レビューメディア「ジグソー」

GUIで簡単設定!ホームユースに最適なNASサーバー

zigsowプレミアムレビュー”2ベイ NAS サーバー Synology DiskStation DS213j”のレビューです。

今回はNASの基本的な機能のファイル共有機能と自由課題のDLNAサーバー機能の互換性検証を中心に紹介したいとおもいます。



DiskStation DS213jは中小企業およびホーム ユーザー向けの2ベイNASサーバーです。
低消費電力&静音設計とDLNAメディア サーバー機能が特徴で3.5インチ(4TBまで)のHDDに対応。RAID 1構成のためドライブは2台内蔵する必要があります。


プラスチック製のケースは光沢処理されていて質感が高い反面、指紋の跡が目立ちます。
本体は985gと軽量です。

電源スイッチはフロント右側、その他のI/O(USBx2、GbLAN、ACコネクタ)はリア側に配置されています。


付属品はQuik Installation Guide、ドライバーディスク、ACアダプター、ACケーブル、ネジ、GbLANケーブル。
ネジはHDD固定用が10個、ケース固定用が3個と予備を含めて多めに付属しています。


Quik Installation Guideは日本語未対応ですが内容は簡単な説明のみかつ図解入り。



●HDDの取り付け
DiskStation DS213jは4TBまでの3.5インチHDDを2台搭載可能。
RAIDは0/1に対応するので容量とデータの安全性のどちらを取るかユーザーが選択できます。


今回はレビュー用に2TB HDD(ST2000DM001)を2台用意しました。

メーカーサイトに互換性リストが掲載されていますのでHDDとの互換性が気になる場合は事前に確認することをお勧めします。

□Synology - 互換性のあるハードドライブ(DS213j)
http://www.synology.com/ja-jp/support/hd/model/DS213j


本体は背面のネジ2本を外して正面左側をスライドさせると簡単に分解することができます。
(出荷時はネジで固定されていません。)


フレームはスチール製でHDDベイはシンプルなネジ固定式。HDD固定部はゴム製のダンパーとクッションを設置する丁寧な作りになっています。


●Windows PCへのセットアップ用アプリのインストール
セットアップに使用したPCのOSはWindows7 Home Premium SP1 64bitです。


付属のインストール用ディスクをPCの光学ドライブへセットしセットアップウィザードを起動。


項目がいくつかありますが”起動”をクリックするとSynology Assistantのインストールが開始されます。


インストールが終了するとSynology Assistantが起動します。


Synology Assistantにネットワーク上に接続したDS213jが表示されるのでクリックするとwebブラウザ(IE11)上にセットアップ画面が表示されます。”HDD 1,2のデータが削除されます”と警告が表示されます。使用するHDDにデータが入っている場合は事前にバックアップする必要があります。


DiskStation Manager(DSM)をインストール。
最新のDSMをダウンロードしてしてンストールが推奨されています。


必要ならパスワードを設定し”今すぐインストール”を選択。


もう一度HDDのでーたの消去の警告が表示されるので問題なければインストールを進めます。RAIDボリューム構成の選択が表示されないので少し不安になりましたがとりあえずそのまま進めてみることに。


インストールが終了するとWindowsライクなGUIのDiskStation Manager(DSM)が起動します。初回はクイックスタートウィザードのウィンドウが自動で開いてます。

クイックスタートウィザードは基本的な設定方法が紹介されているのでNAS初心者は最後まで見ておくことをお勧めします。


こちらはMac OS X(10.7.5)のSafariです。
Mac OS Xからも問題なくアクセスできます。


再起動とシャットダウンや追加した機能(アプリ)などは左上のアイコンをクリックすると表示されます。右側にはコンディション、リソースモニター、アクセスログなどの管理モニターが配置されています。


DiskStation DS213jの設定を行う”コントロールパネル”もジャンル別に分かれていて設定したい機能の項目へスムーズにアクセスする事が出来ます。


●セットアップの感想
PCへの管理ソフト(セットアップアプリ)を使用したセットアップはとても簡単。難しいところは一切ありませんでした。NASを使用したことが無い初心者でも安心です。


WindowsライクなGUIのDiskStation Manager(DSM)の操作性は良好。基本的には左上のメニューとコントロールパネルのみで設定を行うようになっているのもシンプルで良いです。下記でも紹介していますが機能の追加もパッケージセンター経由で行えるので便利でわかりやすいです。

