レビューメディア「ジグソー」

黒檀ハウジングのヘッドホン、その実力は?


ヘッドホン大好きな僕がヘッドホンのレビューに応募しないはずもなく…

黒檀をハウジングに採用ということで木を使っているわけですが、木を使ったヘッドホンは初体験。

Ebony 70をチェック!

スペックをチェック

スペックはサイトからコピペ。(6/17に回答があったため正しいものに書き換え)

 

Driver Unit: moving coil dynamic speaker
Speaker size: 40mm
Magnet: Neodymium
Sensitivity: 113+/-3dB (1kHz, 1mW)
Frequency response: 20Hz-20kHz
Impedance: 40 Ohm
Rated input power: 10mW
Cable: 1.2m TPE jacket
Plug: 3.5mm gold-plated

定格入力の値が妙に低い気がします。影響がないのかあとで見ていきましょう。
それとインピーダンス値が製品外箱に記載のものとサイトのもので違うんですがどっちなんでしょう?

後で気づいたんですが感度の値も違いますね。

Wisetechさんに問い合わせしているので結果はもう少しで判明すると思います。

 

6/17回答あり。

正しいのは製品外箱とのこと。

webサイトについては修正すると回答をいただきました。

たぶん感度も外箱の方が正しいのでしょう。

中身をチェック

製品外箱。小窓から本体が顔を出している。背面にはいろいろ説明が。

箱を開けると、黒檀のハウジングがこっちを向いています。

内箱に高級感は無し。 

本体を出してケースを外し、仕切りを開けると付属品が出てきます。

付属品は、麻のキャリングポーチ、ケーブル、交換用のイヤパッド。

麻のポーチはかなり素朴な感じ。

ポーチに入れて何回か外に持ち出してみたんですが、僕の使い方が悪かったのかポーチの中の糸が早速ほつれはじめました。
取り出すときに糸が絡まってちょっと使いにくいです。

 

ケーブルは2.5mmモノラル両出しを採用。一応交換可能。

交換可能なんですが一度挿してしまうと抜くのに苦労します。

かなり固いですし、抜こうにも持つところが少なすぎます。

 

このケーブル、ヘッドホンとしてはかなり細く、イヤホン並みの細さです。

ちょっと不安ですが、イヤホンも丁寧に扱えば断線しないので大丈夫でしょう。

交換用として他社のケーブルを探してみましたが見つかったのはB&WのP3用高音質ケーブルのみ(ゼンハイザー HD700用のケーブルも使えそうですね)

しかし端子周りの太さ的に使えそうにありません。(訂正:使えました)

純正のケーブルは販売されているのを確認できなかったので販売されていないんでしょう。

どうせ着脱式にするなら純正ケーブルも出しておいた方がいいと思うのですが…

まさか、自作しろという事でしょうか!?

やってみようかな…

プレーヤーに挿すプラグは3.5mmステレオミニプラグ。ストレートでもL型でもない45度傾けてあるプラグは珍しい。

6.3mm標準プラグアダプタはついていないのでもし必要になった場合は別途購入しましょう。

今回のレビューでは必要なので以前購入していたオーム電機のアダプタを使用。

 

装着感をチェック

ヘッドホンは直接体に触れるもの。装着したときに違和感を感じないことは大事です。

また、快適に使えなければ意味がありません。

 

イヤパッドの肌触りはサラサラしていて質感もOK!

 

画像で見ているだけの時はG&BLのヘッドホンの中でEbony 70だけ長い丸型だったのでアラウンドイヤータイプなのかと思っていたらオンイヤータイプでした。

実は僕が持ってる他のヘッドホンは全部アラウンドイヤーだったのでオンイヤーは初体験。

アラウンドイヤー派が感じたEbony 70の装着感は、「思っていたよりいいんじゃない」って感じです。

オンイヤーは耳の上に乗る形になるので圧迫される感じがあるのかと思っていたら意外と圧迫感は少ないです。

側圧はそれなりにありますがイヤパッドが柔らかめなので気になりません。

このくらい側圧が無いとオンイヤーなら装着できないですしこれでいいと思います。

アラウンドイヤーからいきなりだとやはり慣れないのですが、慣れてしまえば問題ないですね。

交換用のイヤパッドは標準装着のものより薄いものなんですが、標準のものと比較するとフィット感が高く、交換後の方が違和感なく着けることができました。

その代わりに標準の物より硬くなってしまっているので側圧が気になってしまう場合もあると思います。好みが合わない場合は標準の物を使うほうがいいですね。

ヘッドバンドにはパッドがついていませんが本体が軽いのでパッドが無い事による違和感もありません。

 

