レビューメディア「ジグソー」

システム用としてもデータ用としても高性能な大容量HDD

zigsow様、ウェスタン・デジタル社様、ならびに関係者の皆様

このたびは、写真・ビデオ編集、ゲームなどの高いパフォーマンスが必要となる用途、およびパワーPCに最適なウエスタンデジタルHDD「WD Black 4TB」のレビューアーに選出していただき誠にありがとうございます。

 

また、トラブル発生のためレビュー公開が遅くなってしまった事をお詫びいたします(HDDは届いたら面倒くさがらずエラーチェックした方がいいですよ・・・。エラー発生の原因が判らなくなるしデータ救助が出来なくなった後からじゃ遅いですし・・・)。

 

 

 

今回のレビューは上記のとおり、容量4TBと大容量のWesternDigital製3.5インチSerial ATA-HDDになります。WD社の高パフォーマンスシリーズ「Black」モデルでSATA6Gbps対応7200rpmのHDDです。

 

主な仕様は以下の通りです
 インターフェイス 6Gbps
 回転速度 7200 RPM
 バッファ・サイズ 64 MB
 平均待ち時間 4.20 ms (公称)
 ロード/アンロード サイクル 最低 300,000
大きさ(mm)
 高さ 26.1 mm
 深さ 147 mm
 幅 101.6 mm
 重量 0.78 kg
動作音
 アイドル・モード 29 dBA (平均)
 シーク・モード0 34 dBA (平均)
動作対応温度
 動作時 (通電時) -0°C から 60°C まで
 非動作時(保管時) -40°C から 70°C まで
消費電力
 読取り/書込み 10.40 W
 アイドル 8.10 W
 スタンバイ 1.20 W
 スリープ 1.20 W

スペックを見ると普通のHDDっぽいですね。目立つ所があるとすれば、多プラッタモデルらしく重量が結構あるのと7200RPMモデルらしく消費電力が高めという事。という事は動作温度が高くなるという事なのですが、果たして・・・

 

さて、今回の自分のレビューテーマは

【3】 ゲーム タイトル:PlanetSide2

です。こちらのタイトルは最大2000人対応のFPS対戦ゲームという事でHDDの転送速度がどう影響するのか、それに注目してレビューを行って生きたいと思います。

 

【今回のテスト環境および比較対象HDD】

なお今回のレビューを行う環境は以下の通りになります。

CPU :


M/B :


MEM :


VGA :


OS : Windows8 Enterprise 評価版

比較対象HDD:WD WD15EARS (WD Caviar Green 1.5TB)

  

【Pre-Round】


とその前に、まずはベンチマークから。

左=WD Black 4TB  右=WD Caviar Green 1.5TB

 

こちらを見ると、シーケンシャルのR/Wは150MB/sと7200RPMのHDDとしては普通ですが、目立つのは512KB/4K/4KQD32のライト性能の高さですかね。これはデュアルプロセッサを搭載している恩恵なのでしょうか?さすがに低回転のCaviar Green 1.5TBは速度的に遅めですね。ただシーケンシャルで80GB/s台後半をマークしてますし、512KBでも50MB/s台を出せるので意外と健闘しているといえると思います。

 

次にCrystalDiskMarkで動作時の温度を測定です。左=ケース内ファン有り、右=ケース内ファン無しでの安定時の温度です(連続アクセス発生時はこれより高くなります)。

 

WD Black 4TB (左=ケース内ファン有り、右=ケース内ファン無し)

 

WD Caviar Green 1.5TB (左=ケース内ファン有り、右=ケース内ファン無し)

 

さすがに7200RPMで多プラッタモデルで結構発熱してます。この時期(室温14~5℃くらい?暖房入れていません)でもファン無しだと43℃行くわけですから、いくら最大動作温度が60℃まで対応しているからと言って、真夏にファンレスや窒息ケースで使うのは少し躊躇しちゃいます。当然の事ではありますが少しでも風が当るような状態で使う方がいいです。

 

最後に動作音について。こちらは録音してみたのですが・・・・ファン音の方が大きくてシーク音があまり目立たなかったので今回は音声の投稿は無し。ただWD Black 4TBとCaviar Green 1.5TBを比較してみると、Blackは回転数が速いぶん振動は大きめですがシーク音自体は低目で音も小さめでした。対するCaviar Greenは、振動こそ少ないもののシーク音自体は少し高めのカリカリって音が鳴って、意外な事にこちらの方が音は大きかったですね。ただどちらも小さめなので、シーク音が気になって仕方が無い!って事はほぼ無いと思います。

