先にお断りしておきますが
初心者用に分かりやすいレビューを作ることをモットーとしておりますゆえ、
細かいことはどーでもいいんだよ!の精神でご覧いただくことをオススメします。
【AMDってどんな会社?AMDとAPUの歴史を簡単に振り返ってみよう。】
まず製造元のAMDという会社について、簡単に歴史を振り返りながら説明していこう。
AMDは「Advanced Micro Devices」の略称で有り、いわゆる半導体製造会社です。
古くはインテルx86互換のプロセッサを作っていたりしましたが、
Athlonの登場により独自路線を強めていくこととなりました。
元々はCPU屋だったのですが、2006年にATI(※)を買収することで、
さらに独自路線を強化していきます。
そしてCPU屋のAMDと、グラフィック屋のATIが1つになったことで、
それら機能を1つのCPUに濃縮した「APU(Accelerated Processing Unit)」が
誕生することとなったのです。
それが今回のレビュー品でもある「AMD Ryzen(TM) 3 2200G」の系列でもある、
AMD Aシリーズの誕生となります。
※ATIは「RADEON」グラフィックボードで知られる、半導体製造会社です。
当時はFusionのコードネームでも呼ばれていましたよね~。いやはや懐かしい。
ちなみに私が初めて買ったゲーミングPCは、Phenom II X6 1090T Black Editionを
搭載しておりました。実は私はAMDが自作沼はまるきっかけだったんですよね。
※昔はそこまでPCに、お金かけてなかったのですよ。
コレを買ったあたりから色々とおかしくなってきました(笑)
そして「もう何代目だこれ?」というほどの、APUとしての歴史を作り上げてきたAMD。
今回のレビュー品「AMD Ryzen(TM) 3 2200G(Raven Ridge)」も当然APUということもあり、
グラフィック性能やCPUとしての性能が非常に気になります。
非常に簡単ではありますが、長くなりすぎるのもアレなので、振り返りは以上とします。
【APUってどんなCPU?】
さてさて。先ほど歴史の中に出てきた「APU」という単語ですが、
一体どんな特性を持ったCPUなのでしょう。
比較とするのは「Intel」となりますが、Intel製のCPUもグラフィック出力機能を
内包しております。(無いのもありますけどね)
しかしIntelではAPUと故障されることはありませんので、
APUといえば「AMD製のグラフィック内蔵CPU」と思ってもらえばいいでしょう。
この書き方をする理由としては、同じくソケットAM4を採用する、
Ryzen 7 2700X等はグラフィックを出力できないため、
グラフィックカードが別途必要なためです。これはAPUとは言わずに、CPUと言われています。
ということでAMD APUとIntel CPUの同価格帯の特徴をまとめると、
個人的にはこんなところだと思っています。(あくまで個人的な見解です)
・グラフィック性能:AMD>Intel
・CPU性能:AMD<Intel
・値段:AMD≠Intel
ただし値段については、Godavari世代のAPUはモデルナンバーもかなりのものが有り、
予算に応じてAPUを選びやすかったという印象なのですが・・・。
Raven Ridgeについては「2400G」と「2200G」の2つしかありません。
そのためIntelほどの選択肢、以前のAPUと同じような選択肢は「今のところ無い」
という部分だけご注意ください。(1世代前のBristol Ridgeをその場合は選びましょう)
この価格帯では敵なし
【AMD Ryzen(TM) 3 2200Gはどんな性能だろう?】
前置きが長くなりました。AMD Ryzen(TM) 3 2200Gについて見てみましょう。
比較対象はIntel Xeon 1285L V4、内蔵グラフィック性能が強力なCPUです。
意外とスペックは似てますね。Intel Xeon 1285L V4との違いを挙げると・・・
・4C/4Tである。
・定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックが0.1GHz低い。
・L3キャッシュが2MB少ない。
・DDR4(2933)に対応
・eDRAMが搭載されていない。
ここで大きくグラフィック性能を左右しそうなのは、赤文字とした箇所。
スペックだけで見ると、どれだけの性能を発揮しそうかワクワクしますね。
CPU自体の性能は控えめ。ただしパフォーマンスは優秀。
ここからは具体的に、Intel Xeon 1285L V4と比較していきましょう。
数年前に発売した「i7程度の性能+当時最強の内蔵グラフィック性能」の、
比較対象としてはうってつけのCPUです。特にeDRAMを搭載したグラフィック性能は折り紙付き。
性能比較になるか知りませんが、Radeon7850(メモリ1GB版)を無駄に投入してみます。
過去世代のミドルレンジグラボを、きっちり過去のものとして葬ることができるか
気になるところです。
なお、記載するスペースの関係で、グラフのみ下記のように略称となっています。
○AMD Ryzen(TM) 3 2200G
→Ryzen 3 2200G
○AMD Ryzen(TM) 3 2200G+SAPPHIRE HD 7850 1GB GDDR5
→2200G+7850
(使用したベンチマークソフト)
・CPU-Z
・CINEBENCH_R15
・FF14 Storm Blood ベンチマーク
・DQ10 ベンチマーク
・3DMark Fire Strike
まずはレビューのお題にもあります、消費電力を計測だッ!
