レビューメディア「ジグソー」

エンコードは計画的に!!最強のCPUで3TBのエンコードを試してみた(;=゚ω゚)=333

■はじめに
今回レビューさせていただくCPUはインテルの「Corei7-4960X(エクストリーム・エディション)」である。

このCPUは、コードネームはIvyBridge-Eと呼ばれハイパフォーマンス向けのプラットフォームであるLGA2011対応の製品の中では最新でかつ最上位の製品となる。

但し、インテルのメインストリームのCPUは既にIvyBridgeからHaswellへと移り変わっており、そうした意味では1世代古いアーキテクチャを採用しているという考え方もできる。

約10万円強で販売されている最上位のCPUはどの程度の性能なのか、また私としては初めての6コア/12スレッドの製品であり、どのような場面で性能が活かされるのか非常に興味があるので探っていきたいと思います(;=゚ω゚)=333


■主な仕様
【モデルナンバー(実クロック)】4960X / 3.6GHz(TurboBoost時4.0GHz)
【コードネーム】IvyBridge-E
【製造プロセス】22nm
【コア/スレッド】6コア / 12スレッド
【L1/L2キャッシュ】(32KB+32KB+256KB)×6、L3 15MB
【対応メモリ】DDR3-1333/1600/1866 (クアッドチャネル対応)
【コア電圧/TDP】不明/130W
【主な拡張命令】SSE4.2/intel64/Xdbit/VT-x/VT-d/AVX/AES
【内蔵GPU】無し
【Socket/Slot】LGA2011
【sSPEC】SR1AS
【リリース時期】2013年9月11日
【インテルの製品HP】
http://ark.intel.com/ja/products/77779/
【発売時の記事】
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/201309...

メインストリームのLGA1150/1155のCorei7と比較すると、コア/スレッド数が4/8→6/12へと増加、L3キャッシュが8MB→15MBへとほぼ倍増、対応メモリの最大クロックが1600MHz→1866MHzへと高速化している。

前世代のSandyBridge-E世代の最上位モデルであるCorei7-3970Xと比較すると、製造プロセスが32nm→22nmへとシュリンクされており、この恩恵を受けてTDPが150W→130Wへと下げられている。

また、エクストリームエディションなので倍率変更も可能です。高価なCPUなのでかなりリスキーですが、もう何も怖くない!と言い張れるようなエンスージアストな方は挑戦するのも良いかも知れません(^^;

 

何にせよ、6コア/12スレッドにロマンを感じる人は多いであろう(;゚∀゚)=3


■マザーボードのBIOS(UEFI)には要注意!
Corei7-4960Xは、LGA2011対応であり従来のSandyBridge-E対応のマザーでもUEFIを更新すればほとんどの場合は使用できる。

但し、PCパーツショップに並んでいるLGA2011マザーが全てIvyBridge-E対応のUEFIバージョンになっているとは限らない。SandyBridge-E世代のCPUを持っている人なら自分でアップデートすれば良いが、そうでない場合は店頭でUEFIのバージョンを確認するか、UEFIのアップデートサービスを行っている店で購入する必要がある。

私の場合はASRCOKのX79 Exreme6/GBを購入しようとしたが、店頭に置いていた製品のUEFIのバージョンがP1.80と古く、4960Xに対応させる為にはP2.30以降が必要だった為、UEFIのアップグレードサービスを利用しました。(店によってはタダでやってくれるので、販売価格と天秤に掛けながら購入する店舗を決めると良いでしょう)

 

ASRockのマザーの殆どはVerが、2.xxだとIvyBridge-Eに対応するようです。

 


■外観
まずは、その外観を見てみましょう。

LGA1150/1155の箱に比べると小さく、薄いです。
これが10万円の重みなのか・・・意外と軽いですね(^^;

これが最上位のCPUなのか!
これが最上位のCPUなのか!