  

【Round 1】
さて、本番のPlanetSide2での動作状況です。環境のところでも説明しましたが、どちらもOSをクリーンインストールしてシステム&データ用HDDとして使っています。パーティションも分けず、どちらもCドライブとしての運用です。

 

また、画面キャプチャでHDD転送速度を犠牲にするのも問題だと思ったので、非常に古臭い方法ですがカメラを用いて画面を撮影しています(HDDアクセスランプは別のカメラで撮影、AviUtlで合成)。モニター(テレビ)の前に三脚を立ててカメラを設置している状態ですので、プレー内容そのものに関してのコメントはご遠慮ください・・・ってカメラ無くてもヘタクソなわけですが(汗。良い言い訳のネタに使えてry

 

まあ難しい事は抜きにしてまずはPlanetSide2起動時の速さから。Wクリックしてから沸くまでの時間です。また参考のためにその後のプレー画面も1分ほど映しています。

 

WD Black 4TB     :2分11秒

 

WD Caviar Green 1.5TB:2分36秒

 

 

PlanetSide2は、初回起動時には大量にデータを読み込むのか結構時間がかかります。

起動時に設定確認してみたり、サーバーとの通信時間など多少マギレはありますが、この状況ではHDDの纏足速度の差がモロに出てWD Blackの優秀さがわかりますね。対するCaviar Greenの方ですが、頑張っているものの少し遅れているのがわかります。

 

但し2回目からの起動は凄く速いのと、一旦ロードしてしまってからだとコーディングが優秀なのか、プレーヤーが気にしていない時に随時データを読み込む仕様にしているためか、マップ切替時とかでも意外なことにCaviar Greenでもそんなに気になる事が無かったと言う事も記載しておくべきか思います。

 

【Round 2】


それだけでは色々と面白くないので、今度はプレー画面をキャプチャしたらどうなるのかのテストです。使ったのはデスクトップキャプチャソフトのアマレココで、コーデックはAMV3(シェアウェア、アマレココと併用時のみ評価版として無料)を使ってみました。また、fps数表示用ソフトとしてMSI Afterburnerを、CPU動作速度表示にはCPU-Z、ディスクアクセスランプの表示にはFloatLED、データ転送割合をみるためWin8のタスクマネージャーを使っています。

 

アマレココ設定やコーデックの設定

 

 

WD Black 4TB AMV3 Codec (S3:標準)

 

WD Caviar Green 1.5TB AMV3 Codec (S3:標準)

 

 

PlanetSide2のサーバーや通信自体が重過ぎて人が多い地域ではfps数が伸びませんが(CPU負荷も低いですし、GPU負荷も高くならないように画質設定をmiddleまで下げています。またlowに下げても大差がありませんでした)、意外なことにWD BlackもCaviar Greenも録画には問題がありませんでした。

 

試しにコーデックを変えて、フリーウェアの可逆圧縮で軽快なUt Video Codec suiteでデスクトップキャプチャを試みてみます。

 

WD Black 4TB Ut Video Codec Lossless

 

こちらでも、特に録画に問題が無い事が確認できました。左のWin8タスクマネージャーの転送速度を見ても、必要な帯域が意外なほど少なめなのが確認できます。

 

これはCPUパワーが向上したのと、コーデックのリアルタイム圧縮が非常に優秀になっていて必要な帯域が少なくなっているお陰かもしれません。ただタスクマネージャーを見る限りだとやっぱりWD Blackのほうが負荷は軽くなっていますし、瞬間的に書き込み速度が30MB/s台に突入してたりするんでもっと読み込みが激しいゲームだと、遅いHDDでは問題が出てきそうな雰囲気はあります。

 

【Round 3】

想像していた以上にWD Greenが健闘しているので、今度は厳しいテストを行っていきます。 WD Black 4TBもWD Green 1.5TB録画用HDDとして使い、キャプチャも可逆圧縮(AMV3 S1:可逆高速)1920x1080 60fpsでの実験です。今回はアマレココやAMV3コーデックの設定、使用ソフトが少し変わり以下の通りになります。主な変更点としては、バッファサイズ:100→512MB、優先度:普通→高い、エンコード(コア数):1→4です。60fpsのエンコードに対応させるためこのように設定しました。

