レビューメディア「ジグソー」

Miracastアダプターとしては最小クラス、コンパクトな筐体で使いみちが広がる


初版:2015/05/30
追記:2015/05/31(変換アダプター経由での出力/Xperia Z3での接続テスト)
   2015/08/27(Windows 8.1プリインストールPCとの接続)

今回レビューさせていただくのはMicrosoftのワイヤレスディスプレイアダプターです。
Microsoftのハードウェアと言うと、以前レビューさせていただいた



キーボードやマウス・ゲームコントローラやWebカメラのような入力機器やSurfaceと
いったタブレットPCが思い浮かぶのですが、そこに今回のワイヤレスディスプレイ
アダプターが追加されたようです。Microsoftのハードウェア製品情報ページ
にはいつの間にかディスプレイアダプタ製品のカテゴリが増えていましたし。

Microsoftの製品と言うことでSurfaceシリーズのオプション品で他製品には使用でき
ないのではないか?と思いましたが、Wireless Display Adapter 互換性のページで
数多くのデバイスがリストアップされているとおり、Wi-Fi CERTIFIED Miracast
認証を取得しているAndroid 4.2.1以降を搭載するタブレット/スマートフォンや
Windows Phone・Windows 8.1を搭載しMiracastに対応したPCなどSurface以外
にもさまざまなデバイスでワイヤレスによるHDMI映像出力が利用できます。最近の
スマートフォンでは、有線でテレビに接続するMHLやSlimPortといった機能に対応
せずテレビ出力はMiracastのみといったものも増えてきているため、今回レビュー
するワイヤレスディスプレイアダプターはかなり重宝するのではないでしょうか。


レビューを始める前に今回使用する機器ですが、まずMiracast対応スマートフォンは

Google Nexus 5 16GBと

docomo AQUOS ZETA SH-01G・

au isai FL LGL24を用意しました。それぞれMiracastに対応しており、Nexus 5は
Android 5.1・SH-01GはAndroid 4.4.4・LGL24はAndroid 4.4.2を搭載しています。
この中でNexus 5はMiracastの相性が厳しく、他社のMiracastアダプターと組み合わせ
た場合に映像が出力できない場合がたびたびありました。もちろん機器の故障ではない
ことは確認しています。今回レビューに使うスマートフォンはどれも互換性リストに
ないものです。(と言うより国内で販売されているスマートフォンの多くがリストに
ありませんね)

Miracast対応PCについては、

NEC LaVie S LS150/LSと

SONY VAIO T SVT1111AJを用意しました。それぞれ標準の内蔵Wi-Fiアダプタは
Atherosのチップセットを利用したものでしたが、



現在Intelの11ac/11n対応品に交換してあってIntel WiDiに対応させています。Intel
WiDiはソフトウェアの更新でMiracastに対応できるようになっているので、これらを
使います。標準のWi-Fiアダプタでも出力できるかどうかは分かりませんが、できなく
てもWi-FiアダプタをIntelのものに変えれば今回と同じようにいけるかと思います。
出力先のテレビですが、プレミアムレビューで何度も登場させている


東芝REGZA 37Z9000を利用します。37インチのフルハイビジョン液晶テレビで、
購入からだいぶ経ちますがまだまだ元気なテレビです。古めのテレビでの利用に
ついて参考になるかと思います。


早速レビューに入っていきます。製品の箱ですが、

このような形でだいぶスリムです。箱入り鉛筆2ダース程度の大きさでした。
Miracastアダプターというと今まで使ってきたものは大きいもので外付けハード
ディスクくらいの大きさで、小さくともタバコの箱くらいの大きさはあったはず
ですが、こちらはPCの周辺機器らしからぬサイズにまとまっています。また、
入力機器のような紅白の派手めなパッケージデザインではなく暗めのグレーで
シンプルです。

側面にはAndroidのロゴが入っており、最近MicrosoftはやたらAndroidにすり
寄っているような気がしないでもないです。いろいろなデバイスで使えるのは
使うデバイスを選ばずに一つでまかなえて楽ですけどね。

背面の説明書きも最小限です。必要なハードウェア仕様を記載しています。

箱を開けるとこのような形で本体が納められています。USBケーブルの先が
台紙の下に納められており、付属品と取り出すと

保証書や説明書・HDMI延長ケーブルが付属していました。HDMIコネクタは
キャップがされており、キャップを外すと

直接テレビやディスプレイのHDMI入力端子と繋げられます。アダプターの
USB電源ケーブルが出ているところには

恐らくWi-Fi Directでプッシュボタン方式で機器と接続する際に使用するで
あろうボタンと、電源が入っていないので分からないですが電源ランプが
あります。とてもシンプルな外観です。テレビへの接続ですが、

