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データセンター向け製品のDNAを受け継ぐ高速・堅牢なSSD


intelより先日発売になったSSD730は、久々のintel製コントローラー搭載のコンシューマ向けハイエンドSSDとなります。

この度、SSD730 480GBモデルを2台レビューする機会をいただけましたので、その特徴である堅牢設計と高速性について検証していきたいと思います。

 

 

■まずはスペックを確認


 

intel SSD730は240GBと480GBモデルの2つがラインナップされていますが、今回のレビュー対象品は480GBモデルとなりました。
こちらのモデルですが、今時のハイエンドSSDらしく、スペックも下記のようになっています。

 

容量:480 GB
コントローラー:PC29AS21CA0
シーケンシャル Read:550 MB/s
シーケンシャル Write:470 MB/s
ランダム4K Read:89,000 IOPS
ランダム4K Write:74,000 IOPS
保証書込容量 (TBW):127 TB(70 GB/day/5Y)
NAND Flash:20nm MLC NAND
保証:5年

 

シーケンシャルWriteは470MB/sと控えめの数値ですが、シーケンシャルReadはSATA3のほぼ上限となる550MBを誇ります。
また、intel製のコントローラー搭載SSDらしくランダムアクセスにも強いのが特徴で、ランダム4Kの値はそれぞれRead:89,000IOPS、Write:74,000IOPSを誇ります。
さらに、姉妹モデルであるデータセンター向けのSSD DC S3500の特徴を受け継ぎ、アクセスタイムの短縮が図られています。
これについては後ほど詳しく検証していきたいと思います。

 

今回は、ベンチマークの比較対象として、
intel SSD320 120GB
intel SSD330 120GB
intel SSD520 120GB
SAMSUNG SSD840 120GB
SAMSUNG SSD840 Pro 256GB
を用意し、複数のベンチマークソフトを利用して検証していくことにしたいと思います。

 

 

比較対象SSDとのスペック一覧
※クリックで拡大します

 

 

■データセンター向けSSD DC S3500譲りの堅牢さ


 

SSD740は、intelがデータセンター向けにラインナップしているSSD DC S3500シリーズと基本的には同じ構造をしており、NANDおよびコントローラーのクロックアップによる動作速度改善により、動作速度を向上させた製品となっています。


コンシューマ向けSSDは、どちらかというと速度最優先で開発される製品が多く、SSD730のようにデータセンター向けのエンタープライズ製品の性能向上版をコンシューマ向けにラインナップすることは、比較的珍しいように思います。

SSD DC S3500ですが、さすがデータセンター向けということもあり、総書き込み容量(TBW)は480GBモデルで、なんと275TBを誇ります。

このDNAを受け継いだSSD730も他社製品とは一線を画す127TBというTBWを誇ります。
SSD DC S3500と比べると約半分に低下していますが、コンシューマ向けにチューンナップされたため、少なめの数値になっているものと思われます。
ただし、他社製品のTBWは20~36TBが一般的な数値ですので、SSD730 480GBは他社製品に比べて3.5~6倍も総書き込み容量が多い、高信頼性のSSDとなっています。

 

この127TBというTBWですが、どれくらいの量かというと、1日に70GBのデータを5年間、毎日書き込み続ける量に匹敵します。
他社製のSSDでは、1日あたりの容量は20GBあたりが多く、100TBを超えるTBWを誇るコンシューマ向けSSDというのは、ほかに聞いたことがありません。

実際にコンシューマユースでこの容量を書き込み続けることはほぼ皆無だと思いますので、実際の利用においてTBWの上限に達してしまうということは無いと言えると思います。
 

 

■各種SSD ベンチマーク比較


  

データセンター向けのSSD DC S3500 480GBモデルでは、シーケンシャル性能はRead 500MB/s、Write 410MB/sとなっていますが、コンシューマ向けにチューンナップされたSSD730 480GBでは、前述の通りそれぞれ550MB/s、470MB/sと1~2割弱も性能が引き上げられています。
実際に、どれくらいの性能を叩き出すのか、ベンチマークソフトを用いて測定してみました。

 

ベンチマークに使用したソフトは、下記の通りです。
AS SSD Benchmark
ATTO Benchmark
Crystal Disk Mark
※いずれも、執筆時点での最新版を使用しています。

 

また、SSD730は価格設定からも、エンスージアスト向けのSSDということもあり、旧モデルからの環境移行を考えていらっしゃる方も多いかと思います。
そこで、旧モデルを中心に、速度比較をおこなってみました。


今回は2台でのレビューとなりますので、SSD730単体のほか、2台でのRAID0構成と、もとがエンタープライズ向けのSSDということもあり、MegaRAID SAS 9264-8iでのベンチマーク結果も測定しています。
ただし、LSIのRAIDカードは、FastPathを追加しないと本領を発揮しない製品が多く、さらに今回計測を行っているRAIDカードは9260系の古い製品であるため、SSDの性能を100%引き出せていない可能性があることは注意が必要です。

 

 

・ベンチマーク環境

CPU:intel Core i7 4770K
マザー:ASUS Maximus VI Extreme(Z87)
メモリ:CORSAIR DOMINATOR DDR-3 1600 CL9
OS:Windows 8.1 Pro x64

 

・AS SSD:シーケンシャル性能

シーケンシャル性能は、SSD730 480GBがRead:495MB/s、Write:470MB/sという結果となり、Readは公称値まで達しなかったものの、優秀な値を示しました。
比較用の他のSSDと比べても、その高性能さが解ります。
RAID0環境では、キチッと倍ちかく値が伸び、それぞれRead:920MB/s、Write:907MB/sと、1GB/sまであと一歩のところまで数値を伸ばしています。


