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Seagate IronWolf 10TBで大容量NASの構築にチャレンジ!

 

 

zigsowプレミアムレビュー ”Seagate IronWolf 10TB”のレビューです。

 

"Seagate IronWolf 10TB をNASに組み込み、様々なシーンで使い倒してレビューせよ!”ということなので、2ベイNASのSynology® DiskStation DS213jに取り付けて検証してみました。

 

 

 

 

 

Seagateの新HDD”IronWolf”シリーズの10TBモデルST10000VN0004です。

2016年7月下旬に発売となったNAS向けの製品でヘリウムガス封入の10TBモデル。

 

10TB HDDとしては格安の5万円という価格でリリースされました。

 

AgileArrayという新しい技術を搭載。高い信頼性と俊敏性、RAID最適化によるパフォーマンスの向上、高度な電源管理による消費電力低減を実現しています。 

 

<主なスペック>

・型番:ST10000VN0004
・記憶容量:10TB

・インターフェース:Serial ATA 6GB/s
・プラッタ数: 7枚

・最大転送速度:210MB/sec
・回転数:7,200rpm
・バッファ容量:256MB
・消費電力:動作時 6.8W、アイドル時 4.42W、スタンバイ・スリープモード時 0.8W

・マルチユーザ技術:180TB/年

・MTBF:100万時間

・保証:3年

 

 

 

筺体はヘリウムガス封入のためかしっかり密閉されているようです。

材質はアルミでしょうか。大容量モデルとしては比較的軽量です。

 

 

 

Seagate IronWolf 10TBは一般的な3.5インチHDDある中央のネジ穴がありません。

運用にあたりHDDをしっかり固定できるのかを事前に確認しておく必要があります。

 

 

 

CrystalDiskInfoでステータスを確認してみました。

 

新品のため電源投入回数は1回。使用時間は0時間。

ファームウェアはSC60、回転数は7,200rpmということを確認できます。

 

 

 

我が家で活躍しているSynology® DiskStation DS213jへ取り付けて検証を行います。

 

DiskStation DS213jは2013年度の製品で現在は後継モデルのDS216jが販売されています。

機能を絞ったシンプルなNASで最新のOS”DSM 6.0”に対応。転送速度も現役レベルです。

 

 

 DS213jの10TB HDDへの対応状況については、他社製のドライブは製品互換リストに掲載されています。Seagate IronWolf 10TB(ST10000VN0004)はレビュー作成時にはリストアップされていませんでした。

 

 

 

DS213jのHDD固定用ステーの形状とSeagate IronWolf 10TB(ST10000VN0004)は中央のHDD固定用のネジ穴が無い関係で、コネクタ側の一か所でのネジ固定になりますが特に問題はありません。

 

HDDは一台のみでも問題ありません。(後からドライブを追加することもできます。)

シングルドライブで運用する場合は上段にHDDを取り付けます。

 

 

 

組み立てた後に電源を投入して、windows PC用アプリのSynology Assistant経由で最新のDSM 6.0(OS)をインストールしてセットアップしてみたところ、Seagate IronWolf 10TBとの組み合わせでも問題なく動作しています。10TB HDD自体への対応は問題ないようです。

 

 

 

ベンチマークテスト

 

ディスクベンチマークアプリの定番”CrystalDiskMark”を使用して性能を検証してみました。

比較用としてSeagate ST2000DM001 (RAID 1)のスコアを用意しました。

 

●デスクトップPC (SATA 6.0 GB/s) - Seagate IronWolf 10TB ST10000VN0004

 

 

NASへの搭載前にデスクトップPCのSATA ポートに接続してスコアを計測してみました。

シーケンシャルリードは約245MB/s、シーケンシャルライトは約219MB/s。

初期の頃のSSD並みに高速です。

 

 

●DiskStation DS213J - Seagate IronWolf 10TB ST10000VN0004

 

 

こちらはSeagate IronWolf 10TBをDS213jに搭載した状態でのスコアです。計測方法についてはSynology AssistantでDS213jをWindows PCにマウントしてからCrystalDiskMark 5でスコアを計測しています。

 

シーケンシャルリードは約104MB/s、シーケンシャルライトは約74MB/s。

デスクトップPCのSATA 6.0GB/sポート接続と比べるとGbLANの転送速度の関係で大幅にスコアを落としていますが、NASの転送速度としては十分に高速なスコアです。

 

 

●DiskStation DS213J - ST2000DM001 (RAID 1)

 

 

