【 更新履歴 】
2014.03.02 Sun.: 公開!
2014.05.09 Fri.: DSM 5.0 へのアップデート
一昔前の NAS を使っていますが、どうも使い勝手が今ひとつで、機能も少ない。
最新の NAS はどれほど進化しているのかすごく気になったのでレビューに応募しました。
今回は画像が多い上、内容も多めです。
以後、次のような流れです。
- 開封の儀
- ハードディスクの組み込み
- DiskStation Manager (DSM) のセットアップ
- DiskStation Manager (DSM)
- 共有フォルダを作ってみる
- PC からアクセスしてみる
- スピードを測ってみる
- 消費電力
- DLNA サーバー機能
- iTunes サーバー機能
- 外付けドライブにアクセス!
- Android で!
- 自分専用クラウドストレージ
- おわりに (今まで使っていた NAS との比較と総括)
適宜すっ飛ばして眺めていただければと。
こんな箱に入ってやってきました!
取っ手が付いているので、電気屋で買って持ち帰るのも楽そうです。
中身は本体に加えて、
電源ケーブル・LAN ケーブル・ネジ (HDD 固定用とケース用)
ユーティリティ ディスク・インストールガイド。
(インストールガイドに日本語で「ようこそ」の文字がないのはやや残念。)
* * *
DiskStation DS213j 本体は非常に軽いです。
筐体の白はツルッとしていて、チープさは殆ど感じません (^^)
ディスクレスの NAS なので、ハードディスクを用意して組み込まなければ何も始まりません。
ですので、とりあえず組み込みます。
【 今回組み込むハードディスクたち 】
いずれも対応リストには載っていませんが、問題なく動作しました。
(RAID 構成にしたため、使えるのは 500GB のみ……)
* * *
ハードディスクを組み込む前提で、ネジが止まっていないので、
そのままカバーをスライドすれば開きます。
カバーをスライドして戻し、2 箇所ネジで留めます。
ネジ山が切られていないので、ちょっと力が要ります。
(後継機は是非ネジ山を切って欲しい。)
* * *
……おしまいです。非常に簡単でしたw
PC 自作をしたことがある方であれば、特に躓くことなく作業が進められると思います。
もしそうでなくても、付属のインストールガイドを見ればなんとかなりそうだと思います。
DiskStation DS213j に電源ケーブルと LAN ケーブルを繋いで、電源を入れていきます。
※ 導入バージョンは DSM 4.3 (レビュー作成時最新)
* * *
インストールガイドに書かれている通り「http://find.synology.com」にアクセスします。
DiskStation Manager を自動的にインターネットから拾ってきてくれるみたい。
管理者ユーザーのパスワードとか。
サーバー名は「DiskStation」ということでレビューをしていきます。
* * *
DSM のセットアップが終わりました。
これまでガイドに従って進めただけで、特に難しいこともありませんでした。
面倒な作業もなく、非常に好印象。
基本は Linux ぽさが出てる。
使い勝手は Windows っぽい。ウィンドウは Mac らしい感じ。
頻繁にお世話になる「コントロール パネル」。Mac っぽい感じ。
使いはじめるにも、共有フォルダがないことには何も始まりません。
* * *
まず File Station を開きます。
ユーザーごとに権限を付加。
自分用のアカウントとフォルダを作って、他のユーザーからのアクセスを拒否すれば、
自分だけのプライベートフォルダを作ることもできそうです♪
とまぁこんな感じ。
色々できるみたいだけど、色々出来すぎて初心者にはややこしいかもしれません。
Windows PC からアクセスしてみました。
準備としては 2 通り。
【 ショートカットを用意する 】
こちらのほうが汎用性が高いかも?
