ぼう

Pentiumが発売されてからなんと今年で20年!

クロック10MHzのPC9801からクロック100MHzのPentiumマシンに乗り換えた時は、マジで世界が変わるんじゃないかと思いました。事実その後Windowsやインターネットの普及で世界は大きく変わっていきました。
CPUもPentiumからCore2シリーズ、そしてCore iシリーズへと順当に進化をとげ、メインストリームだったPentiumはいつの間にか廉価版シリーズのブランド名となってしまい、Pentium=下っ端(正確にはCeleronがあるので下から2番目)という悲しいイメージに。
それでも以前のPentiumはオーバークロックによって上位のCore2を食う性能を発揮することが出来てそれが楽しみでもあったのですが、近年では倍率固定となってしまいそんな楽しみもなくなってしまいました。
ところが今年、Pentium20周年で発売された「インテル Pentium G3258」は久々の倍率ロックフリー。i5やi7の上位K付きと同様にオーバークロックが可能です。
というわけで今回は4年前発売された「PentiumDC E6700」と比較しながら久々にPentiumをオーバークロックして遊び倒してみたいと思います。

 

見た目はこんな感じ

 

 左 Pentium G3258 右 PentiumDC E6700

4年の間にパッケージも今風に。内容に違いはありませんがCPUクーラーの容器が小さくなって箱も一回り小さくなってますね。

 

左 Pentium G3258 右 PentiumDC E6700

正面から。見た目の大きさに違いはありませんが、内部配線の幅は4年間で0.000045mm(45nm)から0.000022mm(22nm)に。例えるなら同じ大きさの器にうどんとソバを入れたらどっちが多くの本数が入るか、その本数が回路の数だとすれば性能に差があることはなんとなく想像つきそうですね。

左 Pentium G3258 右 PentiumDC E6700

裏面から。マザーボードとの接点は数えてないけどおそらくG3258が1150個、E6700が775個。内部が複雑になった分マザーボードとのやり取りも結構複雑化してるようです。

 

激突!Pentium VS Pentium

 

今回世代間の性能差、オーバークロック前後の性能差を見るため、円周率計算プログラム「スーパーπ」を使用。小数点以下209万桁の計算結果を記録します。

※オーバークロックについて

オーバークロック行為は多くのPCパーツで保証外となっているので、それぞれのパーツの保証規定を確認の上、自己責任で行ってください。

 

・PentiumDC E6700

【構成】

【OS】 windows vista Ultimate sp1 x86
【CPU】 intel Pentium dual-core E6700 (3.2GHz)
【クーラー】 HYPER 212 EVO
【M/B】 J&W JW-N7AS-HD
【Mem】 team PC2-6400(800) 1GB
【HDD】 Seagate Barracuda 7200.1 160GB
【電源】 玄人志向 KRPW-G2-550W/90+

今回は「壊れてもいい」をコンセプトに余りもので構成。CPUクーラーはLGA775,LGA1150両対応で手持ちの中では一番冷えるものをチョイス。惜しむらくは手持ちのP45チップセット搭載のマザーボードが全て逝ってしまっていたので、OCには不向きと言われるnVIDIAチップ搭載のマザーボードとなってしまった。また、DDR2メモリも相性のせいかマトモに動くのが1枚しかなかったため、1GBのシングルチャンネルに。

 

計測結果

・定格3.2GHz 47秒

・OC4.2GHz 41秒

やはりCPUよりマザーボードの限界が早く、CPU温度は40度台ながら4.3GHz以上はどんなに電圧を盛っても起動せず。まぁでもOCの効果は十分で約12%のスコアアップに。おそらく使用用途によってはCore2の上位を超えることでしょう。

 

・pentium G3258

【構成】

【OS】 windows vista Ultimate sp1 x86
【CPU】 intel Pentium G3258 (3.2GHz)
【クーラー】 HYPER 212 EVO
【M/B】 MSI Z87 MPOWER
【Mem】 CORSAIR CMY8GX3M2A1600C9 4GBx2
【HDD】 Seagate Barracuda 7200.1 160GB
【電源】 玄人志向 KRPW-G2-550W/90+

出来ればCPU以外の構成をあまり変えたくなかったものの、世代間はどうにもならずちょこちょこ違った構成に。余談だが今Z87マザーボードが安い!BIOS更新の必要があるものの、だいたいのマザーボードでHaswell Refresh世代のCPUが動いてしまうので、G3258と合わせて安上がりにオーバークロックを試してみたい方には絶対のオススメ。なおメモリは8GB搭載しているが、OSが余りもののVista32bitなのでwindowsで使える領域は実質3.4GBほど。

