テックウインド扱いのモバイルモニタ「On-Lap 1102H V2」。
モバイルモニタってモノ自体がまださほど馴染みのあるものではないのだが、単純に軽くて小さいモニタ。
一見タブレット端末のように見える姿だが、外部からのソースを入力して表示できるモニタ。
特にこのOn-Lap 1102H V2はバッテリーを内蔵しているのでACアダプタすら不要で単独で動作できるのが特徴。11インチのサイズと500g未満の重量もあってまさにモバイル。解像度はフルHDで視野角の広いノングレアIPSパネル。
純粋にモニタなだけなので、一見タブレットのように見えるのに触ってもタッチ操作はできない。似た型番のモデルに1102Iというモデルがあるが、そちらはバッテリーをもたない代わりにタッチパネルを持ちPC用入力デバイスとしても使える代物。1102Hはパソコンよりカメラ等の画面出力に向いたモデルだ。
スタンド&カバーの出来がいい
付属品はACアダプタ&USB充電ケーブル・HDMI→MicroHDMIケーブル・MiniHDMI→MicroHDMIケーブル・スタンドを兼ねたカバー・三脚マウンタとスタンドカバー以外はシンプルであくまで普通のモニタ。
スタンド兼カバーはよくできていて、普段持ち歩くときは画面を保護するハードタイプのフタになる。
そしてくるっとひっくり返して装着して…
背面のマグネット式の板を立てればスタンドに。マグネットは無理な力がかかった場合外れるのでラフな使い方が安心。
説明書を見たら「金属片」という身もふたもないネーミング(翻訳)がされていたのはご愛敬。
面白いのが本体を固定する可動パーツ(写真上で飛び出しているもの)。
実はこれもマグネットでくっついているだけなので、固定時はしっかり本体が挟まってとれないが、取り外しの際飛び出たときにぶつけたりするとポロリと落ちる。紛失が少々コワイが結構でかい部品なので落としてもすぐ気づくだろう。ラフに使った時に壊れにくいというメリットがうれしい。
HDMI→MicroHDMIケーブルとMiniHDMI→MicroHDMIケーブルは長さが異なり、MiniHDMIケーブルはカメラとの接続を意識したのか60cmと短い。
USBケーブルは2.5インチHDDを思い出す二股タイプで給電力不足に対応。ただ手持ちのPCの場合1口接続で問題なく動作した。MicroUSB形状なので他のケーブルの使用もOKだった。ACアダプタもごく普通の2A出力USBACアダプタ。なので充電方法には困らない。
モバイルモニタとしての基本性能は十分
本体のコネクタはMicroHDMI・VGA(MicroHDMI形状なので別売りの専用ケーブルが必須)・給電&充電用のMicroUSB・HDMI音声を出力するイヤフォンジャック(スピーカーも内蔵されている)。
また背面には専用の拡張ポートを持ち、独自のケーブルや拡張ドックを接続可能(タッチパネル機能をもたない1102Hでは必要性が薄いが)。また拡張ポートのフタが外れやすいのですぐ紛失しそう。
最近出た製品なのだし給電はUSB TypeCコネクタにしてほしかった感もある。
また面白いのがバッテリー接続切り替えスイッチ。このスイッチでバッテリーをモニタ部から電気的に切り離す事ができる(充電は可能)。こうすることで待機電力の消費を防ぐ。
…というか構造上待機電力消費があるのかこのスイッチを切り忘れると充電してあっても放置でバッテリーが減ってしまうようだ。
また本体LEDインジゲーターは充電中は青・電源オンは緑・電源オン入力無しがオレンジ。緑と青は逆のほうがなんとなくわかりやすい気がした。
動作確認がてらまずはノートパソコン(イイヤマ Stl-15HP033-C-EE)に接続。インテル内蔵グラフィックスによるHDMI出力だがあっさり動作。単純なHDMIモニタとして認識されるのでPCとの相性は殆ど無いだろう。
実はこのノート、今時TNのHD液晶(フルHDではない)を搭載した廉価ノートなので明らかにOn-Lap 1102H V2(左)が色鮮やか&精細。
視野角の差も露骨。廉価ノートに対しては画質面での優位が大きい。
ノートPCで写真は選ぶブラウザ表示で1102H V2で写真を見た方が綺麗というオチ。
