レビューメディア「ジグソー」

標準でハイスペック。個別に足りないところを補えば、長期的に使用できるマシン!

シークレットミッションに挑戦!

ZIGSOW運営事務局から一通のメールが届きました。ざっくりいうと「新しいCore iシリーズ製品をレビューしてみな~」という内容でした(もっと丁寧に打診していただきました)。新しいCore iシリーズが試せるというワクワク感だけで受けてしまったシークレットミッションですが、打診していただいたご期待に応えられるレビューになるようにと考えると、実はものすごいプレッシャーがありました。

 

しかし、細かいことは気にしない性格なので、私なりに頑張ってみたいと思います!

 

 

今回のシークレットミッションの概要はこちらです。

  • 第4世代Coreシリーズの機能を従前のマシンと比較
  • カタログスペックに現れない部分をレビュー
ということで、私は以下の2点に絞ってレビューに取り組みました。

1.新CPUの性能の優位性
  • 従前のCPU(3770K)との比較
  • 統合型VR搭載による省電力性能
  • 新マイクロアーキテクチャによるパフォーマンス
2.「マシン」しての評価
  • パーツ構成
  • 拡張性
  • 活用例の提示

1.1 従前CPUとの比較

最大TDP:Thermal Design Power、高負荷時の発熱量の指標とのことだそうです。ちょっと難しいのですが、広義ではCPUの最大消費電力と理解してよいとのこと。

 

そうすると、あれ?と思うのが、旧世代のCPUに対してこの最大TDPが高いことです。
第4世代Coreはさらに省消費電力になったはずではなかったでしょうか?
ここでの要点は「最大TDP」の「最大」というところです。


私の理解が正しければこういうことでしょうか。

  • CPUの性能が上がったので最大TDPが増えた(高負荷に耐えられる)
  • 旧世代のCPUと同じ程度の負荷で測定すれば、性能が上がった分、最大出力で作業する必要が無い
  • 「最大TDP」が上がっても「省エネ」

つまり、最大TDPは、マシンの電源サイズを考える指標にはなるが、常時使用の消費電力の大きさの指標にはならないということになると思います。


次になぜ消費電力が減ったのか見てみます。

 

比較に使用したPCは以下の2台です。


1.2 統合型VR

統合型VRを搭載したことによってマシンの消費電力が減るそうです。

  • VR…ボルテージレギュレーター、電圧調整装置
  • 統合型…これまでM/Bでやっていた電圧調整装置をCPUに統合した

1.2.1 そうすると、どうなる?


CPUに統合されたことによって、電源管理が効率化されるだけでなく、M/Bそのものの消費電力も減ります。

 

つまりマシンとしての全体の消費電力が減ります。

 

1.2.3 具体的に見てみましょう

高負荷をかけた時とアイドル時のマシンだけの省電力を比較しています。
グラフィック機能に明らかな開きがあり単純比較ができないため、相互のグラフィックボードを交換してそれぞれ比較します。

 

消費電力の比較

 

どのテストでも第4世代Core i7の消費電力が低い結果になりました。
四六時中グラボに高負荷をかけていることはありません。重要なのはアイドル時の消費電力です。

Core i7としての、アイドル時の消費電力の低さは感動ものです。

 

それではパフォーマンスはどうでしょうか?省エネと引き換えにパフォーマンスダウンしていたら意味がありません。

 

FF14のベンチマークで比較

ベンチマークソフト

 ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編


いずれの結果も第4世代Core i7の優位性が認められます。


1.2.4 統合VRに関してのまとめ

以上の2つのグラフから、統合型VRについてはIvyBridgeと比較して以下の結論とします。

  • アイドル時~低負荷時はパフォーマンスは変わらないものの消費電力を4~5割削減されている。
  • 高負荷時も効率化されたVRシステム設計からパフォーマンスも向上している。
  • 「頑張るとき」と「息を抜くとき」のメリハリがある設計である。

1.3 新マイクロアーキテクチャ

1.3.1 新しい設計

HaswellはIvyBridgeとは違うマイクロアーキテクチャのCPUということで、省エネだけでなくパフォーマンスも上がっているとのことです。
先のベンチマークでもその差は見て取れましたが、ゲームをやらない人への指標として、ビデオエンコードの性能比較もしてみました。