デスクトップなどで右クリック→「新規作成」→「ショートカット(S)」
【 ドライブレターを割り当てる 】
こっちの場合は、NAS 内のフォルダを指定することしかできません。
コマンドプロンプトを起動して下の括弧内のコマンドを入力。
[ net use Z: \\DiskStation\Public <password> /user:<user> /persistent:no ]
<password> は <user> に対して設定したもの。
persistent を yes にすると PC を起動する度に自動的に再接続してくれます。
で、上手く行けばドライブレターが割り当てられます。
* * *
Windows 上からは最低限使えるようになりました!
ドライブレターが割り当てられたところで CrystalDiskMark で計測。
【 1 台のみからのアクセス 】
有線で繋いであるデスクトップから測定。
ギガビットイーサでの接続なので最大 125MB/s (理論値)。
HDD の性能を使いきっているわけではありませんが、結構スピードが出ています。
なんだか書き込みが早いです!
無線 LAN 接続のタブレット (Lenovo Miix 2 8) から計測。
DiskStation のせいではありませんが、
無線 LAN が 130 Mbps (=16.5 MB/s) での接続のため、有線のときと比べて遅いですね。
【 複数台の PC からアクセスしてみる 】
無線でのアクセスはあまり負担にならないようなので、
LAN に有線 (ギガビットイーサ) で繋がれた PC 2 台から同時にアクセスさせてみました。
使ったのは次の 2 台。ともに DiskStation が繋がっているギガビットルータに接続。
(ギガビットイーサに対応している PC がこれくらいしかなかった……)
50 MB と 1000 MB の 2 通りで CrystalDiskMark にて計測。
Single は 1 台のみでのアクセス、Multi は 2 台同時にアクセスさせたときのデータです。
スピードは低下しますが、アクセスが困難な状況になることはありませんでした。
そもそも、100BASE で繋いだ場合には 12.5MB/s が上限となるので、
それに比べればスピードは出ています。
HDD を積み替えてスピードが変わるか試そうかと思っていたのですが、
このスピードだとほとんど差が出なさそうです。
時間的に余裕があれば試してみようかと思います。
DiskStation DS213j には 2 つの電源状態があります。
今回は、SANWA SUPPLY の「ワットモニター」を用いて簡単に計測してみました。
【 稼働時 】
STATUS / LAN / DISK 1 / DISK 2 の LED が付いている状態。
大抵 17 W くらい。最大 20 W くらいで稼働。
中身に入れる HDD でも差が出るかもしれません。
【 スリープ時 】
STATUS / LAN / DISK 1 / DISK 2 の LED が消えている状態。
HDD への給電はなくなり、稼動音は聞こえない。
背面ファンはゆっくり回っている状態。
5 W 前後を推移。
よく売っている LED 電球 1 個分ってところでしょうか。
本音を言うと、もっと抑えられないものかなぁ……と。
NAS に保存された動画を DLNA を使って PS3 で視聴したいと思います。
【 準備 】
「パッケージ センター」→「マルチメディア」→「メディアサーバー」をインストールします。
すると、フォルダがいくつか自動生成されるので、
それぞれのフォルダに対応したコンテンツをコピーしておけば OK。
【 視聴 】
そんでもって、PS3 を起動してみると「DiskStation」の文字が。
* * *
パッケージを導入する必要のみで、
DiskStation を DLNA サーバーとして使うのはとっても簡単でした!
iTunes を使って、家中まるごと音楽を共有しようという試み。
最近の NAS では一般的なようですが、簡単に試してみたいと思います。
【 インストール 】
「パッケージ センター」→「マルチメディア」→「iTunes Server」をインストール。
DiskStation 上の「music」フォルダに音楽を適当にぶち込みます(笑)
フォルダ階層とかは気にする必要なし。
iTunes を起動して、共有ライブラリの「DiskStation」を選択。 (何故かここからは OS X)
すると、適当に突っ込んだ音楽が共有され、再生可能に!
家中どこからでも楽しむことができます!
* * *
特に難しい手順もなく、簡単に家中の音楽を一元管理可能。
新たに音楽が増えた時には NAS にコピーすれば OK。
わざわざ全ての PC に音楽をコピーするのは面倒ですし、
あの音楽はどの PC に入ってるの? とか心配する必要が全くなくなります!
