レビューのテーマは「Windows8環境でWD Blue 1TBを使用して徹底検証せよ!」ということなので、Windows8 PCに組み込んで検証してみました。
WD Blue 1TB(WesternDigital WD10EZEX)は1TBの高密度プラッタを採用した7200rpmの高回転に64MBの大容量キャッシュが組み合わされた高速モデル。
販売開始時期2012年6月頃のようです。
こちらは比較用に用意したSeagate製の7200rpmの高速モデル「Seagate ST31000528AS(Barracuda 7200.12)」。
発売は2009年2月と約3年前の製品で、500GBプラッタかつ7200rpmの高回転モデルということで当時パフォーマンス重視のユーザーに人気がありました。
使い込んでいますが現役稼働中。
更新: 2013/10/23
”Acronis True Image WD Edition”を使用するまでの流れと使用感
PREMIUM REVIEW
入手からインストール、レスキューメディア作成
”Acronis True Image WD Edition Software”
http://support.wdc.com/product/downloaddetail.asp?swid=11...
アプリは上記のサイトから無料でダウンロードできます。
Acronis True Image WD Edition Softwareは機能が豊富なのでユーザーマニュアル(日本語)もあわせて入手しておくことをお勧めします。
サイトへ移動したら右側の”Download Now”をクリック
言語選択が表示されたら”日本語”をクリックするとダウンロードが開始されます。
ファイルサイズはレビュー作成時のバージョンでは約150MBでした。
インストールおよび使用するにはWestern Digitalの製品が1台以上PCに接続されていることが条件となります。
Western DigitalのHDDはSATA接続の他にUSB 2.0/3.0接続でも認識されます。
SATAポートに余裕の無い環境、例えばNUCなどでも利用可能です。
Acronis True Image WD Editionのインストーラーは日本語のため難しい点は無いとは思いますがインストール手順を紹介します。
Western DigitalのサイトからAcronis True Image WD Editionを入手してSATA又はUSB 2.0/.3.0ポートにWestern DigitalのHDDを接続してからインストーラーを起動。
”True Image WD Editionのインストール”をクリック
”次へ”をクリック
”同意する”にチェックしてから”次へ”をクリック
セットアップの種類に関しては”標準”を選択して”次へ”をクリック
管理者オプションも問題なければ標準設定のまま”次へ”をクリック
インストール先など問題なければ”実行”をクリック
アプリのインストールが開始されるので終わるまで待ちます。
アプリのインストールが正常終了したことを確認したら”閉じる”をクリックしてインストール作業は完了です。
Acronis True Image WD Editionはシステムドライブの故障でOSが起動できない状態からリカバリーを行うためのレスキュー メディア(ブータブル メディア)を作成することができます。
トラブルに備えてレスキュー メディアを作成してみました。
Acronis True Image WD Editionとあわせて同時にインストールされる”ブータブル メディア ビルダ(Acronis メディア ビルダ)”を起動します。”次へ”をクリック
追加するコンポーネントの選択はAcronis True Imageにチェック(全てにチェックが入ります。)
して”次へ”をクリック。
ブータブルメディアオプションは必要なければ”次へ”をクリック。
ブータブルメディアの種類は”CD-RWドライブ(CD-R/DVD-Rなど)、リムーバブルディスク、ISOイメージ”から好みの方式を選択して”次へ”をクリック。今回は汎用性の高いISOイメージを選択してみました。
ISOイメージの場合はファイルネームと保存先を指定して”次へ”をクリック。
最後に確認画面が表示されるので問題なければ”実行”をクリックで作成が開始されます。
後はライティングソフトで作成したイメージファイルをCD-R/DVD-Rに書き込んで作業終了です。
インストーラー、アプリ本体、マニュアル共に完全日本語化されているので英語が苦手なユーザーでも安心です。
基本的には市販のアプリの機能制限版ということですが、システムドライブのクローニングと強力なバックアップ機能に加えてシステムドライブがクラッシュしたときに専用ブータブルメディアから起動してリカバリーが可能なレスキュー メディアも作成可能と市販のアプリに迫る機能を搭載しています。
レビュー構成の関係で話が前後しますが、Windows8環境ではレスキュー メディアでのリカバリーでメニュー画面が一部崩れる不具合があるようですが動作自体は問題ありませんでした。その他は特に不具合はないようです。
WD HDDユーザーなら入手しておくことをお勧めします。
更新: 2013/10/23
”Acronis True Image WD Edition”の主な機能のWindows 8 での使用
PREMIUM REVIEW
主な機能”クローニング、バックアップ、レスキュー メディア”検証
Acronis True Image WD Editionの一番重要な機能と言える”HDD/SSDのクローニング”。
システムディスクのクローニングはOS再インストールと環境構築の手間を省くことができるので非常に便利です。
今回は汎用性を考慮してWD10EZEXをUSB 3.0接続でコピー先に設定し、コピー元となるSSDのシステムドライブのクローニングを行ってみました。
SATA>USB 3.0変換は玄人志向 USB 3.0外付けケース GW3.5AI-SU3/VBを使用しています。
Acronis True Image WD Editionのホームから”ディスクのクローン作成”をクリック。
クローンモードの選択は”自動”を選択。