RAIDカードを使ったベンチマークでは、単体ではほぼ同程度のスコアをマークしていますが、RAID構成時にはReadが767MBとかなり値が低下してしまっているのが気になります。

SAMSUNGのSSD840 Proですが、なぜかRAID0構築時のスコアが528MB/sとなってしまっています。
ただし、CrystalDiskMarkでは正しいと思われるスコアが計測できていますので、このベンチマークソフトとの相性なのか、他に原因があるのかは不明となっております。

  

 

・AS SSD:4Kランダム性能

SSDの最大のメリットとも言える、ランダムアクセス時の性能比較です。

OSの起動時などは非常にランダムアクセスが多く、SSDに換装することで速度が劇的に改善します。
ランダムテストでは、SSD730 480GBがRead:28.14MB/s、Write:104.31MB/sで他の製品をぶっちぎって1位となっています。

SAMSUNGのハイエンドモデルであるSSD840 Pro 256GBは、スペック上ではintel SSD730 480GBを上回る数値ですが、わずかにSSD730 480GBには及ばない結果となっています。
 

 

・AS SSD:4Kランダム 64スレッド同時書き込み性能

4Kランダムテストを同時に64スレッド処理することにより、NCQ時の効果が確認できます。
実際の使用では様々なプロセスがディスクIOを使用するため、複数のリクエストが飛び交うことなり、個人的には割と実利用に近い感じになるのでは、と思います。
※ただ、64スレッドも同一に走ることは極端そうですが…

 

4K 64スレッドテストにおいてもSSD730の優秀さは抜きんでており、Read:347MB/s、Write:276MB/sとずば抜けた数値を叩き出しています。
ランダム性能はRAID構成においてもそれほど劇的には変化しないのですが、64スレッド時にはRAID0構成において、Read側が504MB/sまで値を伸ばす結果となりました。

好敵手ともいえるSAMSUNG SSD840 Proですが、ここでは単体ドライブではintel SSD730をわずかに上回るスコアを叩き出しています。

 

 

・AS SSD:アクセスタイム比較

アクセスタイムとは、主にランダムアクセスにおいてデータを取得するまでにかかる時間となります。
HDDの場合、回転する円盤にデータが保存されているため、欲しいタイミングでデータにアクセスできないと1週待つこととなり、アクセスタイムはかなり長い時間が必要となります。
回転寿司で、欲しいと思ったネタが目の前を通り過ぎてしまって、1週待たないといけない状態を想像していただければ、イメージがわかりやすいかな、と思います。


これに対し、SSDではディスクの回転といった物理的な動作が必要ないため、データが格納されているFlashメモリへすぐにアクセスすることが可能です。
ずらっとテーブルにネタが並んでいて、すぐに取れる状態というか、そんな感じです。
※アクセスタイムは値が小さい(グラフが短い)ほど有利となります。

 

HDDと比べると圧倒的に高速なSSDのアクセスタイムですが、最新のSSDでは0.1msを大きく割り込んでおり、SSD730ではRead/Write共に0.033msまで高速化されています。
RAID構成でも0.037msととても優秀な値となっています。


SandForce製コントローラーを採用している、一昔前の製品であるSSD330、SSD520ですが、こちらはアクセスタイムが0.13ms程度であり、シーケンシャル性能には強いのですが、圧縮アルゴリズム採用のためランダム性能やアクセスタイムに弱い特性が表れてしまっています。


SAMSUNGのSSD840 Proも優秀なスコアですが、読み込みは0.046秒となっており、intel SSD730の0.33秒がいかに圧倒的な数字かというのが解るかと思います。
  

 

・AS SSD:データ圧縮率別転送速度

 

SandForceなど一部のコントローラーでは、データをあらかじめ圧縮してから転送を行う方法を採用し、性能を向上させている製品があります。

これらのSSDでは、すべて0で埋まっているような圧縮率が高いデータでは良い性能が出る反面、ランダムな値では圧縮率が低下するため、性能も低下してしまいます。

 

AS SSDを使用すると、データの圧縮率別に転送速度を計測できますので、SSD730の挙動について確認してみました。

結果は、0%~100%まで全く変わらず、フラットなラインを描いています。

データの圧縮率に関係なく、常に100%の性能を発揮できることが確認できました。

 

 

・ATTO 8192KBデータ転送速度比較

 

ATTOベンチマークソフトは、データサイズごとの転送量を詳しく確認することができます。
グラフでは、最大値である8192KBのデータ転送時のグラフを確認してみることとします。

SSD730は、Readで552MB/s、Writeでも510MB/sといずれも公称値よりも高い値を叩き出しています。


RAID0における伸びも良く、Read:1,050MB/s、Write:1,008MB/sといずれも1000MB/sを超えてきました。
素直な性格で、RAID0構成においてもサクサクつかえるSSDかと思います。

SAMSUNG SSD840 Proとの比較ではほぼ同一のスコアとなっていますが、intel SSD730は微妙に読み込みが速いのに対し、SAMSUNG SSD840 Proは書き込みが速くなっています。
このあたりになると、SATA3のインターフェース速度の限界ともなりますので、あまり差が開かない結果となってしまっています。

 

 

・Crystal Disk Mark シーケンシャル速度比較

おなじみのCrytal Disk Markを使用して、ベンチマークを比較してみます。
SandForceを使用したSSDについては、圧縮の効く0Fillと圧縮が苦手なランダムの2種類のデータを測定しました。

 

