レビューメディア「ジグソー」

正にデジタルハイエンドモニターという肩書にふさわしい高性能モニターです。

私はこれまで、DELL U2711というWQHD解像度(2,560x1,440pixel)のモニターを、2010年3月から使い続けてきました。

その前は、NANAOの17inch LCD(1,280x1,024)を2枚使ったデュアルディスプレイ環境でしたが、それを1枚にしたくて27inchモニターを使っていました。
ここ数年4Kモニターの低価格化も進み、そろそろ4Kモニターが欲しいなあ。と漠然と考えていました。

 

今回レビューさせて戴く、DELL Digital Hi-End 27 Monitor UP2715Kは、その4Kモニターを大幅に超える5K解像度(5,120x2,880pixel)です。


これまで使っていたWQHD解像度モニターと表示面積はほぼ同じなのに、縦横各々倍の解像度で面積比4倍の高解像度になっています。


WQHD解像度でFull HDの動画を見ても、多少余裕のある解像度を持っていたのですが、今回のモニターは、同じ比率で4K動画を表示できるのです。正に驚異の解像度です。

以前購入したDELL U2711もデジタルハイエンドシリーズのモニターで、Adobe RGBに対応したモニターでしたが、パッケージは茶段だったような気がします。
今回の、DELL UP2715Kは、白いパッケージでした。
最近のモニターのパッケージは、結構薄いのですが、このモニターは、やや厚めになっています。

ハイエンドモデルのためか、多彩なケーブルが付属しています。

ハイエンドモニターにふさわしく、必要なケーブルは全て付いています。
フルサイズのディスプレイポートケーブル1組(5K表示には2本必要),フルサイズディスプレイポート-ミニディスプレイポートケーブル1組(5K用),ミニディスプレイポートケーブル1本(4K用),USB 3.0アップストリーム用ケーブル。
その他、モニタースタンドと端子カバー,マニュアル類,ドライバー類の入ったCD-ROM,クリーニングクロスが付いています。
また、出荷時に、1台づつ測定した、カラーキャリブレーションレポートも同梱されていました。(DELL U2711にも付いていました)

液晶モニターのフロントパネルは、額縁と一体で面一のデザインです。
仕様には、アンチグレアおよび3Hハードコーティング処理と記載されていますが、ノングレア処理ではないので、明るい窓等があるとスクリーンに映り込みます。映り込みが若干ボケて映り込むので、アンチグレアというのでしょう。
お仕事で使われる場合、環境光を含め検討する必要があると思います。私の場合、昼間に使うのは休日のみなので気になりません。
これまで、ノングレア処理のモニターだったので、慣れていないこともありますが、アンチグレア処理のモニターは、IPS液晶ということも相まって、色の抜けが素晴らしく良いです。
くすんだ感じが一切ないので、写真を見ていても気持ちが良いです。
また、フロントパネル側に、スイッチやLED標示、画面表示以外のものが一切表示されていないのも、きっとデザイナーのこだわりではないでしょうか?
液晶表示以外の余計な光源が目に入らないのは好感が持てます。

また、このモニターは、液晶を縦位置に回転させることができます。

27インチ5Kモニターを使って縦位置でWEBを見ても視線移動で疲れそうですが、デジタルサイネージ等に使うのであれば、高解像度であることを活かした精細な広告が表示できるのではないでしょうか。
縦横それぞれに固定した状態から、左右に45度モニターを回転させることができます。
また、上下にも+21度,-5度傾斜でき、モニター自体が、最大11.5cm上下に移動します。

電源スイッチや入力切替スイッチは、画面に向かって右側面にあります。
正面からは見ることのできない電源スイッチに、凝った白LEDのインジケーターがあるのも高級感があり好感が持てます。
電源スイッチから少し間隔をあけて4つのボタンがあり、スピーカーのボリューム調整や入力の切替え更にモニターのセッティングができます。

