私にとってOffice 365のチームレビューは、前回のOffice 365 Small Business Premiumのレビューに続き2度目となります。今回のテーマは「Office 2003 からの 移行メリットを調査せよ!」であり、Office 365のグループウェアとしての姿を主題としていた前回のレビューとはやや方向性は異なりますが、未だにOffice 2003を使い続けつつ、Office 365も常用しているユーザーとしての視点も含めることが出来ればと思います。
まず、私が現在利用している環境ですが、メインPCはOSがデュアルブートとなっていて、一方のWindows XP環境ではOffice 2003/2007/2010(いずれもProfessional)を、もう一方のWindows 7環境ではOffice 2010に加えてOffice 365で提供されているOffice 2013を、それぞれ利用しています。これは私が仕事でAccessを利用した業務システムや、ExcelのVBAマクロ等を作成することがあり、お客様の環境に合わせて動作確認を取る必要があるためです。制作時の基本的な環境は、いずれもOffice 2010/2013です。
外出時に利用するモバイル環境も、時代に合わせてそれぞれ利用するバージョンを変えていて、
- Apple MacBook MB466J/A:Windows XP+Office 2003/2010
- SONY VAIO VPCSE1AJ:Windows 7+Office 2010(前回のOffice 365レビュー時にOffice 2013へと移行)
- ASUS TAICHI 31:Windows 8.1+Office 2013
としています。Office 2007は需要があまりなくなってきたため環境を残さない方向に傾きつつありますが、それ以外のバージョンはいずれも客先で利用されているため、いずれも利用出来る環境を残しています。
なお、今回はレビュー課題の方向性から、中小~中堅企業での利用という視点を中心にレビューさせていただくことにしました。個人ユーザーとしての視点によるレビューについては、前回のSmall Business Premiumのレビュー(私以外の皆様のものも)を併せてご覧いただければと思います。
1.Office 365とは?
前回のOffice 365レビューでも概ね取り上げた内容ですが、ここでも簡単に触れておきましょう。前回私が書いたレビューにつきましては、
でご覧いただけますので、そちらも併せてお読みいただければ幸いです。
Office 365はジャンルでいえばグループウェアということになりますが、もう少し細かく見ると
・Outlook Web Appによる「メール」「予定表」「住所録」
・SharePoint Onlineによる「公開用サイト」「内部用チームサイト」
・Lync Onlineによる「オンライン会議システム」「インスタントメッセンジャー」
・OneDrive for Businessによる「オンラインストレージ」「Office Online」
・Office 2013 ProPlusとOffice オンデマンドで構成されるMicrosoft Office
の集合体とみることが出来ます。これらは独立して存在しているわけでは無く、例えばチームサイト(SharePoint)からメモ用のノートブックとしてOneNote Onlineが利用出来るなど、それぞれが有機的にリンクすることで構成されています。
また、今回のレビュー対象であるOffice 365 Midsize Businessや、より大規模な組織向けのOffice 365 Enterprise E3については、既にActive Directory環境が存在している組織に対する機能として、Active Directory連携や内部システム側とのシングルサインオンを利用することも可能で、既存システムからのシームレスな移行や、既存システムとの併存がスムーズに行えるようになっています。今回はレビューの都合で全体に影響する設定変更は行えませんが、Active Directory連携は試してみたい機能の一つです。
実は今回のレビューを開始する際に、ZIGSOWの管理人様よりいただいたメッセージで「前回のOffice 365 Small Business Premiumと、今回のOffice 365 Midsize Businessの違いについても着目して欲しい」という内容があったのですが、これはユーザー側から見た場合とIT部門側から見た場合とで、全く違う答えとなります。
恐らく単にユーザーとして利用している限りでは、この2つに明確な違いは見出せないのではないでしょうか。ユーザー側から見えている機能については、どちらであっても特に違いはありません。Office 2013 ProPlusは最大5台で利用可能なのも、OutlookやOneDrive for Businessのディスク容量(それぞれ50GB、25GB)も特に変わりはありません。強いていえば、Midsize BusinessのOffice 2013 ProPlusではInfoPath(XMLオーサリングツール)が利用可能となるという違いがありますが、これも後述する両者の対象とする環境の違いから来るものとみるべきでしょう。
ユーザーとしてみる限りは優位な差を見出すことが難しい両者ですが、これをIT管理者側から見ると、非常に大きな違いがあります。
最大の違いは前述の通りActive Directory連携でしょう。Office 365 Small Business Premiumは10人前後のユーザーを想定したものであり、Active Directoryなどの比較的規模の大きい環境で用いられるような環境は構築されていない組織であると解釈出来ます。そのくらいの規模の組織であれば、恐らく専従のIT管理者などは設置されておらず、比較的IT系の知識に長けた社員が片手間で社内環境を見ていて、込み入った内容は出入りの業者に任せている例が多いと考えられます。