 

アマレココ設定

 

AMV3コーデック設定

 

<環境>

CPU : Intel Core i7 3770K
M/B : Asrock Z68 Extreme4 Gen3
MEM : DDR3-1333 4GBx2
VGA : AMD Radeon HD6950 2GB
OS : Windows7 Pro
SSD1 : Crucial m4 64GB (システム用。Cドライブです)
HDD1 : WD15EARS-00Z5B1 (ソフト兼TEMP用。DおよびSドライブ)
※今回比較対象で用いているのとは別ドライブです


HDD2 : WD4001FAEX-00MJRA0 (レビュー品 WD Black 4TB)

HDD3 : WD15EARS-00MVWB0 (比較対象 WD Caviar Green)

※Z68にはSATA3 6.0Gbpsコネクタが2つしかないので必然で気にCrucial m4とWD Black 4TBで埋まってしまいますが、HDDは3Gbpsでも十分な帯域なので特に問題ないです※

 

fps数表示にAfterburnerを用いるのは同じですが、今回HDD転送の確認を行うためにMy HDD Speedというソフトを用いました。フリーソフト(寄付歓迎)のこちらのソフトは各HDDの転送状況と転送速度が確認できるのでこういうテストでは結構便利です。

 

1920x1080 60fpsと結構厳しい録画条件ですが、果たしてどうなのか以下が動画です。Youtubeだと30fpsになっていしまうので、左下のアマレココの下部にドロップフレーム数を表示させているのでそちらに注目してください。

 

WD Black 4TB

 

WD Caviar Green 1.5TB

 

完全に差がついてしまいましたね。WD Greenではボロボロとこぼすのに対して、WD Blackではほとんどドロップフレームが発生しません。その理由はMy HDD Speedに表示される最大速度を見ると良く判ります。

WD Blackでは最大 160,436KB/s も行っているのですが、これはWD Greenの最大転送速度を大幅に上回ってしまっています。実際WD Greenの最大速度を見ると 104,715 KB/s止まりです。また、アマレココに吐き出させたレポートファイル(txt)を確認してもHDD=119.005MByte/sというのが確認でき、これは明らかにWD Greenのピーク性能を超えてしまう数値です。これではWD Greenでドロップフレームがボロボロ発生してしまうのも無理がないですね。

 

【気になったこと

WD Blackを使っていて少しだけ気になったのはSATAコネクタの形状です。ケーブルを固定するノッチが無いのでケーブルのコネクタが抜けやすいんですよね。カートリッジに入れて使っている人とかは問題ないでしょうし、ケーブルの形状・位置やコネクタが抜けにくい硬さがあるものなら大丈夫だと思いますが、ケースやケーブルによっては抜けやすいor抜けかかるって事もあるので簡単には抜けいない形の方が安心できると個人的には思うんですけどね・・・

 

 

【総評】

WD Blackの総合評価としては10点満点9点でした。

 

転送速度はHDDで最速とはいかないものの大容量HDDとしては十分に速く、小さいファイルの書き込みにも強いという面はデータ用HDD、特に写真や動画など加工するデータを保存するドライブとしては非常によさそうです。また小容量のSSDを補完する、ソフトをインストールするHDDとして活用するのもいいのではないでしょうか。最近は容量数十GB級のゲームも結構多いですからね~。

 

システム用HDDとしては、最近は安いSSDが増えてきたためこれ1台だけで全部という人は少ないと思いますが、十分速いのでブートの速いWindows7や8ではストレス無く使えるのではないでしょうか。

但し個人的には1台のみの運用はあまり好きではない(データを分けたいのと、システムとゲームと録画が同じドライブだと転送速度を食い合って引っかかるような急激なfps低下が発生しやすくなるため)ので、あまりオススメできないかな?

