レビューメディア「ジグソー」

ワンクリックで簡単にLinuxサーバを構築できるDiskStation


台湾の台北にあるSynology社製のNASサーバ
DiskStation DS213jは、2ベイNASサーバです。
家庭および中小企業向けの位置づけとなります。

製品の第一印象
本当に真っ白なNAS-BOXです。
振動防止にゴム足を採用しているようです。
筐体の"はめあい"もしっかりできており、
外枠はプラスチックで、質感もいいかんじです。
全面、底面、両側面からエアーを吸入、92mmのファンで排出しています。
ファンのノイズレベルは小さく、ディスクのアクセス音の方が大きいぐらいです。

ハードウェア仕様
CPU Marvell Armada 370 1.2GHz

※デュアルコアの記載を削除しました(文末に、追記しました)
メモリ 512 MB DDR3
ストレージ ドライブベイ×2
3.5HDD SATA(II)/SATA(III)
最大内部容量 8TB (4TB HDD X2)
ファイルシステム EXT4 (内部ドライブ)
外部ポート USB2.0ポート×2
LANポート GigabitLAN×1 (RJ45)
外観 外寸/重量 165mm×100mm×225.5mm / 0.91kg
電源ユニット ACアダプタ (65W)
消費電力 19.82W (アクセス) / 3.65W (HDDハイバネーション)
保証期間 2年

NASのソフトウェア仕様
DiskStation Manager(DSM)は、DiskStation用のオペレーティングシステムです

ストレージ管理
最大ファイル システムのサイズ 16TB
最大内部ボリューム数 256
iSCSI Target の最大数 10
iSCSI LUN の最大数 10
対応する RAID タイプ Synology Hybrid RAID / JBOD / RAID0 / RAID1

ファイル共有機能
最大ユーザーアカウント数 512
最大グループ数 128
最大共有フォルダ数 256
共有フォルダの同期の最大タスク数 2
CIFS、FTP、AFP の最大同時接続数 64
Windows アクセス コントロール リスト(ACL)統合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


HDDを2台接続して、使用可能なRAID構成のベンチマークテストを実施した結果です。
①HITACH 250GB HDD (容量:232GB)
②HITACH 250GB HDD (容量:232GB)

 

 

 

 

 

 


容量が違うHDDを2台接続したとき、RAID構成の動作方法を確認してみました。

この章での設定は、すべて「手動」で設定しています。
RAID0,JBODが予想に反した動作です。

RAID0は、同じ容量が2台分の容量だと思っていました。でも同じ容量となりました。
①HITACH 250GB HDD (容量:232GB)
②HITACH 2TB HDD (容量:1.82TB)

 

 

 

 


付属のCDROMから「Synology Assistant」をインストールしました。


「Synology Assistant」アイコンを起動します。
※DHCPでNASにIPを割り当てできるよう事前設定する。


起動したら、「DiskStation」が検索されます。


「DiskStation」を選択して「接続」します。
※初回は、DiskStation Manager(DSM)をインストールします。


DSMにログインします。


管理画面で、DiskStationを制御・管理できるようになります。


パッケージセンターで、オープンソース (open source)アプリケーションを
インストールすることができます。

では、実際にどんなアプリケーションがあるかを見ていきましょう


 
【バックアップ】カテゴリーのパッケージアプリケーション

 


【マルチメディア】カテゴリーのパッケージアプリケーション


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メディアサーバー】をインストールしてみます。
ワンクリックでインストールされます。言語の設定だけ変更して適用します。


エクスプローラーで確認するとフォルダーが作成されます。


DLNAのメディアサーバが構築できました。

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iTunes Server】をインストールしてみます。
ワンクリックでインストールされます。
iTunesでサーバが表示されます。



【ビジネス】カテゴリーのパッケージアプリケーション

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WordPress】をインストールしてみます。
ワンクリックでインストールされます。


「Web Stationを有効にする」と「MySQLを有効にする」にチェックを入れます。


インストールウイザードを使ってインストールをします。
(OSSの)WordPressのインストール画面が表示されます。
セットアップが完了したら、ログインしてみます


初期の管理画面が表示されます。まずは言語変更をしました。


公開サイトが動作しました。



【セキュリティ】カテゴリーのパッケージアプリケーション

 


Antivirus Essential】をインストールしてみます。
ワンクリックでインストールされます。


 【ユーティリティ】カテゴリーのパッケージアプリケーション


DHCP Server、DNS Server、RADIUS Server、syslog Server、VPN Server など、
ネットワークインフラのサーバもワンクリックで簡単に構築できます。

 

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Webalizer】をインストールしてみます。
ワンクリックでインストールされます。


WEBサーバにアクセスした解析結果が表示できます。


と、言うことで簡単にパッケージがインストールできました。


ボタンのワンクリックで、DSM4.3では51種類のアプリケーションを
簡単にインストールできます。

スマホでアプリをインストールすると同じ感覚ですね。
※アプリを使用するためには、別途、設定が必要になる場合もあります。


NASを簡単にLinuxサーバ化することができます。
DiskStationの最大の魅力です。


SATAで接続で500MB/sのSSDを使用して、装置の最大性能を確認します。


2.5インチのディスクを装着するためには、
オプションのアクセサリが必要となります。


ディスク ホルダー:Type C
残念ながら入手できませんでした


固定せずに装着できましたので、その状態でベンチマークを計測しました。
SSDには、Intel SSD 510 Series 120GB を使用しました。

 