GUIの操作や設定手順が分からない場合は日本語対応のオンラインヘルプが用意されているので設定する場所や操作手順で戸惑うことはありませんでした。


初回起動時はバックグランドでデータ スクラブが実行されているため”システム性能に影響が出ている場合がある”と警告が表示されます。この作業は2TBのHDDで11時間くらいかかるので一日ほど放置して処理が終わるのを待ってから活用することをお勧めします。

初期設定の状態ではボリュームはRAID 1になっているようです。RAID 0での運用については可能なのかは分かりませんがファイル共有でNASのみにデータを保存することになると思いますので保存するデータの安全性を考慮してRAID 1(ミラーリング)での運用が理想です。



CrystalDiskMarkを使用してDiskStation DS213jの転送速度を計測してみました。
Windows7に共有フォルダをマウントした状態で計測しています。


こちらはSATA 6.0GB/s接続したSeagate ST2000DM001のスコアです。
シーケンシャルアクセスは170MB/s台と高速です。


こちらがDiskStation DS213jのGbLAN経由のアクセス時のスコアです。シーケンシャル・リード 60MB/s、シーケンシャル・ライト 92MB/sと書き込みのほうが高速という結果となりました。

DiskStation DS213jにキャッシュ機能が搭載されているのでしょうか。ランダムアクセス(4k)やNQC(4K QD32)が単体時より高速化されています。レスポンスの良さはこのあたりから来ているのかもしれません。

Windows PCのファイル共有機能と同等の転送速度と従来の低価格NASに比べるとアクセス速度はかなり高速です。リードはもう少し速度が欲しいところですがライトが高速なのでバックアップ作業などはスムーズに行えそうです。



DiskStation DS213jの機能拡張(機能追加)は”パッケージセンター”経由で行います。


各種機能は”バックアップ、マルチメディア、ビジネス”などジャンル別に表示可能で機能名に加えてアイコン表示されているので分かりやすいです。


インストールした追加機能は一覧で機能の紹介も確認できるようになっています。

機能を追加する方法はインストールボタンをクリックするだけととても簡単。”メーカーサイトからファイルをダウンロードしてインストールする”というような面倒な作業は不要です。スマートフォンなどでお馴染みのストア経由でのアプリインストールのようで分かりやすくて良いです。



ファイル共有までの手順は”アプリのインストール>HDDの初期化>コントロールパネルで共有設定>Synology Assistantの設定”と設定する項目も少なく簡単でした。メーカーサイトに設置されている日本語対応のチュートリアルを参考に設定を進めれば簡単にセットアップが可能なのは助かります。

ファイル共有については事前に共有フォルダを作成しておく必要があります。
ユーザーごとに共有フォルダへのアクセス権利を設定することも可能です。


●Windows 7

(1) Synology Assistant で共有フォルダをネットワーク ドライブとしてマウントする
(2) Windows エクスプローラと接続する
(3) Windows エクスプローラでマウントする
(4) ネットワークでDiskStationに直接アクセスする

Windows PCでファイル共有機能を利用する場合には上記の4種類の方法があります。

ドライブとして共有フォルダをマウントするとコンピューターからアクセスできるので便利ですがDiskStation DS213j自体はネットワークに表示されるのでメインのPC以外にはDiskStationの管理用アプリをインストールする必要は特にありません。


●Mac OS X(10.7.5)

(1) DS213jにGuestユーザーのアクセスを許可する
(2) DS213jにユーザーを追加する

Mac OS Xからネットワーク越しにDiskStation DS213jに接続するには上記の2種類の方法があります。(1)のGuestを許可(有効化)してDS213jにGuestでアクセスする方法は簡単ですがDS213jのセキュリティが甘くなってしまうので、あまりお勧めできません。

ユーザーの追加はDiskStation DS213jのコントロールパネルの”ユーザー”を開いて”作成”をクリックし”名前”の記入欄にMac OS Xで使用しているユーザー名を登録します。必要ならパスワードも設定して保存するとネットワーク経由で共有フォルダにアクセスできるようになります。


●ファイル共有の感想
ファイルの共有については複数のPCで使用するファイルをDiskStation DS213jに配置することで複数のPC全てに同じ内容のファイルを配置する必要がなくなるため、HDDの容量の節約になります。編集などを行うファイルの場合、各PC間でファイルの同期を取る必要もなくなるのとRAID 1で運用している場合にはファイルのバックアップ(保護)も同時に行うことが出来るので便利で合理的です。



DiskStation DS213jは音楽・画像・動画をDLNAサーバー機能で対応機器(DLNAクライアント)へネットワーク経由で配信することが可能です。

DLNA対応機器は身近なところではWindowsなどのPC、Microsoft Xbox360やSony PlayStation 3などの家庭用ゲーム機や据え置き型のメディアプレイヤー、androidなどのスマートフォンではTwonky Beamなどのアプリを使用することで利用できます。