こちらHDD交換前に再計測したDS213j + Seagate ST2000DM001 (RAID 1)のスコアです。

シーケンシャルリードは約114MB/s、シーケンシャルライトは役89MB/s。

 

Seagate ST2000DM001は2011年度の製品ですが64MBのキャッシュメモリを搭載した7,200rpmの高回転モデルでシーケンシャルアクセスは170MB/s台とスペック的にはGbLANの転送速度を上回っています。こちらもNASの転送速度としては十分に高速なスコアです。

 

 

 

 

Seagate IronWolf 10TBの性能テストということで動画ファイルを使用した負荷テストを行ってみました。

 

 

ハンディカムで録画した6つのフルHD解像度の動画ファイルを6つのフォルダに配置し、DLNAクライアント機能を持つ6種類ハードを使用して3分置きに一台づつ再生する端末を追加して6種類の異なる動画ファイルをコマ落ちや音ズレなど発生しないで再生できるのかを検証してみました。

 

動画再生についてはamdroi端末はDLNAクライアント機能付アプリの”Twonky Beam” を。

ゲーム機については標準機能又は専用アプリをダウンロードして使用しています。

 

□Google play - Twonky Beam: 動画/音楽/写真の再生/転送アプリ

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.pv.twonkybeam&hl=ja

 

 

 

まずはアイドル状態のステータス。

LANの転送レートはほぼ0をキープ。CPUの負荷率も低いです。

 

 

Windows7 デスクトップPC - Windows Media Player

 

 

一台目はWindows 7のデスクとトップPC(自作機)です。

LANの転送レートも低めで、まだまだ余裕があります。

 

 

●Sony PlayStation 4 CUH-1000AB01 - メディアプレイヤー

 

2台目はアップデートで待望のメディアプレイヤー機能(アプリ)が実装されたゲーム機の”Sony PlayStation 4”です。 

 

 

 

2台同時アクセスではLANの転送レートは上昇していますが、CPUの負荷率は低めです。

 

 

●Microsoft Xbox One - メディアプレイヤー

 

3台目はライバルのPlayStation 4より先にメディアプレイヤー機能が追加されたWindows 10ベースのゲーム機”Microsoft Xbox One”です。  

 

 

 

3台同時アクセスはCPUの負荷率とLANの転送レート共に2台同時アクセス時とあまり変わりません。

まだまだ余裕がありそうです。

 

 

●Sony PlayStation 3 - ビデオ

 

4台目はメディアプレイヤーとしても高性能なゲーム機の”Sony PlayStation 3”です。 

 

 

 

4台同時アクセスはCPUの負荷率とLANの転送レート共に上昇。

動画ファイルの再生は各端末共に滑らかで問題ありません。

 

 

●docomo ARROWS Tab F-02F - Twonky Beam(android 4.4.2)

 

5台目はdocomoのandrodiタブレット”ARROWS Tab F-02F”です。

 

 

 

5台同時アクセスではCPUの負荷率とLANの転送レート共に更に上昇。

動画ファイルの再生は各端末共に滑らかで問題ありません。

 

 

●docomo GALAXY Note 3 SC-01F - Twonky Beam(android 5.0)

 

 6台目はdocomoのスマートフォン”Galaxy Note3 SC-01F”です。

 

 

 

6台同時アクセスでは頻繁にCPUの負荷率が40%以上になりますが、動作はコマ落ちなく再生しています。6台同時のアクセスでも余裕です!

 

 

●負荷テストの感想

6種類のフルHD解像度の動画ファイルを6種類の端末での同時再生テストで約40分連続再生してみました。各端末共にコマ落ちや音声の途切れなどもなく滑らかに再生できました。HDDのランダムアクセス性能とNASの処理能力共にまだ余裕がありそうです。

 

動画再生だけでなく、ファイル転送やバックアップ機能などの同時利用でもストレスのない動作が期待できます。

 

 

テストに関して気になったのはDSM 6.0とandroid OS 6.0の相性でしょうか。Twonky BeamでDS213jを認識できないというトラブルが発生。テスト後に何とか対応できないかと別のアプリを試してみたところ、同じくDLNAクライアント機能付アプリの”VLC for Android”でDS213jへのアクセスが可能でした。VLC for Androidは字幕への対応の他に、画面タッチで輝度と音量を調整できる優れたメディアプレイヤーです。android 6.0系以外でもお勧めです!