シーケンシャル性能テストでは、公称値よりもやや遅めの、Read:463MB/s、Write:493MB/sという速度となりました。
RAIDカード使用時にもほとんど性能の差は見当たりません。
RAID0環境における性能の伸びはATTOほど良くなく、Read:813MB/s、Write:904.1MB/sという結果となっています。
とはいえ…Read/Write共に450MB/sを超える速度を叩き出しており、速度的に不満はまったくありません。

Crystal Disk MarkではSAMSUNGのSSD840 Proの性能の良さが際立つ結果となっており、RAID0構成時に唯一読み込みで1000MB/sの壁を突破することとなりました。

 

 

・Crystal Disk Mark ランダム512K 速度比較

 

ランダム512Kの測定では、0FillのSandForce系のSSDが良いスコアを出していますが、ランダムデータでは値がガクッと落ちますから、結果については割り引いて捉える必要があります。
SandForceの製品を除外するとSSD730は上位のスコアであり、さすがハイエンドといった感じです。

このテストでもSAMSUNG SSD840 Proの強さは変わらず、高速さが際立っています。

 

 

・Crystal Disk Mark ランダム4K 速度比較

SSD730の強さはランダム4Kでも発揮されており、Read:34MB/s、Write:121.7MB/sという値を叩き出しています。
SSD普及期の名作、SSD320もランダムに強いとされていましたが、こうやって比較すると進化を感じます。

SAMSUNG SSD840 Proとの比較においては単体時にはほぼ同スコアとなっており、IOPSのカタログスペックでは1割ほどSSD730のほうが低い数値ではあるものの、実際の利用場面ではほぼ変わらない速度を叩き出しています。

 

 

・Crystal Disk Mark ランダム4K QD32 速度比較

NCQの効果が確認出来る4K QD32でのテスト結果。

圧倒的な速度でSSD730とSAMSUNG SSD840 Proがぶっちぎっています。

RAID構成でも順当にスコアを伸ばしており、Read、Write共に470MB/s近い値を叩き出しています。

 

 

■超高速アクセスタイムはWindowsの起動時間比較に影響するのか


 

一通りベンチマークを計測したところで、実際に優秀なランダム性能および超高速アクセスタイムは実際の使用においてどれくらいの差が生じるのか、テストを行いました。

 

ベンチマークを計測したPCを使用し、BootRacerというWindowsの起動時間を計測するアプリケーションを使用して数値を計測します。

こちらのテストではそもそもWindows8自体の起動時間が短いことと、新規インストール直後に近い状態のため負荷があまりかからず、SSDによる差が少ないため、現在使用しているメインPCを使用し、intel SSD730 480GBのRAID0と、SAMSUNG SSD840 Pro 256GBのRAID0環境での差についても計測することとしました。

 

 

・Windows8起動速度比較

Windows8 Pro x64の起動速度については上記の様な結果となりました。
データ圧縮が効かないと速度が遅く、かつ圧縮アルゴリズムを採用しているためアクセスタイムが遅いSandForce系コントローラーを搭載したSSD330とSSD520が遅めのスコアとなっています。

SSD730 480GBはトータル28秒と、SAMSUNG SSD840 Pro 256GBにわずかに及ばない結果となっていますが、誤差程度という気もします。
もともとWindows8は高速起動が可能であり、SSDの差が出にくいとも思いますので、RAID環境での動作比較のため、メインPCのWindows7環境を利用して比較することにしました。

 

メインPCはアプリやハードウェアもいろいろと追加していますので、かなり起動に時間がかかります。

また、BootRacerの計測結果にばらつきがありましたので、合計5回の起動時間を計測し、最大値と最小値を除く3回のデータを平均した値で比較することとしました。

 

計測結果は、ログオン画面までの時間はわずかにSSD840 Proの方が高速ですが、起動したあとの処理は3秒もSSD730のほうが短縮されており、合計時間はSAMSUNG SSD840 Pro 256GB×2台のRAID0構成の46.57秒に対し、intel SSD730 480GBは45秒と1.57秒短縮される結果となりました。

 

ランダムアクセスについては、スペックではSAMSUNG SSD840 Pro 256GBのほうが優位であり、実際のベンチマーク結果はほぼトントン、ということを考えると、2/3程度に高速化されているアクセスタイムがスコアに影響を与えている可能性も考えられると思います。

 

 

■データセンター向け製品の遺伝子を受けつぐ高信頼性


 

様々なテストを通じて、ハイエンドSSDとしてふさわしいだけの高速性能、特にランダムにおける圧倒的な性能を確認することができました。

もともとintelのコントローラーはランダムに強い印象がありますが、今回もその名に恥じぬ?高速っぷりを遺憾なく発揮しています。
シーケンシャル、ランダムアクセスともに最高レベルの数値を叩き出しており、ハイエンドSSDと呼ぶにふさわしいスペックを備えています。

 

ただし、240GBモデルでは書き込みが470MB/sから270MB/sと大きく低下していますので、ハイエンドSSDとはかなり差が生じてしまいます。
この差を信頼性でカバーするのか、あるいは高速性を重視し他社のSSDにするのかは、SSDの使い方や重要視するポイントで変わってきますので、用途に応じて選択されると良いかなと思います。

 

SSD730の圧倒的なセールスポイントとしては、やはり120TBを超えるTBWでしょう。
これはなかなか他社で真似できる数値ではなく、エンタープライズ製品のDNAを受け継ぐSSD730だからこその特徴かと思います。

