はじめに:
パッチコです。今回のレビューはWindows環境で利用できるフォトレタッチツールACDSee Pro 7です。パッチコは普段レビューの執筆活動でMacBook Airを使用することが多いのですが、最近バージョンアップしたMacOS(Yosemite)の不具合等で若干の不安もあり、先月構築した自作WindowsPCの利用用途としてWindowsでも執筆活動ができるよう、フォトレタッチソフトを探していたというのもあります。WindowsのキャプチャをMACで編集するのは結構手間のかかる作業です。(画像編集ではなくリサイズがメインですが。)
レビュー執筆にあたっては画像の枚数も増えることと、用途に応じて画像の整形を行うことが多い為、ファイル管理機能をもち、エビデンス画像を非破壊で残せることが重要であったりします。
ACDSeeはこれらのニーズにぴったりはまる製品とのことで大いに期待がかかっております。
当レビューではACDSeeのそれぞれの機能について触れていきたいと思っています。
製品の立ち位置:
ACDSeeラインナップでは以下のアプリケーションがリリースされています。
・ACDSee Pro 7
・ACDSee 17
・ACDSee MAC Pro 3
・ACDSee VideoConverter 4
・Canvas 15
・ACDSee 365
ACDSee Pro7は現像機能を含めた、中・上級者向けのパッケージで、下位版のACDSee17のほぼ全ての機能が使えます。ACDSee 365はこれら製品で使用する画像データをクラウド上で管理できる仕組みです。ACDSee 365の「ファミリープラン」はクラウド機能に加えて、上記ACDSee関連ソフトを1年間単位で5台までインストールできるサブスクリプションです。バージョンアップなどを考えると、複数のACDSeeアプリケーションを使用するならACDSee 365はオススメかもしれません。今回はダウンロード版のACDSee Pro 7でレビューを進めます。
今回利用する機器について:
現在入手できるパーツをメインに、ミドル〜ハイエンド機に相当するPCとなりますが、一般的なゲーミングPCで予算14万円レベルです。
CPU: Intel Corei7-4790K
メモリ: 16GB
GPU: ASUSTek社製 NVIDIA GeForce GTX760 GPU搭載ビデオカード
HDD: M.2タイプSSD 254GB + 5TBHDD
OS: Windows8.1 Professional 64bit
色々と付いていますが、一般的なゲーミングPCレベルです。
また、カメラはPentax製 K−xを使用して進めていきます。
初心者に向けて発表されましたが十二分の性能があるk−x。
今回、ACDSeeを利用するにあたって、使用するデジタルカメラがRAW形式で保管できることを確認しておきましょう。
http://www.acdsee.jp/support/rawformats
そもそもRAWってなんですか?:
近年のデジタルカメラはいわゆる「プロ向け」「一般向け」に分かれています。デジタル一眼レフのマニュアルを端から端まで読んでみると解りますが、専門用語と写真経験の有無で全く理解できないという人もいるのではないでしょうか。(筆者もそのクチです)
また、デジタルカメラの用途として多いのが、ブログなどへの掲載で、ほぼ一般化されたJPEG形式での保管が一般的になりつつあります。これはサイトへのアップロードのため、サイズを小さくするリサイズ作業など、加工が簡単なことが大きな理由です。筆者も実は普段撮りはJPEGで済ましているのも事実です。
RAW形式での保管は、サイズも著しく大きくなり、画面表示のための現像処理など、パソコンへの負荷が大きいので、ホームページ等にはそのまま使われません。(使いにくい)
では、パンフレット作成やスキンシールのための高精細データはどうでしょう。JPEGは実際には最終出力形式に合わせて最適化しているため、一旦生成してしまうと前のクオリティには戻れません。(不可逆圧縮)
一般的なデジタルカメラで採用されている単板式カラーCCD・CMOSイメージセンサでは各画素が単色の色情報しか持ちません。このため撮影時に各画素に対してその周辺画素から足りない色情報を集め与えることで色情報を補正し、フルカラー画像を作り出す処理を行っています(de-mosaic)。その結果を可視可能な汎用画像フォーマット(JPEG等)で保存されるわけです。
この場合、最終的な成果物の画質などは、撮影機材内のde-mosaicの性能で左右されるばかりか、ホワイトバランス等も固定化されてしまうため、原理的に画質の劣化が発生してしまいます。