サイドにある4つのボタンのどれを押せばよいか、オンスクリーンで表示されるので、ボタンが見えなくても操作に困ることはありません。
特に私の場合は、これまで使っていたDELL U2711の同様のインターフェイスだったこともあり、違和感なく使うことができました。

左側面には、マルチカードリーダーが搭載されていて、SDカード,メモリスティック,マルチメディアカードの読み書きができます。
今回のモニターは、PCとUSB 3.0で接続されているので、高速読み書きが可能なのではないかと思い、SanDisk SDカード Extream Proを使って、DuskMarkを走らせてみました。


SanDisk Extream Proのスペック通りの速度が出ています。UHS-I対応のカードリーダーです。
これまで使っていた、DELL U2711では、USB 2.0接続で、速度も出ていませんでしたが、これだけの速度ができるので、高画素デジカメや、高ビットレートで記録した業務用ビデオカメラのデータも、ストレスなく読み込めそうです。

DELL UP2715Kは、5Kモニターということもあり、入力は、ディスプレイポートのみとなっています。
ディスプレイポートの仕様としては、最大4K迄なので、ディスプレイポート1ポート当たり2,560x2,880pixelの画面を2つ使って5,120x2,880pixelの解像度を実現しています。
従って、本モニターには、フルサイズのディスプレイポートが2つ付いていますが、2つのディスプレイポートを使って、1入力となります。
更に、ミニディスプレイポートが一つあり、この端子にPCをつないだ場合は、最大解像度が4K(3,840x2,160pixel)迄となってしまいます。


その他に、USB 3.0のアップストリーム(PC接続)コネクターと、ダウンストリーム 5箇所あります。
ダウンストリームの中で、端子面ではなく、モニター背面に1つ付いているUSB 3.0端子は、充電対応になっています。
モニターについているUSB端子は、キーボード/マウス用というイメージが強かったのですが、今回は、ディスプレイ背面のUSB端子から、USB 3,0のAタイプ,micro Aタイプ,micro Bタイプ,mini USB(USB 2.0)のケーブルを挿し、モニター前面に端子を持ってきました。
こうすることで、簡単にポータブルHDD/SSDを繋ぐことができます。

DELL UP2715Kには、コネクターカバーも付いています。
背面もきっちりデザインされていて、ハイエンドモニターにふさわしいフォルムになります。

今回のレビュー選出通知を、私は偶然秋葉原で受け取りました。
ZOA秋葉原本店が3月一杯で閉店するとのことで、何かお買い得商品でもないかな?と思い、仕事帰りに秋葉原に降り立った時に選出を知ったのです。


レビューにエントリーした時に、5Kモニターに選出されたら、ディスプレイポートを2つ搭載したグラフィックボードを持っていないので、グラフィックボードを新調しなければならないのは覚悟していましたので、早速秋葉原駅近くのDELLのショールームに行きました。
ショールームでは、XeonサーバーにAMDのFirePro W7000を搭載していました。
ショールームの方とお話ししたのですが、私の場合は、現状、nVIDIA GeForce GTX TITANを使っていて、自宅でCADを使うことはなく、photoshop,illusutrator,premiere,aftereffectの利用がメインであることを伝えると、Quadro 2200でも5Kの表示は可能だが、photoshopのフィルターを掛けたりすると、現状のWQHD環境から5Kになるだけでもグラフィックへの負荷が高くなるので、もたつくのではないかと云われました。なるべく良い(=高価な)ボードをお使い下さいとのこと。


丁度、TUKUMOでELAS製グラフィックボード10% OFFのセールをしていたので、Quadro K4200を購入しました。

私の場合、動画エンコード時にCUDAプロセッサーを利用するアプリを使っていることもあり、nVIDIA製のボードとしました。
PCに搭載していた、GeForce GTX TITANを外して、Quadro K4200を繋ぐと、すんなり画面表示を行うことはできましたが、念のため、Quadro K4200用のドライバーをダウンロードしてインストールしました。

