※2016年3月1日 チューリップの定点撮影動画を追加しました。
自作PCの起動ディスクは、ハードディスクからSSDへ世代交代されている中、HDDの大容量・コストパフォーマンスの良さは未だ健在であるように思える。
だが、果たして4TBもの大容量ハードディスクを使い切れるか?と考えてみると、
写真のRAWデータ1枚25MBあたりの計算で、4TB(実質約3.6TB)使いこなすには約14万4千枚くらいの撮影が必要になる。
仮に毎日頑張って20枚/365日撮影したとしても、約20年間かかって4TBのハードディスクを使い切る計算になる。(ひょえぇ~)
が、動画を扱えば話は別。
TV番組録画もビデオテープから外付けハードディスクへ、ホームビデオカメラも4Kの時代に突入しているんですよね。
SDカードも随分安くなったけど、編集作業データ用の倉庫用も考えると4TBという容量にも現実味がでてくる。
大容量というだけなく、監視カメラ用に設計されたWD Purpleとはどんなハードディスクなのか?探ってみたいと思います。
余談ですが、
WDといえば、自作PCを始めたころ起動ディスクには速度が速いものを!と、背伸びしてWDの超高速回転である10,000rpmのラプターを使っていました。
独特なフィンと透明の窓から覗くディスクの回転、ヘッドの動きも見えるという芸術品のようなハードディスクでした。
私にとってWD製のハードディスクはラプター以来なので、ドキドキさせてくれるハードディスクなのか?楽しみです。
ここで質問。
ハードディスクを購入するとき、何を基準に選んでいますか?
価格? 容量? 速さ? 信頼性? 用途?
WD製ハードディスクのラインナップは、ユーザーが選びやすいような工夫がされているんです。
一番の理由は、パッケージ色で用途をカテゴライズしていること。
簡単に現行WD製4TBのハードディスクをまとめてみました。
比較表にまとめて、WD Purpleの気になったことが2つ。
①IntelliPower(インテリパワー)
回転速度の表記にあるIntelliPower(インテリパワー)という技術。
アクセス状況によりプラッタの回転数を変化させる設計にすることで、消費電力の削減に効果を与えるそうです。
エコ重視・長時間稼働向けのハードディスクに効果的そうです。。
②WD Purpleはメーカー保証が3年間
WD Purpleは24時間365日使用を想定してるのに、一見WD Blackの5年保証と比べると保証期間が短いように感じます。
しかし、WD Blackの使用想定時間は1日8時間/週5日(デスクトップ)。
HDDを稼働想定時間の使用した場合、メーカー保証期間内に使える総時間を計算してみました。
【WD Gleen・Blue(1日8時間/週5日・2年間保証)の場合】
8時間×5日×4.4週×12ケ月×2年間保証=4,224時間の保証
【WD Black(1日8時間/週5日・5年保証)の場合】
8時間×5日×4.4週×12ケ月×5年間保証=10,560時間の保証
【WD Red・Purple(24時間・365日稼働)の場合】
24時間×365日×3年間=26,280時間の保証!
なんと、WD Blackの5年保証の2倍以上も稼働時間がメーカー保証されていることが分かりました。
またWD Purple(Redも)は、MTBF(平均故障間隔)100万時間が公表されています。
これは、単純に100万時間=約114年間の動作保証というわけではないけれど(修理前提の使用での平均時間のため)、それでも設計基準が一般向けハードディスクとは違うことがわかります。
他にも、比較表にはないけれどWD Purpleには特別な技術があるのです。
AllFrameといって、対応するカメラとつなげることで録画時のフレーム(コマ)落ちを防いでくれるそうです。
こちらは、WD社が公開している動画。
左側は、デスクトップ用ハードディスクで監視カメラを記録したらコマ落ち・欠損部分が生じる、、右側のWD Purpleだとコマ落ちしないという比較動画。
(恐らく、何台ものカメラを1台のハードディスクで記録した場合の比較だと思われるのですが。。)
データからみるWD purplreの特徴をまとめると、
・速度重視ではなく、安定性重視のハードディスクである。
・同ハードディスクを複数組み込むシステムにも対応しており、稼働時間に負荷をかけても強い。
前置きが長くなりましたが、WD Purple 4TBをチェックします。
私は、ハードディスクはバルク品しか買ったことがないのですが、箱入りだと何だか嬉しいです。
紫色のパッケージが目を引きます。4TB表記も大きく、ハードディスクを数個まとめて保存しててもすぐに見分けがつきます。
最近はSSDを購入することが多かったのですが、ずっしりと冷たいハードディスクは“機械らしさ”があってワクワクするのは私だけでしょうか?
