最近、CD等で聴く音楽だけでなく、DSDといったハイレゾ音源もかなり浸透してきたような気がします。
そんな中、高級なスピーカーには手は出せないものの、スピーカーひとつで大きく音質や臨場感が変わるのも実感してきました。
今回、ブックシェリフ型マルチメディアスピーカー Edifier R1100を試す機会をいただけたので色々試してみましょう。
まずは梱包箱ですが、スピーカーが2本入っているという割には思ったほど大きくないです。
続いてスピーカー本体の前面です。
サランネットは取り外しが可能です。
スピーカーの背面です。
L側は単純にスピーカー端子のみです。
R側にはL側とつなぐスピーカー端子と音量や低音コントロール等がついたパネルがついています。
このR側に電源やアンプが内蔵されているのでしょうね。
今回PCに接続する際は自作の32bitDACに接続してその差を比較します。
続いて比較するスピーカーはコレらです。
FOSTEXのハンドクラフトスピーカーユニットを組み込んだ自作スピーカー。
再生可能周波数域はf0~21kHz
これは1way(スピーカーユニットがひとつ)なのであまり比較にならないかな?
そしてONKYOのワイヤレススピーカーシステム GX-W100HV
こちらの定格周波数帯域は50Hz ~ 100kHzです。
最後にYAMAHAのNS-BP182
こちらの再生周波数帯域は60Hz~40kHz(-10dB)、~100kHz(-30dB)となってます。
ONKYOとYAMAHAのスピーカーは今回レビューさせていただくR1100と同じ2WAYなのでこれらとの比較がメインになりそうですね。
手軽だけどいまひとつ何かが足りない
まずは このR1100単体で聴いてみましょう。
普段は下記の構成で接続しています。
今回は接続は後半のD級アンプとFE87EのクラフトスピーカーがR1100に交換された構成です。
2WAYスピーカーに変わるので大きく変化するでしょうね。
それでは初の音だしです。
最初に再生するアルバムは相川七瀬のIDです。
完全な趣味ですね。
最初の感想は”おお!”と”あれ?”が混ざった感じでした。
というのも臨場感というか音の広がりとか奥行きは明らかに違うというか断然R1100が圧勝です。
というか他の手持ちのスピーカーでもここまでの広がりは無かったような印象です。
ただ、高音域がなんか寂しいというか正直弱い・・・
確かにFE87Eに比べればよくなっているんですが、他のONKYOのGX-W100HVやYAMAHAのNS-BP182に比べると、ソースは異なるにしても高音域が抜けてる感じがします。
まぁ初の音だしなので、ここでしばらくエージングしてみることにしましょう。
まだまだ短いといえばそれまでですが、とりあえず48時間ほど音だししてみました。
最初に比べるとずいぶん音が丸くなった感じです。
聴きづかれしにくい音になったという感じでしょうか?
でもその分コレといった特徴がないまとまった感じがします。
そしてやっぱり高音が弱いかな?
あと、baelさんのレビューにも出ていましたが、確かにツィーターの指向性は狭いような感じです。
ツィーターの高さ近くまで頭を下げると高音が若干出てきた感じです。
それでも色々聴いてみた感じですが、高音域のツヤが無いといった感じでしょうか?