現状の、DisplayPort 1.2の仕様では、5K環境を構築するには、ディスプレイポートケーブルを2本使つ必要があります。
モニター付属のマニュアル通り、モニターのDP1端子に、グラフィックボードのプライマリーディスプレイポートを繋ぎ、DP2端子にセカンダリーのディスプレイポートを繋ぎます。
モニターに付属のペアリングされたディスプレイポートケーブルには、プライマリー用に青いマーキングが付いていました。
私がこれまで使ってきたディスプレイポートケーブルは、ロック機構が付いていたのですが、モニター付属のケーブルにはロック機構は付いていませんでした。
Quadro K4200のドライバーをインストールしてWindowsを再起動すると、5K環境で表示することができました。
Windows 7から、Windowsは、HiDPIに対応しているはずなのですが、5K環境でも100%表示です。私の場合、Windows 8.1 Pro update x64環境なので、問題ないはずなのですが…

これでは、アイコンや文字が、従来の1/4サイズとなってしまい、とても使える代物ではありません。
リンク画像は、5KをFull HDに縮小してあります。ダウンロードして、Full HD画像として壁紙に設定してみると、アイコンがどの位小さいか確認できます。
そういえは、U2711(WQHD)でも、似たようなことがありました。ディスプレイのドライバーをインストールする必要があるのです。
ディスプレイ付属のCR-ROMから、ディスプレイのドライバーをインストールして再起動すると、無事HiDPI対応の動作となり、使いやすいメニューやフォントのサイズが自動設定されました。

ブラウザーを立ち上げてみると、ステータスバーに200%と表示されています。
従来通り、ブラウザーで100%表示にして、画面一杯ZIGSOWのページを広げてみました。ZIGSOWのページを開いて、横スクロールバーが出ないところに横幅を設定して画面上に並べてみました。

解像度が半端でないことがお分かりいただけるのではないでしょうか?
ちなみに、HiDPI環境でも、Excelを画面一杯広げると、縦80行、横AL(38列)です。老眼気味の私には、使い物にはなりませんが100%表示では、縦111行、横BX(71列)まで表示されます。

最近のアプリケーションは、HiDPI対応のものが多いため、意識した表示を行わせない限り、画面が高解像度で綺麗になっているものの、従来と変わらないインターフェイスで使えるのです。
この5K環境を構築したPCは、
CPU Core i7 4790K
GPU ELSA Quadro K4200
メモリ DDR3-2400 8GBx4
SSD Samsung Ultra M.2 512GB
HDD HGST 4TBx2(RAID-0),TOSHIBA 3TBx2(RAID-0)
マザー AsRock Z97 Extream 9
電源 ENERMAX 1,000W
です。

DELL UP2715Kには,Acoustics by harman/kardonというシルクプリントロゴにあるように、harman/kardon製16Wx2のスピーカーが内蔵されています。

モニターの底面のメッシュ奥にステレオスピーカーが内蔵されています。
モニターは、四方に向かって厚みが薄くなるシェイプデザインなのですが、意に反してしっかりした低音が出てきます。16Wx2とそこそこのアンプを背負っているので、ボリュームを上げても、歪むこともなく大迫力のサウンドが楽しめます。
ディスプレイポート経由でデジタル信号が入力され、ハイレゾ音楽も歪みやノイズ無く快適に再生できます。
私のモニターの設置環境が、モニターのすぐ後ろが壁面ということまあり、大音量で映画を見ると、低音がしっかり再生され、モニターのケースがビビったり、スピーカーが割れたりすることなく、臨場感あふれて映画に没頭できます。
低域がしっかりしているので、音のバランスが良く、長時間聴いても疲れない、ハイファイ音が楽しめます。
これまで、PCでは、ヘッドフォンを挿して音楽を聴いたりすることが多かったのですが、モニターにスピーカーが内蔵されていると、ヘッドフォンをかぶるわずらわしさがないので、このレビューを書いている時も、radiko.jpでラジオを聴きながら書いています。
また、動画を編集する際に、二つのストリームを音でシンクロさせたりする際にも、ヘッドフォンなしでできるので、快適で便利です。
プレゼンテーションやデジタルサイネージの利用時にも、音のインパクトというのは非常に重要なので、アンプ内蔵スピーカーの搭載はありがたいと思います。
しかし、このモニターを職場で使う際には、職場で音楽を流すわけにもいかないので、内蔵アンプを活かす意味でも、モニターにヘッドフォン端子が欲しかったです。