速度は、SSDには敵わないものの起動ディスクでなければ問題のない速度。
ちゃんと公表値どおりの速度が確認できました。(外付け・USB3.0接続にて)
数回記録後のデータです。(外付け・USB3.0接続にて)
回転数は変化するそうなのですが、5400rpmが基本値なのでしょうか。
WD Purpleは、24時間365日稼働の監視カメラ用に開発されたハードディスク。
ならば、、とWebカメラを使って、監視カメラ“らしきもの”を作り、24時間定点撮影を行いました。
用意したのは、
・外付けケースに収めたWD Purple 4TB
・webカメラと延長USBケーブル
・スティックPC
・USBハブ
補助的なものとして、
・17インチのモニタ(持ち運びが簡単なもの)
・無線キーボード&マウス
・犯人役のぬいぐるみ(ぼくはくま“ほっかむり泥棒ver”)
も用意しました。
DVI→HDMI変換をかましてモニタに接続します。(写真はモニタ裏側)
カーテン上部に、webカメラを設置します。
こんな感じでWebカメラを固定しました。
AG-Webカメラレコーダー(Webカメラを録画できるフリーソフト)を起動、テストした後に録画開始です。
録画を開始したら、モニタからスティックPCを切り離してコンパクトな状態にします。
モニタ・キーボードはここで一旦退席。録画終了まで別の部屋へ。
ケーブルが少しごちゃごちゃしていますが、PCと外付けハードディスクをカーテン下に隠して準備完了です。
1920×1080(29フレーム/秒)で撮影した動画のスクリーンショットがこちら。
拡大すると、カメラはテーブルの上の泥棒の表情までとらえていました!
(くまさん、泥棒役ごくろうさまでした。)
あえて動画でUPしなかったのは、我が家に他の侵入者がなく、動画に全く変化がなかったからです。(用意したのだけど、なんとも面白くないので。。)
スティックPCの発熱は少しありましたが、ハードディスクは発熱せず静かで泥棒にも気づかれない結果でした。
WD Purpleは、24時間監視カメラの撮影に耐えうるハードディスクだと分かりました。
ですが、個人的に監視カメラはネットワークカメラ(Wi-fiを使ってスマホからでも撮影風景をリアルタイムで見られる)が効果的だと思うのです。
・赤ちゃんを育児するうえでの監視
・高齢者の介護での監視
・ペットの監視
など。
しかし、私にはどれも当てはまらないし、、前述のような防犯上の監視カメラはそんなに必要ないというのが本音。
そもそも監視って言葉自体、どこか後ろめたいというかネガティブというか。。
であれば、私の考える“ネガティブではない、楽しめる監視カメラとは?”を提案。
実家に帰った際に、窓から外の風景を約24時間、定点撮影しました。
今回は、ノートPCとWebカメラを使っての撮影です。
※カメラで外を撮影する際はプライバシーの配慮が必要です。
今回は念のため、お隣さんに撮影の意思を伝えてから行いました。
知らぬ間に夜が来て、朝がやってくる。
眠っている間の窓の外って、どんな顔を見せてくれるのか?