一方のOffice 365 Midsize Businessは数十名以上のユーザーを想定していて、組織の形態としては複数の拠点を持ち、Active Directory等による社内システムも存在していて専従のIT管理部門も存在するという組織に向けて用意されています。Office 365 ProPlusのInfoPathも、IT担当者がSharePointを利用した簡単なWebアプリを制作するために使うことを想定して同梱されているものと思われます。
また、管理者向けに詳細なレポート機能が用意されていることも見逃せません。システムの稼働状況はもとより、特定のキーワードに合致するメールを管理者側で検索することも出来てしまいます。Small Business Premiumが「管理しないでも運用出来る」ことを目指しているとすれば、Midsize Businessは「緻密な管理で最適な運用」を目指しているように思えるのです。今回もチーム内の管理者役を拝命しておりますので、管理者側の機能についてはレビューの後半でもう少し深く掘り下げて説明したいと思っています。
2.Outlook Web Appを使ってみよう
Outlook Web Appは、その名の通りOfficeスイートにも含まれる「Outlook」のWebアプリケーションということになります。
▲Outlook Web Appの画面。デスクトップアプリのOutlookと外観もよく似ている
単体版のOutlookを利用されている方であればおわかりでしょうが、メールクライアントとして捉えられがちなOutlookは、実際にはPIM(Personal Information Manager)としての性格を持っています。アドレス帳(People)やメールアプリケーションの部分を見ている限りでは確かにその通りなのですが、予定表の機能も充実していますし、グループウェアならではの特徴としてここからインターネット会議の開催なども簡単に行うことが出来ます。実際の会議システムはLyncによって提供されるのですが、Outlook経由で開催予約をすることで、ユーザー側からはワンタッチで会議の開始や参加が出来るようになります。
▲デスクトップアプリのOutlookからもLync会議の設定が可能
▲参加者への招待メールがそのまま作成されるので、通知までがワンタッチ
3.SharePointでチームサイトを構築
チームサイトとは、簡単に言えば組織内向けのWebサイトです。外部向けのWebサイト(パブリックサイト)を構築することも出来ますが、チームサイトは参照可能なメンバーを細かく設定することができ、例えば所属部署専用の連絡システムとして機能させることも容易です。今回のレビューにおいても、各チームは管理者役決定後、それぞれすぐにチームサイトを用意して、その中でのコミュニケーションを取り始めていました。
▲他のチームもチームサイトを作っていることが判ります
チームサイトは単なるWebサイトというだけではなく、Officeドキュメントを中心とするファイル保管や、サイト共用のメールアカウントの設置にも対応しているほか、アプリケーション(標準でも利用頻度の高そうなアプリケーションがいくつも用意されています)の追加により、wikiや掲示板の設置などもマウス数クリックだけで出来てしまいます。
▲利用可能なアプリが一覧形式で表示されている
▲マウスクリックと名称の設定だけで組み込み作業は終わり
さらに面白いのは、簡易的なDBサーバーとしての機能も持つという点です。例えばAccessで組織的な利用を考慮したシステムを組むためには、今まではMicrosoft SQL Serverなど、専用のDBサーバーを用意する必要がありました。しかし、SharePointサイトを利用することで専用のDBサーバーが不要となり、サイト内にデータを保持出来るようになったのです。
さすがにアクセスが集中する高負荷なシステムに対応出来るものではありませんが、組織内の限られたメンバーで運用するシステムとしては十分に利用可能です。この点については、後ほど詳細を改めて記述します。
4.3形態のMicrosoft Office
「Office 365 Midsize Business」では、3種類のMicrosoft Officeを利用することが出来ます。
まず1つめはデスクトップ版のOfficeスイート(WindowsであればMicrosoft Office 2013 ProPlus)で、これはパッケージ等で販売されているMicrosoft Officeに近いものです。違いとしては、Lyncなどコラボレーション機能を持ったアプリケーションが追加されていること、そして提供されている全ての機能が一括でインストールされる(選択インストールは不可能)という程度です。
そして2つめは「Office Online」です。これはWebアプリケーションとして提供されているもので、従来は「Office Web Apps」と呼ばれていたものです。Word Online/Excel Online/PowerPoint Online/OneNote Onlineが用意されています。通常版と比べると大幅に機能が削減されていますので、Webアプリケーションで全てを賄うには無理がありますが、出先で簡単なメモをWordやOneNoteで作っておいて、席に戻ってから通常版のアプリケーションで整えるという使い方であれば十分な内容を持ちます。
▲会議メモなどに利用すると特に便利なOneNote
そして3つめとなるのが「Office オンデマンド」です。実は前回のレビュー時に、私が利用していた環境で動かなかったので誤解していたのですが、Officeオンデマンドでは恒久的なインストールを行わず、通常版と同等のアプリケーションを利用することが出来ます。ネットワーク速度に余裕がある環境であれば、必要なときだけOfficeアプリケーションを呼び出して使うというイメージです。「Officeオンデマンド」については、後ほど詳細を記載します。