これまでに DLNA や iTunes サーバー機能を試してきましたが、
音楽や動画は「外付け HDD に全てまとめてある or バックアップを取ってある」
って人もいると思います。
そんな人に是非試して欲しい、この機能。
【 とりあえず繋いでみた 】
外付けドライブを DiskStation 背面の USB ポートに繋いであげてください。
バスパワーの外付け HDD も動作しました。
繋いだだけで、普通に使うことができます。ファイルシステムは
- EXT4
- EXT3
- FAT
- NTFS
- HFS+ (Read only)
今回繋いだ外付けドライブは NTFS でフォーマットしたものなので、読み書きも自由です!
簡単すぎて拍子抜けです(笑)
【 DLNA や iTunes サーバーにも対応させていく 】
PC から使うのにはこれで十分なのですが、更にもう 1 ステップ。
「コントロール パネル」→「メディア インデックス サービス」を選択。
繋いだ外付け HDD を選択。中身にあるコンテンツの種類 (写真/音楽/ビデオ) も選ぶ。
で、「再インデックス」を行えばおしまい。(ちょっと時間が掛かる)
* * *
こうすると、DLNA 経由でも iTunes サーバー経由でも外付け HDD が楽しめてしまいます!
外付け HDD で様々なコンテンツを管理している私にとって、
この機能は期待していた機能そのものでした(^^)
今の御時世、スマートフォンやタブレットから使えなければ意味がないってものです。
【 DiskStation 側の操作 】
対応パッケージを適宜導入します。(とりあえず全部導入しましたw)
今回は QuickConnect というサービスを利用して接続を行います。
非常に簡単に出先からアクセスできるようになります。
有効にしたいサービスを選択しておかないと使えません (レビュー中に躓きました)。
覚えやすい QuickConnect ID にカスタマイズしておくといいです。
この ID は後で Android からアクセスするときに使います。
DS video がないのは、まだ非対応だからだそうです。
DSM 5.0 で対応するとかしないとか……
【 Android 側の操作 】
今回使った端末は「ASUS Fonepad ME371MG」。
関連アプリは Google Play からひと通りダウンロードできます。
Google Play にアクセスできない端末でも公式サイトからパッケージを DL 可能です。
Fonepad は ARM 系ではなく x86 系なので動くのか不安だったのですが、何の問題もありませんでした。
先ほどの QuickConnect IDに加えて、
DiskStation のユーザー管理で用意したユーザーとパスワードでログインすると
使えるようになります。
DS file
DS audio
DS video
NAS の中の動画にアクセス。
ストリーミングで再生しているよう。
現時点では QuickConnect ID が使えないので、
DiskStation の IP アドレスを直打ちする必要あり。
設定をしっかりすれば出先からでも使えるはずです。
QuickConnect に早く対応して欲しいですね。
* * *
DLNA に対応したアプリをスマートフォンやタブレットに導入しても
DS audio や DS video と似たようなことができると思いますが、
どのアプリも出来はしっかりしていますし、設定もログインするだけで簡単です。
Dropbox、Google Drive、OneDrive、SugarSync など
様々なクラウドストレージサービスが無料で提供されていますが、
インターネット上に大切なデータを置いておくのは不安だと感じる方もいるかと思います。
* * *
Windows / Mac / Linux では「Cloud Station」というアプリを使います。
Synology のダウンロードセンターから最新版をダウンロードできます。
また、Android / iOS では「DS cloud (Android / iOS)」というアプリが用意されています。
Android 版は Google Play 以外に公式のダウンロードセンターからも DL 可能です。
【 DiskStaiton 側の操作 】
これで終わり。相変わらず簡単。
【 クラウドとして使う 】
Clould Staion / DS cloud をインストール。
いずれも、QuickConnect ID とユーザー名 + パスワードを入力すれば OK。
* * *
