レビューメディア「ジグソー」

より速く、より省電力に!次世代CPUに相応しいDDR4メモリ(;=゚ω゚)=333

IntelがHaswell-Eプラットフォームで次世代メモリ規格であるDDR4が採用されました。これにより市場にも品薄ながらDDR4を見かけるようになってきました。

そんな中、今回レビューさせていただくのが、
このCrucial(Micron製)のDD4メモリ「CT4G4DFS8213」である。


■主な仕様
【規格】DDR4-2133
【バンド幅】17GB/s
【容量】4GB
【電圧】1.2V(但し別途2.5Vが必要)
【ピン数】288pin
※レビュー品は4GB×4枚で合計16GBとなります。


■概要
DDR4はDDR3の後継にあたるメモリの規格です。

より、高速になり、駆動電圧の低減により省電力化されています。

 

メモリの電圧は1.2Vとなっている。これは従来のDDR3の1.5Vよりも低くなっており省電力化と高速化に貢献している。(但し、別途2.5Vも必要)

PCのメモリモジュールは世代が進むに連れ、ピン数が増えていく傾向にある。

昔はたった30pinのSIMMと呼ばれるモジュールを使っていたのだが、DDR3世代では240pinとなっていた。このDDR4世代でもピン数が増加しており288pinとなっている。SDRAM以降はモジュール(プリント基板)の長さが同じ為、pin同士のピッチは狭くなっている。

1枚あたりのバンド幅は17GB/sであり、LGA2011v3で使用する場合は最大4chで使用できる為、17GB×4=68GB/sと凄まじい速度となる。

マザーボードの仕様を見る限り、DDR4では1枚16GBのメモリモジュールが想定されており、メモリソケットが8基搭載されているLGA2011v3のマザーを使用することによって、実に128GBのものメインメモリを搭載することが可能となる。


■外観
新しくなったメモリの外観を見てみましょう。

簡易的なブリスターパッケージに収められています。
私としては同社のリテールのメモリは初めてです。
同社のバルク品のメモリは市販のパソコン等に良く組み込まれているのを見かけますが・・・



これがDDR4のメモリモジュールです。


基板の形が特徴的で、接点部分の形状が真っ直ぐではありません。
中央付近の幅が太く、両端に向かう程細くなっていますね。

真ん中にはSPD用のEEPROMと思われるチップが見られます。それを除けば表面実装の抵抗アレイやセラミックコンデンサが散りばめられているといった印象です。


メモリの裏側。
片面実装なので何もありません・・・




■組み込んで使用してみる
マシンに組み込んでみましょう。
今回はCorei7-5960XとASUSのX99 DELUXEマザーを使用しました。
マシンの構成などの詳細は以下のCorei7-5960Xのレビューをご覧ください。



まずはメモリを挿します。
挿し方は従来のメモリと同じで、ソケットの凸部を見てメモリの向きを確認して挿して、メモリソケットの両端のラッチがモジュールの切り欠きに入ればOKです。但し、LGA2011v3マザーではメモリの挿す箇所が決められている場合がありますのでマニュアル等でよく確認しておきましょう。



他の部品も組んで起動させてみます。



無事にUEFIが起動し、メモリの項目を見てみます。
4枚とも無事に認識しています。



安全の為、MEMTEST86+をかけておきましょう。
(いつの間にかMEMTEST86+ってPASSMARKの管理下にあるようですね)
http://www.memtest86.com/

昔はBIOSの画面のように背景が青だったのですが、結構変わりましたね。


4Passですが、エラーも無く無事に完走しました。(画面は3Pass目のものです)

これだけで約5時間かかりました・・・

その後、Windows7のインストールし、サービスパック及びWindowsUpdateと最新のドライバの適用を行い、レビューの為に様々なベンチマークを走らせましたが、メモリが原因と思われるエラーや不安定な症状は一切無く非常に安定していました。

CPU-ZのメモリとSPDタブの画面

CPU-Z「メモリ」
CPU-Z「メモリ」

 

CPU-Z「SPD」
CPU-Z「SPD」



CrystalMark2004R3でメモリの転送速度を見てみました。
Readで49.5GB/s、Writeで42.5GB/s程度の速度が出ています。

 

Sandra2014_SP1aでは46.58GB/sになりました。



登場したばかりのDDR4ですが、Corei7-5960XとX99 DELUXEの組み合わせでは非常に安定していると言えるでしょう。


■メモリのオーバークロック
これについてはマザーボード側のレビューで行いました。
と言うのも、ASUSのX99 DELUXEにはメモリの電圧を上げなくてもオーバークロックしやすいという謳い文句があるからです。

結論から言うと、電圧を上げずともDDR4-2133MHz→DDR4-2400MHzとして動作させることができました。つまり、それ以上の動作マージンがあるメモリと考えることができます。


■総評
CrucialのDD4メモリ「CT4G4DFS8213」は、今回のCorei7-5960XとX99 DELUXEとの環境で非常に安定して動作していました。