グラボを取り外して、MEの更新をしてXeon1285L v4をグラフィック出力可能に・・・
~MBR修復不可能にまで粉砕~
どうやってもMBRを修復できず、一度クリーンインストールする羽目に。
Broadwellさん手間かかりすぎぃ!
さて、どうでも良い話題はさておき、消費電力のお話に戻しましょう。
ここで消費電力トップとなるのは、当然Radeon7850搭載型です。
特にこの中では描写の負荷が高い、FF14ベンチではダントツの消費電力ですね。
さてCPU単体ではというと、Ryzen(TM) 3 2200Gが一歩先行く低消費電力。
・・・
・・・・・・
あ、Xeon1285L v4機には、HDDとSSDが2つほど多かったですorz
ちょっと不公平なので、下記のように修正を加えましょう。
・Western Degital RED3TB→4.5W減
・Intel 730 480GB→5.5W減
・PLEXTOR M6GV 128GB→4W減(消費電力がスペックシートに書いてなかったため仮)
ということで、修正加えたバージョンがこちら。
やっぱりXeon 1285L v4に比べて、消費電力は低い結果となりました。
しかもFF14のプレイ時にすら100W行きません。
Intel Xeon 1285L V4とさほど変わらないじゃん!と、思ってしまいそうですが
そもそもIntel Xeon 1285L V4は1285「L」と記載があるとおり、
低消費電力型なのです。それでもここまでよく頑張った!
~05月22日追記~
スペックを記載するのを完全に忘れていました。
○CPU:Ryzen(TM)3 2200G←レビュー品
○マザーボード:ASRock Fatal1ty X370 Gaming-ITX/ac
○メモリ:CMR16GX4M2C3600C18W
○SSD:SanDisk SSD Extreme PRO 480GB
○電源: SST-ST30SF V2
○ケース:SUGO06 USB3.0
○OS:WINDOWS10pro
と、mini-ITXで、省電力かつだいぶコンパクトにまとめることができました!
ドライバに難ありだが、優秀な性能。
消費電力が大体わかったところで、お次は実際の性能だ!
【CPU-Z】
シングルスレッドでは対Xeon1285L V4で98%、
マルチスレッドでは72%の性能となりました。
シングルスレッド性能はそこそこ肉薄しているものの、
やはり4T動作なのがネックとなっているようですね。
やはりCore i7相当のCPUへ対抗するには、少々性能不足です。
【CINEBENCH R15】
Radeon7850搭載機は、CPU自体は一緒のため、CPU性能は省略。
当然OpenGLはダントツの性能ですね。さて問題は2CPUの比較です。
CPUは71%の性能、OpneGLは80%の性能です。
ここはいつもRadeonに有利なスコアとなるため、少々驚き。
性能的にも当然上回ってくると思っていましたが、ドライバの成熟不足でしょうかね。
【DQ10ベンチ】
腐っても7850。かなりぶっ飛んだ性能となっていますね。
さてCPU同士の性能というと・・・
・標準設定1920x1080:164%
・標準設定1280x720:244%
・最高設定1920x1080:135%
・最高設定1280x720:220%
となりました。低解像度ではダブルスコアをたたき出しました。すごいぞAMD!
【FF14ベンチ】
・標準設定1920x1080:60%
・標準設定1280x720:192%
・最高設定1920x1080:70%
・最高設定1280x720:258%
と、なりました。
ドラクエ10ベンチとは違い、高解像度ではXeon1285L V4に完敗し、
低解像度ではXeon1285L V4に完勝するという結果に。
DQ10とは違い、かなり負荷は高くなるため、
eDRAMの効果が発揮されてしまった可能性も考えられますね。
【3DMark Fire Strike】
・Combined Score:124%
・Physics Score:67%
・Graphics Score:150%
・総合スコア:139%
と、なりました。
おそらくPhysics ScoreではCPU性能がスコアに直結するため、
CPU性能に優れるXeon1285L V4に、
Ryzen(TM) 3 2200Gが完敗したということになるでしょう。
ただしそのほかのスコアについては、Ryzen(TM) 3 2200Gが圧勝。
総合スコアで139%もの性能を見せつけてくれました。
FPSは稼げるものの、動作が不安定な部分あり。
さてここからは実際にゲームをプレイし、FPSを計測した結果をまとめてみよう。
プレイするゲームと、計測の条件は下記3つだ。
・アサシンクリード4 ブラックフラッグ
NEWGAMEでスタートし、暗殺者が逃げ出すところまでを計測。
c 2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.
