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AMD APU採用でPCに近くなったハードウェア構成の次世代機”PlayStation 4”検証

zigsowプレミアムレビュー シークレットミッション”SCE PlayStation 4”のレビューです。

ゲームの感想については各タイトルの登録で行っていますので本体のレビューではハードウェアの作りや消費電力検証と感想を中心に紹介します。



2013年11月15日に海外で販売開始されたソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE)の次世代機です。(日本国内は2014年2月22日)

APU(CPU)にAMDのJaguarベースの8コア カスタムAPUを採用。メインメモリに高帯域のGDDR5を8GB搭載。PlayStation 3のCPU Cellが採用されなかったのは残念ですが、強力なGPUと高速なメインメモリがCPUパワー不足を補っています。

APUパワー的にエミュレーションは厳しくPlayStation 3(1と2含む)との互換性はありません。現状では基本的にはPlayStation 4専用タイトルのみプレイ可能です。

シェア機能(動画配信機能)が充実していてPlayStation 4単体で動画をインターネット上に公開することができます。動画の編集機能は簡易的なものですが実況プレイなどには必要充分です。(OS1.70現在、プレイ動画のアップロードはFacebook、ブロードキャストはニコニコ生放送に対応。)

本体は一部光沢処理されていますが基本的にマット処理で傷が目立たないようになっています。
全体光沢仕上げのPlayStation 3の初期モデルのような扱い難さはありません。


こちらは専用コントローラーのDUALSHOCK 4。

本体とのリンクと充電に使用するUSB端子はDUALSHOCK 3の”USB ミニB”からスマートフォンでおなじみの”USB マイクロB”に変更されています。傷や汚れがつきやすい"十字キーとボタン周りが光沢仕上げ"と謎な部分もありますが全体的な質感は良好です。


付属品は”説明書、ACケーブル、USBケーブル、HDMIケーブル、ヘッドセット”。
PlayStation 4から映像出力ケーブルとしてHDMIケーブルが標準付属になりました。



ひし形デザインの本体は意外と小型で軽量。PS3の初期型と比べると完成度はかなり高くなっています。


出力系はアナログが廃止されてHDMIのみになっています。HDMIの普及率は高いのでとくに問題にはならいとは思いますがコンポーネント(D端子)で接続したいと考えている人は要注意です。

電源ケーブルは開発者が消費電力を200W未満に抑えることに拘ったという2芯の細いタイプです。PS3の初期モデルではPCなどに使われている太い3芯タイプで扱いにくかったのが懐かしいです。

動作音は静かですが長時間動作時にはファンの回転数が上がりファンノイズが聞こえます。
消費電力も70W~と排気温度も高めなので、密閉された場所での稼動はお勧めできません。


SSDレビューで紹介していますが、HDDシャドウベイへのアクセスはかんたんに行えるように工夫されています。できれば3.5インチドライブを搭載できるとうになっていたら4TB化などさらに面白くなったとは思いますが、大容量HDDへの交換やSSD化などユーザーがカスタマイズできる要素を残してくれたことに感謝です。


本体は横置きでも悪くありませんが、設置面積を考えると縦置きがお勧めです。
縦置きスタンドは別売りなのは残念!



メニュー上段
メニュー上段

PlayStation 4のOSにはFreeBSD 9.0ベースのマルチスレッドに対応したOSが採用されています。

メニュー画面はPlayStation 3やPSPでお馴染みのXMB(クロスメディアバー)は廃止されて”上の段はメニュー、下の段は利用可能なアプリ一覧”というシンプルなメニューに変更されています。設定などを行う場合はメニューを選択して深い階層に入る必要はありますが操作性やレスポンスは良好でストレスはありません。PlayStation 3ではゲーム起動中にメニュー(XMB)を表示すると処理落ちで動作はカクカクでしたが、PlayStation 4のメニューは処理落ちもなく快適です。

メニュー 下段
メニュー 下段

マルチスレッドに完全に対応したおかげでゲームプレイ中でもバックグラウンドでゲームやOSなどのアップデートファイルを平行してダウンロード可能。ゲームのデータのインストールも最低限必要な前半のファイルの転送が終わった次点でゲームを起動できるなど、ユーザーを待たせないような作りは好感が持てます。

PlayStation 3よりPSNとの連動が強くなっているのでメニューの一部はPSNにログインした状態でないと利用できないものが多いです。

マルチメディア機能に関してはBDとDVDの再生に対応。メディアを挿入するとメニュー下段に表示されます。(要:HDCPオン)

残念なことに、PlayStation 4(OS 1.70現在)にはDLNAクライアント機能とCDプレイヤー機能は搭載されていません。マルチメディアプレイヤーとして利用できない点についてはPlayStation 3から劣化しているわけで早期の対応に期待します。(*DLNAクライアント機能についてはOSアップデートで対応する予定という情報あり)




PlayStation 4は専用コントローラーにDUALSHOCK4が付属。DUALSHOCKシリーズはDUALSHOCK2で完成の域に達しているといえるほど完成度の高いコントローラーです。DUALSHOCK4はボタン数こそDUALSHOCK2/3と同じですが、新しくタッチパッドとマイクを中央に設置して操作法のバリエーションを増やしています。

