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ファイルサーバPCや2ndPCに最適なAtom D510ベアボーンキット!

ジグソープレミアムレビューにて「FOXCONN ベアボーン R10-D2」のレビュワーに選考されました。関係者の皆様にご選考頂きました事をこの場をお借りして御礼申し上げます。

ベアボーンキットとマザーボードの解説、組み立ての3工程に分けて紹介したいと思います。


マザーボードに単体販売も行われているAtom D510を搭載したFOXCONN D51Sを採用し、専用の小型ケースにカードリーダーと150Wの電源を搭載したベアボーンキットです。ケースサイズは「95mm(幅) x 315mm(奥行) x 282mm(高) 」と非常に小型となっています。


●付属品
付属品は「ベアボーンPC本体、ネジ類、縦置き用スタンド、ドライバーCD、電源ケーブル、説明書2冊」です。


●電源
搭載している電源はMini-ITX用としては大容量の150Wタイプ。Atom(マザーボード全体)の消費電力は30~40W前後と思いますので、HDDや光学ドライブの消費電力と加えてもかなり余裕があります。

消費電力の実測ですが3.5インチHDD+SlimlineSATA光学ドライブでアイドル39W、Prime95で44~46Wです。80plus BLONZEの電源でテストしてみたところアイドルで36W、Prime95で41~44Wでした。その差は2~3Wと変換効率も十分と思います。

動作音については「静穏電源」の記載どうりとても静かです。


●フロントパネル
ケースのフロントパネルは「5インチベイ、3.5インチベイ(カードリーダー搭載済み)、USB2.0 2ポート、Audio in/out(HD Audio)、電源スイッチ、リセットスイッチが配置されています。デザインは一般的な省スペースPCと同じで使いやすいレイアウトになっていると思います。


●カードリーダー
3.5インチベイには「CF、SmartMedia、MS/MS Duo、SD/MMC」に対応したカードリーダが取り付けられています。主要なカードに対応していますので実用面でも問題ないと思います。

メモリーカードリーダーの搭載されている部分はFDDのネジ穴と互換性があります。お気に入りのカードリーダーや他の3.5インチベイアイテムが固定できるのか気になっていた部分ですので、この設計はうれしいです。ただしネジ穴は背面4箇所、側面1箇所となりますのでFDDのネジ穴と完全互換でないとネジ穴がなくて固定できない場合もあるかもしれませんので確認は必要かと思います。



マザーボードは単体販売も行われているFOXCONN D51Sが採用されています。
FOXCONN D51SはMini-ITXフォームファクタのIntel Atom D510を採用したマザーボードです。

●CPU
Atom D510はAtom 330の後継モデルでデュアルコアのCPUにIntel GMA 3150グラフィックスコアとメモリコントローラーを内臓しているのが特徴です。CPUパワー的には非力ですがHTTも実装されていますので4スレッド同時実行可能となっています。


●GPU
CPUに内臓するGPUコアはGMA 3150。Intel G31 Expressチップセットに内臓されていたGMA3100と同等のコアのようです。(ネイエフさんより、シェーダー数が半減しているとの情報を頂きましたm(_ _)m)

Atom 330と組み合わされていた945GCチップセット内臓グラフィックコア(GMA950)より若干高速になっていますがBlu-rayやH.264のアクセラレーションには対応していません。

モニター出力はアナログRGBのみとなっています。仕様ではDVI-D端子の設置も可能ですのでこの点だけは非常に残念です。


●拡張スロット
拡張スロットはPCIスロットを採用。アースソフトのPT2を挿して録画サーバーとして使うのに最適ですが、専用ケースはロープロファイルとなっているためPT2は残念なことに取り付けできません。(別途PCケースを用意して入れ替えることで利用可能と思います。)


●オンボードLAN
オンボードLANはギガビットLAN(Realtek 8111DL)を搭載。ファイルサーバPCとして利用する場合にはギガビットLAN対応が重要なポイントとなります。ギガビットLANの高速な有線ネットワークを活用してファイルサーバPCとして活躍できるはずです。


●オンボードサウンド
オンボードサウンドはHigh Definition Audio規格のRealtek ALC662を搭載。同社のサウンドチップの中では中間に位置する製品で6チャンネル(5.1ch)オーディオ対応となっています。8チャンネル(7.1ch)への対応はこのクラスではオーバースペックですので十分な性能と思います。


