KINGMAXの2.5インチ SATA3 SSD SMV32、KM480GSMV32をレビュー
する機会をいただくことができましたので、早速レビューしていきます。
今回のテーマは「KINGMAX製品第2弾!! SSD「SMV32」シリーズを駆使して
快適に!」となっており、使用する機器は「ゲーミングPC」か「ノートPC・
デスクトップPC」・「PlayStation 4」と選べましたので、当方は
ノートPCでの使用でレビューすることにしました。SSDを取り付けるPCの
スペックですが、
・メーカー:NEC
・モデル:LaVie S LS150/JS1BKB
・インストールOS:Windows 8 64ビット
・CPU:インテル(R) Celeron プロセッサー B830 1.8GHz(2コア/2スレッド)
・メモリ:4GB(4GBx1、PC3-12800)
・HDD:750GB(Serial ATA、5,400回転/分)
・BD/DVD/CDドライブ:DVDスーパーマルチドライブ[DVD-R/+R 2層書込み]
・グラフィックアクセラレータ:インテル(R) HD グラフィックス(CPUに内蔵)
・内蔵ディスプレイ :15.6型ワイド スーパーシャインビューLED液晶
・11nテクノロジー対応ワイヤレスLAN本体内蔵(IEEE802.11a/b/g/n準拠、Wi-Fi Direct™準拠)
というもので、当時家電量販店で6~8万円程度で販売されていたスタンダード
クラスのノートPCです。中古価格もだいぶこなれてきており、発売時のスペック
のままでオークションサイトや中古ショップで売られているものはOffice欠品
だと1~2万円程度で購入できます。Windows 8が出たての頃のPCで、かつ量販店
向けオリジナルモデルのため、CPUがカタログモデルのPentium B980 2.4GHzから
ダウングレードされており、そのまま使うと少しスペック不足を感じるかと思い
ます。ここ最近はSSDが大変お安くなってきており、今回レビューさせていただく
KM480GSMV32も実売価格は5千円台で昨年6月にこちらの240GB版、KM240GSMV32を
購入した際とほぼ同じ金額ですのでだいぶ安くなってきた事がお分かりいただける
かと思います。すでにSSDに交換して使用しているものの、容量不足を感じてきた
方も交換のチャンスです。
■製品の概要
パッケージはこのような中が見える箱となっており、安めのSSDでよくある開けづらい
ブリスターパッケージではないのは好感が持てます。特に付属品はなくSSDのみです
が、ノートPCやPlayStation 4のHDD交換にはこれだけで足ります。デスクトップPC
で使用する場合は2.5インチから3.5インチに変換するマウンターや増設に使用する
場合には加えてSATAケーブル・ネジが必要になりますので、別途お買い求めください。
SSD自体はシンプルな樹脂製の外装で、製品名のラベルが貼られており軽量です。
あまり凝った外装で重たくなってもノートPCの場合持ち歩きに多少なり影響が
出ますし、飾って使いたい人以外は実用性重視で問題は無いです。
更新: 2019/06/23
ノートPC もしくは デスクトップPCでの使用
PREMIUM REVIEW
Celeron搭載の低価格ノートPCでも結果にコミット!