ざっくりとした図ですがこんな感じです。わかりやすく3色分解と
しましたが4色分解もあります。
ここの時点でチンプンカンプンの方もいると思いますので、一言で言いますと「JPEGに変換すると読みやすいが、撮影画像の劣化が起きる」ということです。
RAW形式はデジタルカメラの各素子に記録される、未加工のデータで保管します。(厳密には再加工向けデータ形式で保管する)
デジタルカメラは現像がないので便利と言われますが、実際には「カメラ内で現像処理したデータを見やすいデータで保管する」ということを覚えておいてください。RAWは最終段階の一つ前、「ネガ」を作成すると思えば多少わかりやすくなります。
※参考までに、RAWデータは複数の記録方式があります。筆者の使用しているPentax K-xではPEF形式(Pentax独自方式)とDNG形式(Adobe社 Digital Negative)が利用できます。汎用性を考えると、DNGの方が利用環境が多くなりそうです。Windows8.1では、PEFがすでに関連づけされていましたので、そのまま表示をすることができました。
RAWを使用するには、カメラの保存形式をRAWにしておくことを忘れないこと。
Pentax K−xの場合にはRAWのDNGを使用します。
ファイルの管理はレビュー作成の生命線:ファイル管理機能で楽々画像管理
筆者は普段、MacbookAirのiPhotoを使用していますが、同様の管理機能があれば、Windowsでもレビュー執筆活動に繋げられますので、比較をしながらポイントをアピールできればと考えています。
製品導入:
今回はダウンロード版なので、ダウンロードURLとライセンスキーを受け取って導入を行いましたが、実際には決済されるとダウンロードキーをメールで受け取る形式と思います。
ダウンロードしたファイルには、32bit版と64bit版の両方含まれます。利用するOSのエディションを確認しておきましょう。
筆者の環境はWindows8.1Professional 64bit なので、64bit版のインストーラを実行します。インストール中、聞かれる項目は少ないです。標準で組み込まれる機能は比較的多めですが、実際にはRAWファイルライブラリや圧縮ライブラリ、Facebook投稿ライブラリなどなので、「完全」を選んでおけばよいでしょう。
インストール完了後、初回起動時に事前に受け取ったライセンスキーを入力します。
文字数が多いので、コピー&ペーストを使うと良いでしょう。
ライセンスキーは異常に長い。
その他のライセンス形態として、ACDSee365という、期間料金で全てのアプリを使用できる権利とクラウドで画像を管理できるライセンスも存在します。
今回評価するダウンロード版は約2週間のACDSee365の評価権も付与されます。
ACDSee365のログイン画面。クラウドのファイルストレージです。
画像ファイルの取り込み:
画像の取り込みでは、外部USBメモリリーダを別途購入しました。RAWなどを使用する場合、転送速度が速い方が便利ですので、今回USB3.0対応機器を購入。転送速度が非常に早いので便利です。
USB3.0対応のメモリカードリーダ。転送が速い。
USBリーダを使用した場合は基本的にディスクドライブとして認識されますので、ACDSeeの管理するフォルダにコピーするだけです。デフォルトではユーザフォルダの「ピクチャ」となります。取り込みのメニューもありますが、筆者はあまり好みではありません。
画像の整理:
画像の整理といっても色々な手法があります。筆者はまとめて写真を撮ることが多いので、日付別に処理を行うことが多いです。
iPhotoの画像管理画面。低機能ですが最低限の管理ができます。
筆者の場合には、今までiPhotoで済ませてしまっていましたが、それはRAWデータを使用していない状況のためで、RAWを取り扱うと、現像前、加工後のデータを管理する必要があるため、もっと詳細な情報が必要です。iPhotoでもRAWを扱うことができますが、iPhotoでは加工後のプレビューしか表示できないのでいささか不便です。
ACDSeeのファイル管理機能:
ファイル管理機能は大きく3種類の管理手法があります。
1、フォルダ管理
フォルダ管理の場合。 画面左にWindowsのフォルダが表示されています。
管理の単位はWindowsのフォルダ及びファイル単位です。画面中央は管理対象のファイルプレビューがあります。各プレビューの右上にファイルの種類を示すバナーが表示されています。DNGは対応フォーマットなので、DNGと表示されていますが、Pentax専用のPEFはRAWと表示されています。
2、カタログ
ファイル管理ーカタログ表示。中央のプレビューに赤いラベルが貼ってあります。