ピアノや弦楽器の高音域、女性ボーカール独特のツヤが弱く感じられます。
代わりに中音域はしっかり出ています。
低音は出ているのですが、微妙にパワー不足?という感じです。
これは他のスピーカーにもあった現象ですが、スピーカーの性能に対してアンプの力不足の時に感じる現象に近いですね。
なのでここは後にアンプ部分を交換してみたいと思っているのでそこでどう変化するかが楽しみですね。
さて、FE87Eだけではやはりスピーカー性能が違いすぎますので、ここでONKYOのスピーカーとYAMAHAのスピーカーをつないで試してみましょう。
まずはONKYOのスピーカー(GX-W100HV)です。
ONKYOのGX-W100HVはR1100同様アンプが内蔵されていますので、接続構成は下図のようにしています。
これはさすがに高音域も低音域もしっかり出ている感じです。
バランスもよく聴き疲れしないようないい感じで鳴ってくれます。
Edifier R1100の時のような低音のパワー不足、高音域のツヤの無さもずっとよくなっています。
ただ、どちらかといえばピアノや女性ボーカルといった高音域が特に得意な感じがしますね。
これはスピーカーの性能なのか、それとも内臓アンプの差なのかは気になりますが、さすがはONKYOといった結果になってしまいました。
次にYAMAHAのスピーカーも聞き比べてみましょう。
YAMAHAのNS-BP182はスピーカー単体ですので接続にはアンプが必要になりますので接続は下図のようにしています。
さて、このYAMAHAのスピーカーは主にTVで映画を見るためにAVレシーバ
コレにつないでいるので、この接続で聴くのは初めてです。
これはさすがという感じです。
高音、低音共に本当にバランスよく出ています。
もちろんEdifier R1100で感じたような高音と低音の不満もありません。
というかまだまだ余裕を持って鳴らしているという感じが伝わってきます。
ただ、特徴が無く、まとまりすぎた感じです。
これはAVレシーバにつないだ場合、低音はウーハーが・・・
そして人の声などはセンタースピーカーが・・・
といった感じで役割分担されているからでしょうか?
悪くは無いのですが何か物足りなさを感じます。
ここまで聴いてみた感じでは
FE87E <<< R1100 < NS-BP182 < GX-W100HV
といった感じでした。
さすがにFE87Eは勝負になりませんでしたが、R1100単体では、何かもうちょっとが物足りない感じです。
しかし、低音と高音域にもう少し手を加えられたらもっとよくなりそうな潜在能力は感じます。
アンプを変えて音の違いを楽しむ
さて、ひととおり聴いた後はちょっと手を加えてみましょう。
やはり一番感じるのはアンプの力不足といった感じです。
ということでここを色々と変えてみましょう。
まずはR1100に搭載されているアンプを確認するためにも分解してみましょう。
R側の各種コントロール部がついているパネルをはずすとそのままアンプ基板が出てきます。
アンプはTAS5713のようです。
ただ、コンデンサもインダクタもなんか心もとないですね。
ここはやはりアンプを手持ちのほかのアンプにつなぎ変えて聞き比べてみましょう。
今回聴き比べするのは32bitDAC経由のPC再生は
ダイアナ・ロス
リー・アン・ウォーマック
THE ALFEEの英雄の詩(w
完璧趣味ですね・・・
特に女性ボーカルの変化に注目したいのですが、ALFEEの低音もちょっと注目です。
そしてSACDプレイヤー
こいつをアンプにつないで聞くのは・・・
これらを聴いていきます。
こちらは主に高音域がメインかな?
まずはstereo誌に付属していたD級アンプです。
ただしコレのアンプはMUSE01に交換していて、普段からよく使っているアンプです。
接続はL側はそのままスピーカー端子に接続すればいいのですが、R側はアンプ基板の真ん中のコネクタがスピーカーにつながっているので、ここを抜いてアンプと繋いでやります。
それでは早速聴いてみましょう。
おっ!
これはいい感じです。
ダイアナ・ロス、リー・アン・ウォーマック共にヴォーカルのツヤが全然違います。
THE ALFEEもいいですね。
今まで聞こえなかった音もしっかり聞こえます。
欲を言うともう少ししっかりした低音のほうがいいような気もしますが、先に感じていたパワー不足は解消しました。
SACD経由の2枚は音のソースが違うのでさらに明確に音のツヤがすごい差になってます。
特にピアノの音は完全に別のスピーカーから出てるのかと思うほどの差が出ちゃってます。
気持ち高音がもう少し出てくれるとより満足ですが・・・
さて、次はお気に入りの真空管アンプで試してみます。
コレはもともとキットで作ったものですが、抵抗やコンデンサ等取り付け部品のほとんどを交換して、自分好みに仕上がっているアンプです。
さてこれでさっきと同じ音楽を聴いてみましょう。
ん?
