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Intel GalileoでDLNAサーバー構築

このプラットフォームをPCサーバー的に使用する際に留意すべき点がある。

①電源系の実装が貧弱で、突入電流に弱い。

②①よりUSB機器の実装方法に注意する必要がある。

この点に留意しながら、システムを構築してみる。

 

基本デザイン

電源:ボードに5V/2A。ストレージ用に12V/2Aの二つの電圧供給

パッケージング:ボードとストレージを別体にすると、HDD外付けケースを使用することができ簡便なのだが、今回はあえて一体型にこだわる。

 

ソフトウェアの構築

DLNAを動作させるOSはDebianにする。

選択の理由は使い慣れているためだ。

rpmパッケージに慣れている方はそちら方面を使用すればよいし、ディストリビューションはslackwareでもなんでも構わないと思う。

 

debootstrapを使用してパッケージを構築する

  • Galileo用Linuxカーネルに対して、debootstrapコマンドで環境を構築する。

基本的な情報はDebian.jpにあるが、もっとも直接的な情報として次のページを挙げておく。

How to Install Debian(wheezy) on Galileo

上記ページの「udevの禁止」項目が終了したら、実際にHDDを取り付け、blkidコマンドでHDDのUUIDをチェックし、fstabにマウントポイントを指定してやる。

  • mediatombをインストールする。chrootの状態でapt-get install mediatombを実行する。

インストールが完了したら、mediatombを設定する。

UbuntuTips/Server/DLNAserver

設定方法などは上記サイトが読み易いだろう。ただし、geditというエディタはインストールされていないので、nanoに読み替えてください。

  • ファイル転送の仕組みを導入

sambaやFTPを使用してクライアントから楽曲ファイルをサーバーに転送する仕組みを構築する。

sambaの方がクライアントからの管理が楽ではあるが、今回はより軽く設定が楽なFTPで行う。

設定方法は、FTPサーバー構築 - Vsftpdがわかりやすいだろう。

あとはHow to Install Debian(wheezy) on Galileoに沿って完了させれば、ソフト的環境構築は終了。

 

ハードウェアの構築

冒頭に書いたように、このボードは電源系が弱い。

特にUSBの取り扱いに関して、ボードが起動してから接続しないと壊れると公式サイトに記載されているくらいだ。

  • USBデバイス遅延起動用リレー

そこでリレー式タイマーを作成して、ボードが起動してからHDDのUSB経路をつなぐ仕組みをとる。

パーツ等を一から揃えるとかなり手間な環境もあるだろう。そこで、入手しやすいキットを使用する。

ただし、このタイマーを遅延して通電し、電源断でリレーが開くようにちょっとした改造を行う。

といっても簡単なことなんだけど・・・

 

黄色部分が本来ならタクトスイッチ取り付け箇所なんだが、ここにコンデンサを入れてやる。

転がっていた25V10μFで問題なく期待動作してくれた。

  •  OTGケーブル

GalileoボードとUSB機器を接続するためのケーブル

  •  USB中継コネクタ・基板

リレー制御回路を割りこませるために使用する。

  • USB-SATA変換ケーブル

ケースに格納した時に、収まりが良いようにあえてケーブルタイプを選択しました。

これ以外に小型の基板タイプの商品もありますが、却ってケース内で嵩張りました。

  • 電源

FlexATX電源を用意してみました。

古いものを使用する時に気をつけないといけないのは、定格電圧が出ているかどうかのチェックを、電源チェッカーなどでチェックすることです。

気をつけないといけないことに、マザーボードを接続していると問題なく動作する電源でも、電圧チェッカーだと動作しないような振る舞いをする電源が有ります。

これは、5V系の負荷が小さい時、12V系が出力されない仕様のものがあるためです。

  • ハードディスク

データストレージとしての安定性とコストパフォーマンスで選択しました。

  • ケース

・高さ: 90mm 幅: 210mm 奥行: 350mmというサイズにすべてのパーツを入れてみたのですが、いくら試験製作とは言え大きくなり過ぎました。

 

  • モックアップ

 

かなりデカイです。

  • 外部電源化とパーツ変更によるダウンサイジング

FlexATX電源ではケースサイズが大きくなりすぎるので、外部12V電源とDC-DCコンバータとで電源供給するように仕様を変更。

ケースはLead社のカバー付きアルミシャーシ(Pシリーズ)を使用。

DC-DCコンバータはヤフオクでおそらく中国産のものと思われる可変タイプ最大5Aのものを選択。

 

モックアップ

結論

当初の「GalileoでDLNAサーバー構築」というソフトウェア的課題は、一応クリアすることができた。

しかし、それをハードウェアを含めて具現化しようとすると、かなりジャンキーなものしかできずパッケージデザインもハッキリと劣る。

 

それらを踏まえると

①PCサーバー的に使用するなら、専用シールドのリリースが望まれる。

②専用シールドがないとすると、Galileoボードで手間をかけて制作するより、raspberry piとか従来のMiniITXやNUC規格のボードで制作したほうが、デザイン的に優れているし導入も楽である。

さらに、小型化も容易だ。

 

と、現状では作って楽しむ喜び以外、成果物に対する満足度はかなり低いものとなりました。

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