「Office 365 Midsize Business」では、これらのOfficeについて「Office 2013 ProPlus」などデスクトップアプリケーションは1ライセンス毎に5台、「Office Online」や「Officeオンデマンド」については物理コンピューターの台数制限は無し(ユーザーに利用権が付与されているため)で利用することが出来ます。
5.OneDrive for Businessの使い道
前回のレビュー時には「SkyDrive Pro」という名称であったオンラインストレージ機能ですが、今回は「OneDrive for Business」と改称されています。名前以外の点はこれまでと特に変わってはいませんが、改称に合わせてOffice 365契約者以外にも単体で提供されるようになるようです。
25GBというディスク容量がありますので、色々なデータを保管することが出来ますが、「Office Online」の各アプリケーションをここから呼び出し、作成したデータをそのままOneDrive上に保管出来るというのが、一般的なオンラインストレージに対する大きなメリットとなるでしょう。
▲OneDrive上から直接新規Officeドキュメントを作成できる
▲新規作成時には、開始時にファイル名を尋ねられる
▲この例ではWord文書を作成したので、Word Onlineが立ち上がる
6.Lyncを利用した会議とコミュニケーション
Lyncは簡単に言えばコミュニケーションツールなのですが、その機能は2つに大別されます。
まずはインスタントメッセンジャー(IM)としての機能です。Lyncではなくても何らかのIMを利用されたことのある方は多いでしょう。指定した相手と単文テキストのメッセージを瞬時にやり取りすることが出来るというものです。Office 365のツールであるだけに、Peopleの連絡先をそのまま反映することが出来ます。
そしてもう一つがビデオ会議システムです。映像と音声による複数人での会議に対応しているだけではなく、共有ホワイトボードやPCのデスクトップの共有なども可能となっています。
▲Lyncによる会議の模様。残念ながら音声が安定せず、インスタントメッセージ中心で進行しました。
前回のSmall Business Premiumの際にも何度かあったのですが、ネットワーク品質が安定していても音声が乱れるということが多くあり、音声やビデオを中心とした会議がこれまで出来ていないのが少々残念です。レビュー終了までに一度は音声またはビデオ会議を実施したいと思っています。
なお、Lyncの音声通話機能については、Skype(Microsoftが買収済み)とも互換性を持ちます。Office 365のプランによっては、通常の電話回線を利用する音声会議もサポートされているようです。
1.とある顧客のAccess業務システム例
これは実際に私がAccessのシステムを作って納品した会社の例です。
小売店の顧客データ(来店履歴やギフト品購入履歴等)を管理するシステムで、当初は本社の中で使うということで、過去に存在していて使い勝手の悪さであまり使われていなかったというAccessのシステムを引き継ぐ形で設計しました。新システムの使い勝手自体は好評だったのですが、その後計8店存在する支店の一部でもこのシステムを使いたいという話が出ました。
もちろん単に利用するだけなら、そのシステムを店舗毎にそれぞれ独自に利用すれば良いだけなのですが、それではそれぞれの店舗で編集したデータを、他の店舗のものと同期させることが出来ません。大規模な予算があればその時点でSQL Serverを使う形に設計し直していたと思うのですが、あいにく予算が限定されていました。
そこで急遽店舗向けと本社向けとで設計を一部変更し、店舗側にはその店舗のデータのみをエクスポートする機能を、本社側にはそのデータをインポートする機能をそれぞれ追加しました。店舗側の自店舗以外のデータを更新する場合には、本社側のテーブルデータを手動で移し替えるという形にしました。これはデータの流れを一方通行にしておかないと、上書きされた側の方が最新のデータであったという事態が発生することが考えられたためです。
現在でもこのシステムは運用され続けていますが、データ更新ごとに面倒な作業が発生するわけで、決して便利なものではありません。しかし、Office 2003だけで複数店舗のデータを運用するためには、この方法ぐらいしか思いつかなかったのです。
2.書類のやりとり
やはりこれも私の顧客の例ですが、書類データは原則としてFAXで送受信して、本社側で受けたデータはそこからWord/Excel等に転記します。最近これでは効率が悪いということで、各支店にPCとインターネット回線を用意して、Word/Excel等で入力したデータを、メール添付で本社に送るという形をとるようになりました。
私の地元のような田舎町では、市外を含めて複数店舗を持つ小売店であれば地元業者としては比較的有力な企業なのですが、地方でのIT化というのは案外このようなレベルにとどまっていることが多いのです。
レビュー後半では、このような事例についても記載させていただく予定です。
ここでは、オフィススイートとしての機能に着目してみましょう。Office 2003はProfessionalのインストールディスクで選択出来るアプリケーションを、Office 365に含まれるOffice 2013 Pro PlusはMidsize Businessでインストールされるものを、それぞれ掲載しています。
※△となっている部分はボリュームライセンス版にのみ含まれることを表しています。
Office 2003の時代に初めて登場したOneNoteは、まだOffice 2003 Professionalのパッケージには含まれていません。