個人的には、これこそが、5K最大の魅力ではないかと思います。
私の環境では、RAWデータの現像アプリ(Nikon CaptureNX2,SONY Image Data Converter),加工アプリ(Adobe photoshop CC),プリンター(EPSON PX-5V)全て、カラースペースは、Adobe RGBに合わせてあります。当然表示と印刷のイメージを合わせるために、モニター(DELL U2711)もAdobe RGBのカラースペースに合わせてありました。
今回の、DELL UP2715KもAdobe RGBのカラースペースに合わせることができ、環境をそのまま移行することができました。

DELL UP2715Kには、オプションで、X-Rite i1Display Proというモニターのカラーマネージメントシステムが設定されているのですが、私は、datacolor社のSpyder 3 Studio SRという、画面とプリンターの色校正が可能なカラーマネージメントシステムを持っているので、DELL UP2715KのカラースペースをAdobe RGBに合わせたのちに、画面のキャリブレーションを行ってみました。
このモニターは、出荷時に1台毎にsRGBとAdobe RGBのキャリブレーションが行われ、その報告書(カラーキャリブレーションレポート)が付属しているのですが、どの位異なるか試してみました。

このアプリケーションは、キャリブレーション終了後に、補正の前後の画像比較がモニター上でできるのですが、今回は、オリジナルと補正後で切り替えても差を認識することができませんでした。
それだけ、プリセットがきちんとAdobe RGBに合わせてあったことになります。
モニターのキャリブレーションも済んだので、従来のWQHD(2,560x1,440)環境との差を見て行きたいと思います。
今回用意したグラフィックボード Quadro K4200には、2つのディスプレイポート以外に、DualLinkに対応したDVI端子も付いているので、DELL UP2715K+U2711という解像度の異なったデュアルディスプレイ環境を構築してみました。
パッと見、同じ27インチモニターですし、5KモニターもOSがHiDPI対応のため、表示される文字の大きさも変わらないのですが、ディスプレイの解像度を見てみると、5Kモニターは、WQHDの4倍もの面積があるのです。

まず、Adobe photoshop CCを使って、旧モニター U2711(2,560x1,440)上で、全画面表示にし、着物姿の写真を100%スケールで表示してみました。
この画像は、Nikon D800Eで撮影したもので、4,912x7,360pixel 約3,600万画素あります。
これにより、撮影したデータの1ドットが、画面上の1ドットに対応するのです。

これと同じ写真を、今度はUP2715K上で、全画面表示してみました。

百聞は一見に如かず。これほどの差が出るとは思ってもみませんでした。
UP2715Kを使うことにより、大幅に表示エリアを拡大することができるので、細かな補正を行ったりする作業の作業効率が格段に向上します。
この写真は、縦位置での撮影なのですが、UP2715Kでは、横幅はほぼ全体を表示できています。
幸いなことに、Adobe photoshopが、Quadro K4200のパフォーマンスを充分に使えることで、4倍のデータを表示しているにも拘らず、これまで通りの快適さで編集を行うことができます。
また、SONY Cyber-shot RX-100で撮影した、5,472x3,648pixel 約2,000万画素のRAWデータを、SONY Image Data Converterというアプリで、同じく100%表示させてみました。

