レビューメディア「ジグソー」

手軽にWi-Fiエリアを広げる一台、環境によっては一部設定に難しさあり

初版:2014/09/14
更新:2014/09/15(テーマ2まで投稿)

今回プレミアムレビューさせていただく機会を得たのはBUFFALOのWi-Fi中継器、
WEX-733Dです。BUFFALOというとAirStationというワイヤレスブロードバンド
ルーターを始めとしたWi-Fi周辺機器で有名なメーカーで、今回の製品もAirStation
向けオプションかと思いましたが他社のルーターでも利用できるとのことだったので
応募させて頂きました。

まずは届いた製品を見ていきます。パッケージはこのようになっており、Wi-Fi
エリアを広げる製品ということを全面に押し出しています。裏面には詳細が記載
されており、

ルーターをただ設置しただけではカバーしづらいトイレや浴室・寝室の通信強化が
謳われています。我が家でもユニットバスということもあるのか、防水スマホを
浴室で私用すると感度が芳しくなかったので今回はこの症状が改善できるか重点的
に見ていこうと思います。

他の特徴としてはコンセントに差し込み直接設置できるタイプということでスッキリ
していることや、接続設定がWPSを利用し他社ルーターともワンタッチで接続できる
こと・最新規格の11acに対応しスマホに最適ということやLEDでわかりやすい接続
状況の表示が行えることが記載されています。コンパクトな本体に機能が凝縮されて
います。パッケージのサイドには対応OSが記載されていますが、

WEX-733D非対応子機として同社の一部の子機(PCカードタイプ/USBタイプ/PCI
スロットタイプ)が挙げられています。概ねIEEE802.11b/gまで対応の子機や、
IEEE802.11n対応でも初期の最高144Mbpsまでとなる子機が非対応となっている
ようです。他社のものでも、同等製品は接続できない可能性があるため注意が必要
かと思われます。

付属品は設置・初期設定ガイドと、セットアップカードになります。セットアップカード
はWebブラウザで設定画面に入る際のアドレスとID・パスワードが記載されており、
本体を設置してしまうとなかなか本体の情報を確認しづらいので別にカードが付属して
いるのは親切ですね。設置・初期設定ガイドはパッケージの記載通りWPSでボタンを
操作してルーターに接続する場合の手順のみ記載されており、手動設定が必要な場合
は別途Webサイトからユーザーズガイドをダウンロードする必要があります。WPSで
接続できてしまえば不要ですので、環境に応じて使うようになるかと思います。

本体は可動式のアンテナなど出っ張りもなく、ACアダプタを少し大きくしたくらいの
サイズです。ボタンも大きなWPSボタンと、サイドの電源スイッチだけでシンプルで
すし。カラーもホワイトで、どこでも設置しやすいです。前面の右上から縦に状態表示
LEDがついており、サイドにLEDの意味が刻印されています。一通りの動きはLEDで
確認できます。

裏面はプラグの下にセットアップカードに記載されているものと同じ情報のほか、
MACアドレスやシリアルナンバーが記された銘板が貼ってあります。設置すると
ここは隠れて見えなくなります。本体下部に見えるのは10/100Mbps対応のイーサ
ネットポートと接続周波数帯を5GHz固定もしくは2.4GHz/5GHz自動切り替えに
設定するスライドスイッチです。イーサネットポートはPCを接続して手動設定時に
使うほか、Wi-Fiに対応していない機器を接続してWi-Fiに接続するのにも使えます。
最近はイーサネットポートを搭載する機器も増えていますので、テレビの近くに
設置した場合はWi-Fiに対応していないBDレコーダーやテレビをつないだり、
その近くのWi-Fiに対応した機器への電波を強化したりと便利に使えます。

本体を見たところで早速設置設定を行います。今回接続先とする、電波のパワー
アップを行うルーターですが


NECのAterm WG1400HPを使用します。我が家に数十台あるWi-Fi対応機器の
接続を一挙に引き受ける縁の下の力持ちで、発売日前に予約し発売日に購入した
ものです。11ac/n/a/b/gすべてを同時に利用できる頼もしさと、11ac接続時は
最高866Mbpsという高スループットが期待できるハイエンドモデルです。もち
ろん今回の中継機が対応しているワンボタン設定のWPSにも対応していますので、
恐らくワンボタンで設定できるかと思います。ただし以前WPS設定にことごとく
失敗して、それら機器はすべて手動で接続した記憶があるのですが・・・。