さすがにデスクトップ用のカラーマネジメント液晶と比べるのは酷だが、色の調節範囲も比較的広く、一般的なデスクトップPC用モニタのミドルレンジモデルと同等かそれ以上の色設定幅と画質を持っていると感じた(但し設定に関して問題あり 追記後述)。
1102H V2内蔵バッテリーでの動作ならHDMIケーブルの接続だけで動作可能。
バッテリーだけならPC・On-Lap 1102H V2・HDMIケーブル1本だけで持ち歩きデュアルディスプレイ。コンセントからの給電をするにもノートPC用のACアダプタ&PCからの給電用USBケーブルの2本追加だけでOKなので上の写真に写ってるものだけでいい。
外でぱっとつなぐときにこの手早さとケーブルの少なさは武器になる。1102Hのバッテリーが無くなったらUSBをつなげばいいのだ。
正確に計測したわけではないが屋外で輝度を最大にして使うとだいたい3時間程の動作だった。公称は輝度70%設定で4時間半なので輝度次第でもっと伸びるだろう。
【追記分】色の調整幅は広いのに…
インターフェイス自体は一般的なモニタのそれ…つまりあまり操作しやすいものではないが普通。
上で書いた通り色の調整幅は広く色温度で「User」を選べばRGBの個別指定が可能。だがそれを台無しにする動作があるようで…
tessueさんの同型機レビューでRGB色設定に関する問題が指摘されていたので自分も確認してみた。
確かにRGBを細かく設定しても一度画面出力が切れると毎回初期の数値表示に戻ってしまう。
より細かく言うとRGBの設定数値自体は残っているのだが、何故か画面出力が切れると表示上は設定していない状態に戻ってしまう。一度色温度を「User」以外にしてもう一度「User」にすると設定したRGBの色に戻るという挙動。
自分の使ったカメラは電源を切るまで画面出力が継続されるタイプだった&RGB色設定を試したのは初回だけだったので気づいていなかった…。
毎回メニューを開いてモード切替て~とかやってられないのでせっかくのパネルとRGB設定が無駄に。色にこだわる人にはキツイ仕様だ。というか仕様なのか?バグじゃないかな…
バッテリー動作は外はもちろん車内で便利
もちろん家でしっかり作業する時のデュアルディスプレイ用としてもOK。場所を取らない。ただどちらかと言えばその役目はタッチパネル搭載モデル。こいつはせっかくバッテリーを搭載しているから持ち出してみよう。
ハイ車に積んできました。アテンザのラゲッジスペースは広すぎてこういう小物積むようなもんじゃない。アテンザどころかビートのトランク(大根が3本入るらしい)でもいけるだろう。11インチの板といった感かつスタンドコミでもタブレットより軽め。ハードカバーで画面保護がされているので無造作に車の座席に放り込んでおいて大丈夫。
ただしこの時期(コレを書いているのは真夏)車内は高温になるので置き忘れには要注意。このモニタに限らず自動車用ではない電子機器が死ぬ温度だ。
またMicroUSB給電・充電なので、USB充電コネクタをつけている車ならコンバーター等不要で車内での充電が可能だし、バッテリー内蔵だからエンジンを切っている間も使える。
→ドラレコにつないでみよう
自分が使っているドライブレコーダーはASUS Reco Classic。フルHD対応でアクションカムにも使われているセンサーを使用している高画質ドラレコ。
お気に入りでアテンザとミラジーノの2台に装着している。
出力はMiniHDMIなのだが先述の通り付属のMiniHDMI→MicroHDMIケーブルは60㎝と短く、そのまま繋ぐとドラレコが引っ張られる。
モバイルモニタに繋ぐためにドラレコを取り外したら本末転倒なので長いMiniHDMI→MicroHDMIケーブルが必要。
秋葉原を回るがそもそもMiniHDMI→MicroHDMIケーブル自体が大して売ってないので長いものなんて探すのが大変。しゃーないのでHDMIメスメスコネクタを購入。
付属していたMicroHDMI→HDMIケーブル・メスメスコネクタ・HDMI→MiniHDMIケーブル(手持ち品)の組み合わせで無駄に長いケーブルを作った。
ちなみにこの手持ちにあったMiniHDMIケーブルは何故かMiniHDMIケーブルコネクタ周囲樹脂部の幅が広く機器に接続するのに不都合を生じていて結局削ってしまったのだが、On-Lap 1102H V2付属品はちゃんとコンパクトなコネクタで機器との物理干渉は無かった。これで長ければ…