Visio Viewerを除けば、Lync・SkyDrive Pro(現OneDrive for Business)といった、いずれもクラウド環境で活用されるべきアプリケーションが新たに加わっていることがわかります。ちなみにSkyDrive Proはオンラインストレージサービスの名称(旧称)ですが、ここではSkyDrive Proに接続するクライアントアプリケーションが提供されているということを表しています。
それぞれのアプリケーションを比較した場合に、Word/Excel/PowerPoint/Accessについては、標準ファイル形式が変わっているということも大きな違いとなります。これは厳密にはOffice 2007を境に変わっている部分です。Word/Excel/PowerPointは、それ以前の拡張子(.doc/.xls/.ppt)の末尾に「x」を付加した「.docx/.xlsx/.pptx」となっていて、XMLベースのファイルへと変更されたわけですが、Accessについては「.mdb」→「.accdb」と拡張子自体が大きく変化していて、他のアプリケーションとは異なり2003以前のバージョンで読み取り可能なコンバーター等も提供されてはいません。実際に利用されている方はご存じかと思いますが、内部的にも大きく異なっていて、開発がより容易な方向へと進化しています。
ちなみに、個人的には表面的な部分以上に、VBA(Visual Basic for Applications)から利用可能なライブラリの進化が便利さに繋がっていると感じています。Accessでシステムを構築する際の手間はOfficeのバージョンが進化する度に確実に減っていることを実感出来ます。
さて、ここまではあくまでもOffice 365に含まれるOffice 2013 Pro Plusの話でした。Office 2003の時代にはパッケージに含まれているものが全てでしたし、単体版のOffice 2013 Professionalでもそれは同様です。しかし、先に触れた通り、Office 365には他の形態のOfficeも含まれているのです。
まずはWebブラウザー上で簡易的な編集を可能とする「Office Online」です。現時点ではWord/Excel/PowerPoint/OneNoteに、それぞれのオンラインアプリケーションが用意されています。さすがに通常版と比べれば可能作業は大幅に制限されますが、OneDrive内のファイルを簡単に修正する際などには重宝します。また、このオンラインアプリケーションは、通常版のアプリケーションが存在する環境であれば、ワンタッチで編集を通常版に引き継ぐことが出来るようになっています。
▲OneDrive上の文書をWebブラウザーで開いている状態
▲Word Onlineで文書を編集できる
▲「WORDで開く」をクリックすると、ローカルPC上のWordに編集が引き継がれる
そして更なる目玉といえるのが「Officeオンデマンド」でしょう。これは必要なときにだけOfficeアプリケーションをネットワーク上から取得してきて仮想化インストール出来るというもので、ここで取得出来るアプリケーションは、機能面では通常版とほぼ同等のものとなります。
私自身はOffice 365は非常にコストパフォーマンスに優れるサービスだと思っているのですが、企業ユーザーにとっては年払い(または月払い)で常に定額の出費を強いられるという辺りに抵抗を感じる場合があるかもしれません。しかし、提供されるサービスの内容やライセンス形態、さらにはOneDriveなどの付加サービスの価値を考えれば、かつてのOffice Professionalをパッケージ版で1本買うよりも遙かに実用度は高いと思いますし、十分に許容出来る内容というべきではないでしょうか。
先にOffice 365 Midsize Businessで提供されるOfficeの形態について触れた際に記述していますが、Office 365 Midsize Businessには最新版のOffice Pro Plus(現時点ではOffice 2013 Pro Plus)のダウンロードインストール権が、1ユーザー当たり5台分付属しています。ちなみに他のOffice 365の場合ですが、Small Business とEnterprise E1にはOffice Pro Plusの利用権はなく、Small Business PremiumとEnterprise E3/E4にはやはり1ユーザー当たり5台分のOffice Pro Plusの利用権が付きます。
一方、パッケージ版のOffice 2013 Professionalの場合には、2台のPCへのインストールが認められています。これは普段利用するデスクトップPCと、モバイル環境とを1つのライセンスでまかなえるように配慮したということで決定されたライセンス形態だそうです。もっとも、私の場合仕事で持ち歩くものだけでもモバイルPCは3台あり、明らかに不足するわけですが…。
コストの面で見てみると、Office 365 Midsize Businessは年間契約で14,760円/年となっています。最近ではMicrosoft Office は3年ごとにメジャーバージョンアップされていますので、常に新しいバージョンのパッケージ版を買っていると仮定すると、3年分のコストは44,280円です。一方、現在のOffice 2013 Professionalのパッケージ版価格は62,790円です。量販店などではもう少し安く買えると思いますが、それでも5万円台となるのは間違いないでしょう。Office 2013からはアップグレード版が提供されなくなってしまいました(日本市場のみ発売記念キャンペーン版が存在した)ので、バージョンアップごとに買い換えるとすると、かなり割高になってしまいます。