もし、Ebony 70を着けたままで歩くようなシチュエーションがあるとしたら普段よりヘッドバンドのアジャスターを1~2段緩めておきましょう。

そうしないと折りたたみのために回転しやすくなっているハウジングのせいでアームとハウジングのぶつかる音がコツコツと耳障りです。

 

さて、この先ではテーマに沿って音などについて触れていきましょう!

※ここから先はあくまでも個人の印象です。

更新: 2014/06/20
音の印象と製品デザイン PREMIUM REVIEW

Ebony 70はどんな音なのか。

再生機器はPC+FOSTEX HP-A4とSONY ウォークマン NW-F886の2種類でホーム・ポータブルユースでの音の印象を確かめます。

PCで全体の印象をチェックしてポータブルでもその印象が当てはまるのか見ていきます。

エージングまではPC環境のみ、それ以降はウォークマンと併用しました。

ハイレゾについてはあとで触れるのでここでは圧縮音源を使用します。

音源はこちら。

  1.  fhána『ケセラセラ』→J-POP,アニメ系代表。ボーカルの透き通る声とサンプラーによる打ち込みとの相性をチェック。
  2. Audioslave『Your Time Has Come (Album Version)』→ハードロック代表。「Flatout2」というゲームでこの曲を知りました。このジャンルならではのベースの重さ、激しさをどう表現してくるのか、音がゴチャっとしていないかをチェック。
  3. 服部 隆之×宮本 笑里 with 仙台フィル『Les enfants de la Terre~地球のこどもたち~』→オーケストラ系代表。「THE世界遺産」のエンディング曲。オーケストラの雰囲気はEbony 70の見た目のイメージとしてピッタリな気がするのでホントにピッタリかチェック。

これ以降では各音源をジャンル名で紹介しますがハイレゾの部分を除き音源は全て上に紹介したものを使います。



 

 まずはPC+HP-A4。

+

再生ソフトにはfoobar2000を使用。

まずは開けてすぐの印象なんですが、非常に低音が強く籠っていると感じました。

さすがにこのままでは「これはダメだ」と言わざるを得ないと思えるほどだったのでエージングしてやることに。ここから15時間ほど聴かずに流しっぱなし。

すると、籠っていた印象がかなり薄れて高音も出てくるようになりました。

これ以降も夜寝ているときは流しっぱなしという状態を数日繰り返した結果籠った印象はほぼなくなりました。

黒檀のハウジングのおかげなのか、輪郭が柔らかく、刺さる感じがありません。

イヤパッドでの違いは、標準タイプの方がより低音寄りになる傾向があり、薄いタイプの方がフラットに近い低音寄りになります。また、薄いタイプの方が音の輪郭がはっきりします。

 

それぞれのジャンルについて見ていきましょう。

J-POP(女性ボーカル&打ち込みチェック)

標準イヤパッドだとボーカルがかなり遠く感じられます。薄いタイプを使うと改善します。

打ち込みとの相性も標準イヤパッドだとモコモコしてしまうのに対し、薄いイヤパッドであればモコモコが完全には抜けませんが許容できるレベルになります。

薄いタイプのイヤパッドがおすすめです。

ハードロック(激しいリズム感、音の分離感チェック)

多少柔らかくされてしまいますが、太く重い低音が軸になっている感じはGood!