カタログ表示形式が最もACDSeeらしいファイル管理機能かもしれません。例えば、シャッター速度や露出などのタグを使って抽出をおこなったり、作業中のファイルにラベルをつけたりして必要なソースのみ抽出することができます。操作に慣れてくると、この機能が便利でしょう。
3、カレンダー
普段MACで使っている方法とだいぶ近い管理になる日付別。
カレンダー形式は、撮影日などに合わせて抽出するのに便利です。ロケの日で確認したい時などに使用します。MACではこの方法が直感的に探しやすいですが、ACDSeeでも同様に作業できます。画面上複数の情報を表示できるので、より細かい作業に向くかもしれません。
その他にもたくさんの機能がありますが、多すぎるので、パッチコのレビューでは割愛します。
Pro7は機能満載:現像、レタッチ、編集について
筆者は通常、RAWを使うことは少ないですが、一つ上のクオリティを出すためには必要な機能と思っています。特にレビュー用画像でよく行う作業として、ホコリや傷を消す作業が多いです。
現像機能について:
ACDSeeにおける現像モードでは、オリジナルを残して変更過程を別に保管できるというイメージでしょうか。各フィルターの設定を保管後も有効、無効化ができるので、「後で見直したら、ここはやりすぎた」といった場合、その作業だけ外すことができます。当初RAWとJPEGでは別の動きをすると思っていましたが、操作できることはどうも差がないように思います。ただし、RAWから作業をした方が出力結果が滑らかです。精度を上げるにはやはり上質な元データということでしょう。
現像モードで与えた効果についてはいつでもオンオフできます。作業工程ごとというわけではありませんが、各設定の機能単位で解除が可能です。
現像処理は大きく4つの機能に分かれています。
1、現像ー調整:
「現像ー調整」は全体の明るさやホワイトバランス、色味などの、大まかな仕上がりを調整します。
フィルムの現像に近いものを想像しておりましたが、デジタルの世界なので、実際の効果の表現に近い名称で設定ができます。出力したい作品によっても使い方が変わる機能の一つです。
例えば、これはオリジナルの写真です。(オリジナルを表示を使用)
彩度、コントラスト等を変更。だいぶアーティスティックな仕上がりになりました。
2、現像ーディテール:
ディテールではシャープネスや、ノイズ消去、色収差、フリンジの調整を行います。一昔前のデジカメだと色収差が大きく出るものもありますが、最近のデジカメではあまり操作を行わない方向だと思っています。よほどのことがないとこの辺の機能は使わないと思います。
3、現像ージオメトリ:
写真の傾きや歪み、トリミングなどを調整できます。
レンズによっては四隅が暗くなってしまうものもありますが、そういう場合、ヴィネット補正が便利です。
4、現像ー修復:
修復は写真に写り込んでしまったホコリや傷などを修正します。美肌ツール周辺をぼかしてくれます。例ではリンゴのブツブツ(果点)をホコリに見立てて修正を行っています。iPhotoのレタッチ機能とは若干操作性が異なります。iPhotoの場合は、レタッチ半径を設定して、レタッチしたい点をクリックすると周囲のテクスチャを複製して上書きします。ACDSeeの場合はコピー元を右クリックしたのち修正点をクリックします。コピー元のテクスチャを上書きしますので、指定を誤ると予想外の映像をコピーされてしまいます。この違いはしっかりと覚えておいたほうがいいでしょう。
ブツブツ加工前
ブツブツ加工後。左半分だけブツブツを除去したところ。
編集機能について:
編集機能は現像と違って、編集した後に、編集履歴が残らず別の出力形式に保存をします。RAWを編集してもJPEGで保管されます。慣れるまで少しわかりにくいですが、編集モードは別の形式に書き出すための編集となります。(オリジナルと別に保管されますので、元データは残せます。)
メニューは沢山あり、現像モードと同じような機能がたくさんありますので、慣れるまでは若干分かりにくさがあります。
編集モードで特に使いそうな機能として、モザイク、トリミング、リサイズでしょう。
これらの機能を使うためには、最低限、範囲選択の機能を覚えておく必要があります。
例として、モザイクのかけ方を挙げます。
まずはモザイクをかけたい範囲を「範囲選択」で指定します。
次に「特殊効果」から「モザイク」を選択します。
範囲指定で選択された範囲にモザイクがかかります。
範囲選択は重要なので、さらに多くの選択方式が欲しいです。特にペジエによるパスで選択する機能があるともっと良いですね。現在は自由選択、自動選択、ボックス選択のみ対応しています。
普段のレビュー執筆における使用感は?
