更新:2011/12/09:画像追加
2011/12/20:バッテリーモードでのフィーチャーフォン充電
2012/01/22:スマートフォン買い替えにつきそちらでのレビューに差し替え
2012/04/09:Android 4.0での動作について
2012/05/29:俗・Android 4.0での動作について
2013/02/02:第5世代iPod touch/iOS 6.1での動作について
3度目のプレミアムレビューはI-O DATAのワイヤレスワンセグチューナーでした。
今回レビューの機会を与えてくださった関係各社にこの場を借りてお礼申し上げます。
さて、今回の製品ですがフィーチャーフォンやいわゆるガラスマと呼ばれる国内メーカー製
スマートフォンでは多く搭載されているワンセグテレビ受信機能を、受信機能が搭載されて
いないスマートフォンやタブレットデバイスに視聴アプリケーションを導入してWi-Fi経由で
受信できるようにするチューナーです。SoftBankから発売されている「iPhone TV&バッテリー」と
同様の機能を、iPhoneやiPadだけではなくAndroidデバイスでも利用できるようになります。今年
6月発売のGV-SC500/IPだとiOSデバイス専用で、今回のGV-SC500/AIと価格は変わらない
みたいなので今後一切Androidデバイスを買うことがない、という場合以外は両対応の今回の
GV-SC500/AIを選んでおいた方がいいと思います。
さてパッケージを眺めてみますが、背面には分かりやすく製品の特徴が記載されています。
側面には仕様と対応機種が記載されていますが、AndroidデバイスはiOSデバイスに比べる
と多数あるためメーカーサイトで確認する形となります。今回のレビューで使用する
docomo with series Optimus bright L-07Cは動作確認機種リストに載っておりメーカーでの
動作が確認されています。ちなみに同LG製端末のOptimus chat L-04Cでも動作を確認して
みましたが、マシンスペックの問題か2011/11時点のSEG CLIPアプリケーションにてワンセグ
音声がぶちぶち途切れていました。Android 2.2搭載機なのでとりあえず動いていましたが。
これがXperia SO-01Bあたりだと、アップデートをしてもAndroid 2.1止まりなので恐らく使用
できないかと思います。試してみたいところではありますが。パッケージをいよいよ開封です。
中身はこんな感じになっています。PC用周辺機器ではないため、ドライバディスクや分厚い
説明書はありません。本体とバッテリー・充電用USBケーブルとバッテリーケーブル・注意書き
/セットアップガイドがそれぞれ1枚ずつという構成になっています。早速本体を取り出すと
こんな感じで光沢のあるブラックです。メーカーの写真だとマットな感じに見えましたが、傷は
つきやすそうです。ランプはバッテリー充電中とUSB接続機器へ給電する際に点灯する
ChargeランプとWi-Fiランプの2つとシンプルです。まぁポータブルWi-Fiルーターに比べれば
機能も少ないですしこんなものかと思いますが。ストラップに見えるひものようなものが
ワンセグのループアンテナになっています。とてもアンテナとは思えないひもそのものなの
で、ストラップとして使ってしまいがちですがこれが切れるとワンセグを受信できなくなる
ため、ストラップとしてはもちろん扱いにも注意が必要そうです。バッグの中に入れておいて
受信するのであれば邪魔になりにくいですが、受信感度的にはロッドアンテナのほうが
いいんじゃないかとも思いましたね。受信感度は後述します。
側面には電源スイッチとminiUSB端子があります。このUSB端子で内蔵バッテリーを充電
したり、バッテリーケーブルを用いてスマートフォンの充電が行えるようになっています。
スマートフォンは専らmicroUSB端子を装備しているので、久々にminiUSB端子を見ましたね。
裏面はマットな感じのバッテリー室ふたです。左にスライドさせると外れます。開けると
携帯電話機のようなバッテリー室が出現。もちろんSIMカードスロットなどはないですけど
ね。ここに付属のバッテリーを取り付けます。
付属バッテリーはリチウムイオンタイプで、容量は概ねスマートフォンのものより少々少ない
くらいのようです。厚みは結構ありますが、本体の厚みとほぼ一緒なので基板はだいぶ
小さそうですねー。バッテリーを取り付けたらふたを閉めて準備は完了です。
ここでサイズの比較をやっておきますが、
スマートフォン(docomoスマートフォン LYNX 3D SH-03C)と並べてみるとなかなか小さく薄い
ことが分かるかと思います。バッテリー込みでも一般的なフィーチャーフォンより軽いです。
これなら持ち歩く際もかさばらず楽ですね。伊達にmobileと名乗っていません。
ここまでセットアップガイドを読みながらやってきましたが、引き続きセットアップガイドを
参考にしてセットアップを進めます。視聴に使うスマートフォンやタブレットデバイスに、視聴