他社製品では保証期間こそ5年保証であっても、1日あたりの書き込み容量が20GBの製品が多く、20GB×365日×5年でも、36TB程度のTBWとなります。

1日あたり20GBもの容量を使い切ることもあまりないと思いますが、他社製品よりも3倍以上のデータ書き込み量を保証しているというのは、心理的にもかなり安心感があると言えます。
データセンター向けのSSD DC S3500のDNAを受け継ぐSSDとして、安心して使えるSSDかと思います。

 

 

■RAID0環境への既存Windowsの移行方法


 

現在使っているPCをSSD化するときに問題となるのが、HDDあるいはSSDから新規に購入したSSDへの環境移行方法。
最近ではフリーで使える便利なツールも多数ありますので、今回は私が良く使う方法をご紹介したいと思います。

 

 

・作業の前に…まずはバックアップ

 

念のため、OSの入ったドライブのバックアップを取っておくことをオススメします。
中のデータを複製するため、手順さえ間違えなければ中のデータが消えることはありませんが、万が一のことを考えるとバックアップは取っておくに超したことはありません。

 

 

・ドライブの使用量を事前にチェック

 

移行前のドライブの使用容量よりも、SSDの容量のほうが大きい必要があります。
これは、ドライブの総容量ではなく、実使用量となります。
たとえば、Cドライブに使用しているHDDが1TBで、使用量が400GBだった場合、SSD730 480GBに移行可能です。
パーティションの容量は移行ソフトウェアが自動的に調整を行ってくれます。
上記の場合は、空き容量80GBの状態でコピーが完了します。

移行先のSSDの容量を超えて使用している場合には、ファイルを削除する必要があります。
マイドキュメント、ダウンロードファイルなどを別ドライブに待避する方法が一番良いかと思いますが、アプリケーションやドライバインストール時のテンポラリファイルがかなりの容量を使用している場合も多々ありますので、事前にHDDの中身を整理しておくと良いかと思います。

 

 

・移行のパターン

 

移行方法としては、主に以下のようなパターンになるかと思います。

1,HDDまたはSSD1台で使用中の環境をSSD730へ移行
2,HDDまたはSSD1台で使用中の環境をSSD730のRAID0へ移行
3,すでにRAID0で使用中の環境をSSD730 RAID0へ移行
4,すでにRAID0で使用中の環境をSSD730 1台構成へ移行

 

 

 

※1台というのは、Cドライブで使用しているドライブの台数となります。
CドライブとDドライブ、それぞれ1台ずつのHDDを使っていた場合でも、Cドライブは1台ですから上記の1または2に該当します。

 

それぞれの方法について、説明していきたいと思います。

 

 

■1,HDDまたはSSD1台で使用中の環境をSSD730へ移行


  

SATAのHDDまたはSSDをAHCIで使用している環境を、SSD1台に移行する方法です。
手順はすごく簡単で、

1,新しいSSDを空いているSATAコネクタに接続
2,intel Data Migration Softwareを使用してHDD→SSDにデータをコピー
3,電源をシャットダウンし、HDD取り外し&SSDを繋ぎ直して作業完了
となります。

 

SSD730をはじめ、intel製のSSDへ環境を移行する場合には、intel Data Migration Softwareというツールを使うと便利です。

今回は、intel Data Migration Softwareではなく、Western DigitalのAcronis True Image WD Edition Softwareを使用してコピーを行いました。
intel Data Migration Softwareおよび今回使用したAcronis True Image WD Edition Softwareは、いずれもAcronis社のTrue Image Homeというソフトウェアをベースに、自社製品で使用できるように機能を限定したものとなりますので、操作方法はほぼ同一となります。

intel Data Migration Softwareはその名の通りデータの移行に特化した機能となっていますが、Western Digital製のツールは一部制限はありますが、元となっているTrue Image Homeのかなりの機能が使用できます。
そのかわり、Western Digital製のHDDがシステムに繋がっている必要があります。
Seagate製のHDDをお使いの方は、Seagate DiskWizzardというソフトウェアが、同様にAcronis True Image Homeの機能限定版となりますので、パーティションのコピーが行えます。

  

→ intel Data Migration Softwareダウンロード

→ Acronis True Image WD Edition Softwareダウンロード

→ Seagate DiskWizzardダウンロード

 

 

1,新しいSSDを空いているSATAコネクタに接続

 

システムを終了し、空いているSATAコネクタにSSDを接続してください。

接続が完了したら、PCの電源を入れます。

 

 

2,Acronis True Image WD Edition Softwareを使用してコピー

 

今回は環境移行元のHDDがWestern Digital製のものでしたので、すでにインストールしてあったAcronis True Image WD Edition Softwareを使用することにします。

操作はものすごく簡単で、クローン作成ウィザード起動→ソースディスク(コピー元)選択→ターゲットディスク(コピー先)選択→完了と選ぶだけ。

 

クローン作成ウィザードを起動します。

パーティションサイズはSSDの容量に応じて自動的に変更されますので、自動を選択します。

 

コピー元のディスク(ソースディスク)を選択します。
今回はディスク1のWD5000AAKSからの移行となります。

コピー先のディスク(ターゲットディスク)を選択します。

※画面ではRAID環境になっていますが、SSD730 1台構成のコピーも作業手順はまったく同じです。

 

コピー先のディスクのパーティションがクローン作業適用前と適用後でどのように変化するのかが表示されます。

パーティションサイズが自動的に調整されているのがわかります。

 

問題がなければ、実行ボタンをクリックします。

再起動を促されますので、そのまま再起動してください。

再起動するとAcronisのツールが自動的に起動し、パーティションのコピーが開始されます。

 

