本品もメディアプレイヤーという製品分類でありながら、Androidを搭載しており、多用な利用シーンを創造してくれると期待しています。
ただ、汎用OSを搭載してしまうと専用機に比べると反応速度が遅い等、体感的にストレスになる場合があるというデメリットもあります。
Android端末とメディアプレイヤーの両面からレビューしたいと思います。
(2012.02.12)
・「0.1.アダプタ置き換」を追記
・「A.1.価格」を追記
・「C.Android Market」を追記
・「D.システムをのぞいてみた」を追記
・その他
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┃0.開梱式と外観
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プレミアムレビュー恒例の開梱式です。
到着した段ボールの印象は予想以上に大きいと感じましたが、開梱してみると中に入っていたのは予想以上に小さい製品箱でした。
個人的に楽しみにしている当選通知の封書は、今回なぜか同梱されていませんでした。
同梱品は、本体の他に、マニュアル2通、スタンド、コンポジット変換ケーブル、mini-USBケーブル、イヤホン、ACアダプタです。
プレミアムレビューに応募する際「このデザインであれば白の方がスタイリッシュでは?」と思い、白色で応募させて頂きました。
フレームが目立たないデザイン(例えばiPhone4等)であれば、画面OFFの状態で筐体と液晶の境目が分からない方が個人的にはカッコイイと思いますし、逆にフレームが目立つデザインであれば、ツートンカラーの方がカッコイイと考えたからです。
現物を見てみると、確かに白色は気に入ったのですが、写真で見るよりフレームの目立たない形状になっており、黒色もスタイリッシュだったと思います。
白の場合、背面の製品説明が目立ってしまうのは盲点でした。
大きさはDVDケースの約半分、厚さはDVDケースより若干薄い程度です。
予想より厚みはありますが、用途を考えれば我慢できる範囲です。
上端にハードウェアキーとmicro-SDスロット、右側面にイヤホン端子(TV出力兼用)、左側面にmini-USB端子・リセットスイッチ、背面にスピーカ・スタンド挿入スリットが装備されています。
ハードウェアキーは1個のみで、Android特有のホームキーやメニューキー等はすべてソフト(U/Iとして実装)で実現されています。
以降にあるキャプチャ画面の上端のバー、ホームボタン(左端)、メニューボタン(右端)が準備されていることが分かると思いますが、その分、バーをドラッグできる範囲が小さくなっています。
なお、同梱されるアダプタは、出力が2000mAと、他のスマートフォン・タブレットに比べても大容量です。
充電はmini-USB端子を使用しますので、他の端末のアダプタ同様、出力はUSBのAコネクタにして欲しかったところです。
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│0.1.アダプタ置き換え(2012.02.12)
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充電端子がUSBのため、Aコネクタ出力になっているIDEOS用のアダプタを兼用することにしました。
充電されることはされますが、高速充電を謳う付属のアダプタに比べると時間がかかります。
alimoが専用アダプタを採用していたことから考えても、本品も充電の際それなりに引っ張り込むのだと思いますので、やはり2,000mAの出力は必要なのかもしれません。
なお、PCのUSBコネクタによる充電は、IDEOS用アダプタ以上に充電に時間がかかります。
この引っ張り込む量から考えると、他の端末用のアダプタ(出力が小さい)を使うのは危険かもしれません。
iPhone用は壊したくないので検証には使用しませんでした。
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┃1.起動と終了
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起動は、前述した唯一のハードウェアキーを長押下することで起動します。
起動直後に扮装したTax(Linuxのペンギンマスコット)が表示され、その後、Android起動の文字列、製品ロゴの表示が続きます。
AndroidがLinuxをベースにしているとはいえ、Taxが表に出てくることが少ないため、PC-Linuxが見慣れている人(私を含む)にとっては新鮮に感じるのではないでしょうか?