DUALSHOCK 3(SIXAXIS)と同じく3軸のジャイロ&加速度センサーと振動機能も内蔵しています。

タッチパッドは静電容量式で30x50mmと大きくはありませんが操作性は良好。押し込み操作にも対応しています。(写真のコントローラーは保護フィルムを張っているため光沢感有り)


DUALSHOCK 3と比べるとタッチパッドを配置する関係でアナログレバーの間隔が6mm程度広くなっていますが違和感はありません。手前側面にヘッドセット接続用端子も用意されています。


L2&R2ボタンはトリガー形状に変更しホールド性を向上させて入力しやすくなっています。
かわりに押し込むときに素材が軋むような異音が聞こえるのが気になりました。


PlayStation 4本体とのリンク時は背面に搭載されたLEDが光ります。DUALSHOCK3では1~4の個別LEDで何番でリンクしているか確認できましたがDUALSHOCK4ではLEDの発光色で確認できるようになっています。(1:ブルー、2:レッド、3:グリーン、4:ピンク)




歴代のPlayStation 3と共にPlayStation 4の消費電力を計測して比較してみました。
ファームウェア(システムソフト)は検証時の最新版にアップデートを適応しています。
(PlayStation 4とPlayStation 3では互換性が無いので使用したゲームは異なります。)

<メニュー画面>
・PS4 HDD 500GB : 84W
・PS4 SSD 480GB : 79W
・初期型PS3 60GB :168W
・PS3 320GB CECH-2500B : 72W
・PS3 250GB CECH-4000B : 72W

アイドル時に近い状態のメニュー画面の消費電力です。

予想ではPlayStation 4は40W台にのるのではないかと期待していたのですが高クロックのGDDR5メモリの影響か80W近い消費電力でした。

初期型のPlayStation 3は168W!とディスクリードGPUを搭載したハイエンドPCより消費電力が多いのには驚きです。


<ゲームプレイ時>
・PS4 HDD 500GB :141W
・PS4 SSD 480GB :139W
・初期型PS3 60GB :227W
・PS3 320GB CECH-2500B : 81W
・PS3 250GB CECH-4000B : 80W

ゲームプレイ中の消費電力です。
(*プレイしているゲームはPS3とPS4で異なります。)

PlayStation 4は140W代とミドルレンジのGPUを搭載したPC並みといったところでしょうか。
画面を常に録画しているのでその分の負荷も消費電力に加わっているようです。

PlayStation 3の初期型では227WとゲーミングPC並みの消費電力です。
CPUとGPUのプロセスルールが進んだ後期モデルでは80Wまで低く抑えられています。


<DLNAクライアント・動画再生>
・PS4 HDD 500GB : N/A
・PS4 SSD 480GB : N/A
・初期型PS3 60GB :171W
・PS3 320GB CECH-2500B : 75W
・PS3 250GB CECH-4000B : 75W

PlayStation 4は現在DNLAクライアント機能は搭載されていないためデータは取れませんでした。システムアップデートで対応予定ということなので後日対応されたときにデータを追記する予定です。



(C)SQUARE ENIX / TOMB RAIDER DEFINITIVE EDITION
(C)SQUARE ENIX / TOMB RAIDER DEFINITIVE EDITION

ローンチタイトルを2本プレイしてみての感想です。

グラフィック性能に関してはハイエンドPCには及びませんが軽いOSと固定スペックのハードという特性を活かし処理の負荷率を調整することで60fpsを実現しているようです。ソフトメーカーはかなり苦労しているようですが、ローンチタイトル全体で高いクオリティを実現しています。今後ハードウェアを使いこなすことができるようになった時にどのようなクオリティのゲームが出てくるのか期待が膨らみます。

ゲーム中のファンノイズについては負荷率の高いシーンではファンの風きり音が気になりますが通常では比較的静かでプレイを妨げることはありません。

(C)2014 Sony Computer Entertainment / KILLZONE SHADOW FALL
(C)2014 Sony Computer Entertainment / KILLZONE SHADOW FALL

PlayStation 4の一番気になっていたのは消費電力と発熱(廃熱)です。PlayStation 3の初期モデルは200W以上の消費電力と凄まじい発熱に悩まされましたが、PlayStation 4は消費電力や発熱を考慮しACケーブルも2芯の細いタイプに拘ったということでワットパフォーマンスの高いAPUを採用する事で初期モデルから”筐体のサイズ、発熱量”などを許容範囲内に収めてきたのには関心しました。縦置きスタンド(別売り)を使用することで設置スペースもPlayStation 3後期のスリムモデルと同程度です。

カスタマイズされた8コアのAPUにGDDR5のメインメモリと自作PCでは組むことができないスペックに魅力を感じます。PlayStation 4の高帯域なメインメモリをフル活用したタイトルのリリースに期待しています!


<2014/06/19>
・誤字(記号の表記ミス)を修正しました。

23人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • notokenさん

    2014/05/18

    不便になりました。外部入出力系。

    アナログが一番使いやすいんですけどね。
  • Sheltieさん

    2014/05/18

    ●notoken さんへ
    ですね。コスト削減のほかにPS3もCECH-3000からBD再生時のアナログ出力はSD解像度までと制限が入りましたから、そのあたりも関係しているのかもしれません。

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