電源入れて真空管が暖まらないうちに音だししてみたんですが・・・
この組み合わせいいかも!?
真空管が冷えているうちからダイアナ・ロスを流してみたんですが、すごく音がまろやかというかノビがあっていい感じです。
もちろんボーカルのツヤもいい感じです。
そして1時間ほど真空管を暖めてから聴くと・・・
高音域も、低音もしっかり出ていますし、ヴォーカルもきれいにツヤのある感じになってます。
いかん・・・
コレ癖になりそう。
いくら改造したといっても真空管アンプとしてはそれほど上等な代物ではないので、これはもっといい真空管アンプが欲しくなりそうです。
そして最後はYAMAHAのAVレシーバに接続です。
ここではスピーカー単体の音を聴きたいのでサブ・ウーファーやセンター、リアスピーカーはオフにしておき、内部コーデックは切ってストレート再生で再生します。
ただしこのAVレシーバーでのPC再生はAirPlay、SACDはAUXからの直結で再生しています。
まずはAirPlayによるダイアナ・ロス、リー・アン・ウォーマック、THE ALFEEです。
これは32bitDACをとおしてないので解像度が落ちた感が否めません。
でもさすがにYAMAHAといった感じです。
低音も高音もしっかり出て音の広がりもいい感じです。
ただ、何かまとまりすぎて物足りない感じです。
SACDの音も同じでしっかりと出て、確かに高音のノビやツヤも感じられるのですが何か物足りない感じです。
試しにサブ・ウーファーを入れると俄然しっかりとした音になるし、センタースピーカーを入れるとさらにヴォーカルがくっきりして音場にしっかり立体感が出てきます。
これはアンプの特性上2ch構成だと弱いのかな?
最後にこのR1100は単体で手軽に接続でき、そのままでもそれなりにしっかりした音を聴かせてくれるスピーカーであることは間違いありません。
ただ、ツィーターの指向性が狭いみたいなので設置位置は注意が必要です。
しかし残念なのは内蔵アンプがちょっと頼りありません。
ここは一体型のアクティブスピーカーではある程度仕方ないのかもしれませんが、スピーカー単体の性能と内蔵アンプの性能があまりにもアンバランスすぎる感じがします。
ただ、ちょっと工作(分解?)ができて、手持ちにそれなりにしっかりしたアンプがあれば一気にスピーカーが活きてきます。
さらに気持ち高音がもう少し出てくれるといいなと思うところもあるので、ネットワークにも手を入れてコンデンサとかも変えていくとより満足いくスピーカーになりそうです。
手を加えることを前提にすれば、ポテンシャルがあって面白いスピーカーではないでしょうか?
CR-Xさん
2016/01/10
中華デジアンでもアンプ用意できるならパワードは要らないなw
eulerさん
2016/01/10
スピーカーがしっかりしている分アンプにかなり足を引っ張られている感じでした。
ネットワークを見直してしっかり作りこめばいいスピーカーになりそうなんですけど、そうなるとパッシブスピーカーでいいんじゃないかという極論になるかも・・・
baelさん
2016/01/10
改造範囲に悩むところですよねー
R1000とちがって商品代が10k円程度ですからアンプ基盤+電源までを改造範囲に入れると、簡単に総額15k円を超える感じになりそうです。
その価格帯だとバランスの良いFOSTEX PA-3なんてのが対抗機種になったり。
baelさん
2016/01/10
eulerさん
2016/01/12
確かにどこまで改造するか悩みますよね。
私は最終的にアンプは手持ちの外付けにして、ネットワークだけ作り変えてしまいたいですね。
ただ、色々改造して総額があがるのなら、確かにFOSTEX PA-3とかいい対抗馬になるかもしれませんね。