環境移行については環境移行ソフト(Acronis TrueImage系)が無料で使える
SSDが結構ありますが、こちらには付属しておらずメーカーサイトでも提供され
ていないため使用している環境を移行したい場合、Acronis TrueImageの有料版を
使用するか、フリーのソフト(AOMEI Backupper StandardやEaseUS Partition
Master等)を使用して行うことになります。今回は「Windows 7のサポート期間
終了が近くなってきたので、Windows 8で安く売られていた中古でPCを購入して
一緒にSSDを買って交換してから使い始める」というシチュエーションを想定し
SSDへの交換と再セットアップで対応していきます。環境移行して使う場合は
各ツールの使用方法を紹介しているサイトが結構ありますので、そちらを見て
いただくとよいかと思います。
当該PCは再セットアップメディアは付属していませんので、プリインストール
されている「再セットアップメディア作成ツール」を使用して再セットアップ
に必要なメディアを作成します。DVD-RやDVD-R DLのほか、USBメモリでも
作成できます。試していませんがWindows標準の回復ドライブの機能を使用
しているようなので、32GB程度のUSBメモリは必要になりそうです。ちなみに
上位モデルでブルーレイディスクドライブを搭載している場合は、BD-R
ディスクでも作成できます。裏技としてはブルーレイディスクドライブに
交換してあるとこのツールからも認識されるため、BD-Rディスクで作成
可能になります。USB接続のドライブでも作成できますが、使用する際に
再セットアップツールが外付けドライブを認識しないので、再セットアップ
する際にはブルーレイディスクドライブを内蔵する必要があります。今回は
無難にDVD-Rメディアを使用しました。
■交換作業
横道に逸れましたが、再セットアップメディアを作成できたらSSDに交換
します。PCをシャットダウンしてACアダプターを外し、
裏返しバッテリーを取り外したら手前のネジ1本で止められているふたが
HDDの入っている部分です。ネジを外してふたを明けると
HDDが見えるようになります。金具のついている方向にスライドさせると
SATAコネクタからHDDが抜けるので、あとは金具ごと取り出します。
SSDにHDDについている金具を移植したら逆の手順で組み立てていけば
終わりです。この機種は割と簡単に交換できるようになっていますが、
機種によってはキーボードやパームレストまで外してほぼ総分解に近い
ところまでやらないと外れないものもあるので、交換したいPCの型番で
Web検索を行って先駆者の手順を確認してから手を付けるのが無難です。
もっとも、数こなしていればある程度勘で分解も出来ますが・・・。
交換後に電源を入れるとBIOSセットアップ画面が起動します。起動する
OSがインストールされていないためで、HDD容量の項目で今回のSSDの
容量(480GB)が認識されていることが確認できれば、
ディスクドライブに作成した際セットアップディスク1枚目をセット
して電源を切り入れ直します。今度はBIOSセットアップ画面が起動
せず、しばらく待っていると
キーボードレイアウト選択画面になります。ここからはPCの説明書にも
記載のある再セットアップの手順をそのまま進めていく形です。今回の
PCの場合は、MS-IMEを選択して
オプションの選択画面ではトラブルシューティングを選択、
トラブルシューティングの選択画面ではNECリカバリーツールを選択し、
NECリカバリーツール選択画面で再セットアップを選択します。階層が
そこそこ深いので間違った選択肢を選ばないように注意します。間違え
てもPCが壊れることはありませんが・・・。
再セットアップ画面ではCドライブの容量を指定できます。後から調整
できるので、購入時のサイズの選択のまま進めますが再セットアップを
始める前から容量を指定したい場合はここで指定できます。実行をクリック
すると
確認ダイアログが出てOKを押せば再セットアップがスタートします。最初
ハードディスク(交換したのでSSD)の初期化が走り、続いてデータのコピー
が実施されます。データはディスクに分割されているので、
途中で入れ替えを要求されます。指定されたディスクに交換しながら進め
ていきます。USBメモリであれば交換する必要はありませんし、DVD-R DL
など容量の多いメディアで再セットアップメディアを作成していれば交換
頻度は少なく済みます。SSDで再セットアップを実施すると、データの書き
込み速度が上がっているのでHDD時の半分くらいの時間で再セットアップが