私の代わりに、窓の外を24時間撮影してみました。
最初の6時間は内蔵のSSDに、残りの16時間をWD Purpleに。
出来上がった動画を確認してみると、
WD Purpleに録画したファイルは16時間で、なんと131GBも書き込んでいました。
下に公開する動画は、早回しで編集した動画ですが夕方→夜→夜明け→昼間の様子が撮られてて、あとから家族全員で動画を見て、
“ウチの窓からは毎日こんな風景があるんだなぁ”と少し感動しました。
前編は、SSDに保存(6時間で約50GB)。コマ落ちがあるのか?確認するために撮影。
※室内から窓越しに撮影しているので、室内が映り込んでいます。
後編はWD Purpleを保存先に。16時間弱の動画もこなしてくれました。
結果、SSDでもコマ落ちはなかったのですが、前編の6時間で50GBとSSDには高負担な容量。
後編の1分35秒あたりからの月が落ちていく様子、夜明けの瞬間が撮れて感動したのはWD Purpleのようなハードディスクの恩恵を感じました。
ちなみに、これはカラスが横切った瞬間。
iPhoneのタイムラプス撮影でも最高1秒に2フレーム、Webカメラだと1秒に29フレームで記録できるので、こんなショットも逃しません!
定点カメラで撮影することに味をしめた私は、一度やってみたかった“花の開花までの定点撮影”を挑戦することに。
暖房を入れた部屋なら、チューリップの開花を定点撮影できるのではないかと。。
(一晩中暖房を入れるなんて、なんてエコじゃないレビューだ!と奥さんに怒られましたが。。)
スティックPCと三脚を使い、置時計で時間の経過を記録しながらの撮影です。
24時間超えの動画を1分にギュッとまとめてみました。
中央の蕾・画面上の花の成長、また夜は閉じ日中は開く花びらの植物の、
“生きている様(さま)”に、奥さんと少し感動しちゃいました。
こんなに簡単に、ドキュメンタリーを記録することができるのは、監視カメラ用のハードディスクがあってこそ!かもしれません。
10年後も安心して多くのデータを任せられそうなハードディスク
WD Purpleを2週間ほど使いましたが、高耐性・信頼性のハードディスクというのは、
目に見えない形で、ひっそりとユーザーに安心を与えてくれるもの。
正直なところ、現段階で“WD Purpleは非常に素晴らしい!”と結論を出すのは早いように思います。
私の自作PCには10年以上使い続けているハードディスクがあるのですが、当時それなりの高価格帯で750GBしか手が出せなかった覚えがあります。
パソコンを使って約20年間、数台壊れたハードディスクがあったのですが、今でもこのハードディスクはひっそり現役で活躍しています。
メインPCに組み込み、音楽・写真を保存して2,103時間稼働しているHitachiのUltrastar。
今回のレビューでは、WD Purpleを24時間録画の状態で使いましたが、きっちり保証内動作(24時間/365日)の中で、しかも容量を気にせずに使える!というのは非常に頼もしいと感じました。(デスクトップ用のハードディスクでも、24時間の書き込みは可能だと思いますが、続けるとハードディスクの寿命は縮むでしょう。)
本来の用途では、個人向け・小規模に監視カメラを複数台使うシステム用なのですが、
正直、一般ユーザーには需要は少ないように思えます。
私は、発熱も少なく音も静かで定点撮影を楽しむための良い相棒になりそうだと感じました。
NASやPCのデータの倉庫用にも向いているのでしょうが、私はアクティブに書き込みを24時間続けられるような用途で使ってあげたいな、、と。
レビューを通じて、そんな信頼性に応えてくれそうなWD Purpleに拍手を送ります。
新たなアイデアが生まれる、そんなハードディスクに育ててあげたいと感じました。
まこりんさん
2016/03/01
こういう使い方もいいですね。
チューリップ見続けるわけに行かないですもんね。
アストロマンティック☆さん
2016/03/02
コメントありがとうございます☆
“Webカメラで定点撮影(ある意味、監視カメラ?)したい!”
と、いろいろと考えてみたんです。
身近な光景の中に、普段見れないような表情?景色?が見れたのは良かったです。
自然っていいなぁと。
実はその中で、泣く泣くボツになった案がありまして。。
アリの巣作りの模様を定点撮影したかったのですが、冬のせいかアリが全く捕まらない!(笑)
キットまで用意したのに・・・レビュー期間中、アリ捕獲作戦も同時進行してました。
結局、アリではなく無しに。。。