このように本体を直接HDMI入力端子に差し込み、USB電源ケーブルをテレビ
のUSB端子につなぎます。REGZA Z9000の場合はUSBメモリ用にサイドに
USBポートがありますので、録画用のHDDを接続している場合でもテレビだけ
で接続が完結できます。USBポートがないテレビやディスプレイの場合は、別途
USB ACアダプタを用意するなどして給電する必要があります。テレビによっては、
メーカーが保守用に用意しているコネクタがUSBだったりするのでそちらから
電源を取ることも可能かと思います。こちらは保証外なのでお勧めいたしかねますが。
一般的なMiracastアダプターだと本体とHDMIケーブルが分離していて設置が煩雑
になりがちですが、こちらだと本体はHDMI入力端子に固定される形となるので
スペースをあまり使わないのが便利です。接続したテレビの電源を入れて入力を
接続したHDMI端子へ切り替えると

接続待機状態の画面が表示されています。ここから各機器をつないで表示という
流れです。
更新: 2015/08/27
Microsoft Wireless Display Adapter の活用シーン PREMIUM REVIEW

スマートフォンは簡単につながるものの、PCはいくつか問題が


早速機器をつないで画面出力を試していきます。Androidスマートフォンの接続
設定はだいたいどれも似たような感じになるので、リファレンス機のNexus 5での
手順で紹介していきます。画面上部の通知バーを引き下ろして、

右下の「画面のキャスト」をタップします。

出力先機器の一覧が表示され、過去に出力したことのある機器はここに並びますが
初めての機器はリストアップされないので、詳細設定をタップします。

Wi-Fiがオフの場合はオンにしてしばらく待つと、今回のアダプタが「Microsoft
DisplayAdapter」として上がってきますので、そちらをタップします。

接続が開始され、アダプターからの出力は

接続中になります。そして間髪明けずに

スマートフォンからの映像がアダプターで表示されました。音声出力もアダプター
をつないだテレビやディスプレイから出ますので、適宜音量を調整します。つないだ
あとは大画面で出力を嗜むだけで、

Twitterやブラウザなどの情報表示も大きなテレビで見やすいですし、

ゲームも迫力が出ます。ただ、画面のようなタイミングがシビアなゲームだとタイム
ラグによりまともなプレイが難しいので適していませんが・・・。YouTubeなどの
動画出力が一番の使いどころだとは思いますが、機種によっては映像や音声が途切れ
途切れになるので有線ほどの安定感はないのかなと思いました。今回試してみた3台
のスマートフォンはどれもこのアダプターで画面出力できましたので、相性は緩そう
です。ちなみに相性と言うと今回試した中のisai FLだとフルセグ地デジ受信機能が
あり、その画面が出力できるのかやってみたところ案の定テレビアプリを起動すると
Miracast出力が停止しました。アプリを終了すると復帰するので、地デジ等の著作権
保護された映像の出力はできないようですね。

Xperia Z3 SOL26を購入したのでついでにMiracast出力を試してみたところ、

HDCP非対応とのことで接続まではされるものの表示されませんでした。手持ちの
他のMiracastアダプターでも出力できなかったので、Xperia Z3側の仕様とマッチ
しないのでしょうね。OSをバージョンアップすると解消されるという話も聞き
ますが、国内版は3キャリアともまだ公開していないので待ち状態ではあります。

次にPCのほうでのMiracast出力を試してみます。その前にIntel WiDiに対応したPC
で、Windows 7や8から8.1にアップグレードした場合はIntelのサイトからアップ
デートツールをダウンロードして実行し、WiDi周りのドライバやアプリケーション
をアップグレードする必要があります。Windows 8.1プリインストールでMiracast
に対応しているものであれば不要です。

デスクトップ右下にマウスカーソルを移動してチャームを表示させ、デバイスメニュー
をクリックします。

デバイスメニューでは表示ボタンをクリックします。

表示先を選択するメニューになります。ここではPCに有線接続したディスプレイへの
選択もできますが、ワイヤレスディスプレイも設定が済んでいればここから選択できる
ようになります。初回なので「ワイヤレスディスプレイの追加」をクリックします。

Miracastアダプターの検索が始まります。ここで「MicrosoftDisplayAdapter」を選択
すると、接続が始まります。ただし自分の環境では接続中のまま映像が出力されず、
調べてみたところセキュリティ対策ソフト「ESET Smart Security 8」がMiracastの
通信を遮断しているようでした。プリセットのルールにはMiracast関連の設定がない
ので、ルールを追加して

Intelのフォーラム情報の通りC:\Windows\System32\WUDFHost.exeの通信を
許可するように設定するとファイアーウォールを有効にした状態でも映像が出力できる
ようになりました。

HDMIケーブルで直にPCと接続しているような扱いとなっているので、PCのディスプレイ
とのミラーリング表示のほか2台目のディスプレイとしての拡張表示も可能です。切断は
先ほどのチャームからの表示メニューで切断ボタンが表示されるのでそこから切断します。
使い勝手ですが、

映像はフルHDでくっきり出ますがマウスポインタの動きが遅れてくるなど、やはりタイム
ラグは多少なりある感じです。スマートフォンでの出力時同様にタイミングにシビアな
操作はできません。プレゼンテーションについては、PowerPointで発表者ノートと
スライドショーの表示先を別々にできるので特にスライドショーがもたついても問題
なさそうです。YouTubeなどで動画を見るのもいいかもしれませんが、Wi-Fiで通信
しながらだと回線のスループットをMiracastに多少なり割かれているような感じに
なっていたのでローカルファイルの出力くらいが丁度良さそうです。