起動直後はAndroidのホーム画面が表示されます。
私の印象としては素のAndroidといったところで面白みに欠く部分はありますが、本品はメディアプレイヤーですので、ある意味「他とは違う起動画面」ということになるのかもしれません。
私が気になっていた点として、画面の回転に対応しているのかという点がありました。
掲載されている写真はどれも横配置でしたが、設定を有効にすることで回転にも対応します。
私の場合、タッチパネルで文章を入力するなら、ケータイ電話スタイルに慣れているため助かります。
Android端末では初回起動時にアカウント設定しますが、本品では存在しません。
そのため(私の設定が間違っている可能性もありますが)、同期設定等が使えず、Web上のAndroid Marketからアプリケーションをインストールすることができません。
ただし、追加アカウントを設定することにより、メールやカレンダは使用可能です。
また、ハードウェアキーの短押下はメニューキー相当として動作します。
iPhoneユーザの私としてはHomeに割り当てて欲しかったところですが、それ以上に問題なのは、サスペンドに入るために長押下して電源メニューを表示させる必要があるということです。
ユーザとして煩わしいだけでなく、モバイル端末としてバッテリーの持ちは重要ですので、長押下→メニュー→サスペンドという時間でさえもったいないと感じてしまいます。
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┃2.パフォーマンス
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本品で気になっていたのは、やはり採用されているCPUです。
メディアプレイヤーという位置付け製品であり、専用機がかなり廉価になっていることから、CPUを含めて本体を高価にできないため高性能なCPUは採用しなかったと考えます。
当然バッテリーの持続時間等も考慮したところだとは思いますが、体感ストレスに直結します。
私が所持する機器と、参考までにBook Placeの仕様比較は以下の通りです。
起動の様子を見た限りでは、それほど遅い印象はありません。
Androidの起動がそもそも遅いため、あまり参考にならないかもしれません。
私が触って感じとしては、IDEOS程ではありませんが(でも同等に近い)、かなりモッサリ感が否めません。
設定で画面アニメーションを有効にすることが可能ですが、有効にすると一段と重くなりますので、無効にしておくのが賢明でしょう。
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┃3.PC接続
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本品はmini-USB端子を使用してPCに接続することができます。
付属品としてmini-USBケーブルが付属しますが、Android搭載携帯電話の普及によりmicro-USBが増えたものの、まだmini-USBの方が手に入れやすいため、この採用はありがたく思います。
通常、PCに接続した場合は、micro-SDカードリーダと内蔵ストレージへのアクセス(ドライブ)が提供されます。
PCからアクセスできる状態では、端末側の機能は使用できない状態になります。micro-SDが挿入されていない状態で接続しても内蔵ストレージへはアクセス可能です。
通常接続の他に、Androidデバッグ機能を有効にした状態で接続することが可能です。
自作プログラムの実行だけでなく、スクリーンショットの採取等が可能になります。
デバッグを有効にしてPCに接続した場合、要求されるAndroid Phoneのドライバを要求されますので、Android SDKに含まれるinfファイルに以下2行を追加し、ドライバとして指定することで有効になります。
ファイル:android-sdk-windows/extras/google/usb_driver/android_winusb.inf
┌───────────────────
│[Google.NTx86]セクション内
│;Lyumo
│%SingleAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_0BB4&PID_0C02
│%CompositeAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_0BB4&PID_0C02&MI_01
└───────────────────
本レビューで使用している画面キャプチャは、この機能を使用しています。
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┃4.ミュージックプレイヤー
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本題が大分後ろになってしまいましたが、メディアプレイヤーとしての機能を見ていきましょう。まずはミュージックプレイヤー。
Music.jp経由で直接楽曲購入ができることが謳われていますが、メーカーサイドから現段階では非対応とアナウンスされていますので、今回の試用は見送ります。
ミュージック・フォト・ムービーへのアクセスはホームドックに配置されたクロックをタップすることで表示されるバーからアクセスすることができます。
アプリケーションリストから音楽・写真・動画を選択しても同様ですので、操作回数だけを見れば、どちらからアクセスしても操作の手間は同じことになります。