もっとも、パッケージ版は永続ライセンスですので、契約を終了すると利用できなくなってしまうOffice 365版とは異なり、セキュリティーのリスク等を無視すれば、購入したソフトは半永久的に利用することができます。この辺りはパッケージ版のメリットといえるでしょう。
なお、実はOffice Pro Plusを単体で契約することもできるのですが、費用面ではOffice 365 Midsize Businessとほとんど差がなく、コストメリットは無いといって良いでしょう。
ここでの比較はあくまでMicrosoft Officeのオフィススイートとしての側面だけに絞ったものです。Office 365にはOutlook Web AppやSharePoint Onlineによる様々な付加機能が提供されているわけですから、活用範囲に大きな差が生じると言うことはいうまでもありません。
レビューの前半で述べた通り、Office 365 Midsize Businessと、Office 365 Small Business Premiumとを、IT管理者として比較した場合に大きな違いとなり得るのが、レポート機能の有無です。ここでは、全てについて触れるのは難しいので、主要な部分について簡単に説明しておきたいと思います。
Office 365 Midsize Businessでは、組織の管理者として設定されたユーザーに対して「管理者」メニューが表示されます。
まず、Office 365の管理メニューにログインした際に、システム全体に関するアラートが表示される場合があります。
今回の例では、Windows XPのサポート期限切れと、Internet Explorerの新バージョンへの移行期限が迫っているため、アラートとして表示されたようです。IT管理側としては、これらの通知を受け、必要に応じて組織全体にアナウンスすることが出来るというわけです。
以下の画面は「管理者の概要」で、ログイン直後に表示されるものです。ここから各機能へリンクを辿って進むことになります。
Small Business Premiumでもこの画面に近いものが表示されましたが、Midsize Businessでは含まれる項目がいくつか増えているようです。これはSmall Business Premiumで必要とされる管理内容は、主にユーザーやドメイン、契約関係のものに限られるという発想に基づくものと思われます。
Midsize Businessでは専任の管理者が存在するという発想に基づいているのでしょう。かなり詳細なレポート機能が用意されています。
メールを例に取ると、ユーザー毎の利用歴はもちろんのこと、アクセス方法(IMAPやPOP3などか、Outlook Web App経由なのかなど)の履歴まで詳細に表示されます。「監査」メニューの「所有者以外によるメールボックスへのアクセス」などと併せて、不正アクセスがあった場合など、分析の資料となり得るものです。
必要に応じて、「訴訟用のメールボックスの保持」という形で証拠メールの保全を設定することも出来るなど、かなり組織運用に配慮したものとなっているといえるでしょう。
さらに、受信したメールにマルウェアが含まれているかや、スパムメールの検出なども可能となっていて、セキュリティー対策への強い意識も感じさせられます。
なお、メールについてはExchangeの管理メニュー(Exchange管理センター)でより細かく設定が可能となっています。
その他、LyncやSharePoint単体の管理画面(Lync管理センター・SharePoint管理センター)も存在していますが、この辺りはOffice 365の管理画面の項目と被っている部分もあり、やや中途半端な印象を受けるというのが本音です。
例えば、ユーザーへのOfficeオンデマンド提供の有効・無効の切り替えは、このSharePointの管理画面から行います。確かにサイト部分ですからSharePointが提供しているのは事実なのですが、この辺りはOffice 365の管理メニューにあった方が自然な機能のように思えます。もっとも、この画面を使うのはあくまでIT管理者だけですから、あまりユーザーフレンドリーを意識しすぎる必要がないといえばそれまでなのですが。
また、Small Business Premiumのレビューから時間が経過していると言うこともあるのかもしれませんが、SharePointのサービスと、Microsoftが買収したSNSサービス「Yammer.com」との融合が意識されるようになってきたというのも、今回目立った変化といえます。
従来の「ニュースフィード」も組織内SNS的な要素を持つ機能ではあるのですが、ここを本物のSNSサービスへと置き換えていくことで、SharePointの「組織向けWebサービス」という特徴をより強化・拡大しようとしているものと考えられるでしょう。
いよいよチームレビューの本題となります。今回我々チーム5は、実際に業務として起こりうるであろうシチュエーションを設定し、あくまで擬似的にではありますが、業務を進行させる際にOfficeスイートが果たす役割について検証しました。
今回業務例のシナリオとして考えたのは、以下の2つのパターンについてです。
1.新規出店事業の立ち上げ
まずは、新たなコンセプトに基づいた販売店の出店事業を計画して、それを進めるというものです。ここで必要な作業の中で、Officeに関連するものをそれぞれ比較してみましょう。
Office 365 Midsize Businessでは、Office 2013 Pro PlusやOfficeオンデマンド・Office Online・OneDrive for Business・SharePoint・Outlook Web Appが利用可能という前提です。Office 2003やOffice 2013では、それぞれの環境に応じて利用されているであろう周辺環境を想定して、その範囲内で極力活用することを目指しました。
a.資料や情報の共有
