以前、IntelのダイナマイトレビューでD510MOをレビューさせていただきましたが、今度は同じAtom D510を搭載したベアボーン「R10-D2」をレビューさせていただくことになりました。
D510MOはWindows Home Server Vailをインストールしてホームサーバーとして24時間稼働中。今回のR10-D2はベアボーンのため、サーバーとして使うには搭載できるHDDの数にも制限があるので、サブPCとして使えるコンパクトなデスクトップとして使ってみることにしました。
>>>お品書き >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
1.R10-D2を組むために必要パーツは?いくらかかるの?
2.開封
3.超簡単!ノーカット組み立てムービー in YouTube
4.メモリースティック Pro DuoでOSのインストール!?
5.消費電力・温度・静音性
6.Atom D510の能力
7.まとめ
(追記1) DY-UD200でR10-D2を地デジ録画マシンに!?
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【 1.R10-D2を組むために必要パーツは?いくらかかるの? 】
R10-D2の詳細はこちら。
ベアボーンといえば通常ケース、MB、電源が組み込まれた状態のものですが、R10-D2はこれに加えてCPUとカードリーダーまでついてます。
[CPU] Intel Atom D510
[マザーボード] D51S
[メモリ] ?????
[3.5インチ] ?????
[5インチ] ?????
[オーディオ] オンボード(Realtek ALC662)
[グラフィック] オンボード(Intel GMA 3150)
[LAN] オンボード(Realtek 8111DL)
[カードリーダー] 内蔵
[電源] 内蔵(150W)
必要なパーツはまず絶対に必要なのがメモリ。そして3.5インチシャドウベイに取り付けるHDD、5インチベイに取り付けるDVD等。
メモリはDDR2 800/667MHzなので、普段から最新のパーツ自作しているならけっこう余ってそうな1世代前くらいの規格です。
DDR2ですがデュアルチャンネルに非対応なため、2枚セットじゃないと遅い、というわけではありません。1枚でも同じです。
DDR2 800 2GB 1枚で約4,000円。HDDについては今なら2TBが約10,000円、1TBで約6,000円。DVDドライブは約3,000円。
メモリ2GB、HDD1TBという構成で計算してみると、
R10-D2 12,000円
メモリ 4,000円
HDD 6,000円
DVD 3,000円
合計 25,000円
全部揃えたとしても25,000円でPC1台組めちゃいます。安い。OSをWindows7にするならプラス10,000円くらい。
今回は余っていた以下のパーツを使います。
[メモリ] UMAX Pulsar DCDDR2-4GB-800(1枚)
※[SSD] Kingston SNV125-S2/30GB
[HDD] Western Digital WD10EARS
※[DVD] IO-DATA DVR-SN18GLVB
後述の動画のためにDVDを用意しましたが、SATAポートが2つしかないし、このPCでDVDを使う機会はあまりないだろうということでSSDを取り付けることにしました。
【 2.開封 】
届いた箱を見て外箱だと思っていましたが、開けてみると中に本体が。かなり質素な梱包です。
本体以外の付属品は縦置き用のスタンドとマニュアル・ドライバCDのみ。ケーブル類は本体内に入っているようです。
フロントパネルは光沢処理がされています。USBポートと音声用のポート、そしてカードリーダー。SDやMSなど大抵のメディアは使えそうです。
バックパネル。シリアルポートとパラレルポートは今時必要なんでしょうか。相当古いプリンタを使っているか業務用の特殊な機器を使っていない限り個人で使うことはほとんどないと思います。
ロープロファイルのPCIスロットがついており、唯一の拡張ボードが使用できます。ロープロでPCI・・・使えるボードはかなり限られそうです。PT2とか無理。
【 3.超簡単!ノーカット組み立てムービー in YouTube 】
完成までをノーカットで録画しました。
完成までジャスト9分。長いので3倍速で3分の動画に縮めました。電動ドリルを使ったことでかなり時間は短縮されました。DVDの底面のネジ止めを省略してたり、ケーブルの整理とか全くしてなかったり、何より急いで組んだので実際はもっとかかりますがそれでも早い。簡単。
コンパクトなケースだと構造が複雑でわかりにくかったりしますが、けっこうシンプルだし、付属のマニュアルには手順が写真付で丁寧に解説してあるので始めて自作する方でも問題なく組めると思います。戸惑うとしたら3.5インチHDDを傾けながら入れてスライドさせるところでしょうか。
ケーブル類は全てコネクタに差し込んだ状態だったので迷うこともありません。
動画でDVDドライブを取り付けましたが後でSSDに交換しました。底面のネジ穴を1箇所とめて固定しました。少しぐらつきますがSSDなので問題ありません。
組み終わったところで一度電源を入れてBIOSがPOSTされるか確認します。
BIOSの設定画面はこんな感じ。
普通のPCに比べると項目は少なめ、当然オーバークロックも電圧の変更もできません。PC Health Statusを見てメモリの電圧が1.884Vと定格の1.8Vよりかなり高いのが気になります。±0.1 Vなのでギリギリ安全圏ですがちょっと怖い。電圧が設定できないのが悔しい。
CPU温度が59℃なのは見なかったことにしておきます。
【 4.メモリースティック Pro DuoでOSのインストール!? 】
DVDは付けない、カードリーダーがついている、となればカードリーダーを使ってOSをインストールできるか試すしかありません。