こちらは、全体の約7割程の画像が100%表示で一覧できます。
全体の色を見ながら現像できるので、スクロール回数も減り、作業効率は格段に向上します。
これまでは、部分的に100%表示させて、その限られた範囲内で色の補正や修正を行い、縮小して全体を見てバランスを取ったりの繰り返しでしたが、このモニターであれば、わずかにスクロールするだけで、全体が見渡せます。
UP2715Kという高解像度モニターは、このような使い方が、最も相応しいのではないかと思います。
WYSIWYG(ウィジウィグ:What You See Is What You Get)といわれて久しいですが、ちゃんとカラーマネージメントされたモニターを使って、画像を効率良く編集し、カラーマネージメントされたプリンターに出力する。という一連の作業がストレスなく行える大変魅力的なモニターです。
これまでも、Full HDのモニターをマルチモニターとして仮想的に解像度を確保する手段はありましたが、モニター毎の色のばらつきがあったり、モニター額縁が邪魔して作業効率があがらなかったりしていましたが、UP2715Kであれば、かなり作業効率を上げられると思います。
従来のノングレアモニターと比較して、色の抜けが素晴らしいので、より印刷物に近いイメージを表現することができます。
写真データ同様、動画の編集に置いても、画面上に表示させるモニター画像は、全体を映しながら、細かな作業になると、表示を100%に切り替えて、オバーラップの位置合わせをしたりしていましたが、このモニターを使えば、Full HDの動画編集に置いて、画面上で100%の表示を行っても、タイムラインやエフェクト等の操作画面表示を犠牲にせずに済みます。

上記は、Adobe Premiere CCを使って、Full HD動画編集を行う際に、動画のモニターを100%表示させたものです。
桜の画像が、5K環境の中でFull HDを100%の大きさで表示させたものです。
Full HDを表示しても、高解像度のモニターがあれば、動画編集に置いても、各段に作業効率が上がるのではないでしょうか?
従来であれば、一つの画面で編集作業を行いながら、別モニターで出力を確認したりしていたのですが、UP2715Kは、NTSCのカラー信号も100%カバーできているので、確認用モニターとしても使えるのではないかと思います。

これまでのWQHD解像度の環境で、Full HDの画像を見る感覚で、4K画像を見ることができます。
私の自宅の環境では、モニターから約70cm離れたところから4K動画見てみましたが、やはり驚異の解像度です。
映画の予告編やデモンストレーション用として入手可能な4K画像を20本ほど見てみましたが、まるで、静止画が動いているかのように見えます。
このモニターは、5K 60fpsで、応答時間も8msと高速なため、高速なアクションシーンのある映画でも非常に鮮明に見ることができました。
4K画像を、100%表示しても、まだ余裕の広さです。

参考までに、4K画像のスクリーンキャプチャーを縮小せずに掲載します。(ファイルサイズが2MB強あります << 注意!)

この画像をは、DCI 4Kという規格なので、横が4,096pixelあります。
一般的な、UHDTV 4K(3,840x2,160)より大きな画像なので、一般的な4Kモニターでも100%表示はできません。
上記静止画をPC画面で100%表示して頂けるとわかりますが、この静止画が滑らかに動くのです。
正に驚異だと思います。これまで、家電量販店で4Kテレビのデモンストレーションなどを見てきましたが、60inchのテレビで見る4Kより、目から70cm先の27inchモニターで見る4Kのほうが遥かにインパクトがありました。
2016年には、8Kの実験放送が始まることを考えると、恐ろしくなります。(女優さんはかわいそうです)
4Kでも、フルHD動画4本を同時に処理できるだけのパフォーマンスが必要なのに、8Kではさらに4倍のパフォーマンスが必要になります。


高解像度の動画を編集したりする場合、H.265 HEVCという更に高圧縮なコーデックのサポートが必要で、それなりに再生するにもパフォーマンスが必要になってきます。
モニターはどこまで進化するのか楽しみです。

UP2715Kには、5K用の2つのディスプレイポート以外に、1本のミニディスプレイポート入力端子も備わっています。
そこで、自宅にある他の機器もつないでみることにしました。
比較的最近購入した、GIGABYTEのベアボーンキットで、Core i7 4770Rという インテル Iris Pro 5200という高性能グラフィックスを搭載したCPUを搭載していて、ミニディスプレイポート出力を持っています。