MACでのレビュー執筆ではどのように行っているか:
人によっても異なりますが、筆者の場合はおおよそ以下の手順で作成しています。
1、製品の動作確認、エビデンス作成
2、レビューのアウトラインを作成
3、文章製作、資料映像の撮影
4、画像の編集
4−1、(Windowsの画像はWordのクリップボードから取り込み)(プレビュー)
4−2、取り込み(iPhoto)
4−3、トリミング(iPhoto)
4−4、ホコリ等の除去、ノイズ補正(iPhoto)
4−5、色調補正((iPhoto)
4−6、文字挿入、モザイク等編集(SketchBookExpress)
4−7、リサイズ(iPhoto)
5、貼り付け
6、校正作業
この中で特に手間のかかる作業は4の画像の編集です。MacBookでの作業ではiPhoto、SketchBookExpress、プレビュー等をよく使用します。ほぼ全ての機能が無償で利用できますが、単体のソフトで完結せず、実はモザイク等のソフトが足りていません。それぞれのソフトでできることは限られており、アプリケーション間の引渡しは都度JPEGに保管を行っています。一つ上の機能を利用するには有償版のアプリを購入しなければなりません。
また、リサイズ作業はWeb系の作業で手間のかかる作業です。ZIGSOWを例に挙げると、私の権限では現時点では最大330MBです。レビュー数で異なりますが、1つあたりのレビューで使用できるのは数MB程度です。プレミアムレビュー等では相当数の画像をアップする傾向がありますので、画像1つあたりのサイズを小さく用意する必要があります。
特によく使うのがホコリ取り。レタッチの機能の一つですが、どうしても製品によってはホコリを吸いやすいものがあり、どんなに拭いても逆効果になるものがあります。ある程度であれば、ソフト的に消せますので、パッチコの場合はよっぽど消しにくい場所でなければ、この機能で処理します。よく床を背景に使うのですが、床の傷なども多少は消せます。
ホコリ取り作業前(iPhoto)
ホコリ取り&補正作業後。(iPhoto)わかるかな?拡大してみてください。
ホコリ取りの作業についてiPhotoはよくできていて、ブラシの半径を指定してクリックするだけ。中心を周辺の色で塗り、ぼかしてくれます。背景の複雑な床のテクスチャも分析してくれるのが売りです。
iPhotoのいいところ、悪いところ:
iPhoto良い点:
・ホコリ取り(レタッチ)の機能が秀逸。
・画像縮小がWeb投稿に最適化。
・必要最低限の機能に限定して操作が簡単。
iPhotoの悪いところ:
・iPhotoライブラリファイルに溜め込むのですぐにパンクする。
・Windowsからの取り込みが大変
・文字挿入、モザイクなどの加工が単品でできない。
(中間データ作成、再取り込み多い)
・クリップボードからの新規作成ができない。
ACDSeeではどうなった?:
まず、ファイル管理ですが、ACDSeeはライブラリファイルを使用しなくても運用できますので、通常の「マイ ピクチャ」フォルダーがデフォルトとなっています。Windowsのフォルダをそのまま使いますので、仕分けも使い慣れた方法でできます。(ライブラリ化も可能です。)
これは好みが分かれますが、数が増えてくるとフォルダで仕分けるだけですし、バックアップも簡単です。各画像が持っているタグでも管理をすることができますが、筆者は撮影状況を確認するレベルでしか運用はしていません。
画像処理の流れ:
ACDSeeでは画像編集を以下の流れで行っています。
・撮影、取り込み
・現像処理、レタッチ、ホコリ取り
・フィルター処理、文字入れ、加工、トリミング
・エクスポートで書き出し(リサイズ含む)
作業自体はあまり差がありませんが、アプリ間のファイルの一時保管作業がなくACDSee1本でできますので、中間データを作成する手間が減ります。
また、現像、リサイズは事前にプリセットを作成しておけば、一括処理も出来るようです。機能を絞って用途別の設定を行えば、自動化もできそう。しかしながら、撮影のコツとか手順が確立できていないと、結局1枚ずつの処理になってしまうのではないかと思います。
エクスポートは機能がたくさんあるため、設定をするのが結構大変です。わかっていればそう苦でもないのですが、この辺もプリセット機能を利用し設定を極力しないでも出来るようになっています。