ただし、ベースがかなり強くなってしまい、他の音が一歩後ろでゴチャっとしているように感じられます。分離感は今一歩。

イヤパッドはどちらでも問題ないです。あえてどちらかと言えば標準イヤパッドの方が骨太な感じ。

オーケストラ系(見た目のイメージ通りなのかチェック)

イメージ通りオーケストラ系の曲にはぴったり。

木ならではの柔らかい響きが何とも言えないですね。

ちょっと低音強めで重厚な雰囲気。

このジャンルが一番相性がいいと言えます。

イヤパッドはどちらでも問題ないです。より重厚な感じを求めるならば標準タイプ、高域の伸びやかさを求めるなら薄いイヤパッドがおすすめ。

もっと高音域の伸びがあればいいですね。


次はNW-F886。再生アプリは純正のW.ミュージック。

DSEE HXやClearAudio+などの機能は全てOFFにします。

音の全体的な印象はPC環境とあまり変わりません。ですが、やはりポータブル向けな音だなと思いました。

静かな所で聴くとちょっと低音が多いと感じられる音質なんですが、持ち出して使ってみるとあら不思議。これくらいじゃないと低音不足に感じられてしまうんです。

遮音性が少し低いので周りの騒音は多少聞こえます。こういったときはこれ位の低音のバランスの方がかえって都合がいいんです。

 

ちなみにウォークマンに搭載される「ClearAudio+」とは相性が悪いです。

全てのジャンルにおいて低域だけが強調され、中域が行方不明になっちゃうんじゃないかというほど遠くに行って籠ってしまいます。


見た目のイメージ通りなウォームな音でした。だからといって籠りすぎる感覚になっていないところが絶妙ですね。

最近メインで使っているヘッドホンが、解像度の高い機種だけに籠っている感覚が少しはありますが…

 

イヤパッドは装着感の変化以外にも音の変化という形で影響してきました。

好みに合わせて変えてみる。そんな楽しみも多少あるようです。

 

やはり、定格入力が極端に低い影響が出ていました。

聴いているときに「バリッ」とノイズが出ることがあります。

特に、最近のJ-POPなんかは音圧が高い傾向にあるので別の曲では聴けていた音量でノイズが…なんてことも。

もちろん音圧が低い曲でも音量の上げ過ぎは歪み・ノイズの原因になります。

確認したのは今回の試聴音源ではないのですが、ねごとの『真夜中のアンセム』の冒頭にあるバスドラムが単独で入るところを他の音源と同じ音量で何気なく聴くとノイズが出ると感じました。

能率が高いのでちょっと小さ目にしておいても音量を稼げることが救いです。

PC環境では音量調整に気を遣ってしまいます。この辺もポータブル向けだなと思う一因。

ハイレゾ対応プレーヤーはヘッドホン出力が従来のものと比べて強力なものになっている場合もあるのでその場合も少し音量を下げ気味で聴くのがいいと思います。

 

音量に注意すべき項目は他にも。

バスポートと思われる直径約1.5mmの穴が5つ開いています。

この穴から音が漏れます。

 

こういったことを考慮しながら耳に優しい音量で音楽を楽しみましょう!




 

次はデザイン。

さすがに木を使っているだけありますね。

左右で木目が違います。

この木目の組み合わせは世界に1つだけ。

木のヘッドホンにはそんな所有欲を満たしてくれるようなポイントがあります。

Ebony 70はハウジングに光沢を出すような加工はされていませんが僕はこっちの方が木らしい感じがして好きです。マットなヘッドバンドともぴったりマッチしています。

その中に光沢のあるG&BLのロゴマーク。これが1ポイント見た目の軽快さを演出しています。

ちなみに友人もカッコイイと言っていました。

 

ヘッドバンドはとてもシンプル。

マットブラック一色です。

パッドも装着されておらずプラスチックのバンドがついているだけ。

見た目からも軽そうだという印象を与えています。

 