気になる場合は、デスクトップにショートカットを作成する等、Android機能を使った一工夫で回避できそうです。
ミュージックプレイヤーは、イコライザー、リピート、ランダム、タグ表示等、基本的な機能を装備しており、楽曲一覧などは見やすいと思います。
再生できるファイル形式は、私が実際に試したMP3、m4a、WAVの他、WMA、AAC等、主要なところはほぼサポートしているようです。
Android標準の音楽(Music)と思われますが、若干が画面デザインが違うような感じがしますので、カスタマイズされているのかもしれません。私の中で標準音楽アプリケーションの情報が錯綜しているため自信はありません。
再生中にホームに戻った場合、アプリケーションが常駐(再生を継続)し、タスクバーに再生中の旨が表示されます。
アルバムアート等の機能は見つけられませんでした。取扱説明書を見ても記載がないところを見ると、そういった機能はないのかもしれません。
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付属するイヤホンが非力な風貌でしたので、聞き比べてみました。
試聴したのはJ-POP(具体的にはLINDBERGです)で私の主観ですので、感じ方には個人差があることをご了承下さい。
<付属イヤホン>
正直、非力過ぎます。タバコのおまけ等についてくるイヤホンとまではいきませんが、近いレベルです。
高音・低音ともに弱く、AMラジオのような音声になります。
<iPhone付属ヘッドセット>
音の再現性はよく、至って普通に聞こえます。
ただし、J-POPのためそれほど気になりませんが、低音が若干弱い印象があり、ジャンルによっては物足りない感じに聞こえるかもしれません。
<Walkman付属イヤホン>
3種類のイヤホンを試しましたが、やはりこのイヤホンが一番良いです。
大径ドライバを搭載しているため低音に強く、高音も抜けが良いため、全域にわたって不満がありません。
3種類のイヤホンを試して差異があったということは、ハード的には出力が可能であるということになります。
つまり、付属するイヤホンはあくまで試供品で、ユーザは好みのイヤホンにリプレースすることをメーカは期待しているのかもしれません。
最後に、イヤホン端子はTV出力も兼ねているため4端子になっています。
iPhoneのヘッドセットも4端子のため「マイクが使えるのでは?」と淡い期待を持ちましたが、やはり使うことはできず、見事に玉砕しました。
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┃5.フォトプレイヤー
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フォトビューアもAndroid標準の機能を利用していると思われます。
初回起動時(初回SD挿入時)、内蔵メモリにキャッシュを作成するためか、起動に異常に時間を要します。
私はケータイで写真を撮り溜めていたSDを使用したため、表示までにかなり時間がかかりました。諦めて一度放置したため、具体的な時間は分かりません。
表示はフォルダ別表示→サムネイル表示→フォト表示という階層になります。
フォルダ別表示に戻れなくなる現象が見受けられますが、アプリケーションを起動し直すと表示できたりします。
フォト表示は、本体を横にした状態での使用が想定されています。
本体を縦にしても画面が回転することはなく、メニューから写真を回転させる必要があります。
回転している状態でタップすると元の状態に戻ってしまうため、縦で撮影された写真では折角の大画面も活かしきれていません。
これは是非改善して欲しいところです。
フォト表示の状態から左右または上下にドラッグすることで前・次の画像が表示されますが、これは思った以上にスムーズにスライドします。
フォト表示のメニューからトリミング・壁紙登録が可能です。
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┃6.ムービープレイヤー
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ムービープレイヤーは大画面を活かすアプリケーションでしょう!
当然のことですが全画面表示ができ、ポータブルプレイヤーにありがちなスピーカ音質のチープさも控えめで、ホッとしました。
私が多用するMPEG2(時代遅れ感がありますが)には対応していないものの、3gpやMP4(詳細不明)には対応しているようですのでケータイで撮っていた動画は再生できます。
参考までに再生画面です。
画質が悪いのは、Softbank 912SHで長時間撮影したためによるものです。
と思ったのもつかの間、安定しないという事実にあたりました。
SD上の3gpを生成した場合とYouTubeの動画を再生した場合に発生した現象としては、動画が途中で停止し、画面のタッチもハードウェアキーの押下も受け付けない状態になりました。
そのまましばらく放置すると、勝手にリブートし、Tax表示(リセット起動)が始まりました。
原因は分かりませんが厳しい言い方をすれば、メディアプレイヤーの主要機能がこの状態ではAndroid搭載云々以前の問題だと思います。
後述するテレビ出力もそうですが、メディアプレイヤーという製品である以上、手堅く仕上げて欲しかったところです。
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┃7.テレビ接続
