レビューメディア「ジグソー」

学習によりゲームの動作を機敏にさせるSSHDの実力を確かめよう

 

PS4にSeagate Laptop SSHDを換装して「待ち時間削減で快適なゲーミングライフを実現~」が可能なのかどうかについて、実は非常に懐疑的です。

 

そもそもPS4はUSB3.0-SATAブリッジであること以前に、転送速度はSATA1準拠(150MB/s)の可能性が高い、と言われているだけに、ストレージの性能を高めても効果は期待できないのではないか?という懸念があります。

 

とはいえ、実際に試してみない事には机上の空論に過ぎないので、さっそくお手並み拝見と行きましょう。

更新: 2016/04/17
使用感

1.PS4への換装方法

PS4は「ドラゴンクエスト メタルスライム エディション」を用います。

PS4への換装にあたり、USBストレージが必要となります。

今回はこちらの製品を用いました。

なお、USBストレージはFAT32 または exFAT 形式でフォーマットしておく必要があります

ここではPS4にストレージに差し替え新規でシステムを作り、元の環境を復元する手順を紹介します。

 

(参考)PlayStation®4 の内蔵 HDD を換装するには

 

更新: 2016/04/17

1.1.セーブデータのバックアップ

セーブデータのバックアップ方法は、PS Plusを用いたオンラインストレージへのバックアップ方法と、USBストレージを用いたバックアップの二種類があります。

ここでは、USBストレージを用いたバックアップを紹介します。

 

セーブデータのバックアップは以下の手順で行います。

  1. フォーマット済みのUSBストレージを本体に挿します。
  2. メニューの「設定」を選択します。

  3. 「アプリケーションセーブデータ管理」を選択します。

  4. 「本体ストレージのセーブデータ」を選択します。

  5. 「USBストレージ機器にコピーする」を選択します。

  6. 保存したいアプリケーションのセーブデータを選択します。

  7. 保存したいセーブデータを選択し、「コピー」を選択

 

この手順でセーブデータをバックアップできます。

保存したいゲームの種類、セーブデータが多数ある場合は、少々手間ですね。

 

更新: 2016/04/17

1.2.アップデートファイルの準備

SSHD換装後にPS4のシステムを構築する必要がありますが、そのためにはUSBメモリにアップデートファイル公式サイトより、「アップデートファイル(再インストール用)」が必要となります。

このファイルは下記よりダウンロード可能です。

 

(配布サイト)

PlayStation®4システムソフトウェア アップデート

 

ダウンロードしたファイルをUSBストレージに保存する際は、最初にUSBストレージに下記のフォルダを作成します。

(CURRENT)

   ┗PS4

    ┗UPDATE

 

配布サイトの「パソコン経由でのアップデート」という項目の「アップデート(システムソフトウェアを再インストール)」を選択し、そこに表示されている「アップデートファイル(再インストール用)ダウンロード」をクリックすると、必要なファイルがダウンロードされます。

ファイルは「PS4UPDATE.PUP」という名前で保存します。

ダウンロードしたファイルをUSBストレージの指定した場所に保存すれば準備完了です。

更新: 2016/04/17

1.3.SSHD換装

それでは実際にPS4にSeagate Laptop SSHDを換装していきます。

 

  1. PS4本体の上部を上にスライドします。

  2. わずかに隙間ができ、この時点で蓋を取ることができます。

  3. 蓋を開けると、内部ストレージにすぐアクセスできます。

  4. 赤丸の部分のねじを外します。

  5. ねじを外すと、このようにHDDを取り出すことができます。

  6. 取り出したHDDのサイドのねじを取り外します。逆側も含めて4か所です。

  7. 替わりにSeagate Laptop SSHDを取り付けます。その後、これまでと逆の手順で、PS4にセットしていきます。

 

PS3も換装は非常に簡単でした。PS4も非常に簡単な換装方法です。

 

更新: 2016/04/17

1.4.セットアップ

新しいストレージを換装後の手順です。

 