(クローニング先のドライブのパーティションサイズを指定したい場合は手動を選択します。)
ターゲット ハードディスクの選択は”WDC WD10EX-EX”を選択して”次へ”をクリック
確認が表示された場合は問題なければ”OK”をクリック
概要が表示されます。自動を選択した場合、クローニング元のライブよりクローニング先のドライブの容量が大きい場合、残りの領域は1パーティションになるように設定されているようです。
問題なければ”実行”をクリック。
再起動の支持がでるので、問題なければ”再起動”をクリックしてクローニング作業が開始されます。
クローニング実行中の画面はIntel版のコマンドライン風なものからWindows風のグラフイカルな表示に変更されています。使用容量約27GBのSSDのシステムドライブのクローニングは3~4分で終了しました。非常に高速なのでストレスなくクローニング作業を行えます。
<Windows8 OS起動時間比較>
・SSD Intel X25-M 80GB:16秒
・HDD WDC WD10EZEX :21秒
システムドライブのミラーリング後にSSDとHDDの起動時間をチェックしてみました。
(Classic Shell 3.6.6Jをインストールしているのでデスクトップ画面が表示されてウェイティングの回転マークが消えた時点をOS起動としています。)
SSDの16秒に対してWDC WD10EZEXは21秒と健闘しています。
Windows8なら最新HDDの速度と高速起動の効果も加わりOS起動にストレスはありません。
Acronis True Image WD Editionは強力なバックアップ機能が搭載されています。
システムドライブの他にデータドライブのバックアップも可能です。
Acronis True Image WD Editionのバックアップから”ディスクとパーティションのバックアップ”をクリック。
バックアップするパーティションの選択は”ディスク 1”をチェックしてドライブ丸ごとクローンを作成します。チェックが入っていることを確認して”次へ”をクリック。
ターゲットバックアップアーカイブは保存先を指定したい場合は”バックアップの保存先”を変更します。
(今回はEドライブのWDC WD10EZEXを指定しています。)
保存先の指定を変更又は問題なければ”次へ”をクリック。
保存先のフォルダが存在しない場合作成の有無が表示されるので問題なければ”はい”をクリック。
概要が表示されるので問題なければ”実行”をクリック。
しばらくするとバックアップが終了します。
<バックアップに掛る時間>
・SSDからHDDへ:88秒
約27GBのシステムのバックアップに掛った時間は僅か88秒。
アプリの性能に加えてHDDの速度も手伝いストレスなくバックアップ可能です!
バックアップしたファイル(イメージアーカイブ)のファイルサイズは7GB。
ファイルは圧縮されていて拡張子はtibとなっています。
このファイルはAcronis True Image WD Editionのリカバリーメニューからイメージファイルの参照の他にマウント機能も用意されています。マウント機能は作成したイメージアーカイブを仮想ドライブとしてマウントし物理ドライブのように内部のファイルにアクセスすることができます。
二つの方式は共にアーカイブの変更はできませんがファイル単位で抽出可能なためイメージアーカイブ内の特定のファイルのみ復元したい場合に便利です。
OSのリカバリーを行う場合でもっとも深刻なOSクラッシュを想定し、レスキュー メディアを使用してバックアップしたイメージアーカイブからリカバリーできるか検証してみました。
作成したレスキューメディアを光学ドライブにセットして起動させるとインストーラー風のメニュー画面が表示されます。
Acronis True Image WD Editionをクリックしてアプリを起動させます。
(レスキュー メディアからのAcronis True Image WD Editionを起動する場合もWD製HDDをPCに接続しておく必要があります。)
しばらくするとAcronis True Image WD Editionが起動します。
ユーザーインターフェースやメニュー構造はWindows8上の物とほぼ同一のようです。
リカバリのタブをクリックして表示内容を変更し”ディスクのリカバリ”をクリック。
リカバリーしたいイメージアーカイブを保存している場所を指定して”OK”をクリック。
(この後ウィンドウ表示が入り部崩れたのでキャンセルでメニューに戻り、同じ手順でやり直しています。)
リカバリする項目の指定は”ディスク 1”をクリックして全てを選択してから”次へ”をクリック。
ディスク 1の復元先選択は、上記場合ディスク2のSSDを選択して”次へ”をクリック。
(環境により表示内容は異なると思いますので復元先のドライブ選択は注意が必要です。)
確認メッセージが表示されるので問題なければ”OK”をクリック。
概要が表示されるので問題なければ”実行”をクリックするとリカバリー処理が開始されます。
リカバリーはイメージアーカイブ 7GBで約4分で終了しました。
この後jは終了メニューが無いのでメディアを抜いてリセットボタンでPCを再起動させます。
イメージアーカイブからリカバリーしたシステムドライブは問題なくOS起動できました。
更新: 2013/10/23
便利な使い方やTIPS
PREMIUM REVIEW
WD10EZEX(WD Blue)の用途について
WesternDigital WD10EZEXの最適な用途については、一般的過ぎますが1TBという適度な容量と7200rpmの高速ドライブですからSSDと組み合わせてデータ用ドライブとして運用するのがベストです。
SSDでOSのレスポンスを向上させつつ容量不足をHDDで補うという方式で、現在のPCではもっともスタンダードな構成と言えます。SSDのハード的な寿命のまえに新製品へと買い換えてしまう方も多いと思いますが、ファイルサイズの大きい動画ファイルの保存や作業領域などのテンポラリファイル、IEなどのダウンロード先などをHDDに変更するなど工夫することでSSDの寿命を延ばすことができます。
●RAIDを構築して速度UP!