●コンデンサ
マザーボードに使用されているコンデンサはCPUとメモリ周り以外は液体タイプとなっています。これはコスト削減の影響と思いますが、ファイルサーバPCとして24時間運用を考慮すると少し不安です。可能ならすべてに固体コンデンサを採用してほしかったです。


PCとして完成させるのに必要なパーツはDDR2-667/800メモリ、HDD(SATA)、光学ドライブ(SATA)、それとOSです。メモリ、HDD、光学ドライブはデスクトップ用が利用可能なので一部手持ちのパーツを流用しました。


今回用意したパーツを紹介します。

●HDD
HDDは日立 HDT725025VLA380 250GBです。古いモデルですが7200rpmの高速モデルです。HDDの発熱を考えると5400rpmの最新モデルや2.5インチHDD・SSDと組み合わせるのも良いかと思います。


●メモリ
メモリは手持ちがないのでUMAX DDR2-800 4GB kit(2GBx2)を購入しました。デュアルチャンネル動作に対応していないので出費を抑えるなら2GBモジュールを1枚のみ購入するのも良いと思います。


●光学ドライブ
光学ドライブはLiteon DH-20A3S。余っていたパーツです。耐久性にやや難ありですが奥行きが短いので小型のベアボーンに最適なドライブと言えます。

フロントパネルは光沢のあるデザインになっているのでパイオニアの光学ドライブと組み合わせるとデザインを統一できると思います。


●システムファン
PCIバスはとりあえず利用する予定がないのでケース内エアフローの向上に期待して、先日メインPC用に購入したシステムファン「アイネックス スロット取付型PCシステムクーラー RSF-04」を取り付けています。

効果のほどは微妙ですがプチ改良ということで(^-^;


●OS
OSはWin7発売で余っていたWinXPを使用することにしました。WinXPにしたのは、ファイルサーバ+2ndPCという用途のため普通のPCとして使える事、OS自体が軽いのでAtom向きである事も理由のひとつです。


●パーツの組み込み
筐体のサイドパネルを外したらフロントパネルを返しの爪を折らないように取り外し、5&3.5インチベイのステーを取り外します。この状態でHDDやメモリを取り付けます。(組み立て手順1~2)

光学ドライブは先ほど取り外したステーに取り付けてネジで固定しておきます。フロント側の位置はカードリーダーに合わせると楽に決まると思います。(組み立て手順3)

ケース内部は非常に狭くなっていますのでケーブルの位置を確認しつつ組み立てて完成です!(組み立て手順4)


●ベアボーンについて
FOXCONN ベアボーン R10-D2はメデスクトップ向けのDDR2-800/667メモリや5インチ光学ドライブを利用可能と余っているパーツを流用できるメリットがあります。小型のベアボーンキットはノートPC用パーツを利用する製品も多いのでデスクトップ向けのパーツ類を流用できるのは良いと思います。

特にHDDはノートPC向け製品は割高感が高いので、最近値下がりしているデスクトップ向けの大容量タイプのHDDを搭載できるのはポイントが高いです。


●長時間動作について
PCケースの前面に位置する3.5インチシャドウベイ付近にはスリットなどが設けられてないので搭載したHDD温度は上昇しやすいです。室温28度で電源をいれてから2時間放置した状態のHDD温度は48度でした。

搭載しているHDDは旧製品ながらも7200rpmの高速モデルのため温度が高くなってしまった可能性もありますが、やや高めかなと。筐体側面にHDDの熱が逃げているので可能なら風通しの良い場所に縦置きで使用することをお勧めします。搭載するHDDをプラッタ数の少ない最新モデルで5400rpmの製品を選ぶと発熱を抑えられると思います。

CPU温度に関してはCoreTemp読みで58~72度と高めとなっています。GPUコアなども内臓しているので高めになっている又はモニタリングソフトの誤認識の可能もありますので参考までに。ヒートシンクに触れた感じではそこまで熱くないので実際の温度はもっと低いと思います。


●PC(2ndPC)としての使用感
PC(2ndPC)としての使用感ですが、ウェブブラウズや動画の再生などストレスなく動作しますので快適です。今回はOSに余っていたWinXPをインストールしてみたわけですがVistaやWin7よりOS自体も軽いので動作はとても快適です。WinXPの使用感ですが以前使用していたAtom330より軽い印象を受けました。CPUの処理能力はほぼ互角ですから若干強化されたGPUコアにより体感速度が増していると推測できます。