  1. 「アップデートファイル(再インストール用)」をコピーしたUSBストレージをPS4に挿します。
  2. PS4をセーフモードで起動します。セーフモードは電源オフの状態から、電源のタッチパネルを約7秒押し続けると起動できます。
  3. DUALSHOCK4をUSBに挿し、「PS」ボタンを押します。

  4. 「7.PS4を初期化する(システムソフトウェアを再インストールする)」を選択します。

  5. 「アップデートファイル(再インストール用)」をコピーしたUSBストレージが挿入されていることを確認したうえで「OK」を選択します。

  6. USBストレージの確認が行われるので、しばらく待ちます。

  7. 削除される旨の確認が行われますので、「はい」を選択します。

  8. システムの構築が行われるので、しばらく待ちます。

  9. 再起動後、初期設定画面が表示されるので、通常通りの環境設定、ユーザーの追加等を行います。

 

以上で、セットアップは完了です。

換装後のストレージは861.1GB。システム領域等で140GBほど使われているようです。

更新: 2016/04/17

1.5.復元

■ダウンロードソフトの復元

メニューから「PlayStation Store」を選択し、「ライブラリー」を表示すると、購入済みのダウンロードソフトが表示されるので、必要なソフトをダウンロードします。

 

■セーブデータの復元

  1. 「1.1.セーブデータのバックアップ」の「3.「アプリケーションセーブデータ管理」を選択します。」までは同じ手順です。「アプリケーションセーブデータ管理」で「USBストレージ機器のセーブデータ」を選択します。

  2. 「本体ストレージにコピーする」を選択します・

  3. 復元したいソフトウェアを選択します。

  4. 復元したいセーブデータを選択し、「コピー」を選択します。

 

■テーマの復元

メニューの「設定」->「テーマ」を選択します。購入済みのテーマ一覧が表示されるので、せってしたいテーマを選択すれば完了です。

更新: 2016/04/17
スペック

2.SSHDの効果はあるのか検証してみた

PS4にSeagate Laptop SSHDを換装するにあたって、簡単にベンチマークを行いました。

また、PS4に搭載されていたHDDの情報についても掲載します。

 

さらにゲームの起動および動作について、簡単ながらPS4搭載HDDとの比較を動画で行います。

 

なお、検証に用いたPCの構成は下記の通りです。

 

OS:Windows® 10 Pro
CPU:インテル® Core™ i7-3770
M/B:インテル Z77 チップセット搭載
メモリ:16GB(4GBx4) PC10600 DDR3 1333MHz
GPU:NVIDIA GeForce GTX 560Ti (1024MB)

 

■Crystal Disk Info 

PS4搭載HDDのCrystal Disk Infoは以下の通り。

 

Seagate Laptop SSHD 1TBのCrystal Disk Infoは以下の通り。

 

二つのストレージを比較すると、PS4のHDDはSATA2準拠、Seagate Laptop SSHD 1TBはSATA3準拠。純粋に性能向上を期待したいところです。

 

更新: 2016/04/17

2.1.各種ベンチマークテスト

■Crystal Disk Mark

ストレージのベンチマークを測るうえで定番ですね。

PS4搭載のHDDと合わせて比較します。

 

まずはランダム。

左がPS4のHDD、右がSeagate Laptop SSHD 1TB。

Read/Write共にSeagate Laptop SSHD 1TBが1割強性能が良いといえるでしょう。

ただ、2つのストレージはHDD部分は5400RPMなので大差は無いようです。

次に0Fill。

左がPS4のHDD、右がSeagate Laptop SSHD 1TB。

ランダムと結果に差がないので、圧縮処理はありません。

こちらもRead/Write共にSeagate Laptop SSHD 1TBが1割強性能が良いといえるでしょう。

 