Acronisのツールは、Cドライブのクローンを行う場合はOSが使用しているファイルなども存在するため、Windowsの起動途中に作業を行う様に設計されています。
コピー中は上記の様な画面が表示されますので、完了するまでそのまま放置します。

 

 

3,電源をシャットダウンし、HDD取り外し&SSDを繋ぎ直して作業完了

 

パーティションのコピーが完了したらPCをシャットダウンします。

正常にコピーできているか確認するため、HDDを取り外す前に電源とSATAケーブルを外した状態でSSDから起動を確認します。

問題無く起動した場合には、シャットダウンしてHDDを取り外し、SSDを固定して作業完了となります。

 

起動せずに黒い画面のままになってしまう場合、大抵はマザーボードのBIOS/UEFIで起動ディスクの選択が間違っていることが原因です。

HDDを取り外したため、SSD以外のデバイスから起動するように設定されていることがありますので、BIOSまたはUEFIから起動ディスクをSSDに設定してください。

 

 

■2,HDDまたはSSD1台で使用中の環境をSSD730のRAID0へ移行


 

HDDまたはSSDを1台、AHCIモードで使用している環境から、RAID0へ移行するためには、最初にマザーボードのSATA動作モードをAHCIからRAIDへ変更する必要があります。

ただし、いきなり変更してしまうとOSが起動しなくなりますので、

1,レジストリを変更し、SATAをAHCIからRAIDへ変更

2,BIOSまたはUEFIでSATA動作モードをRAIDへ変更

3,RAID BIOSでRAID0を構築

4,Acronis True Image Homeを使用してパーティションコピー

5,旧環境のHDDを取り外し、SSD RAID環境からの起動を確認

という手順が必要となります。

なお、SATAがすでにRAIDモードで動作している場合には、1~2の作業は必要ありません

 

 

・注意点

 

この際に注意が必要なのは、場合によってはintel製の移行ソフトウェアであるintel Data Migration Softwareが使用できない、という点です。

intel Data Migration Softwareが動作するには、intel製のSSDが繋がっている必要があります。

RAID0を構築すると、個々のデバイス情報の確認が出来なくなってしまう(OSからはRAID構成されたハードウェアが認識される)ため、intel Data Migration Softwareが「intel製のSSDを接続してください」というエラーが表示されて起動しません。

 

移行元がintel製のSSDである場合には問題ないのですが、HDDだったりすると上記の問題にひっかかってしまいます。

このため、移行元がHDDの場合には、Western DigitalやSeagateのツールを使用することで上記の問題を回避可能です。

日立やSAMSUNGのHDDなど、メーカー製のツールが用意されていない場合は、次に説明する方法で登場するEaseUS Todo Backup Freeを使用することで環境移行が可能だと思います。

 

 

1,レジストリを変更し、SATAをAHCIからRAIDへ変更

 

最初に、レジストリエディタを起動して、SATAの動作モードを変更します。

ここを変更しておかないと、起動中に青画面のエラーになって起動しません。

ファイル名を指定して実行→regedit と入力し、レジストリエディタを起動します。

つぎに、以下のレジストリキーを変更します。

 

 

HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\iaStorV\Start

上記の値を3から0に変更

 

なお、私のWindows8ではisStorVの下にStartOverrideというキーがあり、そこに0というDword名で3という値が登録されていました。

このStartOverrideは設定を上書きしてしまうようで、海外のフォーラムなどではStartOverrideキー自体を削除してしまえ!という解決方法もありましたが、私は0に登録されている値を3から0に変更して対応を行いました。

 

 

iaStor関係のStartと値の関係は下記の通りです(intelのForumより)

atapi Start = 3 (THIS IS IDE, HAVE IT ON 3 SINCE 3 MEANS OFF)
iaStor = 3 (THIS IS INTEL RAID, HAVE IT ON 3 SINCE 3 MEANS OFF)
iastorV Start = 0 (THIS IS WINDOWS RAID, HAVE IT ON 0 SINCE 0 MEANS ON)
intelide Start = 3 (THIS IS IDE, HAVE IT ON 3 SINCE 3 MEANS OFF)
msahci Start = 3 (THIS IS AHCI, HAVE IT ON 3 SINCE 3 MEANS OFF)
pciide = 3 (THIS IS IDE, HAVE IT ON 3 SINCE 3 MEANS OFF)

 

つまり、iaStorV(Windows RAID)の設定を3から0にすることで、Windows RAIDがONとなり、BIOS/UEFI側のSATA設定をRAIDにすればOSとの設定が一致しますので、問題無く起動する、ということとなります。

 

上記の説明にはありませんが、iaStorVとは別にioStorAVというキーがあり、ここにもStartというDword値が存在します。
いくつも環境を複製して動作確認・検証を行っていたためどの環境下で操作を行ったのか失念してしまいましたが、iaStorVの設定を変更しただけでは、Windows8が起動しないことがありました。

この場合は、ioStorVと同様、0でRAID有効、3で無効(AHCI)という動きをしていますので、ここも0に変更を行い、問題無く起動しています。

 

【重要!】

レジストリを変更したあと、Windowsを終了→BIOS/AHCIでSATAの動作モードを変更→再起動となりますが、その際Windowsが正常に起動しなかった場合、焦る必要はありません。

大抵は、レジストリの変更が適切ではない、あるいは反映されていないだけですので、BIOS/AHCIのSATA設定をRAIDからAHCIに戻せば、問題無く起動すると思います。

焦らず、じっくり原因を探りつつ作業してみましょう。

 

レジストリの設定が完了したら、Windowsを再起動します。

 

 