ソフトの「SEG CLIP」をインストールします。それまで本体は付属のUSBケーブルで、手持ちの
iPad充電用USB ACアダプタに差し込んで充電しておきます。出荷時の状態である程度充電
はされているみたいでしたけどね。
AndroidマーケットやApp Storeで「SEG CLIP」と検索するとリストアップされるので、そこから
インストールを行います。特に使用可能デバイス名を決め打ちしているわけではないみたいで、
リストに載っていなかったOptimus chat L-04Cでも問題無くインストールできました。iPadのほう
にもiPad対応版をインストールしておきます。iPhone版だと画面サイズが小さくなってしまいます
からね。ここからはL-07Cを使って設定の説明をしていきますが、iPadでも設定する内容は大体
同じです。USBケーブルを取り外した本体のスイッチを入れ、Wi-Fiランプが青色点滅している
のを確認したらWi-Fiの設定を呼び出して
SegClipという名前がついたアクセスポイントに接続します。今まで他のアクセスポイントに固定
IPで接続している場合だとSEG CLIPアプリケーションが接続に失敗するみたいなので、メニュー
を呼び出し詳細設定から固定IPをオフにします。iPadなどiOSデバイスだとIPの設定はアクセス
ポイント毎になるみたいでこの設定は不要みたいです。接続が済んだら、インストールした
SEG CLIPアプリケーションを起動します。
本体への接続が完了すると
チャンネルリスト画面になります。初回起動のためチャンネル設定を行う必要があるので、
本体をワンセグの放送波が入りやすい窓辺などに置いてからこの画面左上の虫眼鏡マーク
のアイコンをタップしてスキャンをかけます。しばらく時間がかかりますが、スキャンが完了
すると
チャンネルリストが埋まります。あとは視聴したい放送局名をタップすると受信開始です。
Wi-Fiを経由しているので、最初にバッファリングで映像が出るのにワンクッション入りますが
後は普通のワンセグ対応スマートフォンのように使用できます。チャンネル変更は左右に
スワイプするだけですし、戻るボタンを押せばチャンネルリスト表示に戻ります。本体の
放送波受信強度やバッテリ残量も表示され使いやすいです。L-07Cでのワンセグ視聴です
が、L-04Cとは違いOMAP系の1GHzプロセッサを搭載しているため音声が途切れることも
なくワンセグ内蔵機並みの映像を楽しめます。IPS液晶パネルを搭載しているので、発色も
いい感じです。こういったグローバルモデル向けのチューナーだなと思いましたね。
次にiPadでの視聴ですが、これは文句なしですね。第1世代のWi-Fi 16GBで、OSをiOS
5.0.1へアップグレードした物となりますが途切れることもないですし、高画質のIPS液晶で
画面も大きいのでポータブルテレビのように使用できます。iPadなどのタブレットデバイス
を買ったはいいが使い道が無くて遊んでいる場合には、これを組み合わせて有効活用
できます。タブレットデバイスを防水ケース等に入れられれば、バスタイムなんかにも
使えそうですし。iPadのバッテリーもかなり長時間持つので、恐らくチューナーのバッテリー
のほうが先に無くなりそうですね。チューナーの
バッテリーは満充電で4時間ほど視聴できるそうなので、ちょっと番組を1~2つ見るくらい
なら問題ないレベルかと思います。
受信感度については上の通りワンセグ受信機能つきスマートフォンと並べて視聴してみま
したが、電波表示は本製品のほうが強く受信できていることになっていました。確かに
ブロックノイズはロッドアンテナを引き出したスマートフォンより入りにくかったですね。
意外とストラップ状のアンテナも侮れませんね。Wi-Fiを間に挟んでも特にタイムラグは
無いみたいでワンセグ受信機能付きスマートフォンと同じタイミングで受信できています。
また、本製品はチューナーと視聴するデバイスの間がワイヤレスになるので、
本体を屋外に出しておけば受信感度は飛躍的に上がりますね。ただ、強風の際に軽い
ので飛んで行ってしまったり、雨などに当たって故障する可能性もあるのでその辺りは
十分注意が必要ですが。Wi-Fiによるワイヤレスなので、どの辺まで離れて受信できる
か試してみましたが2階建ての軽量鉄骨一軒家の2階角部屋にチューナーを置いた状態
で1階のそこから反対側の方向の端にあるキッチンまでiPadを持って行ってみましたが、
直線距離で10mはあるはずなのでたまに受信感度が悪くなり途切れることはありましたが
場所を工夫すれば問題無く映る感じでした。家の中ではワンセグが受信しにくい場合でも、
このチューナーを受信しやすい窓辺に置いて自分は好きなところで見る事ができます。
モバイル以外でもワイヤレスというのは活躍しますね。
こんな感じでタブレットデバイスを利用すると、ながら見にぴったりです。
そしてワンセグ視聴以外の機能として、スマートフォンなどを充電できる機能ですが手持ち
のLYNX 3D SH-03Cだとスマートフォン付属USBケーブルではカードリーダーモードと