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本品は、コンポジットケーブルで映像をテレビに出力することが可能です。
alimoがmini-HDMIを採用しているのと比較すると、規格上の解像度が落ちるため、当然、画像が荒くなります。
最近の携帯電話ではmicro-HDMIケーブルが採用されHD画面出力ができる機種も登場していることから考えると、採用することは不可能ではなかったと思います。
普及の度合い(接続先機器の数)を考えてコンポジットを採用したのかもしれませんが、私としては残念に思います。
出力は動画再生状態から設定メニューを開き、出力形式を選ぶことでテレビ出力されます。Androidのホーム画面等は出力できません。
テレビ出力している状態でタッチパネル操作してしまうと出力がキャンセルされてしまい、再度出力設定する必要があります。
また、映像出力している状態では、コンポジットの音声にノイズがのってしまいます。
メーカサイドは使用頻度は少ないと考えているのかもしれませんが、お粗末な感じがします。
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┃8.ネットワーク
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ストレージに保存したメディアを再生するだけであれば、ネットワークは不要ですが、本品はAndroid搭載端末ですので、ネットワークを使わないわけにはいかないでしょう。
本品はIEEE802.11b/g/nに対応しています。
Android端末を使用した人であれば設定は問題ないと思いますが、本品のネットワークはどうも安定しません。
APが見つけられないだけではなく、認証が上手く行かない場合が多々にあります。
いろいろと試してみましたが、設定した後、再起動すると安定するようです。
ただし、APを変更すると再び不安定な状態になるため、改善アップデートが提供されるまで運用でカバーするしかないかもしれません。
ネットワークが不安定なためか、後述するTapnow MarketやMusic.jpが正常に通信できない場合が多く、今のところ必要最小限の使用に押さえています。
ネットワークが開通したら、Android端末として見ていきましょう。
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┃9.アプリケーション
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Androidといえば、アプリケーション追加によるカスタマイズ。
標準でインストールされているアプリケーションのうち、目新しいものは以下の通りです。
追加アプリケーションは、Android MarketではなくTapnow Marketを使用してダウンロード・追加します。
Tapnow Marketではインストール可能なアプリケーションが限定されるため、Android Marketで提供されるアプリケーションすべてが利用可能なわけではありません。
アプリケーションが限定されるため、私が普段試用しているJolteやSkypeはインストール出来ませんでした。
とりあえず、標準の日本語入力がフリック非対応だったため、OpenWnnフリック対応版は真っ先にインストールしました。
フリックになれている人であれば、標準入力より勝手は良いと思います。
それから、本品に付属する取扱説明書は多少誤記があるようですので、最新版がPDFで提供されています。
折角ですので、本機でPDFを閲覧するために正規ではない方法でAdobe Readerをインストールしました。
狙っていたアプリケーションがことごとく空振りでインストールに躊躇していますので、これといったアプリケーションがあれば教えて頂きたいというのが本音です。
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┃10.ブラウザ
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ブラウザは、Android標準の機能を使用します。
マーケットから他のブラウザを選択することもできるようですが、これまでの端末でいろいろ試した結果、標準ブラウザと大差を感じなかったため、個人的には標準ブラウザを使うことにしています。
ブラウザの使い勝手は、Android標準のブラウザを使っている以上、これまで使ってきた端末と同じで、感じる不満もこれまでと同様です。
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標準の状態では、Flashに対応していません。
レビューの内容としてFlashの閲覧方法について論ずる課題がありますが、現状クリアできていません。
情報を検索すると、他のAndroid端末(Android Marketが使用できる)ではAdobe Flash Playerを導入することで閲覧できるようになるようです。
しかし、本品のTapnow MarketにAdobe Flash Playerは表示されません。試しにパッケージを入手・インストールしてみましたが、正常にインストールできなかったり、ブラウザが異常終了するようになったりと結果としてはプラグインとして認識させることができませんでした。
Flash再生が謳われたのアプリケーションはTapnow Market内にも散見されますが、課題はあくまで「ブラウザ上で」ということですのでもう少し研究したいと思います。