2,BIOSまたはUEFIでSATA動作モードをRAIDへ変更

 

Windowsの起動が始まる前に、DELキーを押してBIOS/UEFIの設定画面に入ります。

設定画面が表示されたら、SATAの動作モードをAHCIからRAIDに変更します。

 


3,RAID BIOSでRAID0を構築

 

RAIDモードでWindowsが起動したことを確認したら、再起動しRAID BIOSを起動します。
PCの起動中に、短い時間ですがintelのRAID BIOSが起動しますので、[ctrl]+[I]キーで設定画面に入ります。

intel RAID BIOSでの操作は下記の通りです。

 

起動すると、上記の様な画面が表示されます。

上記ではすでにRAID VolumesにID:0でSSD840PROというRAIDボリュームが作られていますが、今回はintel SSD730を2台使用したボリュームを新規に作成したいと思います。

 

Physical Devices(物理デバイス)に、2台のintel SSD730が認識されており、いずれもStatesがNon-RAID Diskとなっています。

この2台を、RAID0構成に組み込みます。

 

メニューから、1番のCreate RAID Volumeを選択します。
画面ではRAIDの名称とRAIDタイプ、ストライプサイズを設定します。
RAID名はわかりやすい様に付けると良いかと思います。
ここではintel_SSD730と名前を入力しました。

RAID RevelはRAID0を、ストライプサイズは128Kを選択します。

続いて、ディスクの選択に移ります。

 

ドライブを選択する画面が表示されますので、SSD730を選択し、[SPACE]キーを押すと三角のマーカーが付いて選択状態となります。

2台とも同様に選択します。

選択が終了したら[enter]キーを押して次の画面に移ります。

 

ボリュームサイズを聞かれますので、100%の設定(2台分の容量をすべて使用)のままで良いので、そのまま[enter]を押します。

設定がすべて完了すると、RAIDボリュームが構築されます。

 

上記画面で、INTEL SSDSC2BP48(SSD730)2台がVolume ID:1のRAID Member Diskとして認識されているのが解りますでしょうか。

これでRAIDボリュームの作成は完了となります。

 


4,Acronis True Image Homeを使用してパーティションコピー
5,旧環境のHDDを取り外し、SSD RAID環境からの起動を確認

 

上記については、1,HDDまたはSSD1台で使用中の環境をSSD730へ移行と同様になりますので、そちらをご参照ください。

 

 

■3,すでにRAID0で使用中の環境をSSD730 RAID0へ移行


 

すでに他のSSDでRAIDを構築している環境を、intel SSD730のRAID環境へ移行する方法ですが、すでにSATA動作モードはRAIDになっていますので、レジストリの操作は必要ありません。

intel RAID BIOSで新しくRAIDボリュームを作成し、両方のRAIDボリュームを認識したら、クローンツールを使用してパーティションを複製します。

 

しかし、ここでトラブったのが、Acronis True Image WD Edition Softwareが使用できない、という問題。

Acronis True Image WD Edition SoftwareはRAID環境でも使用出来るはずですが(実際上記2の時に使用してコピー出来た)、環境によっては動作しないことがあります。

私のメインPCでは、WindowsからAcronis True Image WD Edition Softwareを起動し、ソースディスクとターゲットディスクを設定、再起動→Acronis Boot Loaderまでは進みますが、そこでフリーズしてしまいます。

再起動を行うとAcronisのツールが無効になり、Windowsが正常起動しますが、パーティションのコピーは行えない状況でした。

 

そこで、パーティションのコピーツールとしても定評がある、EaseUs Todo Backup Freeを使用することにしました。

このEaseUs Todo Backup Freeですが、Acronisのツールとは異なり、オンライン(Windowsが起動した状態)でOSがインストールされたパーティションのコピーが可能です。

Acronisの方法ですと、OSが起動していないのでロックされているファイルの問題を回避できますが、ツールが対応しているインターフェースにドライブが接続されている必要があります。

 

EaseUs Todo Backup FreeではWindows上からパーティションをコピーしますので、Windowsにドライバが組み込まれていて、正常に認識するデバイスであればパーティションのクローンが可能と思われます。

アプローチが異なるソフトウェアなだけに、使い分けると良さそうです。

 

 

1,EaseUs Todo Backup Freeのダウンロード

 

下記のサイトから、EaseUs Todo Backup Freeをダウンロードし、インストールしておきます。

 

EaseUs Todo Backup Freeダウンロード

 

 

2,パーティションのコピー

 

EaseUs Todo Backup Freeを起動したら、クローン→ディスククローンを選択します。

 

コピー元とコピー先のドライブを設定します。

オプションにSSD用に最適化というチェックボックスがありますので、ここにチェックを入れておきましょう。

 

次へをクリックするとディスクレイアウト画面が表示されます。

このままではSSDの増加した容量が空き容量のままとなりますので、パーティションの境目をマウスでドラッグし、SSDの容量をフルに使う様にパーティションサイズを変更します。

 

ディスクレイアウトの調整が終わったら、進むをクリックしてコピーに移ります。

 

ディスククローン中は上記のような画面にステータスが表示されます。

処理完了後コンピューターをシャットダウンするにチェックを入れておけば、作業完了後PCが終了しますので、あとはケーブルをつなぎ替えるだけでOKです。

 

 

■4,すでにRAID0で使用中の環境をSSD730 1台構成へ移行


 

RAID0からAHCIに移行する場合には、

1,SSDを接続、ユーティリティを使用してパーティションの複製

2,RAIDドライブを取り外し、SSD単体で起動することを確認

3,必要に応じてRAID→AHCIへ変更

という手順となります。

 