まずはプロジェクトメンバーたちが、各自担当分野について資料や情報を集め、Officeファイル等にまとめます。SharePointでチームサイトを作成していますので、それぞれ自分が作成した成果物はサイト内のドキュメントに保存します。
▲共有するべきファイルをチームサイト内のドキュメントフォルダに各自が保存しています
閲覧だけであればOffice OnlineによりWebブラウザー内で完結してしまいますし、作成もOffice 2013 Pro PlusをインストールしておくかOfficeオンデマンドでアプリケーションをストリーミングすることで、Office 365 Midsize Businessの機能だけで完結出来るでしょう。
マルチメディア系を得意にされているチームメンバーのPicardさんは、「できるだけOffice 365で提供されている機能の範囲内で」という私の無茶ぶりにこたえて、PowerPointでコンテンツを作成してくださいました。
▲PowerPointで作成したプロジェクトの紹介動画
自分で作成したデータはOneDrive for Businessに保存しますが、自分専用のものと、プロジェクトメンバー共有のものという形で、フォルダを分けた保管も可能です。
b.会議の開催
ある程度の規模の事業を計画するのですから、当然チームサイト上でのやりとりだけでは無く、会議も必要となるでしょう。会議は全員が顔を揃えている方が効率的ではありますが、複数の拠点にプロジェクトメンバーが別れている場合にはなかなか難しいでしょう。
そのような場合にはLyncによるオンライン会議を利用します。Lyncでは環境が整っていればビデオ会議も可能となっていますので、実際に集まるのと近い形で会議を行うことが出来ます。もちろん、各自の環境によって音声による参加やIM(インスタントメッセージ)のテキストのみの参加という形も可能です。テキストで残しておくことにはメリットもあり、会議ログを保存しておくことで、そのまま議事録を作成することが出来るわけです。今回の場合は、議事録をチームサイト内のノートブックに、会議毎に保管するようにしました。
▲LyncのIM欄の内容を貼り付けるだけで、表組みされて保管されます
Office 365 Enterprise E3以上では別途オプションを利用することにより、Lync通話と一般の電話を混在させることも可能なようですが、Midsize Businessでは原則的にLyncを介した会議のみとなります。
c.稟議書の提出と決済
資料のやりとりや会議を経てプロジェクトの詳細が固まったら、上長宛に稟議書として提出し決済を受けます。今回は稟議書提出用のシステムがIT部門の担当者により用意されていますので、プロジェクト担当者は必要事項を記入し、上長による決済を待ちます。
▲今回用意した稟議書提出・決済用システム
このシステムはAccessを利用していますが、データを保存する場所(テーブル)をSharePoint上のチームサイト内に持っていますので、どこから利用してもチームサイトの参照が可能な環境であれば、常に同じデータを参照することが出来ます。Access単体では、1つのファイル内にDBMSの構造体とデータが保管されてしまうので、複数箇所から同じデータを参照するのは困難なのですが、SharePointサイトを利用することで、データはサイトが保持するようになるため、複数拠点間から同時に最新データを参照することが可能となるのです。
決済側も同じAccessのファイルを開きますが、このシステムでは決済担当者として登録されている場合にのみ決済用フォームを開くことができるよう設計されていますので、この作業は決済担当者としてログインしなければいけません。ちなみに上のスクリーンショットは決裁権を持つユーザーでログインした場合のものとなっています。
決済が済むと、決済済み一覧に掲載されますので、そこで詳細を開いたり、内容の印刷をしたりすることができます。
▲決済を受けた稟議書の一覧
▲提出された稟議書の例。ここから書面として印刷することも可能
d.計画の実行へ
稟議書の決済が下りた後は、実現に向けての作業となります。PCでのやりとり以外が増えますが、LyncやSharePointのチームサイトを通じて密に連絡を取る必要があるでしょう。ちょっとした確認程度であれば、LyncのIMが便利かもしれません。
ここまでに必要だったPC上での作業は、全てOffice 365 Midsize Businessで提供される機能と、インターネット回線だけで賄えてしまうということがおわかりいただけるでしょうか。追加の出費が必要だとすれば、Lync会議用のWebカメラやヘッドセット程度でしょうか。Office 2013 Pro Plus以外の機能も、実務に置き換えると非常に有益であるといえます。
では、ここまでの流れをこれまでのOfficeで再現しようとするとどうなるのか、考えてみましょう。Office 2003単体を利用する場合です。
Office 2003単体の場合にはクラウドソリューションは利用せず、あくまでOfficeアプリケーションとインターネット回線のみで考えます。
まず、複数の拠点で同時に参照出来るデータ保管領域が無いと極めて不便ですから、多くの場合はVPNを利用します。中小・中堅規模の事業所で使われる定番の環境といえば、YAMAHA RTX1200等のハードウェアVPNに対応した機材を利用した拠点間VPNです。
インターネット回線は元々用意されているでしょうが、拠点間VPNでは固定IPアドレスを利用しないと面倒な部分が多く、VPNルーターの機材費や固定IPアドレスの取得費用、さらに自社のIT部門で対処出来ない場合にはVPNルーターの設定費用など、多くの追加費用が発生します。VPN環境の構築だけで必要と思われる費用は、1拠点当たり20万円前後といったところでしょうか。