 

□Google play - VLC for Android

https://play.google.com/store/apps/details?id=org.videolan.vlc&hl=ja

 

 

 

 

大容量ドライブ+NASといえばバックアップ!と言うことで、Synology Cloud Station Backupを使用してWindows PCのバックアップについて検証してみました。

 

 

 

パッケージセンター>バックアップのCloud Station Serverを開いて”Cloud Station Backup”を”今すぐダウンロード”をクリックして専用アプリをダウンロードしてインストールすれば準備完了!

 

 

 

Cloud Station Backupを起動します。

 

 

 

バックアップ したいドライブやフォルダとバックアップ規則を設定します。

 

 

 

最後に確認画面が表示されるので問題なければ”完了”をクリックすると自動的にバックアップが開始されます。

 

 

 

Cloud Station Backupの動作中はCPUの使用率は80%以上に上昇します。

 

 

 

今回バックアップしたフォルダは、写真やエクセルのファイルなど小さくてファイル数の多いフォルダを指定しています。

 

転送レートが高くない点については、他のPCからのアクセスやバックアップ中のPCの負荷などを考慮しているのかもしれません。

 

10TBという大容量のおかげで、ファイルサイズやファイル数を気にすることなくバックアップできます。複数台のPCのバックアップやファイル共有に最適です。

 

 

 

Cloud Station Backupの動作中に他のWindows PCからDS213Jにアクセスして、ファイル転送や動画ファイルの再生を試してみましたが動作は高速でとても快適です!

 

 

 

感想

 
Seagate IronWolf 10TBをSynology® DiskStation DS213jとの組み合わせで検証した感想です。
 

今回は2年前に搭載したSeagate Barracuda ST2000DM001 2TB(2台)からの交換となりました。

ドライブ単体としてみてもアクセス速度は高速でストレスはありません。NASでの運用の場合は、GbLANの転送速度が上限となってしまう関係でSeagate Barracuda ST2000DM001と比べて速度面での性能向上はありません。容量に関しては10TBと言うことでファイルを大量に転送しても余裕があります。NASのバックアップ機能を利用した場合、細かくバックアップするファイルを選別する必要性を感じません。迷わず、フォルダ単位又はドライブ単位でバックアップできます!

 

DS213Jは後からドライブを追加することで自動的にRAID 1を構築する仕組みになっています。初めにSeagate IronWolf 10TBを1台購入して、後からもう一台追加するといった方法もお勧めです。 

 

 

今回の検証ではシングルドライブでの運用のためAgileArrayの本領が発揮されていませんが高度な電源管理や振動対策などは有効なはずです。

 

デジタルカメラやスマートフォンのカメラの高性能(高解像度)化に、デジタル一眼レフなどのファイルサイズの大きいRAW画像、4k動画の撮影に対応したスマートフォンも増えているので、PCで管理する必要のあるファイルは今後サイズが肥大化していくことが予想されます。やはり大容量のHDDは必須アイテムと言えます。

 

 


Seagate IronWolf 10TBの性能については転送速度、容量共に最高レベル。現在もコストパフォーマンスから人気の2TB HDDと比べると、スペース的には単純に5分の1ですから圧倒的に省スペースです。

 

今回はNASへの搭載でのレビューのため高速なシーケンシャルアクセスの転送速度をフルに生かしきれていませんが、デスクトップPCに接続すれば本領発揮して大容量で高速なデータドライブとして活躍するでしょう。

 

静音性については7,200rpmの高回転モデルのため、5,400~5,900rpmクラスの低回転なHDDと比べるとシーク音はやや大きい印象です。シーク音が聞こえると”HDDが動作している”と実感できるのと、気になるほどではないので個人的な意見としては問題なし!


価格については発売時の価格で約5万円。10TB HDDとしては格安ですが、1GBあたりの価格はまだ高い水準となっています。それでも1ドライブで10TBの大容量は魅力です。


内蔵できるドライブの台数に制限のある1~2ベイNASの他に、高速な転送速度を活かせるデスクトップPCのデータ用ドライブとしてもお勧めです!

 

 

<2016/09/01>

・行間の調整、タイトルとコメントを追加しました。

 

<2016/11/23>

・誤字を修正しました。

コメント (2)

  • harmankardonさん

    2016/09/02

    レビュー,お疲れ様です.

    ローカルHDDは,大容量だと持て余しますが,NASは大きければ大きいほどいいですね.
  • Sheltieさん

    2016/09/02

    ●harmankardonさんへ
    ありがとうございます。

    ですね。特に1~2ベイNASは4ベイNASと比べると、搭載できるHDDの台数からくる容量不足という問題があるのでHDDの容量は大きいといいですね。

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