目標は、現在予告になっているultrabooker.jpと博士のページが正しく表示できることを目指しています。
alimoは本体ファームウェアの更新により2.2.1→2.3.1にバージョンアップすることで、ブラウザ自体がFlashに対応するようになります。実際に試したところ、ultrabooker.jp予告ページは正しく表示できることが確認できました。
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┃A.総評
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ここまで本品を見て感じたことは、Androidを採用したことがメリット以上にデメリットになっていることです。
ポータブルメディアプレイヤーという位置づけから、高価な構成はできないのは分かりますが、元々重い(もっさり)OSであるAndroidですので、非力な環境ではそのフットプリントが足かせになってしまうのは本品に限った話ではありません。
600MHzとはいえデュアルコアCPUということで期待し過ぎた感はあります。
IT業界の片隅で働く者として見た場合、Androidの魅力である自由度・カスタマイズが押さえ込まれ、ただ「メディアを扱いたいためにAndroidを乗せてみました」という印象を受けます。Androidアプリケーション開発のリファレンスボードとして使うなら問題ないと思いますし、今後は私のおもちゃという伏線を走ることになるでしょう。
最近のポータブルメディアプレイヤーに初めて触れた人間として見た場合、メディアにアクセスするまでが複雑で、専用機のレスポンスの良さに比べると見劣りします。
---
本品を手にするまで、メディアプレイヤーという以上にAndroid端末として、スマートフォンのテザリングを使用し、大きめの画面を使って、いろいろな利用ができると期待を持っていました。
音楽を聴きつつブラウズやメールをしたり、自宅監視カメラ(alimoの見守りモード)も見やすいだろうし、友人に写真を見せるにも大きい画面の方が見やすいだろうと目論んでいました。
しかし、Androidのメリットがない現状では、本業のメディアプレイヤーとして専念させるのが得策ではないかと考えます。
私が趣味とするとビデオ編集の試聴用データを持ち歩くのには使えそうだと思っています。
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ここまで辛口の総評を書いて、さらに要求するのは心苦しいところがありますが、何点か書かせて頂きます。
1点目、大画面に加え、UI自由度が高い環境ですので、ワンセグチューナを乗せても良いと感じます。
2点目、今時ワイヤレスが使えないのは残念です。Bluetoothヘッドセットやカーステレオ出力させるためのFMトランスミッタ等、一工夫して欲しいところです。
3点目、メディアプレイヤーである以上、その機能に特化したハードウェアキーを準備しても良かったのではないかと思います。例えば楽曲の先送りやボリューム変更等は、毎回タッチパネルを起床して操作する必要があるのはメディアプレイヤーらしからぬ仕様だと思います。
4点目、仕様が統一されていない箇所が多々にあります。例えば、GPSやバイブが搭載されていないにも関わらず、あたかも使えるような扱いになっていたりします。
これらの機能拡充・改造の前に、当然安定性を向上させる、Androidとしての機能を十分確保(解放)するという点が改善される必要があるとは思います。
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本製品をレビューする機会を与えていただいたzigsow関係者様、マウスコンピューター様には感謝申し上げます。
プレミアムレビューとして機会を頂いた手前、あまり辛口の評価はしたくありませんでした。反面、伝えないわけにはいかないとも思い、全て正直に書かせて頂きました。
デザインも悪くないし、おもしろいアプローチの製品であるだけに、大変もったいないというのが本音です。
本品がAndroid採用メディアプレイヤーとしての第一歩と考え、今後に登場するであろう洗練された機体に期待したいと思います。
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│A.1.価格(2012.02.12)(2012.02.12)
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ここまで辛口評価をして、肝心なことを加味していませんでした。
それは価格です。公式の販売ページを見ると1.7万円程度となっています。
メディアプレイヤーとしてみたら高価な部類に入り、その価格帯の機能・性能のレベルを満たさないでしょう。
ただし、本品をAndroid端末としてみた場合、かなり安価な端末と言えます。
Androidケータイは分割払いのため、その価格に目をつむりがちですが、高性能端末であれば5~6万円はします。
iPhoneで4.5万円、alimoで3.5万円、非力なIDEOSでさえ2.4万円であり、それに比べると、かなり価格を抑えた端末でしょう。
mp3プレイヤーが普及した頃、1000円を切るプレイヤーも多数発売されました。
そこに機能・性能を求めて買う人は少なかったのではないでしょうか?
本品もメディアプレイヤーと謳っていても、激安なAndroid端末と考えれば、この性能は価格相応と言えるのではないでしょうか?