ハウジングのデザインセンス・質感がいいだけにヘッドバンドの細かい部分が気になってしまいました。

普段はあまり見えない部分なんですが、ところどころバリが残っています。

ちょっと残念っちゃ残念なんですが、気にしなきゃいいだけですし、切ってしまえば見た目も美しくなります。

更新: 2014/06/20
Ebony70 と、その他のヘッドフォンとの比較 PREMIUM REVIEW

僕の持っているヘッドホン達と聴き比べてみます。

比較には次の4機種がエントリー。

  • SENNHEISER HD449
  • AKG K550
  • PHILIPS Fidelio L1
  • AKG Q701

応募時にはQ701をどうしようか迷って、最終的に書かずに応募しましたがどうせなので参戦。

番外編と思ってください。

見てみるとこの中に、直接ライバルとなるような機種はありません。

価格帯的には上位か下位のものしかありませんし、Ebony 70がオンイヤーなのに対して他は全てアラウンドイヤー。Fidelio L1はセミオープン、Q701に至っては完全に開放です。

というわけで、あくまでも全体の質感と重さ、音にフォーカスを絞ってレビューしていきます。

細かい比較の前に各機種の仕様を比較してみましょう。

重さは各機種ごとに表ではメーカー記載値、比較紹介においてケーブル込み(Q701はケーブルなしもあり)での実測値の画像を掲載するので参考までに。
重さはTANITAのクッキングスケールで測定しました。HD449が乗らなかったので適当に箱を乗せ、その状態を0として測定しました。

表の数値は各メーカーのホームページに記載の仕様値、価格は6/6現在のamazon.co.jpのものを参照しました。(Ebony 70のスペックもとりあえずサイトの記載値を使用→正しいものに差し替えました)

目につくのは、Ebony 70の軽さと定格入力の低さ、Q701のインピーダンスの高さ。

Q701のことは置いておくにしてもこの中ではEbony 70の軽さは別格ですね。

147g(ケーブル込み実測149g)です。

しかし、オンイヤーであることを考えるとそこまで特筆したものでもないような気もしますね。

いろいろ調べてみましたが130g以下のモデルもそれなりに見つかりました。

 

比較に用いた機器、ソフト、音源は[Sound]の項目と同じです。

ただし、Q701がある関係でPC+HP-A4でのみ評価を行いました。



 

SENNHEISER HD449

全体の質感としてはEbony 70の方が高いです。

Ebony 70はプラ部品も触った感じがHD449よりいいし、イヤパッドもHD449よりいいものを使っています。

本体の重量はケーブル込みでメーカー記載に近い値となりました。軽いのはHD449も同様ですがやはりEbony 70の軽さは際立っています。

実際に持ってみて軽さに拍子抜けするのはHD449の方でしょうね。

ヘッドバンドはEbony 70の方が華奢で今後HD449のように広がっていかないか気になるところ。アジャスターも機構が似ているような感じなので使っていくうちに何段目か明確に分からなくなってしまうんじゃないかと思います。

 

音の方では、ボーカルは遠く感じられるという印象こそ共通ですが、HD449の方がまだ近く感じられます。打ち込みもHD449の方がモコモコしていません。

ハードロックでは低音の重みでHD449を上回るものの、特にギターの速弾きパートではベースに押されてしまってギターのパフォーマンスが味わえないです。

オーケストラ系では、線が細い印象ながら伸びやかさを感じられるHD449の方が好印象。

 

今回はHD449を下位価格帯の製品として比較対象に加えましたが、総合的にみるとゼンハイザーのヘッドホンは廉価モデルでも音の完成度は高いということがわかりました。

しかしながらEbony 70が圧倒的に悪いかというとそういうこともないということは付け加えておきたいです。デザインであったり質感であったりと言ったところで勝負といった感じですね。