終わる感じです。再セットアップ後は購入時の初期設定と同じことを設定
していく必要があるので、不明な部分があれば説明書を参照してください。
もちろん、再セットアップではなくHDDをSSDに環境移行してあった場合は
不要な作業です。これでSSDでWindowsが使用可能になりました。
■ベンチマーク
効果測定のためのベンチマークを実施します。まずはドライブ単体の比較
のためCrystalDiskMarkで測定しました。HDD時は
項目の中で一番速いシーケンシャルリードで84MB/sほどでしたがSSDでは
264MB/sと3倍程度の速度となっています。SSDのスペックでは500MB/sは
出るはずですが奮わないのはこのPCのSATAインターフェースが3Gbpsに
制限されているためで、制限のないモデルであればスペックに近い速度が
出るはずです。第1世代Core CPU搭載モデル以前だと制限ではなく仕様で
3Gbpsまでしか出ないので同様の結果になります。それでも十分速いです
が。次に一番SSDに交換した効果が見られる起動時間の比較、以前より使用
している起動時間測定ソフトのBootracerを使用しました。ばらつきを
抑えるため3回測定してみます。まずHDD時ですが、
平均して70秒ほどで起動してくるところSSDでは
34秒ほどと半分になっています。1分オーバーと30秒少々では体感速度も
かなり違いますので、SSDへの交換効果は絶大です。Windows 8時がこれで
すが、Windows 10にアップグレードした状態ではHDD時
約114秒とWindows 8時に比べて40秒近く遅くなってしまっています。
プリインストールソフトとの相性でしょうか。この状態でSSDに交換すると
約63秒と、Windows 8時同様に半分近い時間に短縮されますが、それでも
Windows 8のHDD時とさほど変わらない時間です。レスポンス重視であれば
Windows 8を8.1 Updateにアップデートして使うほうが、サクサク動作する
かもしれません。体感的にはSSDに交換してWindows 10で使う場合でも特に
フラストレーションがたまりそうという遅さではなかったですが。
おまけですがメモリを増設した場合(4GB→8GB)と、プラスCPUを交換した
場合(Celeron B830→Core i5-2520M)の結果も見てみます。まずメモリを
増設した場合ですが、
約64秒なので差は殆どありません。メモリが足りず起動が遅いというわけ
ではありませんでした。次にCPUを交換した場合ですが、
約42秒と、Windows 10にアップグレードした中では一番速くWindows 8で
SSDに交換しただけの状態に迫る起動速度となりました。クロック周波数が
0.7GHzアップし、スレッド数が2倍になった結果ですね。SSDへの交換と
合わせてCPUの交換もお勧めですが、中古PCを購入する際であればよほど
価格差がない限り最初からCore i5以上のものを選択しておいた方が手間が
かかりません。CPUの交換はできない機種や相性の出る組み合わせもあります
し、高発熱なものを搭載すると排熱に困ることもありますし・・・。
同等機種でHDD時とSSD時の起動時間を比較した動画を以前作っていました
ので、参考にしてください。
なおPlayStation 4のHDDをSSDに交換する手順については、
以前レビューした別のSSDではありますが手順は一緒なのでこちらを参考に
してください。そちらのSSDでも交換後は重めのゲームのレスポンスが快適
になりましたので、今回のSSDへの交換でも同様の効果は得られるかと思います。
■総評
SSDの低価格化が止まりませんが、東芝3D NANDを採用するSSD「SMV32」
シリーズのコストパフォーマンスは良好で、旧型PCのHDDからの交換に使用
しても満足な性能が得られることが確認できました。Windows 7の延長サポート
期間終了を2020年1月に控え、Windows 8以降を搭載する中古PCやHDDを搭載
する低価格PCにリプレースする際に、今回のSSDを合わせて導入することで
快適に使い始めることが出来そうです。また、ここ最近の低価格SSDに採用が
進んでいるQLCタイプのNANDに比べ、SSD「SMV32」シリーズに採用されて
いるTLCタイプのNANDは耐久性が高いので、付与されている3年間保証と
合わせて信頼性も上々だと感じました。何よりもちものには登録していま
せんが、過去何台かSSD「SMV32」シリーズを購入してどれも故障していない
点からも、信頼性の片鱗はうかがい知ることができていますからね。
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