エクスポートはかなり詳細に設定できます。ゆえに毎回設定したくないので、
プリセット機能を活用すれば、自分のプリセットを選ぶだけにできます。
出力後のサイズ。オリジナルとは別に保管されます(非破壊)ので、
別媒体用にリサイズも作れます。
レビュー利用における使用感:
WIndowsでレビュー用の写真を作成するための機能はほぼ全て揃っていると言えます。
ACDSeeは機能満載で、必要な機能に行き着くまでに若干探すようです。これは慣れの問題かもしれません。個性的なのは現像機能ですが、事前の知識などが無いと保存形式などで動作がわかりにくい面もあります。フォトレタッチソフト全般に言えることですが、筆者の所感では「画像処理に関するツール集」的なイメージがあるので、現像、編集で似たような機能があると、どう使うかに悩んで時間がかかってしまいます。
ただし、全ての機能を使うわけではありませんし、必要になった時に使えるよう、普段から練習しておいたほうがいいかもしれません。レタッチは撮影の仕方でかなり作業を減らすことができますし、自分なりのパターンを組み立てておくことでかなり楽に作業を進めることが出来るようになります。
欲を出せば、複数画像の合成やレイヤーを使った合成、ドロー系の機能も強化して欲しいですが、製品ラインナップ的にはCanvas15が担っているようです。
ZIGSOWのレビューの場合は画像ファイルをWeb画面から投稿するので、書き出したJPEGファイルを指定するだけですが、ACDSeeの基本機能で、TwitterやFacebookの投稿を行う機能もあります。筆者はあまり熱心ではないのですが、メインの用途がSMSという方には嬉しい機能かもしれませんね。
改善要望:
今のままでも良いのですが、さらに便利に使うなら以下の機能も欲しいかもしれません。
・範囲選択にペジエ機能の実装を。
(ペジエ機能は存在するので、パスの作成を行えば可能かもしれません。)
・複数画像のミックスが弱い気がします。
(Canvas15で可能?)
ACDSeeまとめ:
ACDSeePro7はWindows版としては中級向けの機能が多いと思いました。現像機能があるため、若干戸惑う部分もありますが、慣れてしまえば、おおよそ思い通りの機能を持っています。
おそらくPhotoshopと比較される方も多いかもしれません。筆者の感性では、Photoshopは本当にプロ用のソフトウェアだと思います。狙っているターゲット層に合わせて選択してもらえれば幸いです。
通常のJPEGやGIF等のみのレタッチで現像機能がないACDSee17やMAC版のACDSee Pro3もラインアップとしてありますので、シンプルな操作感を望むのであればそちらも良いでしょう。
デジカメ撮影で「もっと濃淡をつけたい」とか、「影を薄くしたい」など思ったことはありませんか?そういうニーズに応えてくれるのが、このACDSee Pro 7です。デジタル一眼レフを使用しているユーザーにはお勧めの製品だと思います。
おまけレビュー
高精細データでスキンシールの作成:
パッチコもたくさんのスマートホンやタブレット、ゲーム機などを使用していますが、なんらかのキズ防止や個性出しのためにスキンシールなどをよく使っています。
最近では家庭でも手軽に写真品質の印刷ができるようになってきましたので、ACDSeeの高画質データ編集機能を利用して、スキンシールを作成してみます。
特にスキンシールの場合、元のデータが悪いと仕上がりに影響しますので、なるべく高画質の元データを作成して、利用したいと思います。
用意するもの:
・デコレーション対象(今回はiPhone5)
・プリンター(Canon PIXUS MG6330)
・画像ソース、編集ソフト(ACDSee Pro7)
・原寸印刷ツール(Inkscape フリーソフトです。)
・ステッカー用印刷用紙
・カッター等
ACDSee Pro7の機能で完結できるかもしれませんが、印刷はInkscapeを使用します。
ACDSee Pro7で用意した画像とカット用のガイドを合わせて、プリンターに印刷します。
まずは対象のカットラインを作成します。(Inkscape):