1.3.2 TMPGEnc Video Mastering Works 5での比較

3770Kと4770Kの比較を引き続き行いますが、メモリーの性能差もなくすように、それぞれ16GBのメモリで統一しました。

エンコードソース

  • 4分58秒(8958フレーム)
  • 16:9 TSファイル
  • 1440x1080 29.97fps

出力設定


1.3.3 結果

正直、ここまで性能差が出るとは思いませんでした。5分そこそこのソースのエンコードで1分以上の差が出たうえ、消費電力も低かったのです。長時間ソースのエンコードではさらに差が出ていくことでしょう。

1.3.4 新マイクロアーキテクチャに関してのまとめ

・IvyBridge世代以前のCPUなら買い替えたくなる性能の向上

 


2.1 マシンとしての評価

せっかくパーツではなくパソコンとしレビューをさせていただいているので、このモデルのマシンとしてのレビューもしていきます。

2.1.1 マシンスペック

TWOTOP [Xcute Micro 4770H87/640B]
型番からスペックを推測できるパターンです。

2.1.2 構成パーツ

構成される機器の一部のパッケージと取扱説明書等が同梱されています。
Intel Core i7 4770K


ASUS H87M-E



GIGABYTE GeForce GT640(2048MB DDR3)


Microsoft Windows7 Home Premium


in-win EM Series EM035



東芝 DT01ACA100(ハードディスク)


2.2 マシンの位置づけ

WEBを見るとTOWTOPでは目的別もしくはスペック別で数種類のシリーズ展開をしていました。

  • 厳選パーツ、安定性重視…オールラウンド用
  • 過不足なく…ビジネス用
  • グラフィック最高峰ボード搭載…クリエイター用
  • Xeon搭載…研究開発用
  • ゲームパフォーマンス重視…ゲーム用

このマシンは、「用途を選ばないミニタワー、高性能低価格」という、オールラウンド用PCのラインナップでした。ハードウェア的には基本は抑えており、無駄な機能は一切付けず、必要に応じてソフトウェアを自分で準備するマシンのようです。


しかし、性能はご覧いただいた通り、現在メインストリームCore iシリーズの中で最も高性能のCore i7 4770Kを積んでいることもあり、超ハイスペックなモデルです。


ゲームをするにも快適、ビデオエンコードもできる、複数モニタ出力も可能。。。などなど。
無いのは無線系だけです。


消費電力も少なく、価格帯もお手頃なので、ある程度Windowsを使いこなしている方なら、
サポートの終了が迫るXPからの買い換えの選択肢のひとつとして、十二分期待に応えるモデルだと思います。

 

 ただ、個人的にはOSはPro系、起動ストレージはSSDにしたいところです。


2.3 拡張性

拡張の可能性についてまとめてみました。

拡張する場合の案を考えてみました。

  • 光学ドライブ1台とHDD(SSD)を3台(電源ケーブルのペリフェラル→SATA用の変換が2つ必要)
  • HDD(SSD)を4台(電源ケーブルのペリフェラル→SATA用の変換が2つ必要)
  • PCIe x1は何気に使えるパーツがたくさんあります。TVチューナー、無線LANアダプタ、IEEE1394、キワモノならばPCIに変換するものまで。

などなど


たとえば、TVチューナーと大容量HDDを接続して録画・DLNAサーバーに! さらにNASとしても利用できます。CPUの性能が非常に高いのでオーバースペックで、
もったいない気がしますが、アイドルの消費電力の低さを利点とするなら納得の使い方です。


2.4 活用例

2.4.1 NAS化してみる

マシンとして評価するとか言っていましたが、NAS化するにあたって、省エネであることが前提のため、グラフィックボードとDVD-Rドライブの火を落とします(物理的にケーブルやボードを抜く)
そして起動してみると、アイドル時の消費電力は34.8Wまで下がりました。これなら個人が通常NASとして運用できる電力かと。


電気代計算シミュレーター


電力を計算してみると以下の通りになりました。


およそ635円となりました。
ちなみに、標準装備のマシンだと40.5Wだったので、41Wで計算すると、744円。


5W程度でも、24時間運用すると月当たり100円変わります。
(今の電気料金だと、24時間運用で5Wの違いで、一月およそ91円変わります。)