VPN環境を用意することでOneDrive for Businessの代わりとなるストレージ領域は確保出来ますが、Lyncのような仕組みは無いため、会議は実際に顔を揃えて行うか、電話会議などが必要となるでしょう。VPNでネットワークを疎通させておけばIMなどは利用可能ですので、簡単な情報のやりとりは何とかなるものと思いますが。
Office 365の稟議書システムの事例のようなAccessによるシステムを組む場合、Access 2003ではDBサーバーを別途用意する以外にありません。推奨環境となるMicrosoft SQL Serverを利用する場合には、きちんとした信頼性を確保したDBサーバーを構築する必要がありますし、SQL Server自体もかなり高額なシステム(無償版も用意されていますが、DBのサイズや利用可能リソースに厳しい制限があります)です。信頼性や速度性能はSharePointサイトよりも上ですが、部署間で利用する程度の小規模なシステムにはオーバースペックといえます。
稟議書のやりとりは原則としてメール添付のファイルでの送受信となるでしょう。
▲Picardさんに作成していただいた稟議書のフォーマット。実験では実際にこのような書類を用いました。
決済の際には、PDF等のデータが改変されない形式を利用することになります。
この事例では、Office 2003はドキュメント類の作成と、Outlookを介したメールの送受信やカレンダー管理程度にしか活用されていないことがわかります。PCを利用する業務全体をカバー出来るような存在とはなり得ません。
続いてOffice 2013を利用する場合はどうでしょうか。Office 2013ではOneDriveの利用は推奨されているため、OneDrive for Businessと比べれば利用可能容量の制約などはあるものの、ドキュメントの共有に役立つオンラインストレージは確保されます。
しかし、Office Professional 2013 にはLyncは含まれておらず、会議に関してはOffice 2003の事例と同様に直接集まるか、電話会議かという形になります。AccessのアプリケーションについてもSharePointサイトが利用出来ないため、Office 2003と同様です。単体のOfficeパッケージを利用した場合のフローについては、チームメイトのPicardさん、トワイニングさんにより詳細に記述していただく予定ですので、そちらも併せてご覧下さい
Officeアプリケーション自体は進歩している部分が多いのですが、業務利用の観点からすれば、OneDriveというオンラインストレージが利用出来るようになったこと以外には、Office 2003とも大差は無いということが判ります。
恐らく1つの事務所内などで使っている限りはそれほど気にならないかと思うのですが、複数の拠点が共同で1つのプロジェクトを進めるというシチュエーションを想定してみると、グループウェアとしての機能が充実したOffice 365のメリットが実感出来るようになるのではないかと思っています。
ここまでの業務フローの差については、チームメンバーのトワイニングさんがフローチャートにまとめて下さいましたので、それを掲載しておきます。
2.在庫管理システムの運用
先の想定パターンで実際に店舗を立ち上げたとしましょう。販売店ですから、商品情報や在庫情報などはシステム化した上で保持したいところです。
Office 365 Midsize Businessであれば、先の例で示したAccessとSharePointサイトの組み合わせにより、簡単に在庫管理システムを組むことができます。
以下に実際に作ったシステムを示しますが、この程度の内容であれば、前日のLync会議で決まった内容を翌日昼間の空き時間にシステムとして実装するという程度の所要時間で組めてしまいます。今回は担当者厳選のアイテムだけを扱うショップということで、商品情報はZIGSOWの各自のレビューページを開いて参照する形としています。
▲今回作成した在庫管理システム
▲商品情報の登録例。あくまでサンプルなので、項目は最小限に絞っています
では、これをOffice 2003やOffice 2013を利用している環境で実現しようとするとどうなるかについて考えてみましょう。
商品情報はそれほど頻繁に編集する情報ではないと仮定すれば、共有フォルダやOneDrive上にAccessか何かで情報をまとめたファイルを保管しておき、必要なときに編集または参照すれば良いでしょう。
問題となるのは在庫管理の方で、クラウドを利用しないのであればやはり単体のDBサーバーと接続する程度しか方法がありません。それよりはむしろ、ネットワーク対応型の在庫管理システム等を導入する方が現実的でしょう。
本当に負荷が集中するほどの商売の規模があれば単体のSQL Server等が必要ですが、小規模な店舗の販売数であれば、SharePointサイトであっても十分に対応出来るのではないでしょうか。
Office 365 Midsize Businessはグループウェアとしての幅広い機能と、フル機能以上の内容を持つOfficeスイートを併せ持つことで、一般的な業務として考えられるかなりの範囲をこれだけでカバー出来てしまうという、ビジネス向けオールインワンパッケージ環境であると結論づけて良いでしょう。
丁度今回のレビュー期間内となる3月28日に、一般ユーザー向けとなるスマートフォン用アプリ「Office Mobile」の提供が日本でも開始されました。
これまでも海外ではOffice 365のユーザーを対象に提供されていたアプリケーションですが、今回の提供開始はMicrosoftアカウントを持つ全てのユーザーを対象にしたものです。
対応OSはiOSおよびAndroidですが、「スマートフォン用アプリ」と前述した通り、あくまでスマートフォン専用でありタブレット端末などは今のところ対象外となっているようです。例えば、Android 4.x系同士であっても、EMOBILE EM01Fでは利用可能でしたが、Nexus7(2012年モデル)ではGoogle Play上で見つけることが出来ません。