AKG K550

質感は圧倒的にK550が上。全体にしっかりした作りになっています。

本体の重量はメーカ記載値がケーブルを含まないものとしていますが今回、ケーブル込みで測定したところ387gでした。

K550は輪郭がはっきりとしていて解像感の高く、密閉であるにもかかわらず開放の様な芳醇な音であるのに対して、Ebony 70は柔らかく、攻撃的な刺さりがない音。

どちらも聴き疲れするような音ではないです。

ジャンル別でいくと、オーケストラ系の相性は中高音の楽器に強いK550と低音の楽器に強いEbony 70と言った感じで好みが分かれます。

ボーカルとの距離感はK550の方が近くに感じられ、ダイレクト感といった観点からもK550に軍配が上がります。

ハードロックではEbony 70の方が低音に重みがあり満足感を得ることができる。一方で、音の分離感ではK550の方が高くギターの速弾きは楽しめました。


PHILIPS Fidelio L1

これも質感では敵わないです。

Fidelio L1のしっかり感はやはりすごい。

本体の重量はメーカー記載値に近い値になりました。

Fidelio L1は得意なジャンルが今回比較した中で一番Ebony 70に近いです。

生楽器系が得意で、低音の重さもある。

違いがあるとすれば音の分離感と高音の出方と利用シーンくらいです。

音の分離感と高音はかなり大きな違いで、Fidelio L1とEbony 70が目指している音の違いと言えます。

特に高音の出方はFidelio L1ではできるだけありのままをというスタンスで結構攻撃的な刺さりが発生することもありますが、Ebony 70ではそのような刺さりが全くなく、和らげられています。

利用シーンについてはハウジングタイプも関係して、Fidelio L1が室内で使いたいタイプであるのに対し、Ebony 70は外で使いたいタイプです。


AKG Q701

番外編。

本体の質感はQ701にもところどころ安っぽいところがあるので互角と言ったところ。プラ部品も触った感じに差はないです。

ちなみに重量は代理店の誤植説もあるほどですが、ケーブル込みだと表記より125gほど重いです。

ケーブルなしでも60gほど重いという結果になりました。

音の性格はある意味真逆。Q701は高音にキラキラ輝く個性があります。

とにかく滑らかで伸びのある高音は圧巻。

低音量が欲しいジャンルでない限りEbony 70では対抗できないです。

これは、開放型という形状も関係しているのかなと思います。



 

総合結果

 

4機種のヘッドホンと比較してみましたが、僕が順位付けするならこんな感じ。


本体

質感

Fidelio L1≧K550>Q701≧Ebony 70>>HD449

質感は剛性感が高くレザーのヘッドバンドなど高級感のあるFidelio L1がトップ。

続いてアルミを多用し作りのしっかり感がうかがえるK550が2位。

3位はヘッドバンドに耐久性という意味で不安要素はあるもののそれ以外は高ポイントなQ701。

Ebony 70はハウジングこそいいものの、ヘッドバンドに気になるところが散見され4位。

HD449は本体の質感という点では安さが見えてしまい5位。

ポータブル性

Ebony 70>HD449>>Fidelio L1>K550>>>Q701

これは仕方ないですね。

Q701はものすごく音漏れもするしそもそも持って歩くようなもんじゃないですし、K550はケーブルが長いし、Fidelio L1はかなり音漏れするし、HD449は軽いけど折りたためません。


 

J-POP(ボーカル)

K550≧Q701>HD449≧Fidelio L1>Ebony 70

Ebony 70はボーカルがかなり遠いのが気になりました。

それと、「今はそこにある奇蹟を見つめていよう ここから」という歌詞のところで「ここから」の部分はだんだん音が上がっていくんですが最後の「ら」だけ急に近づいたような音になり、つながりが滑らかじゃない印象がありました。

J-POP(打ち込み)

Q701≧K550>HD449>Fidelio L1≧Ebony 70

モニター系のAKG2機種がいい印象。

それ以降の3つは順位づけに迷ったのですが、Fidelio L1とEbony 70はちょっと打ち込みの音がつぶれている感じがしたのでHD449が3位。

ハードロック(低音の重み,リズム感)

Ebony 70≧Fidelio L1>HD449>>Q701>K550

低音の重みはEbony 70の強みとなるようです。

かなり力強い重低音です。

AKGの2機種は低音が少なめであることと、音を丁寧にまとめてしまうあたりも関係してハードロックとの相性は微妙。

ハードロック(音の分離感)

