レビューメディア「ジグソー」

家族で囲んで使うと良さそう

まずはレビューアーに選出していただいた関係各所の皆様に感謝申し上げます。

ノートPCに関しては、普段自分が仕事を中心に使うのであれば、軽量ノートPCや高解像度液晶を持つ本体を選ぶのですが、今回は居間に置いて家族用として使うノートPCとしての視点からレビューしていきたいと思います。

まずは届いた本体から。

届いた直後
届いた直後


早速開封します。

中身一式
中身一式


と、ここである事に気付きました。本レビューについて、以前レビュー対象機がFRNP514/DからFRNP515F/Dに変更になったという連絡をいただいていたのですが、今回届いた本体はFRNP514/Dの方なのです。

外箱の型番ラベル
外箱の型番ラベル
本体底面ラベル
本体底面ラベル


まあ、FRNP514/Dが当初のレビュー対象機種ですので、特に問題は無いでしょう。気にせずそのまま進めることにしました。今回のテスト機の構成は以下の通りです。

構成リスト
構成リスト


液晶を開いた状態
液晶を開いた状態


ここに注意書きというのは初めて見ました。ただ、これなら必ず目に入るわけで、意外と合理的な手段なのかもしれません。

メーカー製PCだけに、電源投入後はPC名、ユーザー名を決定し、ネットワーク環境を設定する程度でWindows 7を使い始めることが出来ます。この辺りは自作PCよりも大幅に楽ですね。Windows 7の初回起動時のデスクトップは以下の状態です。

初回起動時のデスクトップ
初回起動時のデスクトップ


なお、出荷時に導入されていたWindowsは、Windows 7 Home Premium 64bitでした。リカバリーディスクは32bit/64bitのセレクタブルとなっているようです。

添付のリカバリディスク
添付のリカバリディスク


まず最初に確認したのは、Windows 7 のエクスペリエンス インデックスです。

初期エクスペリエンス インデックス
初期エクスペリエンス インデックス


ややグラフィックスの値が低めですが、それでも比較的安価なノートPCでもこれくらいの値が出てしまうことに驚きます。実用的ではないでしょうが、SQUARE ENIXの「Final Fantasy XIV オフィシャルベンチマーク」も実行してみました。

出荷状態でのFFベンチ結果
出荷状態でのFFベンチ結果


Lowモードでスコアは527。3Dゲームを快適に動かすような使い方には向いているとは言い難いでしょう。

さて、初期の時点で導入されているアプリケーションのうち、「Kingsoft Office」や「ウイルスバスター2012 クラウド」は期間限定の体験版です。セキュリティ関連については早々に正式版にしておきたかったので、3台ライセンスの1台分が余っていた「マカフィー インターネットセキュリティ 2012」を導入することに。2台分を2ヶ月ほど前から使っているため、残存期間は10ヶ月ほどですが、30日よりは大幅に猶予がありますので。

マカフィーの導入
マカフィーの導入


初日はここまでで作業を終えました。SandyBridgeの仕様上、同一速度仕様のメモリーが2枚あればメモリーアクセス性能が向上するはずですので、翌日メモリーを調達した後に改めて検証を続けることにしたためです。

というわけで、ここからはDDR3-1333 4GB SO-DIMM(SiliconPower製、ELPIDAチップ)を増設した後の検証となります。一応メモリーの増設手順にもここで触れておきましょう。

本体底面
本体底面


少し見えにくいかもしれませんが、写真の中に6つある赤丸の部分のネジを全て外せば、この部分のカバーが外せます。ここからメモリーだけではなく、HDD、無線LANモジュール、CPUにもアクセスできる構造となっています。メモリーについては、下段のソケットに既存のモジュールが装着されていますので、上段の空きスロットに用意した新しいモジュールを取り付けるだけです。

増設分装着前
増設分装着前
増設分装着後
増設分装着後


装着が終わったら、改めて起動してみます。Windowsから増設分の容量だけ増加して見えていればとりあえずOKでしょう。速度向上の有無を見るべく、まずはエクスペリエンス インデックスから。

メモリー増設後
メモリー増設後


メモリーが2チャンネルアクセスとなるため、まずメモリ(RAM)が向上するのは至極当然です。ただ、それ以上にCPU内蔵のグラフィックコアを利用しているシステムであるため、メモリー帯域が2倍となることでグラフィックス関連の性能が大きく向上しているのが判ります。念のため「Final Fantasy XIV オフィシャルベンチマーク」も改めて実行してみました。

メモリー増設後FFベンチ
メモリー増設後FFベンチ


以前と同一の測定条件で、スコアは705となりました。依然としてゲームを快適に動かせるほどではありませんが、速度の向上は明確に体感できます。

なお、基本構成が近く、ディスクリートGPU(RADEON HD 6630M)を搭載する、私のVAIO SEで測定した結果は以下の通りでした。

VPCSE1AJのFFベンチ結果
VPCSE1AJのFFベンチ結果


スコアは1634となりました。やはりゲーム用にはディスクリートグラフィックが必要となりそうです。ただ、それでも少し前の世代のディスクリートGPU搭載製品よりは快適性は上となるのです。Core 2 Duo T9550 + GeForce 9300M GSのVAIO VGN-CS91Sの結果は以下の通りでした。

