レビューメディア「ジグソー」

PCに何もつけずにテレビへのHDMI接続を無線化できる製品


初版:2011/09/23
追記:2021/09/05(Miracast対応アップデート)

2度目のプレミアムレビューはワイヤレスディスプレイアダプタでした。今回レビューの機会を
与えてくださった関係各社さまにこの場を借りてお礼申し上げます。

この製品はIntelの第2世代Core iプロセッサを搭載し、CPU内蔵のHDグラフィックスを使用していて
無線LANモジュールがIntel MyWiFi テクノロジに対応したノートPCで使用できるIntel WiDi機能用
のアダプタで、テレビにHDMIやコンポジット映像/音声で接続することによりPCとテレビの間を
ワイヤレスで接続してテレビ画面に出力することができます。規格的にはWiDi 2.1に対応しており、
初代1.0では720p出力までだった解像度がフルHDとなる1080pまで向上しています。また、前モデル
のPush2 TVではデュアルバンド(11b/g)だった無線規格がクアッドバンド(11a/b/g/n)になって
います。流石に1080pを11a/gでは送信できないんですかね。圧縮はされているようですが。

パッケージ裏面にはできることが書いてあり、対応システムについても軽く説明されていますが
店頭で販売されているノートPCの多くはIntel WiDi対応の記載が無く、カタログやメーカーサイト
で調べないといけません。また、今回のレビューで使用する



SONY VAIO C 15.5インチモデルも、店頭モデルかオーナーメイドでフルHD液晶とAMD Radeon
HD 6630Mを選択しないとWiDi機能が利用できません。後者はハイブリッドグラフィックスでIntel HD
グラフィックスを利用する設定にしないと使用できないので、折角の高速GPU処理を生かせない
のがちょっと気になるところです。似たような構成でも、無線LANアダプタがAtherosやBroadcom
製のためにWiDiを利用できないケースも多く、対応OSもWindows7のみとなるのでなかなか制約
が多いですね。

このアダプタも当初は著作権保護(HDCP)がされた映像の表示ができないWiDi 2.0規格対応
モデルだったのですが、WiDi 2.1にアップデートされていて著作権保護のされた映像の表示が
できるようになっています。PC側のIntel Wireless DisplaySoftwareも最新版にアップデートする
必要がありますが、これに対応することによってノートPCで再生するBD/DVDもワイヤレスで
大画面テレビにて楽しめるようになるため、やっとホームユース向けになってきたなと思いました。

箱を開けて内容物の確認ですが、ちゃんとHDMIケーブルも付属しているためすぐに大画面テレビ
に接続して利用できます。コンポジット映像/音声出力もありますが、画質は文字が判別できない
程度なので使う人はそれほどいないかと思います。こちらを使う場合は別途ケーブルを用意する
必要があります。他は1枚の紙が折りたたまれたインストールガイドと注意書き・ユーザー登録
用紙となっており、厚い説明書がないくらいにシンプルな構成となっています。

本体はこんな感じです。上部に貼り付けてある保護ビニールは使用前にはがすよう注意書きが
されています。はがすと

こんな光沢のある黒い筐体になっていました。上端の部分にぐるっと放熱口がついているため、
保護ビニールをはがさないと熱がこもってしまうのだと思います。デザインは同社のLANハブや
ワイヤレスルーターみたいな感じですね。コンパクトにまとまっているため、

薄型テレビのスタンドと画面の間にもすっきり収まります。今回テストに使用する東芝REGZA
37Z9000ですが、上部にかなり余裕があるので放熱的にも問題なさそうです。

ちなみにテレビとPCはテストのため別室同士に置いています。無線LANの届く距離であれば問題
ないようです。早速接続作業を行います。まずHDMIケーブルの片方を

テレビのHDMI入力に接続し、もう片方を

アダプタのHDMI出力に接続します。次にACアダプタを繋げば接続は完了です。HDMIのおかげで
テレビとの接続はケーブル1本で済むのが楽な感じです。ACアダプタを繋ぐと、出荷時の状態で
裏側のスイッチが入っているので

電源ランプが赤色に点灯した後、オレンジ色になります。アダプタがPCからの接続待ち状態に
なっていて、テレビの電源を入れて繋いだHDMI入力に切り替えると

こんな画面が表示されています。初期状態で1080pで表示されていましたが、1080p未対応の
テレビだとどうなるのか気になるところではあります。あいにく家のテレビはエコポイントが
始まった後にすべて買ったので1080p対応で確認しようがないですね。

インストールガイドを読みながら設定を進めていきます。電源が入ったところで次はPC側からの
操作、スタートメニューのすべてのプログラムからIntel Wireless Displayを起動します。無線LAN
が無効に設定されている場合は予め有効にしておきます。

こんなメイン画面が表示されますが、すでにアダプターが検出されていますね。アダプター名を
クリックして接続ボタンを押すと、

セキュリティー・コードの入力画面に行きます。この状態でテレビを見ると

テレビにセキュリティー・コードが表示されているのでこれをPCのテキストボックスに入力して
続行をクリックします。上手く接続されると

テレビに映像が来ます。なぜかアプリケーションのエラーが出ていますが、特に問題ないみたい
でOKで閉じると

アダプター名の変更画面になります。複数台所有している場合や、どこに設置しているか表示
したい場合は変更するといいと思いますが、面倒なので初期設定のままです。続行をクリック
すると、