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┃B.番外(skype)
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ここではskype動作についてレビューしていきます。
といっても結果から書かせてもらうと、動作させるところまでたどり着いていません。私としてはSkype使用に大分期待を寄せていただけに悔しい思いです。
そのため、最終的に本品上でSkypeが使えるかもわからないことをご了承下さい。
SkypeはTap Marketからインストールはできません。
正規のインストールではありませんので、私が試した限りであり、試される場合は個人の責任下で行って下さい。
インストールの詳細は割愛しますが、簡単に説明するとパッケージをPCでダウンロードし、前述デバッグ環境(またはmicro-SD)を使用し、本品に導入しました。
本品にはカメラが搭載されておらず、外部機器の接続をサポートしないため、ビデオ通話は使用できません。
Bluetoothも非対応のため、ヘッドセットが使いない=内蔵マイクを使用するしかなく、通話する場合はボイスレコーダのお持つようなスタイルになることは覚悟していました。
現状としては、Skypeのインストールは正常に完了しているものの、ログインしようとすると「Skypeが停止しました」のメッセージがでて、ログインできない状態です。
前述の通りCPUの非力さが否めない中で、Skypeが使えるのかどうかという点はとても気になっていますので、しばらく粘りたいと思います。
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┃C.Android Market(2012.02.12)
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世の中にはAndroid Marketのパッケージを配布している人もいるようです。
早速本品にインストールしてみました。インストールするとマーケットが二つに増えます。
よく見ると一方はAndroidマークが入っていますので、Android Marketであることがわかります。
これまでのパターンだと、インストールはできても起動ができないということが多々にありましたので、半分諦めて試したところ、無事起動してきました。
「これは期待できる」ということで、「とりあえずFLASH Playerを」と思いましたが、マーケットに表示されませんでした。非対応端末として扱われたのでしょうか?
IDEOSのマーケットからもFlash Playerは表示されませんでしたので、仕様なのだと思います。
怪しく思い始めつつも、気を取り直して、Skypeならどうか?ということで検索するとこちらは見つかりました。
これはインストールしないわけにはいかないということで[インストール]ボタンを押しました。
ところが、なんどやってもダウンロードに失敗します。
これはAndroidアカウントが設定されていないためと思います。
Androidは比較的フリーな印象を持っていましたが、非対応の端末にはダウンロードができなかったり、インストールができなかったりと、それなりに硬い点はあるのだと感じました。
こうなってくると「ブラウザでFLASH」の課題が怪しくなってきました。
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┃D.システムをのぞいてみた(2012.02.12)
┗━━━━━━━━━━
上記Android Marketが動作できないということを受けて、システム内を調べてみました。
最悪システム書き換えも考えていました。
ルートに配置されるファイル一覧です。
----------------------------------------
$ cd /
$ ls -l
drwxrwx--- system cache 2012-01-28 14:20 cache
drwxrwx--x system system 2012-02-07 00:21 data
-rwxrwxrwx system 232 281 1970-01-01 09:00 default.prop
drwxr-xr-x root root 2012-02-12 07:19 dev
lrwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 etc -> /system/etc
lrwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 flash -> /mnt/sdcard
-rwxrwxrwx system 232 116084 1970-01-01 09:00 init
-rwxrwxrwx system 232 1677 1970-01-01 09:00 init.goldfish.rc
-rwxrwxrwx system 232 16520 1970-01-01 09:00 init.rk28board.rc
drwxrwxr-x root system 2012-02-12 07:19 mnt
dr-xr-xr-x root root 1970-01-01 09:00 proc
drwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 sbin
lrwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 sdcard -> /mnt/sdcard/external_sd
drwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 shared_prefs
drwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 sqlite_stmt_journals
drwxr-xr-x root root 1970-01-01 09:00 sys
drwxrwxrwx system 232 1970-01-01 09:00 system
----------------------------------------
システムアプリケーションのフォルダです。
ファイル名だけを見ると、プレイヤーは専用の物(またはカスタマイズ)が搭載されているようです。
----------------------------------------
$ cd /system/app
$ ls -l
-rwxrwxrwx system 232 163509 1970-01-01 09:00 AccountAndSyncSettings.apk
-rwxrwxrwx system 232 17841 1970-01-01 09:00 ApplicationsProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 36698 1970-01-01 09:00 BooksProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 682338 1970-01-01 09:00 Browser.apk