ちなみにMiracastには対応しないもののIntel WiDiには対応できているSandyBridge
世代のCPUを搭載するVAIO Tの場合、前述のMiracast同様の操作はできずIntel WiDi
アプリケーションから接続を行う必要があります。繋いだ後はHDMIケーブルで直に
PCで繋いでいるような扱いとなるのは一緒です。Windows 7を搭載してIntel WiDi
に対応したPCも同様になるかと思います。

追記:2015/08/27


Windows 8.1プリインストールのノートPCを購入したので、試しに繋いでみたところ
あっさり映りました。Wi-FiコントローラはBroadcomの11ac対応品で、今までIntel
のものでしか試してなかったですがMiracastに対応しているNDIS 6.3以降のドライバ
を使うものなら普通に映るんですねー。
更新: 2015/05/30
Microsoft Wireless Display Adapter を一言で表すキャッチコピー PREMIUM REVIEW

Miracastをより手軽に、身近なものとしてくれる逸品

最初にも取り上げた通り、Miracastアダプターは今までそれなりの大きさの箱で
HDMIケーブルも別につなぐ必要があってわりと大がかりになってしまっていま
した。しかしこれはアダプターにHDMIコネクタが直に付いており、簡単に持ち
歩ける形態となっているため気軽に持ち出して仕事であればプロジェクターに
つないでPC間をワイヤレスでプレゼンテーションを行ったり、プライベートで
あれば旅行先のテレビやカラオケボックスのテレビ・知人友人宅のテレビなどで
手持ちのスマートフォンやタブレットに保存したコンテンツを楽しめるなど、
Miracastをより使いやすくなります。もちろん、据え置きで使っても邪魔になり
にくいのでMiracastアダプターを内蔵したテレビのようにも使えますので、今回
の製品でMiracastがより一層身近なものになると感じました。

Miracast自体はスマートフォンでAndroid 4.2.1以降なら殆どの機種が使用できる
ようになっていますが、まだまだ知名度が低いので今後の発展を期待します。
更新: 2015/05/31
Microsoft Wireless Display Adapter を使ったチャレンジ PREMIUM REVIEW

コンパクトな筐体を生かしてカーナビをMiracast対応にしてみる

一般的なMiracastアダプターだとケーブルがごちゃごちゃしていて、車載
しようと思うとなかなかスペースに悩むのですが今回のアダプターは大変
コンパクトに出来ているため、車載してカーナビをMiracast対応にしやすい
です。と言うことで材料を用意しました。


まずはHDMIで入力した映像をコンポジットに変換してくれるアダプター
です。数千円程度で購入できます。最近のカーナビであれば、標準でHDMI
入力を持つものも増えていますがマイカーで使用している


2012年式のナビにはそういうハイカラなものはないので、こういったものが
必要となります。コンポジットによる映像入力はDVDナビのような古いもの
でも大半用意されていますが、機種によっては別売りの外部入力ハーネスが
必要となります。今回のナビも別売りだったので買いました。


車載する前にとりあえずこのセットでちゃんと出力できるかどうかを確認して
おきます。HDMIは著作権保護のからむ規格なので、変換アダプターと相性が
合わないとどう転んでも出力できませんからね・・・。まぁ間にごにょごにょ
するアダプターを噛ませばどうにかなるかもしれませんが、ここまでやると
車載するのにハイエースのようなワンボックスで無いとスペースが無いです(w

変換アダプターにMiracastアダプターを接続し、Miracastアダプターに電源を
供給すると変換アダプターの青色のランプが点灯しました。この変換アダプター
は基本HDMIからの電源供給で動作できるとのことでしたが、供給が足りない
場合はminiUSB端子から別途供給するようになっています。USBで電源を何個も
取ると車内がごちゃごちゃになるので、1本の電源で使えたのはよかったです。
変換アダプターからの出力を部屋のテレビのコンポジット入力に繋いだところ、

問題無く表示できました。デジタルからアナログに変換され、解像度もぐんと
落ちますが元々スマートフォンの小さな画面向けに設計されたUIなのでナビの
7インチ画面で見る分にはあらも気にならなさそうです。37インチの液晶テレビ
で見るとかなりぼやけている感じはしますが・・・。音声出力も大丈夫でした。
コンポジット映像の機器との相性は殆どないので、これならナビと繋いでも
問題無く使用できそうです。

実際の設置の様子についてはナビ周辺を分解してナビの裏側にハーネスを接続
する必要があり、かなり大がかりな作業となりますので後ほど載せます。
カーナビに映像をワイヤレスで出力できるようになると、YouTubeなどの
動画配信をカーナビで視聴できますしフリップダウンモニターがついている
車であれば後席向けに流せそうです。もちろん運転中の視聴は御法度ですので
その辺りは配慮する必要がありますけどね。

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