モニター出力がアナログRGBのみなので地デジチューナーとの組み合わせではHDCPとの関係でSD解像度までの表示と制限はありますが、フルHDでの再生は厳しいと思いますのでスペック相応と言えるかもしれません。

全体的に好印象なAtom D510ですがCPUパワー的に非力なため動画のエンコードなどは4スレッド対応のコーデックを使用しても非常に遅いので、負荷の高い処理をさせるとCPUパワーが足りないと感じることもあります。その辺は2ndPCでライトな使い方に割り切る必要はあると思います。

動画の再生についてはVLC media plauer1.1.3を使用してフルHDのTSファイルの再生もスムーズに行えました。CPU使用率は30%前後です。GPUの強化の恩恵は確実にあるようです。


●ファイルサーバPCとして
Windowsのファイル共有機能を利用したファイルサーバPCとしての使用感です。

我が家ではAtomのデスクトップマザー発売を期にファイルサーバPCを設置。ファイルの共有・データのバックアップ・WMPの動画配信機能を利用してメディアプレイヤーへ動画ファイルの配信などの用途で活躍しています。

PCの自作が趣味なので各マザーボードやGPUのドライバーなどの最新版をダウンロードして共有フォルダに保管するようにすています。各PC個別にドライバーをダウンロードすると「最新版はどのPCかな・・・このPCには入ってないぞ・・・」ということになりますので、ファイルサーバの共有フォルダを覗けば最新のドライバーがあるというだけでも作業効率が上がると思いますし便利です。

FOXCONN D51SのオンボードLANはギガビットLANのため、大きなファイルでも転送速度が高速なのでストレスを感じません。もちろんVistaや7からもファイル共有機能を利用できます。

アイドル時の消費電力も41Wと非常に低消費電力ですので、24時間稼動にするのも良さそうです。ファイルサーバPCとしても優秀です。

ただし、上でも触れましたが長時間稼動にはHDDの温度上昇が気になりますのでモニタリングソフトでコンディションをチェックすることをお勧めします。

●純正ケースのエアフロー強化計画
純正のケースは非常に小型で良い感じですがエアフローは良いとはいえません。CPUとHDDの発熱がやや気になるのでエアフロー強化を行うことに決めました。

具体的にはCPUの上のスリットに10cmの薄型静穏ファンと9cmのPWMファンの二種類を設置したときのCPUとHDD温度を比較して見たいと思います。現在計測中のため、結果が出たときに追記したいと思います。

<検証の結果>
ファン追加によるエアフローの強化については、ケースの構造上ファン追加の効果は薄いという結果がでました。スリット直下のCPUは2~4度低くなりますがHDDは奥まった位置にあるので変わりませんでした。使用したファンが薄型の低速モデルとPWM制御に対応したファンのため、風量が少なめなのも得供しているとは思いますが静穏なのもこのベアボーンの売りの一つと思いますので、高回転のファンと組み合わせるのも微妙かと思いますので難しいです。

このベアボーンキットは静かなので電源が入っていることを忘れてしまうこともありそうなので、LED付きのファンを追加すると電源オンの状態で光りますから直感的に判断できるので良い感じでした。


<2010/08/25>
・コメントと写真を追加しました。

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • ひろひさるさん

    2010/08/22

    2ndPCとしては完成度は高そうですね。
    HDDの温度やアナログのみの映像出力等の難点?はありますが、この価格なら全て許してしまいそうですね。

    タメになるレビュー有り難うございました。
  • Sheltieさん

    2010/08/22

    ●ひろひさる さんへ
    アナログの映像に関しては一昔前の粗悪なカードに比べればかなり優秀なので問題ないレベルですのでHDCP対応のDVI出力が好ましいかなという感じかんじです。

    予想外だったのは動画再生がAtom330+945GCよりかなり快適だったことです。ケースの小型化の影響でエアフローに難有りですがCPUパワーも軽作業には十分ですから2ndPCとしてお勧めできる製品と思います。
  • ネイエフさん

    2010/08/22

    HDDの温度に関しては冷却ファンがない以上致し方のないところですよね
    CoreTemp読みの温度は確かに高いですが、高負荷時でもそれほど上昇しないのは
    さすがAtomというところかなあと思ってます

    あと内蔵グラフィックですがWikiによると
    GMA3100のシェーダーユニット数4に比べて半減はしてるみたいですね
    まあ元が少ないのでそこまで影響しない気がしますが(笑

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