このベンチマークでは、
読み込み:40MB/s
書き込み:90MB/s
ぐらいであることがわかります。
それなら、普通にHDDを接続しても同じような結果になると推測されます。
7200回転の3.5インチHDDにてベンチマークを計測しました。

 


予想通りの結果になりました。
読み込み:40MB/s
書き込み:90MB/s
HDDを使用した場合、SSDと比較して、
ランダムアクセスの値が低くなっていることがわかります。
SSD、高速なHDDを使用しても、速度には変化がありません。
このあたりがボトルネックとなっているため、この製品の最大性能値と考えられます。


telnet接続とSSH接続に対応しています。
※ telenet 接続等を有効にする必要があります。
telnet接続して、DSM4.3の情報を確認してみました。


もちろん、rootにて接続も可能です。


rootで接続してLinuxサーバとしても簡単に使うことできそうです。

私は今でも、玄箱をいくつか所有しています。

もちろん、debianでLinux化しています。


ただ、DiskStationでは、コマンドラインで操作しなくても、パッケージセンターで、
オープンソース (open source)アプリケーションを、
ワンクリックでインストールすることができます。(前述のとおりです)


DiskStation DS213J は、2ベイNASです。
簡単設定でRAID構成にすると、Synology Hybrid RAIDにて構成されます。
Synology Hybrid RAIDでは、冗長化を優先して構成されます。
HDDを2本搭載してSynology Hybrid RAIDを使用すれば、
RAID1相当に設定されます。
手動設定では、RAID0/JBOD/RAID1から選択することができます。
NASの機能としてはデータの保存することであるため、
データ保護が大事です。1点故障に対応するために冗長化が必修です。
※2点故障に対応するためには、RAID6や別筐体へのミラー等が必要です。
ミニマムコストで冗長化と性能を得る構成は、RAID1となります。
複数ベイでミニマムコストで構成した場合、
冗長化を優先すれば、RAID5/RAID6
性能を優先すれば、RAID1+0
いずれかを選択することになります。

 

 


私の所有しているNETGEAR ReadyNASです。
Pro6/Ultra6は、活線挿抜可能な6ベイのNASです。
Pro6/Ultra6は、ファン音が大きく起動時はびっくりするぐらいです。


DiskStationは、本当に静かです。アクセスがなくなれば、ハイバネーションも有効になる。

 

省エネにも有効ですので、ホームユースにピッタリです。

 

WEBタイプのGUI管理画面は、DiskStationではかなり快適に操作できます。

Pro6/Ultra6は、アドインソフトは正式サポートではないのですが、
DiskStationは、メーカー公認でLinuxサーバの構築ができます。


DiskStationでは、DDR3 512MBのメモリーを搭載されています。
装置を確認してみましたが、ソケットではなくメモリー直付けでした。
シリアルシールの右側にある2個の黒チップがメモリーのようです。
HynixのH5TQ2G83CFA (2Gbit=256MB)が2枚(写真)

 

 


基本的なNAS機能を有しています。


デュアルコアのCPUが採用されているため、
他社の2ベイNASと同様に、高速なNASのようです。

メーカーサポートがどこまでなされるかは不明でありますが、
オープンソース (open source)アプリケーションを含めて、
メーカーがLinuxサーバを構築することをサポートしていることは、
最大の魅力であると思います。


【RAID計算機】NASの容量を簡単に算出するツール
https://www.synology.com/ja-jp/support/RAID_calculator

 

HGST 4TB 0S03361 2台を入れてみました。

(HMS5C4040ALE640)

 

 

DSM5.0がリリースされました。

DSMの更新がありました。

先日までベータだった5.0の正式リリースです。

「ダウンロード」ボタンを押してアップデートしました。

イメージが変わりました。

パッケージはすべて、アップデートしないと動作しません。

 

 

【デュアルコアの記載について】

当レビューにおいて、「デュアルコア」の記載についてご指摘を頂きましたので、

折角ですので追記しておきます。

 

私が記載した理由は、

 

1.CPUのデータシートの文章と図に、dual-issueとの記載が複数あったこと

http://www.marvell.com/embedded-processors/armada-300/assets/Marvell_ARMADA_370_SoC.pdf

 

2.同じCPUを使用しているNASの記事に「Dual-Core」の記載があったこと http://www.watch.impress.co.jp/netgear/review32/

 

で、「デュアルコア」と言うキーワードを追記していました。

ご指摘を頂くまで、あまり深く考えずに記載していました。

※多重処理をしているには違いないようです。

 

では、OS(Linux)として、CPUはどのように認識しているのでしょうか?

一つの回答として、telenet接続してコマンドを入力してみました。

uname -a

cat/proc/cpuinfo

の結果を確認すると、CPUは1個しか認識していないようです。

 

 

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 【更新履歴】
2014/03/01 公開
2014/03/01 パッケージアプリケーションをインストール例を追記

2014/03/06 デュアルコアの記載について

2014/03/10 4TB HDD に変更

2014/03/16 DSM5.0の更新を追記