これで接続の設定は終了です。通常の無線LANアクセスポイントへの参加に比べれば、暗号化
の設定や暗号キーの入力など不要で最初の段階でアダプターがちゃんと検出されていれば
簡単に設定できる感じです。接続が済めば

アプリケーションには接続済み表示と接続したアダプタのロゴが表示されます。使い終わるときは
ここの切断をクリックするだけです。接続が済んだあとは画面表示の調整で、テレビによりますが
画面表示の上下左右に黒帯が表示されていると思うので

プロパティーのアダプターからテレビの画像サイズの変更をクリックして


黒帯が見えなくなるように+ボタンを押して表示領域を広げます。ウチのREGZAで、Dot by Dot
モードだと15でちょうど良い感じになりました。次にフルHD液晶テレビにハーフHD表示では表示
が荒すぎるので、Windowsの画面の解像度設定から

テレビの解像度である1920x1080を選択して解像度を上げます。テレビのパネルがハーフHD
だと1360x768あたりがちょうどいいと思いますが、その辺りは環境に合わせて調整する必要が
あります。これで1080p出力になりました。ケーブルで繋ぐ通常のテレビ接続と同じく、テレビと
PCの液晶に同じ画面を映す複製モードとテレビとPCの液晶に別々の表示を行うマルチモニタ
モード・テレビにのみ表示するモードの3種類が利用できるので、使い方によって選択できるのは
便利ですね。

デスクトップを表示させた状態ですが、Aero Glassも問題無く描画されていますし表示品質は
ケーブルで繋いだ場合と大差ありません。テレビで表示するのを想定しているようで、マウス
ポインタが大きくなりますが設定で変更できます。特にこのままで問題無いかと思います。
あとはテレビとPCをケーブルで繋いだ場合と同様に

オフィスソフトを利用してプレゼンや資料作成を行ってみたり、

動画の再生なんかも行えます。音声も一緒に乗っていくのでテレビのスピーカーから音が出ます。
なかなか便利です。遅延については結構あり、コードレスマウスでテレビ画面を見ながら操作
するとさながらリモートデスクトップを操作しているような感じがします。これでゲームをやるのは
ちょっと厳しいでしょうね。描画に利用しているIntel HDグラフィックス3000もそれほど高性能
ではないですし。このVAIOの場合は高性能なAMD Radeon HD 6630MというGPUが乗って
いますが、そちらに切り替えるとWiDiが利用できないため歯がゆいです。なお、WiDiで表示
している間も通常のWi-Fi接続は問題無く使えるためインターネット動画の再生にも利用
できますね。

と、一通り使ってみましたが一番のメリットはやはり対応PCであれば何もハードウェアを追加せず
にサクッとワイヤレスで繋いで表示出来ることですかね。ビジネス向けモデルなら大半がHD
グラフィックス3000を利用しているため、後はCPUと無線LANモジュールとOSの条件を揃える
だけでWiDiが利用でき、プレゼンの際に威力を発揮しそうです。予めプロジェクターや大型液晶
テレビなどにこのアダプタを設置しておけば、会議の際にノートPCを持ち込み簡単な操作で出力
できますからね。PCの配置もケーブルの長さにとらわれませんし、Wi-Fi対応プロジェクタである
必要もないのでかなりお勧めです。ホームユースだと、表示の遅延や対応PCの少なさから
ちょっと難しい部分もありますが、リビングの大画面テレビで家族で旅行の写真や動画を楽しん
だり地図を表示して計画を立てるのにも便利かと思います。ノートPCの画面サイズだと、みんな
で集まって見るには小さいですしテレビにケーブルで繋ぐとなると操作しやすい位置にPCを
置いたとき、テレビまでかなり長いケーブルを利用しないと余裕を持って接続できないですしね。
最近のテレビはDLNAクライアント機能が標準装備されつつあるので、その辺りとのバッティング
もありますがやはりPCの画面をそのままテレビに映せるという意味では、有用な選択肢だと
思います。価格もお手頃ですし、テレビによくノートPCをつないで使う人でWiDiに対応したPC
を利用しているならこちらの導入で準備や後片付けがより楽になります。

気になる点は何度か書いた通り対応マシンの少なさです。WiDiを普及させたいなら、ノートPC
メーカーは今後無線LANアダプタをIntelで統一して欲しいですね。もしくはIntel以外の無線LAN
アダプタでも使えるようにするとか。勿体ないです。

追記:2021/09/05


最近ご無沙汰でしたが、ふと思い出して調べたところアップデートでMiracastに対応したとの
ことで、これならPCだけでなくスマートフォン等からも表示できるようになるのでアップ
デートしようとしたところWiDiソフトウェアはWindows 10で動かないんですよね・・・。
Windows 7でかつWiDi対応のPCでないとアップデートできないのですが、たまたま手放す
直前のWiDi対応PCがあったのでそっちで接続してアップデートできました。WiDiソフト
ウェア自体も最新のものに上げる必要があって探すのに苦労しましたが、アップデート
してしまえばWiDiソフトウェアに用はないのでアップデートしていない人はどうにか
Windows 7でSandyBridgeかIvyBridgeあたりのノートPCを仕入れて何とかするしか
なさそうです。

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