今回は上記の複数の機器でDLNAサーバー機能を利用できるか検証を行ってみました。


<< DiskStation DS213jの設定 >>
DiskStation DS213jでメディア再生の設定を行うには”パッケージ センター”から”メディアサーバー”をインストールする必要があります。
メディアサーバーをインストールした後にコントロールパネルのメディアインデックスサービスを開き有効化して完了です。

デフォルトではmusic、photo、videoの3つのフォルダが作成されます。(フォルダは追加することも可能。)


<< その他の設定など >>
音楽ファイルはMP3形式、画像ファイルはJPEG形式、動画ファイルはハンディーカムで撮影したフルHD動画をフリーソフトのHandbrake 0.9.9のMP4(h264/AAC)形式でHighProfile設定とNormal設定の2種類の異なるプロファイルで解像度1280x720ドットを指定して変換したものを複数用意しました。

DLNAクライアントの各機器のファームウェアは検証時に公開されている最新のものへアップデートしています。再生機器側は特に接続を行うための設定は必要はありません。



●Microsoft Xbox360 S(有線LAN)

Xbox360をDLNAクライアントとして利用するにはマイアプリの”ビデオプレイヤー、画像ビューワー、ミュージックプレイヤー”を使用してDiskStation DS213jに接続します。


<各メディアファイルの検証結果>
・音楽:○
・画像:△(縦長のJpegファイルは表示不可能)
・動画:△(HighProfileの動画は再生不可能)

音楽ファイル、横長のJpegファイル、Normalプロファイルの動画は再生可能です。
縦長のjpegファイルとHighProfileの動画ファイルは再生できませんでした。これはXbox360側の問題(仕様)のようです。


●Sony PlayStation 3 CECH-3000A(有線LAN)

PlayStation 3をDLNAクライアントとして利用するにはXMB(クロスメディアバー)の”フォト、ミュージック、ビデオ”からDiskStation DS213jに接続します。


<各メディアファイルの検証結果>
・音楽:○
・画像:○
・動画:○

PlayStation 3(FW 4.55)は音楽・画像・動画ファイル全て正常に再生できることを確認しました。


●android端末 4.1(SC-02E)/4.2(SH-06E)/4.4(NEXUS 7 2013)(Wi-Fi)

android端末のDLNAクライアント検証にはフリーソフトのDLNA対応メディアプレイヤー”Twonky Beam”を使用しています。


<各メディアファイルの検証結果>
・音楽:○
・画像:○
・動画:○

android 4.1(SC-02E)/4.2(SH-06E)/4.4(NEXUS 7 2013)の各OSバージョンで音楽・画像・動画ファイルのすべてが正常に再生できることを確認しました。


●Panasonic DMP-HV200(有線LAN)

Panasonic DMP-HV200(ポータブル液晶TV)をDLNAクライアントとして利用するにはTVの機能”お部屋ジャンプリンク(DLNA)”を使用してDiskStation DS213jに接続します。


<各メディアファイルの検証結果>
・音楽:○
・画像:△(縦長のJpegファイルは解像度が低く表示される)
・動画:X(再生不可能)

音楽と横長の画像ファイルは問題なく再生できました。画像は縦長のJpegファイルは解像度が低く表示されてしまいます。動画ファイルはHighProfile、Normal共に再生できませんでした。これらの不具合はPanasonic DMP-HV200側の仕様のようです。(補足:Windows 7のWMP経由でのDLNA接続でHighProfileの動画ファイルは再生できることを確認しています。)


●複数の機器への同時配信について
PlayStation 3と5台のandroid端末の合計6台のDLNAクライアントに同時に動画ファイルを配信させて正常に動画ファイルが再生できるか確認してみました。

各DLNAクライアント共に処理落ちも無くスムーズに動画ファイルを再生可能でした。6台へ同時に配信する機会は少ないと思いますが複数のDLNAクライアントからの同時アクセスにも問題なく対応可能と分散処理能力も高いようです。


●DLNAサーバー機能の感想
今回検証を行ったほとんどのDLNAクライアントでDLNAサーバー機能が機能することが確認できました。普及率の高いandorid端末全般と家庭用ゲーム機のDLNAクライアント機能でメディアファイルを利用できるのは魅力です。

デジカメやハンディカムなどで撮影・録画したデータをNASへ転送することでバックアップを行いつつ、DLNAクライアントを接続した大型液晶TVやPCで利用できるのはとても便利で実用的です。