内容物
・Corei7-4960X CPU本体
・マニュアル
・エムブレムシール

CPUクーラーは付属しないので注意!だから箱が小さくて軽いのですね。

付属品は簡素ですね
付属品は簡素ですね


残念なのはエムブレムシール。4770Kと同じ柄です。折角、エクストリームエディションなのだからもう少しカッコイイデザインのものが欲しいですね。

ちょっとガッカリ感が・・・
ちょっとガッカリ感が・・・


最初見たとき、CPUデカいな!っと思うかも知れませんが、Socket478~1150世代が小さいだけで、Socket370(PentiumⅢ世代)のサイズとほとんど変わらなかったりします。

決して大きくないぞ!
決して大きくないぞ!




■組んでみる
ドスパラの(初代)ファイナルファンタジー14推奨PC(SandyBridge世代)をアップグレードする形で組んでみました。


ハードウェアの構成

【CPU】Corei7-4960X

【CPUクーラー】REEVEN ARCZIEL12 RC-1203
【メモリ(構成1)】Transcend JM1600KLH-16GKを2組(8GB×4枚)

【メモリ(構成2)】G.Skill F3-2133C10D-16GABを2組(8GB×4枚)

【ハードディスク1】Seagate ST2000DL003 (SATA3/2TB/5900rpm/64MB)

【ハードディスク2】TOSHIBA DT01ACA300 (SATA3/3TB/7200rpm/64MB)

【光学ドライブ】LG GH24NS50BL(SATA)

【マザーボード】ASRock X79 Extreme6/GB

【グラフィックカード】Palit NE5X570010DA-1101F(GeForceGTX570)

【電源】DELTA GPS750AB A F42(750W)

【ケース】ドスパラのショップブランドPC PrimeのATXケース

【OS】Microsoft Windows7 Ultimate(64bit)

 

※メモリは後述する性能評価にて、DDR3-1600、DDR3-2133の2種類の構成で試しています。

 

CPU装着(`・ω・´)!

 

クーラー装着!

 

ケースに組み込み!

 

そして、電源ON!

 

無事に起動しました。メモリもクアッドチャネルで認識しています。

この後、Windows7、SP1、最新のドライバ、各種ベンチソフトのインストールを行いましたが、不安定な挙動は一切ありませんでした。

 

メモリがクアッドチャネルなので相性が出るかなと心配していたのですが、今回はDDR3-1600、2133環境とも非常に安定していましたのであまり神経質になる必要は無いのかも知れません。

 


■ベンチマークで性能を確認する
まずは気になる性能を見てみましょう。


Corei7-4960Xについては、メモリがPC-17060(2133)、PC12800(1600)を使用したとき、比較対象としてはメインストリーム向けのCorei7-2600(SandyBridge)/3770K(IvyBridge)/4770K(Haswell)を用意しました。

CPU、CPUクーラー、マザーボード、メモリ以外の構成は同じに揃えています。

 

【ベンチマークを行ったマシンの構成比較】

 

 

【Windows7(64bit) エクスペリエンスインデックス】

4960Xでもプロセッサは7.8止まりで、4770Kと同じです。

12スレッドが活かせていない可能性がありますね。

 

 

【CrystalMark2004R3】

 

ALUとFPUに注目すると、

4770K>4960X>3770K>2600という順になっています。 

 

このベンチも12スレッドが活かせていない可能性があります。

 

ALU/FPU実行時にタスクマネージャーを見てみると・・・

CPU使用率は常に33%でした。少なくとも4スレッド分は全く動作しておらず、残り8スレッドで処理を奪い合っている感じですね。

 

また、メモリについてはDDR3-2133と1600の差が出ていますね。メモリクロックの割には差が小さいのが泣き所です・・・

 

 

【CPU関係のベンチ】

恒例のCPU関係のベンチを行ってみましょう。


CrystalMark2004R3 (ALU/FPU)

 

午後のこーだー ノーマルベンチ(マルチスレッド/シングルスレッド)

注意:午後のこーだーのマルチスレッドでは4960X環境だとスコアが150倍~600倍速の間で非常に大きくバラツク為、正常に計測できていないようです。


3DMark06 / 3DMarkVantage (いずれもCPUスコア)