ともあれ実際にやってみるまでで、ルーターの近くで本体をコンセントに接続し
1分ほど待って起動が完了したところで前面のWPSボタンを2秒ほど押しっぱなし
にして、2回周期でWPSランプが点滅しはじめるとWPS接続の待ち受け状態に
なります。次にルーターのらくらく無線スタートボタンを同様に長押しし、電源
ランプが点滅し始めるとWPS登録が開始します。あとは4分ほど待って接続が
完了するとのことです。・・・が、やはり接続できず何度かやってもルーターの
電源ランプが赤色の失敗表示になってしまいます。ルーターの設定画面でWPSの
設定を見てみましたが、特段変わったこともなくWPSに利用するSSIDもきちんと
隠蔽化されず表示されるようになっています。おかしいなぁと調べたところ、
Atermの場合(他社も同じかもしれませんが)WPSを利用する場合はすべての
SSIDが見えるようになっていないといけないようです。確かにSSIDについては
5GHzと2.4GHzでそれぞれ2つずつ利用していて、うち2つは隠蔽設定になって
いました。しかしこのSSIDの隠蔽設定を解除してしまうと近所に名前が漏れる
ことや、設定時だけ隠蔽を解除して設定後戻す方法は戻した後に繋がらなくなる
とのことで取れませんでした。あまりSSIDを外部でスキャンして見えるようにして
おきたくないんですけどね・・・。WPSがSSIDステルスと相容れないことが分かった
ので、計画を変更し手動で接続することにしました。

他社の中継機には、ルーターへの接続が確立されるまで初期設定用のSSIDが利用でき
るものがありその場合はスマホやタブレットなどでWi-Fi接続して設定出来ますが、
こちらは昔ながらの設定用PCを本体のイーサネットポートに繋ぐことで設定画面
を呼び出せるタイプです。PCによってはイーサネットポートがないものもあります
し、その場合はUSBタイプのイーサネットアダプタを用意する必要があります。
イーサネットケーブルも付属していないので用意する必要があります。手順につい
てはメーカーのサポートページからダウンロードしたユーザーズガイドを参考にしま
した。

PCのイーサネットポートと本体をつなぎ、IPアドレスはDHCPサーバーからの取得
にしてあれば問題無く繋がります。本体の電源を入れ、中央の電源ランプと2つ下
のLANランプだけが点灯した状態になったらWebブラウザを立ち上げ、セットアップ
カードに記載されているアドレスをhttp://のあとに続けて入力します。ユーザー名
とパスワードを入力するダイアログが表示されるので、そちらもセットアップカード
からの情報を入力すると接続設定画面になります。

接続設定画面では接続先を選択します。ルーターのSSIDを選択し、下の次へボタンを
クリックします。SSIDを表示しない設定にしている場合は、一番下の部分でプル
ダウンメニューにて接続周波数帯(2.4GHz/5GHz)を選択して次へをクリックします。

WPAパスワードを入力する画面で、表示されていないSSIDへ接続する場合はここで
SSIDも入力します。接続をクリックすると

ルーターへの接続が行われ、接続に成功するとこの画面が表示されます。次に進みます。

中継機に機器から接続するときのSSIDを指定できます。ただしルーターとの接続に
使用した周波数帯のSSIDは変更できません。WPAパスワードも変更できません。
他社の中継機には2.4GHz帯と5GHz帯をそれぞれ中継し、他のSSIDで接続できる
ようにしているものもありますがこちらはどちらか中継に使用する周波数帯を決め、
そちらはSSIDを変更できず他の周波数帯のSSIDは自由に決められるようになって
います。我が家では2.4GHzと5GHzで明確に機器の使用周波数を分けているため、
一般的には2.4GHzと5GHzを同じSSIDとWPAパスワードにして電波強度のよいほう
を優先的に使うのだと思いますが今回は5GHzを中継に使用して2.4GHzは別のSSID
を割り当てました。逆に2.4GHzを中継に利用することもできますが、11acではなく
11nの最高スループットに合わせられてしまいますし2.4GHzは基本的に家電などでも
利用されており混雑しているので、11acや11nの5GHzに対応したルーターと組み合わ
せる場合は5GHzで繋ぎます。設定終了後に設定画面へアクセスするためのブックマークを
ブラウザへ自動で追加することもここで指定できますが、どうもここでブックマーク
を行った場合IE11だと正常なアドレスがブックマークされないようです。この後しば
らく悩みました。アドレスは設定終了後もセットアップカードに書いてあるものが
そのままになります。この設定を終えると、