サンワサプライ ワットチェッカーPlusを使用してDiskStation DS213jの消費電力を計測してみました。


負荷率の低い状態からファイルへのアクセスがある状態ともに20W前後、HDDが停止したスリープ時は6W。一般的なPCと比べるとかなり低消費電力です。

HDDを停止させるまでの時間は”なし/10分/15分/20分/30分/1時間/2時間/3時間/4時間/5時間”から設定できます。アクセス時のレスポンスとワットパフォーマンスをユーザーの好みに合わせて調整できます。



DiskStation DS213jをファイルサーバ&DLNAサーバとして活用してみた観想です。

WindowsライクなGUIのOS(管理ソフト)のSynology DiskStation Managerは、PCに慣れているユーザーなら説明書が無くても直感で操作できるように工夫されているので操作性は良好です。

レスポンスについてはGB単位のファイル転送を行うともう少し連想速度が欲しいと感じますがネットワーク経由のファイル転送のため上限もあるのと、普段はそれほど大容量のファイルを扱うことは少なくMB単位のファイルの場合はストレスなく高速に処理できるので予想いていた以上に快適でした。

動作音についてはファン速度モードはデフォルト設定の”低ノイズモード”は静かです。どちらかというとHDDの動作ノイズの方が気になるくらいです。組み合わせるHDDは5000~6000rpmの低回転モデルがお勧めです。設置を多少工夫してスリープモードを併用すれは24時間稼動も問題ありません。


価格についてはWindows PCをNAS代わりに作成する場合、新規で作成するとDiskStation DS213jと同価格の25,000円あたりに抑えるのは難しく、筐体サイズ(設置スペース)やワットパフォーマンスも考慮するとDiskStation DS213jのコストパフォーマンスは高いです。

現在NASやPCなどを利用してファイル共有を行っていない場合にはDiskStation DS213jを導入することで重要なフォルダのバックアップやミラーリングとファイル共有が同時に実現できるのはストレージの大容量化が進む現代では大きなメリットと言えます。

特に消費電力が20W前後と低くDLNAサーバーとしても優秀なので、DLNAクライアント機能を持つ端末を活用している方にもお勧めです。


従来の低価格NASはGbLAN対応製品でも実際の転送速度が40MB/s前後と低速な製品も多く、ファイル共有時の転送速度を考慮してWindows PCをNAS代わりに運用して来ましたがWindows PCはレスポンスが良いかわりに消費電力と夏場の廃熱の多さが気になっていました。

今回、共有フォルダの内容を全てDiskStation DS213jに移動したことで、NAS代用として運用していたPCと比べて設置スペースは大幅に省スペース化し、消費電力は負荷時でも前のPCのアイドル時の半分以下と電気代も大幅に節約に。発熱も大幅に低減できたので暖かい季節での運用も楽になるのではと予想しています。

現在、自宅のPCは全てシステム用のSSD+データ用のHDDという2ドライブ構成にしています。共有するファイルはNAS代用のPCへまとめていたわけですが、DiskStation DS213jの転送速度は充分高速なので”クライアントの各PCはSSDのシングルドライブでシステムドライブのみで構築し、データ用ドライブは4TB HDDを搭載したDiskStation DS213jの共有フォルダに集約して共有する”という”HDDの台数を減らし故障時のデータロストを防ぎつつ、共有化することでデータの同期やファイルの管理が楽になる”環境を構築してみたくなりました。


WindowsライクなOS(管理ソフト)はとても使いやすくて標準では機能は少ない状態で必要な機能をパッケージセンター経由でインストールする方式も無駄がなく分かりやすくて良いと思います。各種設定は日本語対応で詳しく丁寧な内容のオンラインヘルプが用意されているのと、機能の追加も簡単。初心者も意識した工夫が光るDiskStation DS213jはホームユースやNAS初心者にもお勧めできる製品です。


<2014/03/06>
・コメントを追記しました。
・誤字を修正しました。

<2014/03/12>
・誤字を修正しました。

<2014/03/15>
・Mac OSからの接続とファイル共有の検証結果を追記しました。

<2014/03/24>
・コメントを追記しました。

コメント (4)

  • harmankardonさん

    2014/03/05

    レビュー,お疲れ様です.

    最近の機種は,とても使いやすくなっていますね.
  • れいんさん

    2014/03/05

    うーん、2ベイタイプもとっても魅力的だわわ
  • Sheltieさん

    2014/03/05

    ●harmankardon さんへ
    ありがとうございます。

    GUIのOSが非常に良く出来ていて操作や設定が簡単なので驚きました。パッケージセンターという機能追加用のインストーラーもストアアプリ風になっていてよく考えられているなと関心しています。
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