・FF14
フィールドにて、モンスター討伐系のクエストを2つ消化し終わるまで計測。
c 2010 - 2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
・PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(以下、PUBG)
ロビーから死亡するまでの間を計測。
c PUBG Corporation. All rights reserved.
では計測行ってみよう。
なお比較については、基本的にAverageのFPSについてとします。
【アサシンクリードブラックフラッグ】
<高解像度>
<中解像度>
<低解像度>
※グラフの補足
・1920x1080:デフォルト設定のまま。
・1600x900:下記画像のとおり
・1280x720:すべての設定を「低」「無」とした。
計測した結果をまとめると、下記のとおりとなります。
・1920x1080:134%
・1600x900:131%
・1280x720:171%
と、Xeon1285L V4に、かなりの差をつけることができました。
しかし気になるところがあった。それはこれだ!
Ryzen(TM)3 2200Gの場合
Xeon1285L V4の場合
アバターっすかこれ
これさえ気にならなければ問題なし。これはいったい原因がなんなのかは不明。
とりあえずドライバーのバージョンを変えつつ試してみたものの、
一向に変わらなかった。それどころかその途中に、GPTを吹っ飛ばしたらしくwindowsを
クリーンインストールする羽目になった。これで2回目。
管理者モードでなぜか起動できず、修復が不可能でした。アハハハハハ
さて、実際にゲームをプレイして見た結果としては
・フルHDでプレイできなくはないが、描写が追いつかないため快適にはプレイできない。
・設定をかなり落とせば快適にプレイできるが、PCでやるメリットが感じられなくなる。
ということで、30FPS付近で手を打っといた方がいいという印象ですね。
【結論】
解像度1600x900以下で設定をある程度落とせば、プレイは可能な範囲。
【FF14】
FF14では1280x720の低解像度と、1920x1080の高解像度を、
デスクトップ用の「標準品質」「最高品質」の2つでプレイした。
<1280x720のFPS>
<1920x1080のFPS>
FPS計測結果をまとめると、
・1920x1080最高品質:131%
・1920x1080標準品質:112%
・1280x720最高品質:124%
・1280x720標準品質:92%
となりました。
1280x720標準品質だと92%となっているのは、
おそらくこの部分だけメインシナリオを進めてしまい、
IDへ入ってしまったためかと思われます。私の馬鹿!
プレイした結果、こちらもやっぱりアバター現象発生。
それ以外は、1600x900標準設定以下であれば、それ以上調整する必要がなさそうです。
1600x900の最高設定でもいけなくもないけども、おそらくIDで足引っ張ることになると
思われます。
【結論】
解像度1600x900以下で、標準設定であればある程度はプレイできそう。
【PUBG】
<高解像度>
<中解像度>
<低解像度>
※グラフの補足
・解像度以外は、下記画像のとおりとした。
PUBGでは3つの解像度でテストしました。
が、1920x1080は健康を害しそうなレベルで気持ち悪くなったので、
途中で計測をストップしてギブアップ。さすがにこれは無理があった。
・1920x1080:127%
・1600x900:113%
・1280x720:113%
計測結果でいえばでいえば、Xeon1285L V4よりは優秀!
しかし、解像度1280x720でプレイしたところで、
目の前の敵に撃ち負けるレベル
程度のFPSしか稼げないので、さすがにこのゲームのレベルになると無理ですね。
しかもフルスクリーンだと、当初こんな画面になっていました。
ああ、これあれだ。
ドラクエ6で最後のダンジョン突入するときに見たあれだアハハハ。
じゃなくて!さすがにこれは無いっす。
一応PUBGはフルスクリーンを解除したら直りました。
ただしFF14では直りませんでしたし、回避方法がわかりませんね・・・。
【結論】
Ryzen(TM)3 2200G、Xeon1285L V4双方プレイには適さないレベル。
以上3つのタイトルをプレイした全体としては、
「最新のFPSゲームには使用は適さないが、
数年前のFPSゲームなら遊べないことはない。」
程度に、グラフィック性能を上げてきているという感想です。
これは素直に驚き!