VGN-CS91SのFFベンチ結果
VGN-CS91SのFFベンチ結果


ディスクリートGPUでありながら、スコアは257にしかなりませんので。CPU内蔵グラフィックの性能向上にも驚かされます。


さて、最初に居間に置いて家族用として使うという話を書いたと思いますが、主に利用するのは私の両親です。現在はNEC VersaPro VY16A/W-3を使っているのですが、これは敢えて下位仕様となる15インチXGA液晶モデルを選択しました。高解像度の液晶では老眼で表示内容がわからないというためです。主に使うアプリケーションは、Webブラウザーの他はMicrosoft Office(Word/Excel)やゲーム(主にコンパイル「ぷよぷよSUN」)程度です。

既存環境と比較するために、「Microsoft Office 2010」と「ぷよぷよSUN」を導入してみました。「ぷよぷよSUN」はWindows 95向けのソフトであり、64bitのWindows 7で動作するのか不透明でしたが、一応動作はしてくれました。ただ、ショートカットの右クリックで表示される中の「互換性」で「Windows 98/Me」を選択しておかないと、キーの入力判定に問題があるようです。その点にだけ気をつけておけば、クリアまで遊んでみても問題はありませんでした。ただ、カーソルキーが小さめであるため、ゲームの操作は少々やりにくくなっています。

次にExcelを使った場合です。私の場合は一画面にできる限り多くの情報が表示されていて欲しいと思ってしまうのですが、親の世代ではとにかく見やすい大きさで表示されていることが重要だそうです。

FRNP514/DでExcel全画面表示
FRNP514/DでExcel全画面表示
VersaPro VY16A/W-3でExcel全画面表示
VersaPro VY16A/W-3でExcel全画面表示
VPCSE1AJでExcel全画面表示
VPCSE1AJでExcel全画面表示


実際に表示されているフォントサイズなどでは、実はVY16A/W-3が最も大きくなるのですが、この環境はWindows XP + Office 2003であるため、表示がやや小さいはずのFRNP514/DのWindows 7 + Office 2010の方が、情報量が増えていてもやや見やすいようです。フルHDのVPCSE1AJはWindows 7でもさすがに論外だそうで。ただ、Office 2010ではUIが変わりすぎていて、見やすいが操作には手間取りそうとのことです。

Webブラウザーについては、もちろん通常の閲覧にも使うのですが、プロ野球のインターネット中継「パ・リーグTV」を見るためにもノートPCをよく使います。今までVersaPro VY16A/W-3では動きがギクシャクしていて、どうしても不快な場合にはVPCSE1AJを引っ張り出してきていたのですが、FRNP514/Dはこの用途に関してはVPCSE1AJと体感上差を感じられない程度の性能は持っています。重めのゲームを遊ぶという用途以外であれば、性能面で不足感じることはあまりないのではないかという気がします。

一つ残念だったのは無線LANの速度でしょうか。まず速度測定をしてみました。

無線LAN経由のスピードテスト
無線LAN経由のスピードテスト


もう一つ速度が伸びないと感じていたのですが、このPCで採用されている無線LANモジュールに搭載されているAtheros AR9285は、IEEE802.11b/g/nサポートではあるのですが、IEEE802.11nはシングルストリームのみの対応で、最大150Mbpsでしか通信できないのです。DLNAサーバーから動画を読み出すという使い方もしますので、出来れば少なくとも300Mbpsサポートのモジュールであって欲しかったところです。


結論としては、性能や造り、液晶解像度、価格など全てがいわゆる「家族向き」のPCであるといえそうです。何よりこの水準の性能を持つPCを、Windows付きで6万円前後で買えるようになったということに驚きます。文中で登場したVAIO VGN-CS91Sなどは僅か3年前には20万円以上していた仕様のPCなのですから。

コメント (4)

  • aoidiskさん

    2012/04/16

    Excelも見やすいですね。

    年齢によって、求める表示 違いますものね。

    自分もそういえば、多くの情報はありがたいが、

    焦点が合わないなんて事になりがちで・・・

    レビューお疲れ様でした。
  • jive9821さん

    2012/04/16

    >aoidiskさん

    コメント有難うございます。
    私も自分だけで使うPCであれば、おそらく全く別の観点で評価していると思うのです。
    ここ10年ほど、必ず家族用の1台だけは大画面かつ低解像度というPCを用意し続けてきましたので、このPCがその使い方にマッチしているかを検証する良い機会になったと思っています。

    もっとも、私も下手をすればあと数年で「細かい文字が見えづらい」と言い出すかもしれませんので、決して他人事ではないのかもしれませんが…。
  • Manyaさん

    2012/04/16

    レビューお疲れ様です。

    「家族向き」のPC、まさにそういう作りですよね!
    バランスの取れた一品だと思います。
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