単体でも転送速度が非常に高速なのでデータ用ドライブとしても優秀ですが2台以上用意してRAID 0を構築し、転送速度を強化すれば動画などの編集もシングルドライブ時より作業をスムーズに行えると思います。(補足:写真下段のドライブはWDC WD25EZRXです。)
●外付ケースと組み合わせてバックアップ保存用外付HDDとして活用
無料で利用可能なAcronis True Image WD Editionは非常に強力で便利なバックアップ機能を有しているので、外付HDケースとセットで購入しPCのバックアップ保存用外付ドライブとして活用するのもオススメです。
データのバックアップ用としては容量が若干心配ですが、システムドライブのバックアップならデータ圧縮機能でかなりの台数分保存可能!
WD10EZEXの高速転送を生かすためには外付HDケースはUSB 3.0対応品がベストです。
更新: 2013/10/23
他社のHDD (1TBモデル)とベンチマークテスト比較
PREMIUM REVIEW
WD10EZEX vs ST31000528AS ベンチマーク対決!
WesternDigital WD10EZEXと比較用のSeagate ST31000528ASの転送速度を CrystalDiskMark Nano Pico Edition 64bit版 を使用して計測してみました。
●ファイルサイズ:100MB
シーケンシャルリードは249MB/s、シーケンシャルライトは178MB/s。
キャッシュへのヒット率が良いのかリードは初期のSSD並みのスコアです。
Seagate ST31000528ASのスコアはシーケンシャルアクセスは120MB/s台と数年前のHDDとしては高速なスコアで健闘しています。
ランダムアクセスもSeagate ST31000528ASに対して2~3倍のスコアになっています。
●ファイルサイズ:1000MB
シーケンシャルリードは190MB/s、シーケンシャルライトは183MB/s。
Seagate ST31000528ASに対して5割ほどスコアを伸ばしています。
4k(ランダムアクセス)のリードは同等ですがライトは4倍に。4KQD32(NQC)もライトは4倍のスコアです。
●ファイルサイズ:1000MB(約60%使用後)
レビュー作成後に古いHDD(ST31000528AS)からデータを転送して稼動させた状態でベンチマークテストを行ってみました。
両HDDともにデータ量は約60%程度書き込んだ状態です。
WD10EZEXは2割ほどスコアが低下していますがシーケンシャルアクセスでは150MB/s台をキープ。データを書き込んでも非常に高速で快適です。
ST31000528ASは100MB/s前後とこちらも2割ほどのスコアの低下と比較的落ち込みが少なく、高速ドライブらしいスコアで健闘しています。
高密度プラッタと7200rpmの効果でシーケンシャルアクセスで180~190MB/sという速度はかなり優秀です。100MBの設定ではベンチで予想以上のスコアが出てドライブ指定間違えたのかと思ったほど高速なHDDで驚きました。
シーケンシャルアクセス以外でもシーキングアルゴリズムと大容量キャッシュのおかげかランダムアクセスも従来のHDDと比べて高速になっているようです。全体的にバランスよく高速化されていることがわかりました。実稼動時も予想どうり従来のHDDより高いパフォーマンスを発揮。HDDの進化を感じさせる製品です。
<2013/09/23>
・”ファイルサイズ:1000MB(約60%使用後”を追記しました。
・”外付ケースと組み合わせてバックアップ保存用外付HDDとして活用”を追記しました。
<2013/09/24>
・画像とコメントを追加しました。
<2013/09/27>
・コメントを追加しました。
<2013/10/23>
・写真を追加しました。
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