-rwxrwxrwx system 232 83080 1970-01-01 09:00 Calculator.apk
-rwxrwxrwx system 232 381564 1970-01-01 09:00 Calendar.apk
-rwxrwxrwx system 232 129042 1970-01-01 09:00 CalendarProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 62026 1970-01-01 09:00 CertInstaller.apk
-rwxrwxrwx system 232 133855 1970-01-01 09:00 ContactsProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 11323 1970-01-01 09:00 DefaultContainerService.apk
-rwxrwxrwx system 232 365856 1970-01-01 09:00 DeskClock.apk
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-rwxrwxrwx system 232 616252 1970-01-01 09:00 GoogleQuickSearchBox.apk
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-rwxrwxrwx system 232 11779 1970-01-01 09:00 HTMLViewer.apk
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-rwxrwxrwx system 232 5609406 1970-01-01 09:00 Launcher2.apk
-rwxrwxrwx system 232 1159049 1970-01-01 09:00 Lyumo_MoSecurity.apk
-rwxrwxrwx system 232 830780 1970-01-01 09:00 Lyumo_Mouse.apk
-rwxrwxrwx system 232 2970020 1970-01-01 09:00 MIDSettings.apk
-rwxrwxrwx system 232 8921 1970-01-01 09:00 MarketUpdater.apk
-rwxrwxrwx system 232 52255 1970-01-01 09:00 MediaProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 98138 1970-01-01 09:00 NetworkLocation.apk
-rwxrwxrwx system 232 2672192 1970-01-01 09:00 OpenWnn.apk
-rwxrwxrwx system 232 72052 1970-01-01 09:00 PackageInstaller.apk
-rwxrwxrwx system 232 1682338 1970-01-01 09:00 Phone.apk
-rwxrwxrwx system 232 15749 1970-01-01 09:00 PicoTts.apk
-rwxrwxrwx system 232 1036073 1970-01-01 09:00 PictureViewer_egoman.apk
-rwxrwxrwx system 232 112616 1970-01-01 09:00 Protips.apk
-rwxrwxrwx system 232 3633 1970-01-01 09:00 Provision.apk
-rwxrwxrwx system 232 856921 1970-01-01 09:00 RockAudioPlayer2.2.apk
-rwxrwxrwx system 232 8591 1970-01-01 09:00 RockchipService.apk
-rwxrwxrwx system 232 44702 1970-01-01 09:00 SettingsProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 110679 1970-01-01 09:00 SoundRecorder.apk
-rwxrwxrwx system 232 50165 1970-01-01 09:00 TelephonyProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 30191 1970-01-01 09:00 TtsService.apk
-rwxrwxrwx system 232 9882 1970-01-01 09:00 UserDictionaryProvider.apk
-rwxrwxrwx system 232 286496 1970-01-01 09:00 VideoPlayer.apk
-rwxrwxrwx system 232 24202 1970-01-01 09:00 VpnServices.apk
-rwxrwxrwx system 232 347426 1970-01-01 09:00 lyumo_market.1.2.4.apk
-rwxrwxrwx system 232 3299684 1970-01-01 09:00 lyumo_music_2.0.21.apk
-rwxrwxrwx system 232 587 1970-01-01 09:00 settings.lua
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ディスクの構成です。
システムアプリケーションの書き換えを考えていましたが、何となく予想はしていましたが/systemがReadOnlyなファイルシステム(cramfs)になっていますので、簡単には変更できそうにありません。
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$ mount
rootfs / rootfs rw 0 0
/dev/root / cramfs ro 0 0
tmpfs /dev tmpfs rw,mode=755 0 0
devpts /dev/pts devpts rw,mode=600 0 0
proc /proc proc rw 0 0
sysfs /sys sysfs rw 0 0
none /proc/bus/usb usbfs rw 0 0
/dev/block/mtdblock4 /system cramfs ro 0 0
/dev/block/mtdblock7 /data ext3 rw,nosuid,nodev,errors=continue,data=ordered 0 0
/dev/block/mtdblock6 /cache ext3 rw,nosuid,nodev,errors=continue,data=ordered 0 0
/dev/block/mtdblock9 /data/data ext3 rw,nosuid,nodev,errors=continue,data=ordered 0 0