再起動が始まり設定が保存され接続されます。これで中継を行うための設定は完了です。

中継機に接続する場合のSSIDとWPAパスワードが表示されます。

折角設定画面を開いているので、新しいファームウェアがあるか見てみたところ

9/10付けでバージョン1.01が公開されていたので適用することにしました。ダウン
ロードしたファイルは自己解凍形式なので、実行するとシステムドライブの直下に
フォルダが出来デスクトップにショートカットが作成されます。その中の拡張子が
ないファイルがアップデート用のファイルです。設定画面のトップ画面から

左のメニューの詳細設定を開き、

機器管理を選択するとアップデートファイルを読み込ませる画面が出ますので、
参照ボタンを押して先ほどダウンロードしたファイルを選択します。ダイアログ
が表示されますがアップデートを開始する準備ができていればそのまま進みます。

アップデートが進み、最後に再起動が入ります。アップデートが済むとWebブラウザ
を立ち上げ直して再び設定画面に入ってバージョンを確認するようにという表示が
出ますので、表示に従いブラウザを再立ち上げし、設定画面でバージョンを確認
しました。

1.01というバージョンのアップデータなのでてっきり1.01というバージョンの表示
になると思っていたのですが、実際はその横のR1.15という部分がR1.16になるだけ
です。更新に失敗したのか不安になりましたが、アップデータ添付の説明書を読むと
バージョンが変わるのはそこだったので正常に完了しているようです。今回のアップ
デートで、接続の安定性などが改善されますので設定画面を見て古いバージョンを
お使いの方は適宜アップデートするとよいかと思います。

ちなみに設定画面を一通り眺めてみましたが、中継機のIPアドレスを固定出来る項目
が見あたりませんでした。割り振られているIPを見てもDHCPサーバーからのアドレス
が表示されていたので、全て固定IPを割り振ってDHCPサーバーを使用していない環境
へは導入できなさそうです。個人宅であれば概ねDHCPは使用しているかと思いますが
その辺りはご注意ください。
更新: 2015/05/31
住環境での接続性検証 PREMIUM REVIEW

設定さえ済めばあとは好きなところのコンセントに挿すだけ

我が家は軽量鉄骨造りの総2階の一戸建てで、間取り図は以下の通りです。
1F間取り図
1F間取り図

2F間取り図
2F間取り図

元々使用していたブロードバンドルーターは、主にWi-Fiを使うのが2Fだったため
1Fのフレッツ光ホームゲートウェイからLANケーブルを10mほど引き回して2Fの
自室(上図黄色い箱のところ)設置していました。なので1Fへの電波の抜けは疎かに
なっており、前述の通り1Fの浴室はフロア違いでほぼ対角線上ということもあって
感度が非常に悪かったのです。今回はこの問題を解決できるか試すため、LDKの
浴室と壁一枚挟んだ箇所のコンセントに中継機を設置し電波の通りが改善されるか
試してみます。もちろんIEEE802.11acに対応した機器なので、そちらで接続した
場合になります。電波強度の確認には

ドコモの昨年秋冬モデルのスマートフォン、GALAXY J SC-02Fを使用しました。
当該機のWi-FiはIEEE802.11ac/n/a/g/bに対応しており、最高433Mbpsで通信が
可能です。テーマ2で他の端末は取り上げますが、手元のスマートフォンは4台全て
IEEE802.11acに対応しているため今回の中継機には期待しています。まずは浴室で
中継機の電源を入れずにリンクスピードを確認すると、

58MbpsとIEEE802.11a/gに毛が生えた程度のスピードとなっています。しばらく
とどまって何度か確認しても変化がなかったので、やはり遮蔽物によって大幅に信号
が減衰しているようです。次に中継機の電源を入れてしばらく経ったときのリンク
スピードですが、