パーティションの複製およびRAID→AHCIへの変更は、2の方法を参考にしていただければ問題無いと思います。

設定値が3→0ではなく、逆の0→3となりますのでそこだけ注意してください。

 

 

■SSD730 480GBの内部構造


 

intel SSD730はデータセンター向けのSSDであるSSD DC S3500の姉妹品とも言える製品ですが、データセンター向け製品の流れを汲むSSDとはどのような構造になっているか、中身を確認してみることにします。

 

従来のintel SSDはネジを4本外すと簡単にケースを分解することが可能ですが、SSD730はそのうちのネジ1本がシールに隠れているため、シールを剥がす必要があります。

シールを剥がすとおそらく保証が切れてしまうこととなりますので、注意が必要です。

5年間の保証は大きいですからね…

とはいえ、このあとの耐久性テストのことを考えると、壊れたとしてもどうやっても保証は効かないと思いますので、えいやーっと開けてしまうことにしました。

 

 

 

SSD730 480GBの内部。

基板は2.5インチサイズで、中身はかなりビッシリ、といった感じ。

基板の四方にはプラスチック製のパーツがはまっており、ケースには基板が直接触れるのではなく、このパーツを介してカチッと固定される仕組みになっています。

 

取り出した基板。

こちらにはFlashメモリが合計8枚取り付けられています。

 

反対側。

こちらにもFlashメモリが8枚のほか、キャッシュ用のメモリとintel製のコントローラーが取り付けられています。

SATAコネクタの下にあるのは、ファームウェア用のメモリと思われます。

キャッシュ用のメモリはDDR3-1600、合計512MBとなります。

 

基板に2つのコンデンサが取り付けられているのが解りますでしょうか。

ニチコン製の35V47μFの製品が2つ取り付けられていますが、これは予期せぬ電源断の際に、書き込み待ちのデータを書き込むための電源を確保するためのものです。

一般的なコンシューマ向けのSSDにはないもので、データセンター向けSSDの流れを汲む製品というのが解ります。

 

内部の構造についてざざっと確認したあとは、実際にどれくらい信頼性が高いのか、テストを行ってみることにします。

 

 

 

 

さて、ここからが本題の…

 

GIRIGIRIチャレンジ!

 

 

 

■ちょいとハードな耐久性比較① 耐振動テスト


 

GIRIGIRIチャレンジという割には、性能比較やら内部構造といったおとなしいレビュー内容でしたが…ここで早速、GIRIGIRIチャレンジに移りたいと思います。

今回チャレンジするのは、SSDというデバイスが得意とする、耐震性能についての確認となります。

とはいっても…単にビルの上から落とすといった方法はすでに試している方がいらっしゃいますし、おもしろみも無い?ので、今回はちょっと違った方法でテストしてみることにします。

 

さて、話は変わって、パソコンと言えば自作、自作と言えばDIY。

 

DIYといえばもともとは

DIY(ディー・アイ・ワイ)は、専門業者に任せずに自らの手で生活空間をより快適に工事しようとする概念のこと。英語でDo It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自身で作ろう」の意。

※Wikipediaより引用

という概念なのですが、最近では生活空間っていうか、家具を作ったり庭をいじったりするのに、いろいろと便利な機器も売られています。

 

そんなDIYですが、私の一家はそれなりに手先が器用なこともあって、いろいろと自前で作ってしまうことが多々あります。
そのためもあって、実家にはいろいろな電動工具が揃っています。

PCケースに穴を開ける時に重宝するドリルドライバのほか、棚を作ったり家具を組み立てるのに便利なインパクトドライバ、PCケースを切り刻んで鉄くずとして捨てる時に重宝するディスクグラインダー、ウッドデッキを作るのに便利な電ノコなどもあり、日曜工作をするにはとても便利です。

 

いろいろと便利なDIY向けの電動工具ですが、その中に電動サンダーという機械があります。

机や家具の表面をヤスリがけするのに、手作業だとかなりくたびれてしまいます。

この電動サンダーは、ヤスリをサンダーに装着するだけで、お手軽にヤスリがけが出来てしまう、ステキ機械です。

 

日本が誇るリョービ製の電動サンダー、MS-350 

 

…ハイ、お分かりの方はどういうチャレンジなのか想像が付くと思います(笑

 

この電動サンダーですが、どういう仕組みになっているかというと、中にモーターが組み込まれており、中心から少しずれた位置にプーリーが固定されていて、モーターがプーリーを回すことで振動が発生し、ヤスリを超高速で動かすことで、お手軽に研磨することが可能です。

 

 

・そうだ、サンダーを使おう

…ということでサンダーについて説明を続けていってもしょうがないので、今回の実験概要をどどーんとご紹介。

 

GIRIGIRI限界チャレンジ ミッション:

「電動サンダーを使って限界まで振動を与えてみよう」

 

壊す目的の実験で壊してしまってはつまらないし、限界が解らない。
かといって、おもしろみも無いとレビューとしてつまらない。
ってことで思いついたのが、サンダーを使って限界まで振動を加える方法。
毎分11000回もの振動は、まあ、普通はどうやっても考えられません。
これに耐えきることができれば、普段使いでもかなりタフに扱っても問題無いに違いない!