具体的な操作方法は割愛しますが、CADの要領でカットラインを作成します。Inkscapeでは、ミリ単位での実寸印刷が可能なので、カットラインを作っておけば、何度でも再利用できます。(保管形式はSVG形式)
ステッカー専用シートにはクリアシートを合わせて貼るのですが、あまり詰め込みすぎると合わせる作業が難しくなるので、なるべくセンターに寄せたほうがうまくいきます。
とりあえず、カットラインを黒で出してみました。
貧乏性なので、ついでにXperiaZL2も合わせて出力します。
カットラインはサイズをビッチリ合わすよりも、気持ち小さめに作ると貼るときに楽です。サイズを納得いくまで、やすい用紙で試すといいです。
写真の撮影と画像編集(ACDSee):
今回はiPhone5用に作成しますので、とりあえずリンゴをベースデザインにします。
(安直ですか?(笑))
背景に模造紙を使い、リンゴを撮影。(りんごは青森産ジョナゴールド)
今回はちょっと雑ですが、模造紙を背景にリンゴを撮影します。置き台はブロック。
雑なので、模造紙の重しの本とか写ってますね。
切り取りのため、ホワイトバランス、ライティング、トーンカーブで
背景を輝度最大で白飛ばしします。ついでに色合いも調整。
ここで編集モードに切り替えてブロック等を切り取ります。
今回は黒いiPhoneで使いますので、黒いベースにしたく、特殊効果の「アーティスティック」をかけてみました。思いの外いい感じです。ここで一旦JPEGで保管。
ここからはInkscapeでの作業:
Inkscapeで用意しておいたテンプレートを読み込みます。今回は画像の背景が黒なので、既存のテンプレートのカットラインを白に変えて、最前面に貼り込みます。
画像のサイズが足りていない分は、シェープを作成して画像の背面にセットします。
テスト印刷を行って配置を確認。筆者の場合は「カッティングが下手くそ」というのがあり、せっかく細かくカメラ周りのカットラインを書き込みましたが、カットしやすいように簡単な図形に変更してます。
配置がOKになったら、専用紙に印刷します。印刷時の用紙種別を間違えると適切にカラーが印刷されませんので、しっかり合わせること。
今回はA-oneのステッカー用紙をチョイス。結構な厚みがあります。
すごい光沢。最近の印刷技術はすごい。
印刷が終わったら、表面のクリアシートを貼って、カット、貼り付けとなります。
カッティングで出来がだいぶ変わりますね。
こんな感じになりました。
1枚2枚ですと、コスト的にペイしませんが、市販のスキンシールのデザインが気に入らないとか、好きな絵柄や写真をシール化したい人には知っておいて損はないと思います。
コツはクリアシートを合わせる際も、本体に貼り付ける際も、焦らずゆっくりだと思います。ステッカー用紙はA4が3ページ分で950円くらい。失敗してもやり直すぐらいのゆとりがいいかもしれないですね。黒はアラが目立ちやすいので、ベースは白がやりやすいかな。
終わりに:
ACDSee Pro 7 を利用して、率直に写真の表現力が増えたと思います。写真の技術は16世紀のカメラ・オブスクラを含めるともう400年くらい経っており、その時代時代の表現の仕方があって、それらを全て使いこなすことは不可能です。
ACDSeeは従来のカメラ技術をわかりやすい表現でデジタル加工できるソフトです。
ソフトの良し悪しを表現するのに筆者の技量不足も多々ありますが、良い機会を与えていただき本当に感謝しております。
最後にこの素敵なソフトを提供していただいた、ACD Systems 社様、デジカ社様、ZIGSOW様。本当にありがとうございました。
KAOさん
2014/11/23
パッチコさん
2014/11/23
ありがとうございます♪
うちは埃がひどいので、ホコリ取りは外せませんw(実際にはレタッチの機能です)
iPhotoとACDSeeは操作方法が違うのがミソなところですね。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2014/11/24
より便利に、より高機能に、より高性能になった最新版、使ってみたいです。
パッチコさん
2014/11/24
コメントどうもです。
どんどん機能が追加されていますが、そろそろ画面の最適化が必要かも。
パッチコ的には機能が多すぎて、レビューも表現しきれていないので、
おそらくACDSee17でも満足しちゃいそう。