Q701≧Fidelio L1>K550>HD449>>Ebony 70

音の分離感ではQ701とFidelio L1がかなり強いです。

Ebony 70では、ベースが強く押し出される代わりにそれ以外の音が引っ込んだようになっています。このポイントでは他に勝てない印象。

一つ一つを聞き分けるモニター的使い方では無い事がわかりますね。

オーケストラ系

Q701≧K550≧Fidelio L1≧HD449≧Ebony 70

これに関してはEbony 70のために言うと他のヘッドホンもオーケストラ系はとても得意で今回の比較対象機の中で飛び抜けてよかったという印象ががありませんでした。

どれもいい中であえて並べるならこんな順番と言った感じなのでほぼ同点と考えてもらって構いません。

それぞれにそれぞれの良さがあります。

Ebony 70は重厚な雰囲気が好印象なのに対し、Q701は伸びやかな高域が印象的。

Ebony 70にはもうちょっと高域の伸びがあれば良かったかな…


こうやって見ると「なんだ、ダメじゃん」と思えてしまうところなんですが、柔らかい低音好きな人が聴いたらかなりはまる音だと思います。

更新: 2014/06/20
ハイレゾリューションオーディオの試聴 PREMIUM REVIEW

さて、最近話題の「ハイレゾ音源」。

ソニー本格参入やアニソンのハイレゾ化で一気にマーケットが広がったハイレゾの世界。

最近では業界団体が「ハイレゾ」の定義を発表しています。

JEITAの定義(pdf)は「CDを超えるディジタルオーディオ」とかなり広義ではありますが主にソフト面に対して。

日本オーディオ協会の定義(pdf)で、ヘッドホンに関係するところでは「40kHz以上が再生可能であること+各社の聴感評価で認められたもの」などハード面でそれぞれ定義されています。

この定義を見てしまうとEbony 70は一般には「ハイレゾ対応」とは言えない製品です。

では、Ebony 70はハイレゾ時代の音でどんな印象になるのか…?
再生機器・ソフトウェアは全てハイレゾ対応のものを使用してきたので今までと同様。

イヤパッドは交換用として付属している薄いタイプを装着。

音源には次に紹介するmoraで購入したFLAC(24bit/96kHz)を使用します。

同じくmoraで購入した非ハイレゾ音源(AAC/320kbps)も所有しているので非ハイレゾ音源に対して優位性を確認できるのか確認していきます。

  1. miwa『LOVE LOVE LOVE』→「私とドリカム -DREAMS COME TRUE 25th ANNIVERSARY BEST COVERS-」より。
  2. ClariS『カラフル』→「PARTY TIME」より。

 

結論

正直、大きな優位性は確認できませんでした

どちらの音源においても細かく聴いていくと音の粒立ち感だとか音が消えるときのリアル感だとかといったような優位点を見つけることができるんですが、これらはEbony 70で聴いている分には非常に小さな差です。

ハイレゾでクリアになるはずの箇所も柔らかくしてしまうのが要因だと思います。

確かにハイレゾにしたことによる優位点はあります。でも差が小さすぎる。

 

HD449の方がハイレゾと非ハイレゾの差を感じられます。




 

 

最後に

G&BL Ebony 70は解像度が高くない代わりにとにかく使用者が聴き疲れするような刺激を与えないようにする音が印象的でした。

エージングをしてやらないと籠った音でしかないことや、定格入力が低い事が残念です。

特に定格入力は低いことで使い道が狭まっている気がします。

 

1万円前後の価格帯というのは多くの機種がある中で「G&BLのヘッドホンが候補にあります」という人はあまりいないでしょう。

確かに、取扱店舗は少ないので聴いてみることが難しい以上、候補に入れるのは不安という気持ちもわかります。

僕としては「もっと低音が欲しい」、「今使っているのは聴き疲れする」という人には候補に入れてほしいと思います。

「あぁ、そんなのもあったね」程度でもいいんです。

 

逆に「籠るのは嫌だ!」、「解像度が高いほうがいい」という場合にはあまりお勧めしません。

 

決して万人向けとは言えませんが好きな人にとっては大好きな音。それがEbony 70の音と言えます。

好みが分かれる音というのはそれだけ個性がはっきりしているという事でもあります。

 

最後になりましたが、今回このような機会を与えてくださった株式会社 WiseTech様ならびにzigsow事務局様に御礼申し上げます。

ありがとうございました。

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