正直、登場したばかりのDDR4という規格であることや、CPUやチップセットも初物であり、相性問題がシビアだと言われるクアッドチャネルで動作させることもあり、不安もあったのだが全く問題なく動作していました。

このメモリはヒートシンクもなく飾り気もありませんが、DDR4メモリの中では実売価格が安く、自作PCをはじめ、ショップブランドPC等に採用されていくものだと思います。

ただ、ハイエンドプラットフォームであるLGA2011v3の環境で使うなら、4GBではなく8GBのモジュールを8枚載せるくらいの意気込みで組みたいところですね(笑)

現在はハイエンドプラットフォームのみでの採用ですが、近い将来、メインストリームにまで降りてくるものだと期待しています。


■おまけ ~メモリモジュールの歴史~
メモリはどうしても他のレビューに比べると書くことが無い。 進化が早くその歴史を知らない方も多いと思われるので、手持ちのもので紹介しておきましょう(笑)



30ピン SIMM
容量:256KB~4MB、ピン数:30pin、電圧:+5V、世代:486前期
Pentiumの前身である486の初期頃に使われていたメモリで、バスが8bitの為、1バンクあたり4枚毎に増設する必要があった。この頃のマザーはメモリソケットが8基あるのが標準的でした。リアルタイムで使っていた頃は1枚の容量は256KB~1MBまででそれ以上のものは見る機会がありませんでした。



72pin SIMM
容量:4MB~64MB、ピン数:72pin、電圧:+5V、世代:486後期~Pentium初期
Windows95が流行した頃に主流だったメモリ。メモリバスが32bitであり、486なら1枚、Pentiumなら2枚ずつ増設する必要があった。FP(ファーストページ)、パリティ付、EDO有無,
70ns/60ns品など結構種類が多くてややこしかった思い出があります。一般的に4MB~32MBのモジュールがよく使われました。



SDRAM
容量:16MB~512MB、ピン数:168pin、電圧:+3.3V、世代:Pentium中期~Pentium4初期
非常に長い間お世話になったメモリであり、Windows95後期からXPの初期あたりまで君臨していました。メモリバスが64bitとなり1枚ずつ柔軟に増設することができました。この時代のメモリは相性問題が非常に少なくノーブランド品上等!な気分でした。新しいもの好きだった当事のマニアな方はSDRAM初期の2クロック品に泣かされた方も多いのでは?



RDRAM
容量:64MB~256MB、ピン数:184pin、電圧:+2.5V、世代:PentiumⅢ、Pentium4初期
ゲーム機のニンテンドー64等に採用された超高速だったRAMBUS社のメモリ。空きスロットには終端抵抗に相当するターミネートモジュールを挿す必要がある。当時インテルがゴリ押ししていたのですが、価格が非常に高く当時128MBでローエンドPC本体が買えてしまうほどだった為、あまり普及しませんでした。初期のPentium4にはこのRDRAMが2枚バンドルされて販売されていることもありました。



DDR-SDRAM(DDR1)
容量:128MB~1GB、ピン数:184pin、電圧:+2.5V、世代:PentiumⅢ末期~Pentium4末期
当時、RDRAMに対抗する規格で、電圧の立ち上がりに加え、立下りのエッジでもデータを出力することによりピーク時に2倍の転送速度を実現したメモリです。RDRAMよりも価格が安くこちらの方が普及しました。インテルもPentium4用のチップセットであるi845Gでサポートするようになりました。



DDR2-SDRAM(DDR2)
容量:256MB~4GB、ピン数:240pin、電圧:+1.8V、世代:PentiumD~Core2
高速化、低電圧化したDDRメモリの後継規格。インテルのチップセットとしては900番台以降で対応している。この頃にはデュアルチャネルアクセスが当たり前のようになっており、ノーブランドのメモリや異種メモリを混載すると相性に泣かされるようになりました。



DDR3-SDRAM(DDR3)
容量:1GB~8GB、ピン数:240pin、電圧:+1.5V、世代:Core2末期~第4世代Corei
2014年9月現在主流のメモリ。DDR2を高速化、低電圧化したもの。インテルではCoreiシリーズが登場して以来、本格的に採用されるようになった。登場した頃は円高で4GB×2枚セットで3000円を切ることも多かったのだが、今現在はその倍以上の価格になっていたりします・・・



※注:容量や電圧等、上記に記載した以外の仕様も存在します。

 

そして数年先にはDDR5とか出てくるんでしょうね。メモリの進化も止まることを知りませんね。

 

 

■更新履歴■

2014.9.16:SDRAMの写真が間違っていたので修正

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • ちばとどさん

    2014/09/16

    >メモリモジュールの歴史
    メモリの図鑑みたいですね。全部使っていたはずなのに、忘れちゃってます。
  • ふっけんさん

    2014/09/16

    ちばとどさん

    実際にはPC-98の独自型メモリや変な容量のDIMM、SDRAM型のEDORAMなどキワモノも多かったですw RIMMも特殊なタイプがあったはず・・・
    一部の変態マザーは接点のめっきの材質まで指定してくるものもありましたw
    やはり、メモリはメジャーな規格が一番良いです(^^;

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