壁を一枚隔てただけでもわりと落ちるのか電波強度は強いにとどまりましたが、同様
にしばらくとどまって確認しても175Mbpsの表示が出ていました。2倍以上です。
増幅効果が結構大きいようです。回り込みにくい5GHzの電波でも、対角線にある部屋
でこれくらいのリンクスピードが出ると実用性が高いですね。

今まで中継機がなかったときは、ワイヤレスブロードバンドルーターを1F用に1台用意
してルーター機能は停止して、ホームゲートウェイからLANケーブルを浴室近くまで
引いてきて風呂用として使っていました。長いLANケーブルを引き回すのにルートを
考える必要もありましたし、ケーブルを綺麗に納める方法も考えました。また、電源も
取れる範囲で風呂に一番近いところということで延長ケーブルを使ったりと今思えば
涙ぐましい努力をしていたのですが、今回の中継機を使えば設定が済み次第電波の届く
範囲内のコンセントをいくつか移動しながら効果を確認したりいろいろ試行錯誤が出来ます。
コンセントにつなぐだけですし、大きさもコンパクトということで設置性が通常のルーター
よりもかなり高いので、やはり中継機の力は偉大だなと思うところです。
更新: 2015/05/31
所有端末との接続性&快適性検証 PREMIUM REVIEW

ルーターと中継機間は11acで、中継機から端末までは11n/b/g

我が家のIEEE802.11ac対応機器ですが、



前述のGALAXY J SC-02F以外にもdocomo AQUOS PHONE SH-01Fやau Xperia Z1
SOL23・Nexus 5 16GBと3台のスマートフォンが挙げられます。どれもQualcomm社の
Snapdragon 800 MSM8974をプロセッサとして搭載しており、IEEE802.11acに対応
したWi-Fiモジュールも備えています。SC-02F同様に最高433Mbpsでの通信が可能で、
今回のWEX-733Dでのスペックと合致します。接続性について、Wi-Fiアライアンスの
ロゴが見あたらないことや、パッケージの非対応子機の記載が気になりましたが上記の
スマートフォンは全てWEX-733Dを経由した11acでの接続ができました。この辺りは
スマートフォンでの接続も考慮した製品仕様通りですね。スループットについては、
ルーターにダイレクトに接続した場合は

30Mbps程度出ていたのに対しWEX-733Dを通すと

半分までは行かないものの遅くなります。これは5GHz帯でルーターと接続しているため、
同じ帯域を中継する場合はルーターから中継機・中継機から端末と交互に通信を行うこと
になり速度低下につながるようです。それに比べ、WEX-733Dに2.4GHzで端末を接続
した場合は同時に通信を行うことができるためWEX-733Dまでの11acを利用したスピード
を低減させることなく、2.4GHzの11n/g/bで端末まで届けることが可能となっています。
(デュアルバンド同時接続方式と呼ぶようです)ちなみにスループットが落ちた場合
でも、20Mbps程度はでているのでDLNAを利用した録画機器からの番組ストリーミング
再生には支障が無く楽しむことが出来ました。その他ブラウザやSNSの利用なども、
ルーターに直接接続しているときと遜色ない使い勝手です。

他に手元の11ac対応機器は

Intel Dual Band Wireless-AC 7260を内蔵するNEC LaVie S LS150/LSで、ノートPC
ですがこちら経由で接続すると最大433Mbpsでリンクし安定した通信が可能でした。
スループットの傾向としてはスマホと同様ですが、ワイヤレスアクセスポイントを
増やしたかのような使い勝手で、中継機ということをあまり意識せず使えます。

他社の中継機の場合はアクセスポイントモードに切り替えることができたり、中継機と
ルーターの接続方法同時に繋いだり今回のような周波数帯を決め打ちすることができ
たりするものもありますが、あえてそういう機能を省き導入への敷居を大きく下げた
ことに好感が持てます。仕様として11acに対応という表記はされているものの、電子
レンジや他の機器からの干渉で大きく通信状況へ影響が発生する2.4GHz帯の11n/g/b
の通信状況を改善するためにルーターと中継機の間は極力スループットを落とさない
11acで・そして中継機から端末は大半の端末で対応している11n/g/bでという使い方
に価値があるのではないかと感じました。もちろん、11acで通信できないエリアのため
に中継機を設置して使うということもできますが、前述の通りスループットが落ちます
からね・・・。

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