tmpfs /mnt tmpfs rw,mode=755,gid=1000 0 0
tmpfs /mnt/asec tmpfs rw,mode=755,gid=1000 0 0
/dev/block/vold/31:8 /mnt/sdcard vfat rw,dirsync,nosuid,nodev,noexec,uid=1000,gid=1015,fmask=0002,dmask=0002,
codepage=cp437,iocharset=iso8859-1,shortname=mixed,utf8 0 0
/dev/block/vold/31:8 /mnt/secure/asec vfat rw,dirsync,nosuid,nodev,noexec,uid=1000,gid=1015,fmask=0002,dmask=0002,
codepage=cp437,iocharset=iso8859-1,shortname=mixed,utf8 0 0
tmpfs /mnt/sdcard/.android_secure tmpfs ro,size=0k,mode=000 0 0
/dev/block/vold/179:1 /mnt/sdcard/external_sd vfat rw,dirsync,nosuid,nodev,noexec,uid=1000,gid=1015,fmask=0002,dmask=0002,
codepage=cp437,iocharset=iso8859-1,shortname=mixed,utf8 0 0
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蛇足になりますが、各ディスクの使用状況です。
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$ df
/: 292K total, 292K used, 0K available (block size 4096)
/: 292K total, 292K used, 0K available (block size 4096)
/dev: 99344K total, 12K used, 99332K available (block size 4096)
/system: 147724K total, 147724K used, 0K available (block size 4096)
/data: 253871K total, 58925K used, 194946K available (block size 1024)
/cache: 115021K total, 5664K used, 109357K available (block size 1024)
/data/data: 63461K total, 47699K used, 15762K available (block size 1024)
/mnt: 99344K total, 8K used, 99336K available (block size 4096)
/mnt/asec: 99344K total, 0K used, 99344K available (block size 4096)
/mnt/sdcard: 15021728K total, 21936K used, 14999792K available (block size 8192)
/mnt/secure/asec: Permission denied
/mnt/sdcard/external_sd: 3862528K total, 2616736K used, 1245792K available (block size 32768)
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システムフォルダを丸ごと別イメージで置き換える(remount)を試そうかと思いましたが、起動時にすでに読み込まれているため、起動後に置き換えても意味を成さない気がしています。
一般Android端末として使うための変更・改造方法はもう少し調べる必要がありそうですが、すでに私では力不足な感じがしていますし、一般の方には敷居が高いのは間違いないでしょう。
退会したユーザーさん
2012/02/07
大変辛口な評価に終わってますが
結局のところミュージックプレイヤー以外では
あまりいい結果がでてないようですので
しかたのない結果かと思います。
私はこれをムービープレイヤーとして
使ってみたかったのですが・・(・・;
自由さん
2012/02/07
媚びずに辛口レビューも大切だと思います。
cybercatさん
2012/02/07
>音楽を聴きつつブラウズやメールをしたり、自宅監視カメラ(alimoの見守りモード)も見やすいだろうし、友人に写真を見せるにも大きい画面の方が見やすいだろうと目論んでいました。
これは自分もそういうイメージでしたので、残念ですね。
実はこれは応募していて、そのあたりができる事(使い物になること)前提のレビュー内容予定でしたので、選出されていたら同様の論調になったかも...(^^ゞ
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2012/02/07
Skypeの部分、期待しています。
お互い、うまくいくといいですネ^^
蒼-aoi-さん
2012/02/07
普段から駄文なのに加え今回は辛口で書いてしまい、そんなレビューでも皆さんに読んで頂けて嬉しい限りです。
ムービープレイヤーの不安定さは、端末リセットをかけたら、格段に頻度が減った気がします。原因・トリガが何かはまだ分かりません。
各プレイヤーは使えないことはないです。しかし、スマフォに搭載された機能と同等のそれを持って、メデイアプレイヤーと謳うのには疑問を持ちます。
私も本品にかなり期待し、レビューの活躍をかなり予定していました。
そのつもりはありませんが、期待を裏切られたことが辛口に拍車がかかったかもしれません。
先ほどアップした後、しばらく触っていて、ふと思ったのですが、コアが1個しか動いていないのではないでしょうか?
ファームアップデートは対応しているでしょうから、早い段階で更新対応して欲しいと思います。
私は私で、まだまだやらなければならないこと・試したいことがあるので、壊さない程度に頑張りたいと思います。
Skypeが動くと、私の中のポジションがまたかわるので、ぜひ動かしたいところです。
Manyaさん
2012/02/07
皆さん苦労されているようですね・・・
おっしゃるようにアプローチは良いので、
もう少しブラッシュアップされて来ると面白い存在になりそうですね。
蒼-aoi-さん
2012/02/08
自分の力(発想力?)で使える道を見つけて行ければ良いですが、かなり頑張らないと行けなさそうな気がしています。
次機が楽しみではありますが、本機についてもメーカサイドからのアップデートを期待してしまいます...
まささん
2012/02/17
読みごたえのあるレビューで、とても参考になりました(^-^)
蒼-aoi-さん
2012/02/17
辛口レビューで申し訳なく思います。
これをAndroid端末として購入してしまうと、Androidの評価が下がってしまいかねません。
Android端末を購入するなら、もっとハイスペックな物がよいと感じました。