SD・MS・CF・SM等数種類のカードに対応していますが、使ったのはメモリースティック Pro Duo。PSP用に買ったやつ。USBメモリの方が速度は速いですがあえて挑戦。
OSはWindows7 Home Premium 32bit版です。ディスクのサイズは2.3GBくらいなので4GBのMSを使いました。
Microsoft Storeで購入したISO版のWindows7なので「Windows 7 USB/DVD Download Tool
」を使うとISOファイルから簡単にインストールUSBができあがります。DVDをISOに変換しても使えます。
BIOSがPOSTされたらEscを押して起動ドライブを選択できます。MS/MS Duoを選択してWindows7をインストール。20分くらいで問題なくインストールが完了しました。
ドライバ等もDVDからメモリに移してインストールします。無駄に派手なインターフェース。横で無意味に惑星が回転していますw
まずは付属のドライバで確認したあと、foxconnsupport.comから最新のドライバをダウンロードしておきました。てかFOXCONNのサーバーがくそ遅いです。数十MBですが、ダウンロードが30KB/sくらいしか出なくてかなり時間かかりました。
【 5.消費電力・温度・静音性 】
まずはWindows7を起動してアイドル状態での消費電力と温度をチェック。BIOSで表示されていた59℃というCPU温度は見間違いではなかったようです。アイドルではちょっと熱すぎますね。ケースが窒息気味なのかと蓋を開けてしばらくおきましたが変わらず。ファンは常時4000RPMくらいで回っていますがヒートシンクが小さすぎるのか全然冷えない。
Hardware Monitor proでもCPU-Zでも一部正常に表示されていません。VCOREが2Vと以上な数字ですが、BIOSでは1V以下なのでソフト側が対応してなさそう。
CPU以外にHDD(WD10EARS)の温度が49℃高いのが気になります。ファンがCPUだけでエアフローなんてほとんど無い状態なのでHDDはかなり熱が篭りそう。
ほとんどアクセスしていない状態でこの温度なので負荷がかかれば確実に50℃を超えそう。
Prime95で負荷を与えてみました。
アイドルで59℃だったのでどこまで上がるか不安でしたが10℃くらいしか上がっていません。とりあえず問題はなさそうです。
消費電力はアイドルで34W、Prime95を稼動して39W。SSDとHDD1台という構成ではちょっと高いかなという印象です。
静音性については、CPUファンが4000RPMで回っているものの、ミニサイズなので全く気になる音ではありません。耳を近づけなければ他の環境音にかきけされます。
【 6.Atom D510の能力 】
デスクトップPCとしてはかなり非力な方だと思いますがどれほどなのか。
まずSSDにしただけあってWindowsの起動やアプリケーションの起動は早いです。
デスクトップの表示はD-Subなので文字などが若干ぼやけ気味。1920x1080のモニターにつないでいますが、とにかくグラフィックが弱いです。Aeroにも対応しているのでWindows7のインストール直後はAeroが有効になりますが、速攻切りました。一つ一つの動作がもっさりしていてウインドウを移動すると残像ができるし、スクロールはカクカク。メインPCを使った直後だと特にストレスを感じてしまいます。
次に動画再生の能力を見るため、YouTubeで各解像度の動画を観てみました。
480p - CPU使用率25%前後
これくらいは余裕。スムーズに動きます。
720p - CPU使用率70%前後
HDになって一気に負荷が上がりましたがまだなんとかスムーズに動いてます。
1080p - CPU使用率90%前後
CPU負荷がMAXに近くなり、コマ落ちが激しくまともに見れませんでした。
それぞれフルスクリーンにしてみると、480pでさえコマ落ちが見られ、体感で15fpsくらいの感じです。
でもローカルやサーバーに保存した動画では720pをフルスクリーンにしてもスムーズに再生できました。
ベンチマークについてはやるだけ無駄っぽいので省略。ちなみにSuper PI 1Mで1分28秒ほど。
オーバークロックしたCore i7なら10秒を切るので、例えるなら今季世界最高を出したタイソン・ゲイ。
D510は二足歩行を覚えたての1歳児という感じでしょうか。シングルコアでの性能はかなり低いです。
【 7.まとめ 】
12000円でケース・マザーボード・CPU・電源・カードリーダーまでついてるのでかなりお得な感じです。
必要なパーツも余りやすいメモリやHDDなので再利用すれば格安でPCが1台組めてしまいます。
デスクトップPCとして使ってみましたが、常用するにはちょっと厳しいです。
Intel GMA 3150があまりにも非力すぎて全てが遅く感じてしまいます。
グラフィックを強化すればけっこういけそうな感じはするので、PCIスロットにグラフィックカード・・・・も考えましたがPCIでロープロとなると限りがあるし、新品で買うには数世代前のGPUでも無駄に高い。中古で見つかればいいのですが無理がありそうです。
やはりサーバーとして使い、別のPCからリモートで管理というのが一番有効な使い方のかもしれません。これからUSB接続のTVチューナー買って録画サーバーにしようかと計画中。
【 (追記1) DY-UD200でR10-D2を地デジ録画マシンに!? 】
普通のデスクトップとして使うには力不足な感じなので録画サーバーにしてみようと考えました。
ロープロPCIの拡張カードで使えるTVチューナーは見当たらないのでUSB外付タイプのDY-UD200を取り付けました。
USB周りのトラブルもなく安定して使えます。R10-D2とDY-UD200の相性はかなりいいかも。負荷もそれほど高くなく、CPUは25%程度。動作は快適です。
ホームグループを使って録画したファイルを共有したり、D510MOのファイルサーバーに録画するのもいいかも。ただモニタ出力がD-Subなので視るのはあまり期待できません。ゴニョゴニョしないと。
よっちゃんさん
2010/12/13