 

振動は結構あるのでケースがペラペラだと共振が目立つかもしれませんが、シーク音は非常に静かで気になることはありません。保証期間も最近のHDDとしては5年と長いのもプラス材料です。

 

自分の減点対象となったのは 1)動作温度 と 2)SATAコネクタの形状

前者は、エアコンの無い部屋で使う事を考えたら結構嫌な温度になることが考えられます。日本は夏も湿度が高いですので、その辺りの耐久性も気になってしまいます。

後者は、既に記載したとおりノッチが無くて抜けやすいコネクタ形状には不安が残ってしまいます。抜けないと抜けないでトラブルが起きやすいのでしょうけど、動作時の安心感を考えたらSATAケーブルが簡単に抜けない方が良かったですね。

 

 

※オマケ※

【4TB丸ごと使いたい時の注意点】

ご存知の方も多いと思いますが、Windows機では2TBの壁という物があります。これはHDDの管理方式のレガシー(古い仕様)問題なのですが詳細は省くとして、Windows Vista以降のOSではGPTディスク(GUIDパーティションテーブル)として使う事で、2TB以上の容量を管理できるようになります。

 

A)現在使用している環境にデータ用HDDとして追加するとき

こちらは非常に簡単で、ディスクの管理でディスクを初期化する時に、必ず GPT(GUID パーティションテーブル) を選択する事です。それだけでOK。あとは普通に2TBの壁を越えてパーティション作成が出来ます

 

ディスクの管理から、接続したWD Black 4TBを選び「ディスクの初期化」をクリック

 

するとこんな窓が出てくるので、必ず下の方のGPT(GUID パーティションテーブル)を選択する

 

そしたらこんな風に2TB以上もOKとなる

 

 

B)WindowsでGPTディスクのシステム(ブート)用HDDとして使いたい場合

1. BIOSがEFI/UEFIであること

最近のM/BはUEFIばかりなので大丈夫だと思いますが、少し古いM/BなどでBIOSの場合は要注意です。Gigabyteの3TB+ Unlockerユーティリティみたいに、一部BIOS搭載製品でなんとかする方法もありますが自分は詳しくはしりません・・・のでスルーします(汗

 

2. OSが64bit版でなおかつVista以降であること

一般の方が使うのは主にVista/7/8だと思いますが、64bit版である必要があります(一応書いておきますとServer 2008も対応しています)。XPや7の32bit版などを使いたい場合は残念ですね

 

3. OSインストール時にUEFIで起動させること

これで引っかかるパターンが多そうです。OSをインストールするために64bit版OSのディスクを光学ドライブに入れ起動させたのに、MBRで起動してしまって2TBの壁をやぶれないパターンですね。

 

これはM/BのUEFIによって設定が色々異なると思うのですが、当方の所有しているAsRock Z68 Extreme4 Gen3では以下の通りになります。あ、先に光学ドライブにインストールディスクを入れておいてね!

 

UEFIのBootを選び、PCI ROM PriorityがEFI Compatible ROMに設定し、F10で保存&再起動

 

起動時にF11を押し、UEFI:[(光学ドライブ名)]ってのがあるはずなのでそれを選択するとUEFIで起動して、GPTが選べるようになります。たったそれだけでOK。ハマリやすい落とし穴ですが判れば簡単ですね。対応はM/Bによって異なるので皆さんそれぞれ対応してみてください。

 

ちなみに、64bitOSのディスクを光学ドライブに入れたままUEFIに入りブート順を調整するとこんな感じになります。これで保存して再起動してもいいですが、OSインストール後にまたUEFIに入ってブート順を調整するのも面倒なので1回しか起動させないならF11を押して起動選択画面を呼び出す方が楽ですね。

 

あ、ついでに思い出しましたがAsRockのM/Bの場合はHDDなのかSSDなのか指定できるので一応やっています。何が違うのかは正直・・・

 

 

【Windows8を少しでも使いやすくするため】

正直な事を言いますと、現時点ではタッチパネルの液晶ではないPCでWindows8を使うのは苦痛でしかないです。慣れないユーザーインターフェイスにいちいちタッチしろと言ってくる表示・・・うちの液晶はタッチできねー!素直にマウスとK/Bを多用するような画面にしやがれ!ですわ

 

という事で、そういう方々のためのマスト・アイテムがこちら。ClassicShellですね。Windows8の忌まわしきMetroUIから、Windows7以前の旧式UIに戻す事ができます。こっちの方が昔からPCを使ってきた人にはありがたいですよね。今回のレビューでは当然?ながら即こちらを導入してWindows8を使いました。

 

【録画データが読めなくて、あれ?って思ってエラーチェックしたときの悪夢の表示】

 

この件で、年末の忙しい時期にも関わらず迅速に対応してくださったzigsow様、ウェスタン・デジタル社様には非常に感謝しています。

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