なってしまい充電できませんでした。百均にある充電専用microUSBケーブルを用意すれ
ばちゃんと充電できると思います。今回はUSBケーブルとバッテリーケーブルの間に
充電用アダプタを噛ませて充電できることを確認しました。モバイルバッテリーとしても
軽いので、ワンセグを見ない場合でも役立つかと思います。ちょっとケーブルがかさばり
ますけどね。USBから充電できるデバイスであれば、フィーチャーフォンやゲーム機なんか
も充電できるかもしれません。フィーチャーフォンについては今度試してみますね。
iPhoneで30%くらいの容量まで充電できるそうで満充電はできないそうですが、
いざという時には30%でもあれば無いよりはマシかと思います。SH-03Cですが、
残量50%の時に満充電のこちらを接続すると60%になったところで充電が停止しま
した。どうやら残量がだいぶ減ってから繋ぐもののようですね。
追記:2011/12/06
百均のUSB-FOMA充電ケーブルを組み合わせてみたところ、上記のdocomo STYLE
series SH-02Bにて充電できました。フィーチャーフォンの予備バッテリとしても使えるかと
思います。SH-02Bの電池残量48%の時にフル充電のチューナーをつないで充電してみた
ところフルチャージできました。メーカー保証外ですのであくまで参考に。
そんな感じでなかなか優れもののワイヤレスワンセグチューナーですが、気になる点をいくつ
か。まずネットに繋ぐのにWi-Fiを利用している環境だと、ワンセグ視聴中はネットから切断
されます。Twitterをチェックしながらワンセグも見たい、というのは無理そうです。ワンセグ
視聴用iOS/Androidデバイスがあると運用が楽かもしれません。それとAndroid OSの問題
かもしれませんが、L-04Cにて視聴を終えて家のアクセスポイントに設定を戻そうとしたところ
簡単に戻らず、結局接続プロファイルを作り直す羽目になりました。自分でアクセスポイン
トに接続設定していない場合は元に戻せなくなるかもしれないので設定はメモしておいた
ほうがいいかもしれません。最大のネックはやはり価格でしょうね・・・。PC用ワンセグ
チューナーが二束三文で売られていることを考えるとどうしても割高に感じます。ワンセグ
視聴機能が無いスマートフォンにこれを追加するなら、最初から視聴機能が付いた物を
選んだ方が安いかもしれません。
それでも手持ちのデバイスを気に入っているのでこれで見たい、という場合には選択肢として
アリかと思いました。今年の大震災で輻輳しない情報源として注目を浴びたワンセグ放送、
防災の備えとしても1つ持っていると便利ですね。
追記:2012/05/29
Android 4.0搭載のGALAXY NEXUSに本日公開のSegClipアプリを導入して試したところ、
以前のバージョンではチャンネルのタップでアプリが落ちていたのが問題無く視聴できる
ようになりました。Android 4.0正式対応になりましたし、これでワンセグが付いていない
Android 4.0スマホの104SHやら、タブレットでも使えるようになりましたねー。
追記:2013/02/02
最新の第5世代iPod touchを入手したので、そちらにSegClipアプリを入れて試していますが
iOS 6.1でも問題無くワンセグの視聴が可能でした。ただiPhone5/第5世代iPod touchから
搭載されている4インチRetinaディスプレイの解像度にはアプリが対応していないようで、
Android端末では画面一杯に映像を広げて表示出来ますが今回のiPod touchでは広げ
ても左右に黒帯がついたままでした。iOSアプリの4インチRetinaディスプレイ対応化は
これから出てくるデバイスのためにも必須かと思うので是非対応していただきたいです。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2011/11/26
電波実験のとこも参考にさせていただきます。
i-ji-さん
2011/11/26
ストラップのようなアンテナについては、パッケージの外側
や内側・本体裏側のシールから2枚の説明書きにまで口を
酸っぱくして書かれているのでホントに肝みたいでした。
ならこんな柔なものを付けないで欲しい、というのも正直
なところですね。ゴム被覆のケーブルみたいな固めで切れ
にくいループアンテナへの改良を次期モデルでは期待します。
チューナーからデバイス間のWi-Fiの飛びについては、スペックでは
8mと書かれていましたが意外とそれ以上飛ぶような感じでした。
電波自体はスマートフォンから見た分だとIEEE802.11gのようなので
電子レンジやBluetooth・コードレス電話機やマウスなどの影響を
受けそうです。普通のWi-Fiなので、Planexから出ているような
無線LANエクステンダーを使うともっと長距離で視聴できそうな
気もします。試したいですが実機がないんですよねぇ・・・。
ともあれ、面白いデバイスであることは間違いなかったです。
では。