次に、Core i7 4770Kを搭載したデスクトップPCで、マザーボードのディスプレイポートからインテルHDグラフィックスを使って接続してみました。

いずれのPCも、4Kモニターとしてきちんと表示が可能でっした。
最後に、Surface Pro 3のミニディスプレイポートを、UP2715Kに繋いでみたところ、WQHD解像度でしか接続できませんでした。

これは、Surface Pro 3に搭載されているディスプレイポートのバージョンが、1.1のため、WQHD解像度までしかサポートしていないためだと思います。
ディスプレイポートも、1.3になると、ケーブル1本で5K解像度が接続できるようになるので、次期Surface Proに期待です。

約10日程モニターを使ってきましたが、高解像度モニターの使い勝手にまだ戸惑っています。
Windows 8.1 Proや、使っているアプリケーションが、基本的にHiDPI対応であるが故に、これまでのWDHD解像度のモニターと基本的に表示されるテキストの大きさであったり、アプリのレイアウト画面が変わらないため、使い勝手はほとんど変わりません。(各段綺麗です)
しかし、画像関連ソフトだけは、まだ慣れていないのです。
今まで通りの大きさに見える画像が、実は4倍も大きいのです。
例えば、このレビューに使う画像をリサイズしようとして、レビューで表示できる最大横幅624ドットに画像を縮小しようと考えます。
photoshopのイメージから画面の解像度を横幅624ドットに指定すると、画面上は、従来見ていた1/4の大きさに表示されてしまうのです。
とても小さく、判読に苦慮してしまいます。勿論、その画像をアップして、ブラウザーで見てみると、ブラウザー側で200%に拡大しているので、今まで通り見えるのです。
スクリーンキャプチャーも同じです。
何気にWindows+PrintScreenボタンを押すと、5,120x2,880pixelという大きさの画像が生成され、その中から必要な部分を切りだすと、じつはアプリ側で200%に表示されているので、今までよりとても大きな画像になっているのです。
この辺りは、まだ慣れが必要な部分です。
また、当初は、一生懸命マウスを動かしていました。マウスも解像度を挙げないと、従来の動きでは、画面上で少ししか移動しないのです。
コントロールパネルでマウスの設定を行いましたが、従来と同じ感覚にするまで試行錯誤を繰り返しました。
高解像度モニターというのは、それだけでPCに対する負荷が大きくなることを実感しました。
扱う画像も4倍(フルHDの7倍以上)大きいので、表示するにも加工するにも、保存するにも負荷が掛かります。
特に、現状では、nVIDIAのQuadroという、ワークステーション向けのグラフィックボードを要求することや、モニターの再販価格を考慮すると、普及にはもう少し時間が必要だと感じました。

ディスプレイポート 1.3が一般的になれば、1本のディスプレイポートで5K表示も可能になるので、民生用グラフィックボードでも使えるようになるのではないかと思います。

 

それにしてもこのUP2715Kという5Kモニターの画質の良さ、解像度の高さには驚かされました。
正に、デジタルハイエンドモニターというにふさわしい性能を持ったモニターです。
5Kモニターであれば、34inch~40inch位でも良いのかもしれません。
また、このモニターは、3年間の品質保証と、ドット欠け保障が付いています。
1ドットでも輝点/黒点があれば、交換してくれるのです。
業務用として使われる方には、ありがたい保障だと思います。
また、同じ27inch LCDモニターのU2711と比較して、各段発熱が少ないのも素晴らしいと思いました。
蛍光管 VS LEDという光源の違いも大きいと覆いますが、5Kなのに発熱が少ないのはとても良い事です。

 

しかし、モニターとして改善して欲しい部分も幾つかあります。

 