 

・実験風景

実験用のため、サンダーにがっちりと固定されてしまった、SSD740。

サンダーの振動プレートを本体に取り付けるネジ穴を利用し、SSDを取り付けた木板ごとサンダーに固定します。
この状態でサンダーを動作させ、激しい振動を加えた状態でWindowsの操作を行うことで、振動に対する耐性を考察していきます。

 

 

・実験概要

 

目的:HDDおよびSSDの耐震性に関する考察

使用機器:

 電動サンダー:リョービ MS-350

 SSD:intel SSD730 480GB

テスト内容:

 サンダーに装着した状態で、Windowsの起動を10回実施

可否の判断:

 上記テスト実施後、CrystalDiskInfoにて異常が無いことをもって合格とする

 

  

・intel SSD730 実験開始

 

というわけで、実験開始です。

毎分11,000振動は凄まじく、動画ではピントが合っていない様に見えますが、動きが速すぎて捉え切れていないだけです。

壊れたらかなりショック…とはいえ、公約でもありますので、レッツチャレンジ!

 

 

実験を終了した状態でCrystal Disk Infoを確認してみると…見事にエラーが無いことを確認しました。

 

※接続するPCを変更してスクリーンショットを撮ったため、Windows7環境での表示となります。

 

結果、実験は大成功!

SSD730は、毎分11,000回程度の振動ではビクともしないことを確認しました。

 

…なのですが、毎分11,000回振動っていっても、HDDでも耐えられたらどうするのよ?

というわけで。

 

さて、次はコイツに実験台になってもらおう…というわけで、SeagateのHDD、ST3160318ASに登場願います。

あいにくサンダーにネジで固定できないため、タイラップを使ってギチッと固定。

とはいえ…毎分11,000回の振動ではやはり緩みも生じてしまい、微妙に振動が伝わりきってない感じがします。

この点SSDよりも緩い条件でのテストとなりましたが、いざ実験。

 

PCの電源を入れ、サンダーの電源もONにすると、最初は起動を始めましたが…

お、予想通りのエラー画面。

っていうか、Critical Process Diedって嫌なエラーですね…

しょうがないので実験は一時停止、サンダーの電源をOFFにしてPCを再起動してみると、Bootデバイスが見つからない旨のエラーが出てしまいました。

 

一度完全に電源を落とし、再起動したところ今度はHDDは認識しましたが、起動がきわめて遅い状態。

しばらく放置していたところ、正常にHDDで起動することができました。

さて、早速Crystal Disk Infoを確認してみると…

 

数秒間振動を加えただけで、一気に代替済みのセクターが36に。

下のほうになって映っていませんが、バッドセクタも一気に3桁台に突入。

さすがにHDDは耐えられなかったようです。南無…

 

 

■ちょいとハードな耐久性比較② 瞬断テスト


 

さてさて、SSD730はHDDと比べ圧倒的に耐震性能に優れることは確認できました。

テスト中は壊れるんじゃないかとひやひやものでしたが…

続いては、SSD730ならではの、コンデンサ内蔵による瞬断耐性についてテストを行ってみたいと思います。

 

SSDにとって瞬断はかなり致命的な問題らしく、コンデンサやキャパシタを搭載することでこの問題を解決する製品も、エンタープライズ向けを中心に増えつつあります。

いずれはコンシューマでも普及してくると思いますが、実際にコンデンサの有無でどれくらいの差が生じるのか、テストをしてみることにします。

 

瞬断を生成する回路を作る能力は残念ながら持ち合わせていないため、マイクロスイッチを使ってスイッチ押下時に回路が切断されるものを作って実験してみたいと思います。

瞬断の数マイクロ秒から数百マイクロ秒と比べると遙かに長い時間ですが、ms単位くらいでの電源断の状態を生成することは可能だと思います。

 

今回実験用に作成した電源ケーブル。
ケーブルの間にトグルスイッチをかませ、瞬間的にON→OFFを切り替えられるようにしました。
瞬断のようなマイクロ秒は無理ですが、1/10秒(ミリ秒)くらいは頑張れば達成できそうです。

早速、このケーブルにSSD 730を繋げ、データ転送中にスイッチON→OFF→ONと操作を行ってみることにしました。


大量のディスクアクセスが発生するWindows起動中にスイッチを切り替えると、デバイスが切断されてしまうため起動に失敗しますが、再起動して通常起動を選択すると何事も問題無くすんなり起動することを確認しました。

 

このテスト方法でコンデンサによるキャッシュメモリ上のデータ消失防止がどれくらい効果を発揮しているかは不明なものの、ディスクIOが行われている状態での電源OFFについて、数回くらいでは簡単には壊れないことは確認できました。

 

 

■おまけ:SSD730のベンチマーク詳細


 

・SSD730 単体時

 

 

 

・SSD730 RAID0構築時(Z87)

 

 

 

 

 

コメント (6)

  • リンさん

    2014/04/03

    RAIDを組むと1000MBに届くかと思いましたが行きませんでしたか><

    >RAID0環境への既存Windowsの移行方法
    これ楽しみにしています。
  • ちょもさん

    2014/04/04

    リンさん:
    CrystalDiskMarkだと、1000MB/sに微妙に届かなかったですね…
    ATTOは割と速度が出やすいベンチマークで、こちらだと大台に乗っています。
    とはいえ、昨日メインPCでSAMSUNG SSD840 Pro 256GB×2からintel SSD730に移行しましたが、当たり前ですが体感差で遅くなったなどはまったくなく。
    ※SSD840 Proは1000MB/sを超えている

    RAID構成への移行については、手順を含め詳しく紹介できればと考えています。
  • 下小川さん

    2014/04/06

    うひー、電動サンダーでてくるとは!
    この振動でこわれないなら、まず先にPCのほうがぶっ壊れますね…

    それにしてもRAID0、速度はもちろん容量もおそろしい領域にw
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