無事Reco Classicからの画面出力に成功。
狭いミラの車内でも給電がいらないので取り回しがラク。
バッテリー動作だからケーブルが長ければ車外にも出せる。余計な給電配線がいらないというのは気軽だしからまなくて良い。アテンザは電子機器で遊ぶためにUSB給電コネクタを複数系統用意&バッテリーも大容量のものにしているのだが、こちらのミラはそういうのを用意していないドラレコ以外ほぼノーマル状態。車の方を全く弄らなくてもバッテリー駆動のこのモニタなら使える。
ただこれ当たり前なのだが操作自体はドラレコ本体のボタンで操作することになる。ケーブルを長くしたけど結局そこに近い場所じゃないと操作できない。
ついでに言うとモニタが給電無しで動いてもドラレコは車から給電しないとダメなのでエンジン切ったら表示できねえじゃん!(当たり前)
実は期待していたのがドラレコの映像をリアルタイムで出力して、後部座席の人に見せたり、リアドラレコを搭載したアテンザの映像をフロントに持ってきて簡易リアカムにするというもの。
はい、ASUS Reco Classic、HDMI出力時は録画済みファイルの再生だけでリアルタイムの表示できませんでした。なんてこった。確かに説明書にも「既存ファイルの再生ができます」としか書いてなかった。リアルタイム出力できるドラレコだったら楽しそうだったのにぐぬぬ…
しかもモニタとは関係ないがリアドラレコはリアウインドウにつけているのでハッチをあけたら上下逆になる。上下逆になったドラレコのボタンを操作するのは鬼難易度だ。
単純にドラレコ映像の確認という観点で「カードスロットを持ったノートパソコン」と比べると…
【ドラレコ→ On-Lap 1102H V2直接接続】
〇ケーブル接続のみなので素早い
〇MicroSDカードを外さないですむので落下や紛失のリスクがない
×ドラレコ自体で操作する必要があるので操作しにくい
×ドラレコにも給電がいるのでエンジンをかける必要がある
【ドラレコ→ノートパソコンへのSDカード移動】
〇パソコン本体で操作するので操作しやすい
〇その場でバックアップも可能
〇ドラレコは動かす必要がないのでノートパソコンのバッテリーがあればエンジン切れる
×MicroSDカードを外してノートパソコンに移動するので狭い車内や屋外で落としたら泣く
…正直ドラレコの映像確認という点ではノートパソコンにMicroSD挿した方がラク。小型タブレットなら重さも大差ないし…。いやほんとリアルタイム映像出力してくれれば!!!!対応のドラレコだったらリアカムの代用になったりとても面白そうなのに。
車内での取り回しはちょうどいいサイズでスタンドも滑りにくく停車中なら車外・車内での使用に不満はなかっただけに残念。
→デジカメにつないでみよう
気を取り直してデジカメ。
SONY NEX-6。ちょっと古いモデルだが同じくMiniHDMI出力を持つ。
相性等はなく動作に問題はない(先述のRGBモード除く)。当然ドラレコと同じように撮った写真や動画を外で見れる。ドラレコに比べれば本体の操作性がいいので実用的だ。
カメラ本体では見難い小さいサムネもしっかり見れる。
当たり前だが動画も見られる。ドラレコの時もそうだったが残像等は感じないのでとても見やすい。
片手で持てる軽さかつ大きな画面、そして屋外でも全く問題ない輝度とノングレア液晶のおかげで電源の無い屋外での写真&現物確認もバッチリだ。
不動状態のマツダT2000は給電能力ゼロ(動いたとしてもダイナモなのできついぞ)&おいてある場所は電源がはるか彼方だが関係なし。その場で使えるぞ。
ドラレコと違ってこちらは撮った写真をその場でタイムラグ無く大きな画面で確認できるメリットが大きい。イベントじゃないと撮れない大事な写真が後でよく見たら肝心な場所がピンボケでしたああああ!という悲しい自体も防げるのだ。
そして何よりこちらはリアルタイムで画像をモニタに出力できる。撮影自体も大画面を見ながらできるし…
長いHDMIケーブルを用意したので、カメラを持った当人が確認し難い場所を撮影する時にもう一人がガイドしたりココを撮ってくれと頼めたり。やはり電源がとれない場所での機動力と明るい場所での表示能力は心強い。