特に難しい設定もなく、あっさりと自分専用クラウドストレージを構築可能。
Windows でも、Mac でも、Android でもアクセス可能。
自動的に同期しますし、旧バージョンのファイルも保持。
あと欲しいと思った機能は、エクスプローラで右クリックメニューに共有リンク作成や旧バージョンのデータ復元機能があったらなと。
あとは、ブラウザからのアクセスができたらもっと便利だなと……。
(もしそういう機能があったら私のリサーチ不足です。ゴメンナサイ。)
自宅では I-O DATA 製の「LANDISK HDL-F300」という NAS がたまに稼働しています。
2006 年 3 月発売のおよそ 8 年前の NAS。
購入時は期待をふくらませながら買ったものです。
しかし、この NAS の印象から "NAS" は
アプリケーションのインストーラを NAS 上に用意しているのですが、
ファイルサイズの大きい物はなかなか動いてくれなかったり……
(今回色々やってみて 100BASE-TX であることが原因だったのが判明)
「自由度がない」
パソコンからしかアクセスできないので、使い道が少ない。
USB ポートに普段使いの外付けドライブ (NTFS フォーマット) を繋いでも読み込みだけ。
バックアップ機能もあるけど、ガリガリ頑張ってもすごく時間がかかった。
もし HDD 壊れたら中のデータは諦めかな……とも。
* * *
…という認識が私の脳には植え付けられていました。
そんな理由で NAS は「思ったほど便利ではない」という認識で、
使うときだけ起動するというような感じでした。
ですが、
「Synology DiskStation DS213j」
を使ってみて、正直この考えは変わりました。
「NAS っていつの間にかこんなことになってたのか」と。
知識がそれほどなくても簡単に色々な機能が使える。
まだ試していない機能もあり、まだまだ色々楽しめそうです。
システムの Synology DiskStation Manager (DSM) はアップデートを続けており、
最新バージョンとなる DSM 5.0 も近々リリースされそうなので、
長く安心して使えるのではないかなと思います。
海外では DiskStation の対抗馬として QNAP の NAS がよく取り上げられているようですが、
Synology の方が歴史が長いよう。
長いこともあって、ウチにも Synology 関連の製品がありました。
2003 年の製品なので、QNAP (2004 年設立) が誕生する前の製品。
(ただ、HDD なしで入手したのでどんなシステムだったかはわかりませんが……)
デザイン的には QNAP の NAS に比べて業務用途感がなく、
ホームユースなら Synology の NAS の方が個人的には好みかな。
部屋に溶け込みやすいと思います。
……とまあ、QNAP との話はこの辺りにしておいてw
* * *
今回 Synology DiskStation DS213j のレビューをしてみて、
今どきの NAS って便利だなって思わされました。
もちろんパソコンがあれば代用はできるけど、そこまでするのは面倒だし、
知識もいるしで、手軽さがない。
それに対して DiskStation なら手軽だし、やりたいと思った機能は付いている。
NAS を買おうと思っている方には大変オススメできる製品だと感じました(^^)
今回のレビューのように家に余って転がっている HDD でも十分使えますが、
使ってみて NAS として本格稼働してもいいと思えたので、
近いうちに DiskStation 用に 2~3TB くらいの HDD を 2 台導入してやりたいと思います。
DSM 5.0 での利用
【 2014.05.09 追記 】
今更ながら「DSM 5.0」にアップデートしてみました。
* * *
アップデートの開始。10~20 分と書かれていますが、そんなにかからなかった気が。
終わると勝手に再起動して… (これまた 600 秒もかからなかった気が)
終わったらとりあえずパッケージのアップデートをしたほうがいいです。
QuickConnect が強化され、外部からの利用がよりしやすく!
レビューを書き上げた 1 週間後くらいにリリースされていたみたいですが、
ようやくアップデートしました。
DSM 4 系に比べて、デザインも今風になりましたし、
外部アクセス機能 (DSM 管理画面へのアクセスや非対応だった DS video 含め) も進化し、
使い道がより広まった気がしますね(^^)
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