 

・定格3.2GHz 27秒

速い!定格ですでにE6700を4.2GHzまでオーバークロックしたスコアを遥かに超えてしまいました。もしE6700側のマザーボードが違ったら違う結果になったかも・・・なんてことは一切ありませんでしたね。世代にして5世代の差はハンパじゃなかった。

・OC4.2GHz 21秒

E6700の限界を楽々クリア。約22%のスコアアップ。E6700より伸びがいいですね。

 

・OC4.9GHz 19秒

 

こちらも「壊れてもいい」をコンセプトに組んでるので電圧も盛り放題。限界までクロックアップ。(メモリだけは壊れたら泣く)

 (クリックで拡大)

冷却にまだ余裕はありそうだがこれ以上はPOSTせず。5GHzの壁を超えることはかなわずだったが定格3.2GHzからのこの伸びは完全に予想外。スコア30%アップ。

 

オーバークロックで実使用はどう変わるのか?

 

今回は完全にオーバークロックだけして遊ぶつもりでしたが、クロックを4.7GHzほどまでダウンしたところ結構安定したのでこれならば実使用もいけると思い、私の趣味であるPCゲームにCPUのオーバークロックが与える影響を数点ベンチを取って比較してみました。

 

【構成】

【OS】 windows vista Ultimate sp1 x86
【CPU】 intel Pentium G3258 (3.2GHz)
【クーラー】 HYPER 212 EVO
【M/B】 MSI Z87 MPOWER
【Mem】 CORSAIR CMY8GX3M2A1600C9 4GBx2

【GPU】 ELSA GeForce(R) GTX 750 1GB S.A.C

【HDD】 Seagate Barracuda 7200.1 160GB
【電源】 玄人志向 KRPW-G2-550W/90+

 

先のオーバークロック比較時の構成にグラフィックボードを追加しただけですがゲーミングパフォーマンスはいったいどんなもんでしょう?

 

・ファンタシースターオンライン2

(C)SEGA 『PHANTASY STAR ONLINE 2』
公式サイト http://pso2.jp/

簡易設定5 1920x1080

 

・定格3.2GHz

 

・OC4.7GHz

そんなに大きな違いは無いもののスコアアップ。そもそも定格の時点で十分快適プレイの範囲内なのでPSO2をするならオーバークロック無しでもPentium G3258は選択肢になりそうですね。

 

・ドラゴンクエストX

(C)2012, 2013 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
公式サイト http://www.dqx.jp/

 

・定格3.2GHz

 

・OC4.7GHz

約11%と目に見えてスコアアップ。DQXをメインにプレイするPCならオーバークロックは十分に効果がありそう。

 

・ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

©2010-2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
公式サイト http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/

 

・定格3.2GHz

 

・OC4.7GHz

ほぼ変わらず。GPUの方がボトルネックになってしまっているのかも。ただこれも定格で十分快適ですね。

 

使ってみて

オーバークロックたのしー!壊れてもマザーボード+CPUで2万弱ということで容赦ないオーバークロックを堪能することが出来ました。

さらに実使用を想定してみて気が付いたのは割と近年の人気ゲームでも定格で十分楽しめてしまうのではないかと言うところ。

Pentium G3258なら定格でもオーバークロックでもお手軽に自作PCライフが楽しめてしまいそうです。

 

更新: 2014/11/23
総評

総てに勝る楽しさとコストパフォーマンス

コメント (14)

  • vuronさん

    2014/10/08

    レビューお疲れ様でした。
    4.9Ghzまで上げれたんですか@@
    自分は手持ちのメモリで7枚中6枚相性悪くエラーでOSもインスコできない状態で
    秋刀魚のシングルで4.2Ghzが限界でした。
    熱量的には上げていっても結構余裕あったので
    玄人好みのCPUとして行けそうだと思いましたw
  • ふっけんさん

    2014/10/08

    0.7V盛っても5GHzは無理ですか・・・
    Haswellはこのあたりの壁が厚いですね・・・
  • パッチコさん

    2014/10/08

    レビューお疲れ様でした。
    シンプル構成でビンビン回るかんじですね。コレで8000円のCPUはコストパフォーマンス大です。
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