しかし、この使い方は4770Kには非常に失礼ですね^^;。


2.5 静音性

マシンで音が出るのは回転系です。

  • CPUファン:高負荷時には若干モーモーいうが、常用時はほぼ無音です。
  • グラボのファン:大型のファンを採用したグラフィックボードのため非常に静かです。
  • ケースファン:12cmの大型ファン。背面のパンチ穴の風切り音なのか、地味に騒音レベルです。
  • 電源:一番の騒音源です。容量的にも拡張することを考えると頼りないので、余裕があれば交換したいパーツです。
  • HDD:まったく気になりません。
  • 光学ドライブ:常時回転していないのでここでは検証・議論しません
  • しっかりとネジが止められているため、回転系との共振によるガタつきはありません。

2.6 組立て

個人的には安定性のため電源は本体の下にあってほしいです。


ケース全面パネルのUSBコネクタもUSB3で、USB2かUSB3か、機器を気にせず使えるのがGoodです。


見た目はいたってシンプル。昔ながらの無骨な自作PCのケースのイメージでリビングには不向きなデザインです。


中身もきれいに配線、結束されています。不要なケーブルは養生してあるのに加え、コネクタの抜け防止も施してあります。参考になります。


2.7 その他

ほぼ自作PCPCのナリなのにPCリサイクルシール貼付済みるというのはエコロジー(というか将来PCの入れ替えの時)の観点から高評価です。


いやらしい話ですが、価格comなどのパーツの金額を積み上げていっても、組上げ手数料を差し引いても安い気がします。


この構成で自分で組むつもりなら、このモデルを買ったほうがお得といえるでしょう(自作の楽しみはなくなりますが^^;)。


今回の第4世代Core iシリーズは、財布の都合上スルーするつもりでいましたが、今回のシークレットミッションのおかげで、時代に取り残されずに済みました^^。
第2世代からの第3世代への進化より、今回の第3世代から第4世代への進化のほうが、個人的には感動が大きかったです。


時代は省エネ。しかしながら、ネットブックが淘汰されたように、市場は性能も少なからず求めているようです。このCPUは、これまでの世代のCPUに比較すると、そのバランスが非常に優れているのではないでしょうか。

 

 

また、このTWOTOP [Xcute Micro 4770H87/640B]は、CPUだけの性能にこだわらず、グラフィックカードを搭載したことによって、かなりの汎用性のあるマシンに仕上がっていると思います。ゲームにビデオ編集、エンコードなど、かなりヘビーなニーズにもそれなりのレスポンスをもって期待に応えてくれます。

ベースが自作パーツの組み合わせなので、個別に足りないところを補って調達していけば、長期的に使用できるマシンといえるでしょう。



コメント (4)

  • リンさん

    2013/07/06

    レビューお疲れ様でした。図が沢山使用されていて凄く判りやすかったです。

    シークレットレビュー凄い羨ましいです。いつか自分も><

    後、このケースもいいですね。ミドルタワーながらメンテナンスがしやすそうです。
  • yosh-massterさん

    2013/07/06

    >リンさん
    シークレット、私が一番驚いていますが、やりがいを感じました。

    ケースは市場価格を調べても非常にリーズナブルで、おっしゃるようにメンテナンス性も高いと思います。
    最近のケースには珍しいBeep用のスピーカーもついていますよ^^
  • CLWさん

    2013/08/15

    レビューお疲れ様でした。m(__)m
    意外とシンプルで拡張性も有りそうですね。
    中々良いレビューでした。
他1件のコメントを表示

ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。

YouTube の動画を挿入

YouTube の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ニコニコ動画の動画を挿入

ニコニコ動画の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ZIGSOWリンク挿入

検索対象とキーワードを入力してください

    外部リンクを挿入

    リンク先の URL とタイトルを入力してください

    URL を正しく入力してください。

    画像を挿入(最大サイズ6MB)

    画像を選択してください

    ファイルサイズが6MBを超えています

    別の画像を追加

    ZIGSOW にログイン

    ZIGSOW会員登録(無料)はこちらから