一番の改善要望点は、モニターの切替えです。
モニターの入力を5Kと4Kに切り替えたとき、若しくはモニターの電源を切った時、このモニターは、PCに対して、モニターが切り離されたことを通知するみたいです。
どうなるかというと、4Kから5Kに戻った先に、アプリがVGAサイズになっているのです。

上記スクリーンキャプチャーは、画面の右半分にレイアウトしていたAdobe Photoshop CC 2014を表示したまま、入力切替で、ミニディスプレイポート側に一旦切り替えたのち、再び5K側に入力を戻した時のものです。

Photoshopが、左上部にVGAサイズで表示されてしまいます。
これを回避するためには、モニターの入力を切り替える度に、全てのアプリケーションを終了しておく必要があります。
電源を切るときも同じです。
2011年3月11日以降、会社では、昼休みに照明の消灯及びモニターの電源OFFは当たり前のように実施しています。
こんな時、毎回アプリの全終了をしていたら効率が悪化するばかりです。
モニターの入力切替ですらVGAに戻るので、家では、基本的にPCをシャットダウンするか、Windows+Lで画面をロックした状態で席を離れます。(ロック画面の焼き付きが心配)
トイレに行ったり、コーヒーを淹れたりするだけでも毎回アプリの全終了はとても不便で、是非改善して欲しい部分です。
WQHD解像度のモニターではこんな事は起きなかったのに不思議です。

 

次の改善要望点は、4K解像度のモニター表示です。
当然といえば当然ですが、5Kモニターに4K画像を拡大表示するので、表示が甘くなります。

上記データは、UP2715K上で、5K及び4K表示させてWindowsの電卓アプリのクリアボタンをマクロ撮影したものです。

贅沢な悩みかもしれませんが、5Kの解像度の高さが素晴らしいが故に4K表示時の甘さが気になってしまいます。

 

UP2715Kのメニューで、ドット・バイ・ドットでの表示を行うように設定できるので、表示エリアを狭くすれば、218dpiの解像度の4Kを表示できます。

計算上は、27inchモニターの中心部に20inch程度のモニターを表示することになってしまいます。


実は、リモートデスクトップで、これ等の4K接続PCにアクセスすると、5Kで表示にすることができます。
しかし、5K解像度のデスクトップをイーサネット経由でコントロールするのはレスポンスが悪化し、辛いものがあります。

 

最後の改善要望点は、入力の少なさです。
UP2715Kは、5Kが1系統,4Kが1系統の2入力しかありません。
まだまだ高額なモニターなので、5K入力及び4K入力があと1系統づつ欲しいと思いました。
まだ、世の中でディスプレイポートのディスプレイ切替器が一般的ではなく、ATEN辺りで発売されているものも、とても高額です。
今更アナログの入力は要りませんが、HDMI 2.0の入力が1系統でもあると、家電のブルーレイレコダーが4Kアップコンバートしている機種もあるので観てみたいと思いました。

コメント (6)

  • cybercatさん

    2015/03/23

    素晴らしく高性能なようですね。
    >まるで、静止画が動いているかのように見えます。
    反応速度もよく、目も疲れなさそうですね。

    縦位置でも使えるとは驚きました。
    ぜひ一度じかに見てみたい機種ですねー。
  • Picardさん

    2015/03/23

    cybercat さん コメントありがとうございます。

    初物は、色々ありますが、ディスプレイ機能として、素晴らしいです。
    お近くのDELLショールームに展示がアルかも。
  • jakeさん

    2015/03/23

    素晴らしいというか凄まじいですね。
他3件のコメントを表示

ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。

YouTube の動画を挿入

YouTube の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ニコニコ動画の動画を挿入

ニコニコ動画の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ZIGSOWリンク挿入

検索対象とキーワードを入力してください

    外部リンクを挿入

    リンク先の URL とタイトルを入力してください

    URL を正しく入力してください。

    画像を挿入(最大サイズ20MB)

    画像を選択してください

    ファイルサイズが20MBを超えています

    別の画像を追加

    ZIGSOW にログイン

    ZIGSOW会員登録(無料)はこちらから