■AS SSD Benchmark

SSDに特化したベンチマークソフトですが、AS SSD Benchmarkには実用的なテストがあるので試しました。

まずはファイルサイズがそれぞれ異なるコピーテスト。

それぞれの項目は、

  • ISO:巨大な単体ファイル
  • Program:小さなファイル多数
  • Game:様々なサイズのファイル

となります。

左がPS4のHDD、右がSeagate Laptop SSHD 1TB。

明らかに結果が違っています。

キャッシュのアルゴリズムが優れている効果でしょうか。

次にコンプレッションベンチマーク。

ランダムデータからFillデータへとデータ構成を変えて転送速度を計測するテストです。

左がPS4のHDD、右がSeagate Laptop SSHD 1TB。

小刻みの上下はありますが、概ね平行線なのでSSDの一部にあるような圧縮処理は行われていません。

PS4のHDDと比べて極端に早くなるわけではありませんが、概ね性能は1割強良いといえるので、ゲームプレイ時の快適さ向上に期待できそうです。

 

更新: 2016/04/27

2.2.ゲームの動作確認

■PLATINUM -DEMO FINAL FANTASY XV

PS4に搭載されているHDDとSeagate Laptop SSHDを搭載した場合の比較動画。

(C) SQUARE ENIX

起動からスタートメニュー画面が表示されるまでを比較していますが、数秒Seagate Laptop SSHDの方が早いですね。

 

 

■ドラゴンクエスト ヒーローズ

PS4に搭載されているHDDとSeagate Laptop SSHDを搭載した場合の比較動画。

(C) SQUARE ENIX

Seagate Laptop SSHDの方は操作が緩慢ですが、HDDより早いロードであることが明らかにわかるかと思います。

更新: 2016/04/27
総評

3.総評

PS4に搭載されていたHDDでのゲーム起動時間に比べ、Seagate Laptop SSHDを搭載した場合のゲーム起動時間は、劇的とはいえないまでも、確かに速くなりました。また、プレイ中の場面転換などロードを挟む場面についても確実に速くなっています。

短縮される時間は僅かですが、長く遊んでいけば塵も積もれば山。

SSDで同じくらいのストレージの製品を用意するとなると、大きなコストがかかってしまいます。

HDDであればSSHDより低廉ですが、SSHDとの相場の差はそれほど大きくなく、長いロード時間のストレスが少しでも改善される事を考えると、HDDからSeagate Laptop SSHDへの換装は「アリ」と言えそうです。

 

SSHDの特徴は使い込むことにより学習していくので、換装して間もない現時点でAdaptive Memory技術(※)を活用できているかの評価ができません。換装後のPS4を使い続けて、効果的な場面があれば適宜レビューに追加したい考えです。

更新: 2016/04/17

(参考資料など)

■Adaptive Memory技術

SeagateのSSHDに搭載されている、頻繁に使用されるデータを優先させるための高度なアルゴリズム。

(参考)

http://www.seagate.com/jp/ja/tech-insights/adaptive-memory-in-sshd-master-ti/

 

 

更新: 2016/04/21

更新履歴

2016/04/20 ドラゴンクエストヒーローズ比較動画を追加。

2016/04/21 PLATINUM -DEMO FINAL FANTASY XV比較動画を追加。

28人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • Takahiroさん

    2016/04/18

    初めまして。
    >>PS4はUSB3.0-SATAブリッジであること以前に、転送速度はSATA1準拠(150MB/s)の可能性が高い
    これに関しては『SATAⅠかSATAⅡかSATAⅢか手っ取り早く確かめるにはSATAⅢのSSDを放り込む』のが一番です。 すでにされていたようでしたらスミマセン・・・

    PS4はPS3と違って「HDDは換装する前提」で作られていますね。ただ、PCと違ってデータの復元とかがやたら面倒くさいのが欠点だなぁ。そこを改善しない事にはHDDベンダーがどう頑張ってもまだまだ敷居は高そう
  • sandbagさん

    2016/04/19

    コメントありがとうございます。
    「SATA1準拠(150MB/s)の可能性」については、別のいくつかの検証サイトの受け売りなので自分では確かめていません。余裕があるときにSATA3準拠のSSDで試そうかなと思います。

    PS4の換装はPS3と変わらない印象でした。


    データ量が大きい分、復元は時間がかかりますね。

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