CINEBENCH R15(CPU)


SuperPI(このベンチのみ短い方が高速)


CPUベンチスコアのまとめ


【結果】

4960Xは4770Kにベンチの種類によって勝ったり負けたりという結果になっています。3DMarkやCINEBENCHはCPUでは4960Xが圧勝しており12スレッドが活かされているようです。

 

シングルスレッドにしか対応しないSuperPIでは4770Kに僅かに劣る結果となっており、1コアあたりの性能は4770Kよりも少しに劣るようです。Haswellのアーキテクチャの方が新しいので

何らかの改良が行われているものだと思われます。


 

【GPU(主にゲーム関係)のベンチ】

 

3DMark06 / Vantage / 11(TOTALスコア)

 

ファイナルファンタジー14 新生エオルゼア(解像度:1920×1080)

 

ドラゴンクエスト10 (解像度:1920×1080)

 

ファンタシースターオンライン2 ベンチV2.00(解像度:1920×1080)

 

モンスターハンターフロンティア ベンチ3[大討伐](解像度:1920×1080)

 

きゃらコレ! ITちゃんダンシングベンチマーク(解像度:1920×1080)

 

CINEBENCH R15(OpenGL)

 

GPU関係のベンチのスコアのまとめ

 

【結果】

3DMarkVantageとモンスターハンターフロンティアのみ4960Xがトップのスコアとなりましたが、それ以外のベンチでは4770Kに劣る結果となりました。特にドラゴンクエスト10のスコアの落ち込みが大きく気になるところです。

 

少なくとも上記のゲームでは4770Kを使用した方が快適にだと思われます。(実際はどのベンチもスコアがインフレ気味なので体感できないとは思いますが・・・)

 

現行のゲームでは12スレッドに対応したものがほとんどなく、ゲームでは4960Xの性能を最大限に引き出すことは難しいと思われます。(例としてFF14ベンチでは4スレッドでしか動作していません)

 

但し、初めてDulaCoreのCPU(PentiumD)が登場したとき、「ゲームはシングルスレッドなので、高クロックのシングルコアのCPUを買った方が幸せになれる」と言われていましたが、現在ではマルチスレッドに対応したゲームエンジンがたくさん登場しています。

 

この為、12スレッドに対応するようなゲームも今後、登場してくる可能性は十分にあると思われます。

 


■ギリギリレビューの課題

今回のギリギリの課題は・・・

 

ある日の会話。

(゚∀゚)俺「やっぱり、6コア・12スレッドのCPUが欲しいよな♪」

(゚Д゚)友人「そんなに速いCPUって所詮はゲームかエンコ専用だろーが!」

 

っという話はパワーユーザーなら、誰でも経験があると思います(^^;

 

(`・ω・´)俺「だったら、エンコードをすれば良いじゃないか!!!!」

 

 

と言うことで、今回のギリギリレビューのお題は

「3テラバイトのハードディスクに容量ギリギリまで詰め込んだ動画のエンコードです!」

 

kazgbさんの内容と凄く被っていたりしますが応募時に書いた内容なのでこれで行きます(`・ω・´) !

 

 

【使用ソフト、ソース、設定など】

ちなみに私の動画ソースはアナログ放送時代~地デジ(アナログ録画)で録画した大量のアニメDVD(録画して観ていない「積みDVD」状態のもの)をスマホやタブレットで見るためのエンコードです。

 

使用ソフトはペガシスの「TMPGEnc Video Mastering Works 5(体験版)」

(以下、TMPG5と記載)

 

実質、MPEG2→MPEG4 AVC(x.264)の変換ですね。

SDカードで動画を持ち歩くので、解像度は720×480と低めにしています。

(元がDVDなので高い解像度にしても容量が勿体無いだけですし・・・)

 

アニメで1話あたり、250MB程度になるようにビットレートは1300kbps(固定)にしています。

(下のスクリーンショットでは2話分連結したファイルなので約500MBになっています)

 

12スレッドは活用されているのが判りますね。

CPU使用率は100%にはなりませんが、8スレッドのCorei7-4770Kと差が出るのか興味深いところです。

 

上記はセッティング用に撮ったスクリーンショットです。

 

 

 

【実際に3TBの動画をエンコードしてみた!】

まずはソースのDVDをTMPG5でリッピング&イメージ化します。

3TBのHDDにDVDのイメージが938本!(注:ダブリ有)

これだけの作業だけで丸一日以上かかります。

なんというか凄いことになってますね(^^;

 

3TBのHDDディスクにギリギリになるまで詰め込んだ!