これは別の日に西日が思いっきり当たる場所で使った時だが、見えるので実用上問題ない。ただ最大輝度は必須。
…しかしここで不満がでてきた。
メニューを開いていない場合側面の上下ボタンは音量上げ下げに割り振られている。確かに動画なんかを見るにはいいが、屋外で使う際はむしろ輝度調節をする方が多い。
しかし輝度調節はメニューを開いて画面設定を開いての2段階動作なのでぱっとできない。上げ下げボタンを1回押したときの動作をカスタマイズできるようになっていればありがたいのだが。
あとインジゲータLEDの緑とオレンジが屋外だと判り難いので電源切り忘れが怖い。充電用の青色LEDは外でも判るのに。
先ほどと被るがこれらの用途でおおざっぱに3時間くらいは使えた。大半の時間輝度を最大にしていたので十分。写真にちらほら写っているが白いケーブルはモバイルバッテリー。ごく普通の廉価品だが、2A出力があるものなら動作時間延長に活躍する。
→ジャンクPCパーツに繋いでみよう
うって変わってインドア方面。コイツはモニタ。しかもデジカメへの対応の為に対応解像度が広い。組み立て途中…いや組み立てる前のPCパーツの動作確認に便利じゃないだろうか?
バラックテストの時地味にモニタの確保って面倒。15インチの古いモニタでもでかくて重いし、コンセント1個使うし、部屋に置いてある既存のモニタに繋ぐには配線外したりしなきゃいけないし。
コイツならバッテリー動作なのでコンセントは本体部だけでOK。もしバッテリーがきれてもUSBに繋げばいい。すばらしい。
というわけで部屋に転がっていたよくわからんマザーボードの動作確認をしてみよう。ある意味一番自分らしい使い方なのだが。クーラーはLGA775につくやつどっかに片づけちゃってたのでグリス塗ってのっけただけ。ひどい。しかもこれP45マザーだからオンボグラないじゃねえか…
とりあえずグラボも挿しました。グラグラするからちゃんと固定できるまな板使いましょう。電源もつないでGo。
画面でないっすねー。DVI→HDMI変換かました古いグラボがいかんのか?グラボ替えよう。
だめですねー。うーんメモリの相性っぽい動きだが古いメモリはテスト用の1枚以外片づけちゃってるし…というかこれモニタのレビューだよここに時間かけてどうするの。
というわけで別のマザーもってきました。クーラーもついてて安心。VIAのオンボードグラがあるのだけどD-Subしかないのでグラボ挿しましょう。こういう時オプションのVGAケーブルあるといいのかなるほど。
でましたああああ!懐かしいBIOS画面!低解像度のBIOS画面が出せるというのは動作確認用として好ポイントです。というかほんとコンセントが電源ユニットだけで済むのラク。USB給電すらいらない。
普段画面出力しないファイルサーバーマシンのモニタを片づけちゃってHDMIケーブルだけ出しておいて必要な時だけOn-Lap 1102H V2接続するのもアリですね。
いくつか不満はあるが入力ケーブル1本だけで扱えるのは面白い
据え置きのモニタならさほど気にならないが、いざ持ち出したりすると操作インターフェイスがモニタそのままなのが使いにくい点、付属のMicroHDMI→MiniHDMIケーブルが短い点、独自拡張ポートのフタがすぐどっかいく点等いくつか不満点があるが、総じて期待していた通りの使い方ができる。
それだけに自分はあまり気にならないがRGB色設定が入力切断時にリセットされるのは用途によっては致命的なのでなんとかしないともったいない。
ハードカバーで画面を保護できるというのが持ち歩く上でとても安心感があるし、カバーの留め具やスタンドがマグネット式で破損し難い点がいい。
HDMIケーブル1本の接続だけでOK、給電ケーブルすら不要というのは屋外はもちろん狭い車内で思っていた以上にメリットがある。
あとは接続機器側の機能に依存する面が大きいので、今回のドラレコのように「ノートパソコンでいいじゃん」的な場面もある。やはり一番相性がいいのはカメラか。リアルタイムで映像を出せるアクションカメラの類が欲しくなってくる。
他にも面白い事ができそう(例えばノートパソコンの背面側に固定してミラー表示によるイベントでのデモ展示用とか)なので色々考える楽しみがあるアイテム。
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