▲EMOBILE EM01Fへの導入
▲チームサイトのドキュメントも編集可能
iOS端末の場合も、iPhone 5S(iOS 7.1)ではApp Store上に表示されますが、iPad Retina(第3世代 iOS 7.0.4)では表示されません。ただし、iPhone用アプリの検索に切り替えれば表示されるようになり、インストールも可能です。海外ではiPad版がきちんとリリースされていますので、Office 365の製品拡充と共に日本でも利用可能になるのではないかと思いますが。
Android端末への導入はチームメンバーのトワイニングさんも試されていますので、私はiOSデバイスとなるiPhone 5Sにおける動作を検証してみました。
▲導入の段階ではAndroid版とほぼ変わりません
使用開始までの手順や画面表示は、AndroidでもiOSでも殆ど違いは無いようです。
▲開始直後。これもAndroid版と殆ど同じです。
試しにチームサイト内に保管してあった、私のレビュー原稿を表示してみました。
表示の際に両端揃えとしてしまうためか、スペースの大きさがまちまちになってしまったりはしていますが、Webブラウザーを経由せず、直接Word Onlineによる編集が可能となりました。
▲iPhoneからでもちょっとした修正であれば可能です
Office Onlineに対応しない形式のファイルを開こうとした場合には、Office Onileの代わりに「電子メール」という選択肢が表れます。
▲Accessファイルを開こうとした例。Office Onlineに対応しないファイル形式の場合はこうなる
Androidスマートフォン及びiOSでの利用が可能となったことで、Office 365を利用することが出来るデバイス数が今後は爆発的に増えるわけで、Office 365の活用範囲の更なる拡大に期待が持てるようになりました。
欲を言えばAccessについてもランタイム(作成済みデータベースの運用のみが可能な実行環境)だけでも提供されれば、特に中小規模事業者での活用範囲は飛躍的に拡大するわけで、技術的には難しいのかもしれませんが、是非検討していただきたいと思っています。
前回のレビューで使わせていただいた「Office 365 Small Business Premiumは」、どちらかというと私のような個人単位で利用することに適した、「パーソナルグループウェア」という色彩の強いサービスでしたが、今回の「Office 365 Midsize Business」はその名前の通り中規模組織向けの性格を強く持ったサービスであることがわかりました。
私自身、仕事で多くの中小・中堅企業とお付き合いさせていただいていますが、その中身は常に最新の環境を導入されている企業もあれば、今回のテーマのように未だにWindows XP+Office 2003という環境が現役で使われ続けている企業もあるなど、千差万別といって良いでしょう。
古い環境を使い続けている側にももちろん言い分はあり、例えば未だにWindows XP+Office 2003を利用している企業の方から伺った理由は次のようなものでした。
- 入れ替える必然性が感じられない
- Office 2007が不便だったのでOffice 2003を敢えて使い続けている
- 取引先の推奨環境がOffice 2003だった
- 入れ替えるべきことは理解しているが予算が無い
このうち、予算が無いという部分に関してはかなり深刻です。少なくとも私の顧客となっている多くの中小企業の皆様は、景気回復など実感出来たことは無く、会社を潰さないだけで精一杯とおっしゃいます。私もこのような方には、いくら格安とはいえすぐに「Office 365にしましょう!」とはいいにくいというのが本音です。
セキュリティーのリスクを理解して相談に来られる方には、「書類作成程度にしか使わないのであれば、外部からのUSBメモリなども持ち込まず、LANケーブルを抜いて使えば多少はリスクは軽減されます」と説明せざるを得ません。
しかし、せっかくだから環境を一新しようとお考えの企業の方には、Office 365を積極的に薦めさせていただいています。Office 2007のリボンUIは確かに使いにくいと思いますが、Office 2010以降ではで徐々に改善されていると思いますし、UIの問題は慣れである程度解消出来る話です。チームレビューでシミュレーションした通り、Office 365で得られる便利さは、新たなUIに慣れるという労力を払うだけの価値があるものと確信出来ますからね。
それでは、最後にチームメンバーの皆様のレビューを紹介させていただきますので、本レビューと併せてご覧いただけましたら幸いです。
まずはPicardさん。マルチメディア系コンテンツの作成を得意とされていて、チームで利用するバナーなどもすぐに用意して下さいました。私はデザインが特に苦手であり、大変助けられました。また、企業内の業務フローなど、私があまり理解していない部分のフォローもしていただくなど、チームレビューにおいて中心的に活動していただきました。
続いてトワイニングさん。チームレビューではリアリティーを出すために実際に不動産の調査をしていただくなど、リアルな部分の活動に尽力いただきました。資料内の店舗写真なども実際に撮影に行っていただき、最初は漠然としていたシミュレーションが、具体的なイメージを提示することに成功しました。
我々チーム5のレビューが、Office環境を検討するための一助となれば幸いです。
CLWさん
2014/03/23
jive9821さん
2014/03/23
Office 365は2回レビューしても、まだまだカバーしきれない奥深さがありますね。
後半戦はチームメイトの皆様とともに、少しでも魅力をお伝えできるように頑張りたいと思います。