(1ファイルが3GB程度なので、700MB程度空いていますが(^^; )

 

 

リッピングしたファイルをTMPG5で、クリップとしてまとめて追加します。

しかし問題が発生!TMPG5に一度に登録できるクリップ数は200個までのようです。ですので200ファイルのエンコードを5回繰り返すことにします。

 

MPEG2→MPEG4 AVC(x.264)の固定ビットレートで1300kbpsに設定します。

エンコード前は200ファイル(25分のアニメ400話相当)で約600GBのMPEG2が、約98GBに圧縮されると算出されています(;=゚ω゚)=333

 

エンコード開始画面。

ファイル数がいつもより凄いことになっています(^^;

 

変換開始!!(2013.11.4)

計算上は4960X環境でぶっ通しで6日半程度かかります(^^;

 

※実際には200ファイル変換後、手動で次の200ファイルに切り替えるのでその間ロスが出ます。集計時にはその分は省いた実エンコード時間のみ記載します。

 

 

変換完了!(2013.11.11)

4960X環境での3TBエンコード(938ファイル分。5回に分けてエンコード)が終わりました。

何故か、事前に算出されたファイルサイズより容量が小さいですね。

 

 

約3TB(2.72TB)→353GBになったので、元の容量の13%にまで圧縮できています。

 

比較対象のCorei7-4770Kも変換完了!

掛かった時間とファイルサイズは以下のようになりました。

 

合計時間で比較すると・・・

Corei7-4960Xは、Corei7-4770Kより約10%速い計算になります。

 

【参考データ】3.4GBの1ファイルの変換にかかった時間。

Corei7-4960X・・・10分28秒

Corei7-4770K・・・11分27秒

 

4960Xの方が高速ですが、12スレッドの割には思ったより速くないように見えるかも知れません。しかし、CPU使用率が4960Xが60~75%程度、4770Kが80~90%程度と余力を残しているので一概に比べられないと思います。

 

今回のレビューでぶっ通しだと、12日以上のエンコードしたことになりますね(^^;

(実際は200ファイル変換毎にストップしますので、14日程度かかっています)

 

 

結論:

エンコードは計画的に!!!!

無理のない変換計画を立てましょう!!

よーするに、動画は3TBも溜める前に変換しておかないと、8月31日に溜めまくった夏休みの宿題をやっているような気分で泣きを見るぞ・゚・(つД‘)・゚・ 小まめにエンコードした方が賢いですよホントに・・・

 

Corei7-4960Xはマルチスレッドに対応したエンコードは高速に行えるが、他の用途だとその膨大なリソースを使い切るのが難しいという感じです。エンコードしながらゲームをするというような「ながら作業」の積み重ねると恩恵を受けることができるかも知れませんね(^^;

コメント (8)

  • eulerさん

    2013/11/05

    CineBench新しいの出てたんだ・・・・

    うちも今晩走らせてみよう。
  • ふっけんさん

    2013/11/05

    eulerさん

    私も今回のレビューで気づきました。
    スコアの単位が異なっているので以前のものと比較できないのが残念です(^^;
  • kazgbさん

    2013/11/07

    ネタ被りましたねぇ><。
    自分は選んだパーツが良かったのか、思った程に音は気にならないですね。一応聞こえていても眠れる程度には^^;

    体験版使用ですか!?
    バッチエンコード使えないし、映像に文字入るし、大変そうなイメージがあるんですが大丈夫なのだろうかと心配になったり。
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