FF14も高解像度でなければ普通にプレイできちゃいますしね。
嫁のPCを蘇らせてみた
ということで、上記のベンチマークやゲームプレイ結果はお約束です。
ここからが本題です。
そもそも私はなぜRyzen(TM)3 2200Gのレビューに応募したか、というところを説明します。
応募時にも記載した「レビュー課題以外でやってみたい内容」をこちらにも書いておきます。
-------------------以下流用----------------------
個人的にはこっちが本題です。というよりレビューに応募した主旨が非常に重要です。
ちょっと長くなりますが書かせてください。
嫁とつきあった直後の話(約4年ちょっと前)にさかのぼります。
当時富山(私)-神奈川(嫁)間の遠距離恋愛をすることになり、
できることなら毎日Skype等で話をしたいと思っていました。
しかし嫁は自分の部屋にPCが無かったのです。
そこで私は、寄せ集めのパーツを使用してPCを1台作り上げ、
嫁の家に送り込みました。おかげで毎日楽しく会話やケンカなど、
いろんなことをすることができました。
そのPCに使われていたのがAMD APUのA10 5800Kだったのです。
(ついでにAMD仕様のメモリも)
そして現在に戻します。半年?くらい前でしょうか。
そんな思い出のPCが不調になり、原因もおそらくCPUかマザーボード(詳しくは見ていません)
のため、引退させることとなりました。ただ処分は決まらずそのまま放置していました。
なぜなら私にとって、すごく思い入れのあるPCだったからです。
そして最近処分を嫁に話したところ、気が進まないとのことでした。
やっぱり嫁にとっても思い入れのあるPCだったからです。
前置きが長くなりました。本題です。
そのAMDのCPUで組んでいた嫁のPCを、是非AMDのCPUで復活させたいのです。
レビューはそれを前提にした、その色に染まったプレミアムレビューになると思います。
※もちろん性能について詳しくレビューすることは当然の前提です。
---------------------------------------------
嫁PCのスペックは最終的にこうなっていました。
・CPU:AMD A10 5800K
・CPUクーラー:ZALMAN CNPS2X
・メモリ:AP38G1608U2K(Performance Edition 8GB)
・マザーボード:FM2A75M-ITX
・グラボ:ASUS STRIX-GTX750TI-OC-2GD5
・SSD:プレクスターPX-128M5M→SATA2接続
・HDD:もはや覚えてないHDD500GB
と、これまた寄せ集め感がすごいPC。
APUにグラボが載っているのは、こうでもしないとFF14が一緒にプレイできないから。
これを渡してから約4年。結婚して1年弱。
良いときも悪いときも、2人をつないでくれたこの思い出のPCを、
簡単に処分することができる訳がありません。
可能な限りAMDの製品で、もう一度動かしたいと思い、やっと果たすことができました。
動画にまとめましたのでよろしければどうぞ!
実際PCケース、光学ドライブ、電源以外はほぼ新規なのです。
そのため正直これを再生というのか?という思いはあるのですが、
やっぱり5年もの歳月、変わらない姿で動いてくれると本当にうれしいですね。
このPCを見るたび、嫁との思い出が蘇ってきます。これからもよろしくね。
値段は約13k。ローエンドならこれ1択
性能はといえばそこまで高くありませんが、
IntelのCore i3にはかなり健闘レベルの性能は持ち合わせています。
それに加えてグラフィック性能は高めときたもんだ。
最近のAMDは勢いがありますが、ローエンドとハイエンドともに
Intelの牙城を脅かすレベルのヒット作を連発です。
その勢いに負けず劣らずのRyzen(TM)3 2200Gも、おすすめの一品です。
特に、mini-ITXでその性能を発揮してくれること間違いなし!
AMD製CPUを触ったことない方も、このAPUを触ってみてはいかがでしょうか。
ちばとどさん
2018/05/21
いついつまでも仲良くお過ごしください。リニューアルを果たしたRyzen機とともにね。
jakeさん
2018/05/21
重要なシーンでそれが発生したら嫌だな、と。
ドライバの改善次第ですかね
アラクレさん
2018/05/21
SUGO06がかなり小型のため、どこに置いても邪魔くさくならないんですよね。
だからTVの後ろにでもおいて、youtubeとかリビング用においておこうかなと思っています。
コイツが見える位置にいるだけで、なんかうれしいんです。
アラクレさん
2018/05/21
結構グラフィックの乱れが目立ちますね。
当初HDMIケーブルのせいか?と思ったりもしましたが、
差し込み口やケーブル自体交換しても直らなかったので、
ほぼドライバのせいだと思っています。
ものはいいだけに改善してほしいですね。
nyanko_miyabiさん
2018/05/24
一応、私のレビューにそのやり方を載せましたので、もしよければご覧ください。
よろしくお願いします。